プログレ のレビュー

IL BALLETTO DI BRONZO / YS

1972,ITALY

イタリアの4人組プログレッシブ・ロック・バンドIL BALLETTO DI BRONZOの2ndアルバムYS。

1stではサイケ風味なポップス寄りプログレを演っていたようですが、ジャンニ・レオーネ(Key/Vo)が参加した本作では、オルガン、ピアノ、メロトロン、モーグ、スピネット、チェレスタといった鍵盤群が縦横無尽に暴れる暗黒プログレを展開。

ゲストの女性コーラスによる不穏なハーモニーをフィーチュアした異教のミサのような妖しいムードの#1。モジュレーションを掛けた痺れギター、スピネット(小型ハープシコード)の厳かな音色による変拍子不条理アルペジオ、などなど、これでもかと畳み掛ける中間部での熱にうなされたかのような怒涛のインプロビゼーションが圧巻。
#1のムードを引き継ぎ、ラストはスピネットの妖しくも典雅なインストゥルメンタルで締めくくる#2。
メロトロンの白玉がもたらす叙情を帯びた静寂を突き破り、不条理リフが性急な3連リズムでのたうつ#3。
オルガンを中止とした攻撃的で緊張感あるアンサンブルの#4。
モジュレーションを掛けたギターとベースの不気味なユニゾン・リフをバックに、アバンギャルドなピアノと女性コーラスが断末魔の叫びを上げるヘヴィな#5。

初期KING CRIMSONを病的に屈折させた感じのインストパートが、とにかくインパクト絶大です。

Track List

1. Introduzione
2. Primo Incontro
3. Secondo Incontro
4. Terzo Incontro
5. Epilogo

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JACKSON HEIGHTS / Ragamuffin’s Fool

1972,UK

元NICEのリー・ジャクソン(B/Vo)が結成したブリティッシュ・ロック・バンドJACKSON HEIGHTSの1972年3rdアルバムRagamuffin’s Fool。

ボーカルとピアノの瑞々しい演奏にメロトロンがうっすらと加わる爽やかな#1。
白玉メロトロンがメランコリックなムードを演出するバラード・タッチの#2。
メジャー・セブンスに乗ったおしゃれな序盤から一転してエレピがジャジーに展開する#3。
澄んだトーンのピアノにアコギのカッティングが絡み、そこにジワジワとが加わるメロトロンがトリ肌の#4。
ジャジーなムードの#5。
ホンキー・トンク風ピアノがリードするリラックスした#6、#8。
メロトロンをバックにエチュードのようなピアノの伴奏がクラシカルで厳かな叙情を呼ぶ#7。
バンジョーとフィドルを使用したカントリー・ナンバー#9。
美しいコーラス・ハーモニーと煌びやかなピアノのオブリガードが印象的な#10。
等々、曲調はバラエティに富んでいながら、サウンドはブライアン・チャットン(Key)の優雅なピアノを中心にしたアレンジにメロディアスな歌メロが乗るスタイルで統一されており、キャッチーなフックを持ちつつもピアノの端整なフレージングがもたらす気品が格調高さすら醸し出す独特のメロディアス・ロックが楽しめます。

Track List

1. Maureen
2. Oh You Beauty
3. As She Starts
4. Be Bop
5. Catch a Thief
6. Ragamuffin's Fool
7. Chorale(Five Bridges Suite)
8. Chips and Chicken
9. Poor Peter
10. Bellyfull of Water

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カテゴリー: JACKSON HEIGHTS

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JONESY / No Alternative

1972,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドJONESYの1stアルバムNo Alternative。

メロトロンを使用した叙情プログレでお馴染みのJONESYですが、特にこのデビュー・アルバムではメロトロンが大活躍。といいますか、ほとんど常時鳴っています。

上品で儚げな白玉ストリングスを聴かせる英国らしい叙情チューン#2や、メロディアスなボーカル・パートを丁寧なバッキングでサポートする#5など典型的な泣きのメロトロンは当然として、このJONESYが凄いのは繊細なメロトロンを普通のキーボード同然にタフに使ってしまっているところ。

#1におけるスリリングな単音3連フレーズによるギターとのユニゾンやハーモニー。
リフを主体としたヘヴィなブルーズ・ロックで、ギターと対等にダーティなオルガンによるパワー・コードのバッキングをこなす#3。
性急なリズムをバックに#1同様にギターとの単音ユニゾン/ハーモニーで迫りつつ、バッキングではダーティなコード・ワークで咆哮するヘヴィなジャズ・ロック#4。
ファンキーなグルーヴにメロトロン・ストリングスが映えるメロディアスな佳曲#6。

2ndでは一部の曲でインプロビゼーションに挑戦し、若干痛い事になってしまっている彼らですが、この1stでは得意技の叙情とブルーズ・ロックをベースにしたヘヴィネスを等身大でプレイ。メロトロンを惜しみなく使うチャレンジ精神や、微妙なミスタッチやズレが、逆にデチューン効果でサウンドの幅と味わいを醸し出している#1など、若さ故の怖いもの知らず的な部分等、微笑ましくも憎めない中途半端な所が英国らしくて好きですね。

Track List

1. No Alternative
2. Heaven
3. Mind of the Century
4. 1958
5. Pollution
6. Ricochet

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カテゴリー: JONESY

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KHAN / Space Shanty

1972,UK

スティーヴ・ヒレッジ(G/Vo)を中心とした企画バンドKHANの1972年唯一作。

ブルーズ・ロック、ジャズ・ロック、サイケ・ポップが渾然一体となったサウンドは一聴すると掴み所無いですが、実はきちんとアレンジされた計算ずくのカッコ良いアート・ロック。
主役は勿論ヒレッジですが、ゲスト参加のURIEL~ARZACHEL時代の盟友デイヴ・スチュワート(Key)がオルガンやエレピで後のHATFIELDやNATIONAL HEALTHの片鱗を伺わせるユーモアがありつつも神経質なくらい細かいフレーズで楽曲を彩る独特のセンスを発揮しています。
随所にギターとオルガンのハモリや同じフレーズを追いかけっこのように奏でる完全にコンポーズされたスリリングなパートが配され、ヒレッジのベタとも言えるロック・ギターの常套句を連発させるアドリブのソロ・プレイとの対比もおもしろいですね。
ボーカル・パートのサビで見せる叙情性や、変拍子を自然に聴かせるセンスにCARAVANみたいな雰囲気も。どの楽曲も一筋縄では行かない内容の濃さ。これで当時20歳かそこらだったというから驚きと共に嫉妬すら感じてしまう脅威の1枚。

Track List

1. Space Shanty
2. Stranded
3. Mixed Up Man of the Mountains
4. Driving to Amsterdam
5. Stargazers
6. Hollow Stone

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カテゴリー: KHAN

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LATTE E MIELE / Passio Secundum Mattheum

1972,ITALY

イタリアの3人組プログレッシブ・ロック・バンドLATTE E MIELEの1stアルバムPassio Secundum Mattheum(受難劇)。

バッハの「マタイ受難曲」からインスピレーションを得、叙情的なメイン・メロディをベースにクラシックをはじめロックやジャズの要素を巧みに織り交ぜて編み上げたコンセプト・アルバム。
テーマがテーマだけに、ローマ法王御前演奏を行ったと言う伝説もあながちウソでも無さそう。
それにしてもそれが本当だとしたら、さすが音楽の歴史ではヨーロッパでも屈指のイタリアらしく懐が深いというか、よくこんなうるさいのが許されたものです。驚きです。

#4におけるロックなドラミングをバックにしてのチェンバロの厳かなアルペジオ、#5での混声合唱団のコーラスから自然に移行するアナログ・シンセのメロディ、ジャジィなピアノがリードする#6、スラッシュ・メタルの元祖かのようなシュレッドなギター・リフに、場末のジャズ・ピアノ、メロトロンが絡み壮大でスペイシーなシンセのメロディで絶頂を迎える#9と、当時若干16,17歳のメンバーが居た若いバンドとは思えない音楽的キャパシティの広さと老練な構成力に驚愕。
アコギとピアノを従えたハイトーンの歌唱が美しい#8、チャーチ・オルガンの荘厳なインストゥルメンタル#10、合唱団と語りで淡々と物語を紡ぐ#11、アルバム冒頭の合唱団を交えたテーマ・メロディを控えめに繰り返し余韻を残す#12、といったあたりのクラシカルなタッチの楽曲では確かな音楽的素養も感じさせます。

重いテーマをものともしない躍動感溢れる演奏と、多ジャンルの音楽的要素を力技で融合してしまうチャレンジ精神が眩しすぎます。

Track List

1. Introduzione
2. Giorno DeGli Azzimi
3. Ultima Cena
4. Getzemani
5. Processo
6. I Testimoni, Pt. 1
7. I Testimoni, Pt. 2
8. Pianto
9. Giuda
10. Re Dei Giudei
11. Calvario
12. Dono DeLla Vita
13. Mese di Maggio

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MATCHING MOLE / Matching Mole

1972,UK

SOFT MACHINEを脱退したロバート・ワイアット(Dr/Vo)が元CARAVANのデイヴ・シンクレア(Org/P)、元DELIVERYのフィル・ミラー(G)、元QUIET SUNのビル・マコーミック(B)と結成したバンドの1972年1stアルバム。

メロトロンがリードする素朴で美しすぎるバラード#1から冒頭の3曲では構築された美を提示。
一転してテーマ・メロディだけ設定して後はやりたい放題の#4、#3の続きのようなスキャットから始まりデイヴ・シンクレアのファズ・オルガンが唸る#5、SEのような導入部から怒涛のソロ・パートに突入する#6では、インプロビゼーションを盛り込んだスリリングなジャズ・ロックを展開。
終盤は各楽器のノイズをSEのようにコラージュした(フリー・インプロビゼーション?)#7や、その流れのままメロトロンによる白玉即興で美しくも不穏かつスペイシーなムードを醸成する#8で実験的な試みも見せた野心作です。

Track List

1. O Caroline
2. Instant Pussy
3. Signed Curtain
4. Part of the Dance
5. Instant Kitten
6. Dedicated to Hugh, But You Weren't Listening
7. Beer as in Braindeer
8. Immediate Curtain

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OSANNA / Milano Calibro 9

1972,ITALY

イタリアのプログレッシブ・ロック・バンドOSANNAの2ndアルバムMilano Calibro 9。

映画のサウンドトラックで、作曲家ルイス・エンリケ・バカロフによる美しくドラマティックなストリングス・セクションにバンドのロック・サウンドが融合。
バンドが主導する小曲集の#3~#9では、暴虐のサックスとギターのユニゾンが痺れるヘヴィなジャズ・ロック、牧歌的フォーク、エキゾチックなラテン風味、ハード・ロックなど幅広い音楽性を高度なアンサンブルと爆発的なパッションで一気に聴かせる。
ギターやドラムからなるハード・ロック的音像を中心に、ある時は静謐で又ある時は吹き散らすフルート、幽玄なヴィブラフォン、スペイシーなモーグといった個性豊かな楽器を適所にフィーチュアするさじ加減も見事。
美麗なストリングスをバックに歌い上げるラストのカンツォーネは感動の一言。

Track List

1. Preludio
2. Tema
3. Variazione I
4. Variazione II
5. Variazione III
6. Variazione IV
7. Variazione V
8. Variazione VI
9. Variazione VII
10. Canzona

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カテゴリー: OSANNA

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PARLOUR BAND / Is a Friend?

1972,UK

英国のロック・バンドTHE PARLOUR BANDの1972年唯一作。

基本フォーク・ロックで、マイルドなリードボーカルと美しいハーモニーを中心にオルガンや時にハード・エッジなギターも絡め、アメリカンほど爽やかには抜け切らない英国らしく少々くぐもった独特な優しいサウンドを展開してます。ほとんどが3~5分台のコンパクトな楽曲で、一部に女性コーラスを使用したりとメジャー志向も感じられますが、冒頭の寂寥感たっぷりなエレピから紡がれる7分超の大作#10にみられる場面転換や哀愁のサビなどは時代を反映したアーティスティックな路線でバンドの力量を思い知らされます。

Track List

1. Forgotten Dreams
2. Pretty Haired Girl
3. Spring's Sweet Comfort
4. Early Morning Eyes
5. Follow Me
6. Evening
7. Don't Be Sad
8. Little Goldie
9. To Happiness
10. Home

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カテゴリー: PARLOUR BAND

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PREMIATA FORNERIA MARCONI / Storia Di Un Minuto

1972,ITALY

イタリアの5人組プログレッシブ・ロック・バンド PREMIATA FORNERIA MARCONIの1972年1stアルバムStoria Di Un Minuto。

イントロの#1のムードを引き継ぎ静かな叙情を湛えて始まる#2。静かなボーカル・パートと交互に訪れるインスト・パートでは一転して静から動へ変化、メロトロンの白玉をバックにズ太いシンセのリフレインがドラマティックに鳴り響きます。
#3は、後の世界デビューとなったマンティコア盤にも収録された洗練されたバージョンと違い、もっと勢いと迫力を感じさせる生々しい演奏が聴き所。賑やかなロック・パートと繊細なパートの落差が魅力です。
アコギとフルートによるバッキングに語りかけるようなジェントルなボーカルが乗る、どこか郷愁を誘う静かな叙情チューン#4。時折登場するチェンバロの厳かなオブリガードが典雅な彩を加えています。
#4のテーマをオルガンとヴァイオリンで優雅に引き継ぐインストゥメンタル・チューン#5は、間髪置かずにピアノを中心とした3連アップテンポの怒涛のアンサンブルへ、さらにメロトロンにヴァイオリンを交えてのシンフォニックなパートを経て、ジャジーなパートへと目まぐるしく展開。終盤のインプロビゼーション・パートでは、フルートを中心に#3のメロディがエレピで挿入されたりと即興での非凡な力量を見せ付けます。
ヘヴィなリフを序盤と終盤に配し、中間部には叙情的なボーカル・パートとアコギ・ソロを挿入した#6。クラシカルかつフォークなメロディを、圧倒的なテクニックと表現力で奏でるフランコ・ムッシーダ(G/Vo)のプレイが圧巻。
フォーキーで静かなボーカル・パートと、ブラス・セクションを中心に迫力あるインスト・パートからなる#7。

デビュー作にして、ロック/フォーク/ジャズ/クラシックを消化した幅広い音楽性と確かなテクニック、静と動を活かしたドラマティックな構成力、等既にワールド・クラスの実力を感じさせる驚異のアルバムです。

Track List

1. Introduzione
2. Impressioni Di Settembre
3. È Festa
4. Dove... Quando... Parte 1
5. Dove... Quando... Parte 2
6. La Carrozza Di Hans
7. Grazie Davvero

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PREMIATA FORNERIA MARCONI / Per Un Amico

1972,ITALY

イタリアン・プログレッシブ・ロックの至宝PREMIATA FORNERIA MARCONIの1972年2ndアルバムPer Un Amico。

感動のメロディを奏でるシンセとそれを支えるメロトロンの幽玄なトーンでお馴染みの、ファンタジックな代表曲#1。静かなボーカルから徐々に盛り上がるパートの叙情が胸を締め付けます。
ドライヴするギター、ハイハットのカウント、アヴァンギャルドなピアノ、そして舞い踊るヴァイオリン、と各パートがクールに絡み合うジャズ・ロックのインストゥルメンタル#2。中間部の牧歌的なマーチで見せるユーモラスな表情も魅力です。
フルートを中心に叙情を漂わせるイントロから、なんとなく英国のCARAVANあたりを思わせる洒落ていてメロディアスなボーカル・パートに移行する#3。インスト・パートはヴァイオリンのインプロビゼーションから爽快なアコギのコード・カッティングを経て、シンセのファンファーレへとシンフォニックに展開。
アコギをバックに清涼感あるボーカルが乗るキャッチーなフォーク#4。シンセがリードする神秘的なムードのインスト・パートでは、ハープのシャワーが心地良いです。フラヴィオ・プレモーリ(Key)の独演会と化す、シンセのシンフォニック・パート~ピアノ・ソロの豪快さと繊細さの対比も素晴らしいアクセントになっています。
明るいムードの中に神秘性を帯びたボーカル・パートと、ヘヴィで屈折気味のインスト・パートが融合した#5。

後にELPのレーベル マンティコアからリリースされる世界デビュー盤の元ネタではありますが、素朴なプロデュースとイタリア語の響きが彼らの魅力をより忠実に表現していると思います。

Track List

1. Appena Un Po
2. Generale
3. Per Un Amico
4. Il Banchetto
5. Geranio

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RENAISSANCE / Prologue

1972,UK

英国プログレッシブ・ロックの華RENAISSANCEの1972年3rdアルバムRENAISSANCE。

ジェーン・レルフの歌唱をフィーチャーしたオリジナルRENAISSANCEからメンバーが全とっかえ。
アニー・ハズラム(Vo)、ジョン・タウト(Key)、ジョン・キャンプ(B)、テレンス・サリヴァン(Dr)、ロブ・ヘンドリー(G)の5人編成となりました。
ソング・ライティングにメインのマイケル・ダンフォード&ベティ・サッチャーに加え、#2と#5にオリジナル・メンバーのジム・マッカーティが絡んでいる所に過渡期な様子が伺えます。

ショパンの革命を引用したインストゥルメンタル#1で早くもアニーの美しすぎるスキャットが登場。
ジョン・タウトの華麗なピアノがリードしジョン・キャンプがボーカルを取る#2は、オリジナル期を彷彿させる翳りを持ったナンバーでアニーはコーラスのみ参加。
#3でようやくアニーがボーカルを披露。ピアノの端整な演奏をバックに美声を聴かせます。サビのハイトーンが完璧。
アコギとピアノを中心にコーラス・ハーモニーが美しいフォーク・ロック#4。
これまたピアノが美しいボーカル・ナンバー#5。
エキゾチックなムードの中、アニーのクリスタル・ヴォイスによるスキャットが映える#6。

オリジナル期を引き継ぎ、クラシックやフォークの要素を取り入れた歌物中心の端整な楽曲が並んでいます。
ジム・マッカーティによるオリジナル期のムード、エレキ・ギターの存在など、過渡期ならではのレアな味わいの中、Scheherazadeを思わせる#6に黄金期RENAISSANCEの要素の萌芽も垣間見れます。

Track List

1. Prologue
2. Kiev
3. Sounds of the Sea
4. Spare Some Love
5. Bound for Infinity
6. Rajah Khan

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STRAWBS / Grave New World

1972,UK

STRAWBSの1972年5thアルバムGrave New World。
キーボードがYESに加入したリック・ウェイクマンからブルー・ウィーバーにチェンジ。様々な音色とフレーズで個性を楽曲に反映させていた前任者と比べると、一歩下がって俯瞰するかのようなスタンスで目立ちはしないが楽曲に必要不可欠のパートを堅実に演奏しています。

爽やかなアコギにオルガンやメロトロンの装飾とエレクトリック・ダルシマーと思しきソロまで登場するボリューム感満点のポジティブ・ナンバー#1で幕を開け、#5は大仰なイントロとメロトロンの白玉がプログレッシャーの心を鷲づかみに。
美しいコーラス・ハーモニーで始まる#7では、ハーモニウム(足踏みオルガン)にメロトロンやオルガン、そして叙情パートで単音メロディーを奏でるクラヴィオラインとウィーバー大活躍。

美しいメロディに本物のヴィンテージ・キーボードしか出し得ないオーガニックなサウンドが溶け合った至福のひとときが味わえます。

Track List

1.Benedictus
2.Hey, Little Man.... Thursday's Child
3.Queen of Dreams
4.Heavy Disguise
5.New World
6.Hey, Little Man.... Thursday's Child
7.Flower and the Young Man
8.Tomorrow
9.On Growing Older
10.Ah Me, Ah My
11.Is It Today, Lord?
12.Journey's End

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カテゴリー: STRAWBS

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YES / Fragile

1972,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドYESの1972年4thアルバムFragile。

本作から加入したリック・ウェイクマン(Key)のオルガンが印象的な超有名曲#1から各メンバーの全開プレイが楽しめます。
大作主義的な#1,#4,#6,#9以外は各メンバーの個性を前面に出したソロのような作風でコンパクトに仕上げられています。このように大作と小品がバランス良く配置されたアルバム構成に対して、考え過ぎた当時のファンが勝手にこの作品をコンセプトアルバムだと誤解しました。
ただ、あくまでもロック的なアンサンブルの中でのメンバー同士の激突がこのバンドの魅力だと思うんで、ちょっと物足りない感じもしますね。

Track List

1. Roundabout
2. Cans and Brahms
3. We Have Heaven
4. South Side of the Sky
5. Five Per Cent of Nothing
6. Long Distance Runaround
7. Fish (Schindleria Praematurus)
8. Mood for a Day

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YES / Close to the Edge

1972,UK

YESの1972年5thアルバムClose to the Edge。

時に小説単位で行われたレコーディングの断片をテープの切り・貼りによって再構築したという#1がもう最高。川のせせらぎと鳥のさえずりのSEを導入部に仕込むことで牧歌的なイメージを与えておきながら、バンド演奏が始まるとともに突然のフリージャズ寸前の展開に当時の全リスナーが腰を抜かしたであろう衝撃のオープニングでつかみはOK。そして忍耐強く聴き続けた者だけに訪れる緊張からの爽やかな開放感。まさに「アメ」と「ムチ」。この曲は基本的にこのパターンを繰り返しながらオーラスの大団円に向かって徐々に感動の度合いが高まるように構成されています。後世の多くのバンドがこうした手法を模倣しながら未だにこのオリジナルの完成度を越える事ができていない、という事実がいかにこの30年以上前の作品が凄いものであるかを証明しています。
リック・ウェイクマン(Key)が多彩なトーンでチーム・プレーに徹しつつ幻想的雰囲気を醸し出す#2、
各パートの演奏が有機的に絡み合った#3も素晴らしいです。

スリリングでドラマティック、メロディアスでインテレクチュアルなロック史に燦然と輝く名盤。偏執狂的制作スタイルに疲れたビル・ブラッフォード(Dr)はレコーディング後脱退、KING CRIMSONに加入します。

Track List

1. Close To The Edge
(i)The Solid Time Of Change
(ii)Total Mass Retain
(iii)I Get Up, I Get Down
(iv)Seasons Of A Man
2. And You And I
(i)Cord Of Life
(ii)Eclipse
(iii)The Preacher, The Teacher
(iv)Apocalypse
3. Siberian Khatru

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OSANNA / Palepoli

1973,ITALY

イタリアのプログレッシブ・ロック・バンドOSANNAの3rdアルバムPalepoli。

バンドの出身地ナポリ近辺に実在した古代都市パレポリスをテーマとしたコンセプト・アルバム。
古代の息吹を感じさせる妖しいフルートのメロディをとっかかりにリスナーを幻想の世界に引きずり込むと、以降は様々なテーマ・メロディを提示しながら次々に展開し清廉と暴虐、静寂と喧噪が描かれていく。
主にギターがハード・ロック的な荒々しさで激しさを演出し、そこにサックスが絡んで猥雑さをも表現。
一方、メロトロンが神々しく降り注ぐ場面では、芸術的な美しさと制御された構築性も垣間見せる。
ボーカルは変幻自在。バンドが醸成するムードに合わせて叙情的にも扇情的にも変化し、楽曲に魂を吹き込んでいく。

プログレが本国英国を中心に商業的にメインストリーム化するとともに、音楽性的には洗練・重厚長大化していく中にあって、異なるベクトルで独自の世界を切り開いたイタリア勢の白眉といえるアルバム。

Track List

1. Oro Caldo
2. Stanza Citta
3. Animale Senza Respiro

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BADGER / One Live Badger

1973,UK

元YESのトニー・ケイ(Key)を擁する英国の4人組ハードロック・バンドBADGERの1973年1stアルバムOne Live Badger。

デビュー作にしていきなりライブということで、よほど腕に自身があったのか、それとも制作予算が無かったのか・・・その辺は不明ですが演奏はタイト。
鍵盤はブルース・ロックを基盤としたオルガンのプレイが中心ながら、シンセやメロトロン を効果的に使用しプログレ風味を取り入れたオリジナリティを発揮しようとの意欲が汲み取れます。
メインのリフやバッキング、オブリガードなどの構築度が高い分、サビ以外の部分でのヴォーカル・メロディのラフさが気になりますね。ハードロックらしいと言えばその通りではありますが、メロディと歌唱にもう一工夫あれば#5みたいなキャッチーな曲も一段と輝きを増し、バンドそのものも違うステージに行っていたはず。

ともあれ、メロトロン度は高いし、ライブならではの熱さとタイトな演奏が楽しめる好盤ではあります。
ジャケット・アートはロジャー・ディーン。

Track List

1.Wheel of Fortune
2.Fountain
3.Wind of Change
4.River
5.Preacher
6.On the Way Home

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CARAVAN / For Girls Who Grow Plump in the Night

1973,UK

CARAVANの1973年5thアルバムFor Girls Who Grow Plump in the Night。

デイヴ・シンクレア(Key)が復帰したものの、作曲・歌唱の一翼を担っていたリチャード・シンクレア(B/Vo)が脱退し、ほぼ全曲を書き上げたパイ・ヘイスティングス(G/Vo)のまさに独壇場。前作のジャズ・テイストはかなり後退し、クールでキャッチーなポップ・テイストが爆発しております。
しかし、単に軽いだけのポップに陥らないのがCARAVANの凄い所。従来のオルガンに加え、当時最先端のARPやDAVOLI等シンセサイザーが随所に導入されフックとなりながらも、一方では新加入したピーター・ジェフリー・リチャードソン(Viola)のヴィオラがオーガニックな気品をプラスしバランスを取ってる感じです。

ギター・リフがリードするソリッドなポップ・ロックに管楽器隊をバックにしたフルートの叙情パートが融合した前半と、サビの一瞬の叙情が堪らないシャッフル・ナンバーによる組曲#1。
7拍子をセンス良く料理した、ギターのハギレ良いカッティングによるポップ・チューン#2。
くすんだエレピとリチャード・コフラン(Dr)の軽快なフィルが印象的で爽やかに仕上がった#3。
ミステリアスなリフに乗った#4。
シンセとヴィオラが巧く溶け合って、優しいムードを醸し出すメロディアスな#5。
エレクトリック・チェロのリフがリードする前半とコンガに乗ったムーディな後半からなる組曲#6。
そして前作でも試みられたオーケストラの導入をより進めた#7では、英国ロックではお馴染みのマーティン・フォード指揮のオーケストラとバンドが融合し、シンフォニックでドラマティックなサウンドを完成させております。

Track List

1. Memory Lain, Hugh / Headloss
2. Hoedown
3. Surprise, Surprise
4. C'thlu Tmu
5. The Dog, The Dog, He's At It Again
6. Be Alright/Chance of A Lifetime
7. L'Auberge Du Sanglier / A Hunting We Shall Go / Pengola / Backwards / A Hunting We Shall Go(Reprise)

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カテゴリー: CARAVAN

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CERVELLO / Melos

1973,ITALY

OSANNAのダニーロ・ルスティッチを兄に持つコラード・ルスティッチ(G/Vo)のバンドCERVELLO唯一のアルバムMelos。
リリース当時、コラードは何と16歳。

ファルセットの男性コーラスがプリミティブな妖艶さを演出するオープニング・チューン#1。中盤の変拍子を盛り込ん
だジャズ・ロック的バッキングにエフェクトを掛けたボーカルが乗る場面は、KING CRIMSONの影響も伺わせます。
フルートやヴィブラフォンがアコギのアルペジオと美しくも妖しく織り成す静謐で神秘的なパート、うねるサックスと
ギターがボーカルと饗宴を繰り広げる暴虐パートとの真逆の対比が鮮烈な#2。
リコーダーの素朴な音色による爽やかさに、複雑な音使いのギターのアルペジオが混沌を付加しつつも均衡を崩さない、インテリジェンスを感じさせる#3。
激しく展開する変拍子にサックスとギターがユニゾンやハーモニーで絡み合うテクニカルな#4。
2本のフルートのハーモニーが叙情を呼ぶ序盤から、サックスを中心に壮大なスケールの後半に発展する#5。
サックスとギターのユニゾンが、リズム隊の繰り出す追い立てるようなグルーヴの上を乱舞する#6。
バックのギターのアルペジオに2本のフルートとボーカルが乗るエンディングの小品#7。

古代ギリシャの叙事詩メロスを題材にしたコンセプト・アルバムで、キリスト教的概念からすると邪教と言える多神教
のギリシャ神話の世界をヘヴィでインテンスなアンサンブルで禍々しく描く一方、ハッとする静謐さを湛えた神秘的なパートでは調和の取れた美をも表現。
イタリアのヘヴィ・シンフォにありがちなドラムのバタバタ感が無く、洗練された印象を受けます。

Track List

1. Canto del Capro
2. Trittico
3. Euterpe
4. Scinsione
5. Melos
6. Galassia
7. Affresco

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CMU / Space Cabaret

1973,UK

アシッド・フォークを母体とするCMUの1973年2ndアルバムSpace Cabaret。

アコギをバックにヴォーカル・ハーモニーで迫る部分などはまさにフォーク由来ではあるが、しゃれたコード進行やアンニュイな女性ヴォーカル、カンタベリー・ミュージックを想起させるファズ・オルガンといったジャズ・ロック的要素も。
終盤の長尺2曲では、サイケ感覚やダークなテイストを盛り込みドラマティックな展開を見せる#6や、シンセやオルガンが大活躍の#7などで同時期に最盛期を迎えたプログレッシブ・ロックバンド達に引けを取らないスケールの大きさをも感じさせます。
バンドの中心人物ロジャー・オデール(Dr)は後に80年代になるとSHAKATAKを結成、その都会的でポップなフュージョン・サウンドは某トレンディ・ドラマの挿入歌になるなど日本でも大ブレイクしますが、その片鱗も既にかすかに感じさせるキャッチーなサウンドと流麗な演奏は聴いていて心地良さ抜群です。

Track List

1.Space Cabaret
2.Archway 272
3.Song From The 4th Era
4.Distant Thought A Point Of Light
5.Doctor Am I Normal
6.Dream
7.Lightshine

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カテゴリー: CMU

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EMERSON LAKE & PALMER / Brain Salad Surgery

1973,UK

荘厳なオルガンで幕を開ける#1のイントロからノック・アウト必至なELPの1973年5th。

キース・エマーソンのオルガンはもとよりグレッグ・レイクの歌声が気品に満ちています、オルガンがグイグイ引っ張るミステリアス&ヘヴィな#2でもムーグの味付けがスペイシーかつアバンギャルドでナイス。狂気のような前曲から打って変わって#3は優しいグレッグ・レイクのボーカルが癒してくれます。アコギのアルペジオも良いですね。#4はお約束のホンキートンク・ナンバー。チューニング甘めなピアノによる楽しい曲もELPの、っていうかキース・エマーソンの魅力ですね。そして#5。30分にも及ぶ長尺ながらELPのエッセンスが凝縮されており、どこを切ってもELP風フックの嵐。オルガン、ピアノ、ムーグは勿論大活躍。でも一番好きなのは、グレッグ・レイクによる(と思われる)エレキ・ギターによるスリリングにして荘厳なテーマ・メロディ。毎回、身震いするほどの感動と興奮を与えてくれます。

Track List

1. Jerusalem
2. Toccata
3. Still...You Turn Me On
4. Benny the Bouncer
5. Karn Evil 9: 1st Impression, Pt. 1
6. Karn Evil 9: 1st Impression, Pt. 2
7. Karn Evil 9: 2nd Impression
8. Karn Evil 9: 3rd Impression

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