FROST のレビュー

FROST / Milliontown

2006,UK

プロデューサー、コンポーザーのJEM GODFREY(Key/Vo)が中心となり 、UKのプログレ・バンドIQのAndy Edwards(Dr)、John Jowitt (B)、ARENAのJohn Mitchell(G/再結成IT BITESでも活躍中!)らからなるプログレ・バンドFROST 衝撃のデビュー・アルバムMilliontown 。

とにかくこのJEM GODFREYなるオッサン(1971年生まれ)のセンスが爆発したテクニカルなプログレッシブ・ロックがバリバリ 全開。
この音像でシャウトするVoとヘヴィなギターリフでもあれば、プログレ・メタルなんていうありがちな烙印(失礼)を押されてるところだろうが心配は無用。サウンドのそこかしこのムードや渋めのヴォーカルに英国らしい翳りが感じられてナイス。
これはタダ者じゃありません。オープニングを飾るインストゥルメント・ナンバー#1冒頭の静かなパートでの7拍子なピアノによるリフレインでもう感じまし たね。あ、これは来るな、と。そしたら来ましたよ、バンドが勢揃いしての怒涛のヘヴィ・プログレ・パートが。この音圧と若干変態っぽい不条理な転調が もう堪らなくイカしてます。
#4ではデジタルなブレイク・ビーツによる現代風ファットなグルーヴを取り入れており、単なる懐古趣味バンドでない事を物語ってます。
そして、デビュー・アルバムから何といきなり26分という長尺の#6が最大のハイライト。
序盤のピアノの調べをバックに英国っぽい思索ムードなヴォーカル・パートで進行し、ズ太いシンセによるリフでグイグイと スリル満点で来るあたりはトリ肌全開。
全体的にヘタにメロトロンとかの小道具に頼らず(#3イントロは若干それ風だけど)、最新デジタル・シンセを惜しげも無く 大放出してのサウンド・メイキングが潔く、シャウトしないが男っぽいヴォーカルもケレン味無くて好感ですね。又なによりも、甘くは無いがキャッチーなメロディが随所に散りばめられており、なお且つカッコ良い!

Track List

1. Hyperventilate
2. No Me No You
3. Snowman
4. The Other Me
5. Black Light Machine
6. Milliontown

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FROST / Experiments in Mass Appeal

2008,UK

英国プログレ・バンドFROSTの2008年2ndアルバムExperiments in Mass Appeal。

鮮烈な印象だった1stのオープニングから一転。今回のオープニングはいきなりの思索路線。
そう来たかと思わせといて、お待ちかねFROSTの代名詞とも言えるズ太いユニゾン・リフも#2で登場。ミステリアスな序盤からスケールの大きなサビを持つこの楽曲においても強力なフックとなっています
。突き抜け切らない高揚感(英国モノはこのサジ加減が大事!)を持つ#3のサビは思わず肩が揺れる程POPでグルーヴィ。その後の変態的アンサンブルとの落差が又効いてます。
シンセによるディストーションギター風単音メロディに導かれ、怒涛のシンフォニックな音のシャワーに突入する#5の冒頭。これは快感です。ポルタメントを効かせたシンセの高速分散和音アルペジオが興奮に追い討ちをかけます。

楽曲自体はJemお得意のデジタルグルーヴを活かしたコンテンポラリーなものですが、POPなメロディにヘヴィネスとクラブ/ダンス方面のエッセンスを加えたこのセンス。FROSTのような真にプログレスするサウンドを聴かせるバンドは他に見当たらないんじゃないでしょうか?

Track List

1. Experiments In Mass Appeal
2. Welcome To Nowhere
3. Pocket Sun
4. Saline
5. Toys
6. You/I
7. Falling Down
8. Dear Dead Days
9. Wonderland

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FROST / The Philadelphia Experiment

2010,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドFROSTのライブ・アルバム2010年作The Philadelphia Experiment。

ペンシルベニア州グレンサイドにて開催された、2009年5月のRoSfest(アメリカのプログレッシブ・ロック・フェスティバル)2日目に登場したバンドのパフォーマンスを収録。
アルバム・タイトルは開催地近郊の都市フィラデルフィアと最新スタジオ・アルバムのタイトル名Experiments in Mass Appealから、1984年の同タイトルの映画をもじったものと思われます。
メンツは、ジェム・ゴドフリー(Key/Vo)、ジョン・ミッチェル(G)、ジョン・ジョウィト(B)、デクラン・バーク(G)に、脱退したアンディ・エドワーズに代わりSPOCK’S BEARDより助っ人ニック・ディヴァージリオ(Dr)を加えた5人組。さすがに実力派のベテラン揃いとあって、スタジオ・バージョンで見せたテクニカルなキメもバッチリ。
ジェム・ゴドフリーは、DISC 1 #9でプリセットの動物の鳴き声パッチでふざけたりとリラックスしたムードで、ローランドの最新デジタル・シンセを活用し、繊細なピアノからズ太いリード・シンセまで幅広いプレイを披露。
アカペラ・バージョンとなったDISC 1 #8の女性スキャット・ヴォイスもまんまローランドのサンプルですね。
ヴィンテージ楽器の音と人力プレイに拘り、それこそが”本物”と崇めるプレイヤーやリスナーの気持ちも分かりますが、70年代はそれら”ヴィンテージ楽器”こそ、当時最先端の機材だったはず。現代で言えば、ジェム・ゴドフリーが使用しているV-Synthなどがそうだ。
こういった最新鋭の楽器の持つ可能性にインスパイアされて楽曲を創造するのもプログレッシブな姿勢だと思います。

DISC 2 #3は、スタジオ・レコーディングの新曲The Dividing Line。太いデジタル・シンセのリフをベースにしたシャッフルが新鮮な序盤から、テープ逆回転、エレクトリック・ヴァイオリン等、趣向を凝らしたインストゥルメンタル・パートを包含し、キャッチーなボーカル・メロディが乗るFROSTらしい聴き応えたっぷりの16分超の楽曲に仕上がってます。

DISC 3はFROSTのオフィシャル・サイトにYoutubeでちょくちょくアップされている感じのジェム・ゴドフリー撮影による42分のドキュメンタリー映像を収録した映像とThe Dividing Lineの5.1CHサラウンド・ミックスを収録したDVD。
ライブを控えた地元イギリスでDISC 1 #1の行進する足音をサンプリングする様子など準備状況や、ホテルでDREAM THEATERのジョーダン・ルーデスとiPhoneの楽器系アプリで遊ぶ様子など、いつもながらハイパーなジェム・ゴドフリーの笑い声を中心にした映像が楽しい。

Track List

DISC 1:
1. Intro
2. Hyperventilate
3. The Forget You Song
4. Wonderland
5. Falling Down
6. Black Light Machine
7. Experiments In Mass Appeal
8. Snowman
9. Story Time
10. Pocket Sun
11. Saline
12. Dear Dead Days

DISC 2:
1. Milliontown
2. The Other Me
3. The Dividing Line

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FROST / The Rockfield Files

2013,UK

英国の現代型プログレッシブ・ロック・バンドFROSTのスタジオライブ。

オーディエンス無しなのでライブならではの臨場感は希薄ながら、録音やミックスの良さもあってFROSTらしい音の密度とスリリングなアンサンブルが楽しめる好盤。

アレンジをスタジオ盤とは変えている部分もあるが、それがまた新鮮でカッコ良く、改めて楽曲自体の素晴らしさを認識させられる。

ジェム・ゴドフリー(Key/Vo)の弾くキーボードは基本的に最新のデジタル・シンセで、70年代回顧型プログレ・バンド達の好むヴィンテージな音色とは一線を画したソリッドなものなのだが、スタイリッシュなFROSTの音楽性に非常にマッチしている。例えば、ジョン・ミッチェル(G/Vo)が所属するもう一つのバンドIT BITESのジョン・ベックが90年代の良さを漂わせる変幻自在のキラキラ・トーンで楽曲をデコレーションするのとはまた違った方向性で、もっとグイグイと自ら楽曲を牽引する感じなのが新しい。

#2は新曲。BEATLESやELOを微かに香らせる英国ポップらしいキャッチーなメロディを抜群のセンスによるアレンジでプログレッシブに仕上げた中々の名曲。ポリリズムの中、トリッキーなドラミングが印象的なインスト・パートがプログレッシブで、ポップな歌唱パートと良い意味でのギャップを生み出している。
今回はアコースティック・セッションとして収録されたメロウなもう一つの新曲#7と合わせて、2014年リリース予定の新作アルバムに期待が高まります。

Track List

1. Hyperventilate
2. Heartstrings
3. Black Light Machine
4. Dear Dead Days
5. Pocket Sun
6. Milliontown
7. Lantern
8. Black Light Machine

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FROST / Falling Satellites

2016,UK

英国の新感覚プログレッシブ・ロック・バンドFROSTの3rdアルバムFalling Satellites。
しばらく音沙汰が無かったが、ジェム・ゴドフリー(Key/Vo)はそのセンスと演奏力を買われてジョー・サトリアーニの2012年G3ツアーに参加したり、FROSTとしてスタジオ・ライブをリリースしたり、ジョン・ミッチェル(G/Vo)は個人のプロジェクトLONELY ROBOTでアルバムをリリースしたり、と忙しくしていた模様。

アルバムのイントロ的な小品#1。
無機的なシンセのシーケンス・リフとエモーショナルなサビが融合。これぞFROSTと思わず膝を打つ、心地よい疾走感を持った3拍子のスタイリッシュなナンバー#2。
DAWでの編集では無くシンセに搭載されたフレーズ編集機能を使用したと思われる#3。ハイテク機械の動作音や衝撃音などのSEやサンプリングした演奏の断片をデジタルで再構成し、ロックな躍動感を演出する手法が斬新。
キャッチーなメロディに耳が行きがちだが実は5拍子や7拍子など複雑に拍子が入れ替わる#4。
ゲストの女性ボーカルと煌びやかなシンセがムーディで幻想的な世界を醸し出すメロウな#5。
スタジオ・ライブ作The Rockfield Filesでいち早くお披露目されていた#6-a Heartstrings以降は組曲となっており、#6で提示された様々なモチーフが組曲を構成する各曲に登場する。
#6-a自体はThe Rockfield Filesでのライブ・バージョンのカッコ良さとキャッチーさはそのままに、サビでのシンセ・オーケストレーションが厚くなり、よりシンフォニックさを増した印象。スリリングなポリリズムがリスナーを幻惑する中間部インスト・パートも、ネイサン・キング(B)とクレイグ・ブランデル(Dr)のリズム隊がバンドに馴染み、ヘヴィさを増している。
終盤にロックなインスト・パートを持つ、ハワード・ジョーンズ風シンセ・ポップ・ナンバー#6-b。
クレイグ・ブランデルの手数王ドラミングが緩急と静動を巧みにリードする21世紀型プログレ・チューン#6-c。
#6-aのリフを軸にシンセのオーケストレーションを施した#6-d。前半のヘヴィでダークなムードから、テーマ・メロディを経て終盤は希望的パートや疾走歌唱パートに発展。
#6-aのテーマ・メロディを長い白玉にし、ブ厚く重ねたシンセで織り込んだシンフォニックなサウンドスケープ#6-e。
組曲のラストであるとともに、#1と対比させたタイトルでアルバムを締めくくるピアノ・バラード#6-f。

FROSTといえば、単なる装飾やソロに止まらずリフとして楽曲をリードするなどグイグイ来る芸風のジェム・ゴドフリーによるズ太いデジタル・シンセが最大の特徴だが、今回もこれは継続。また、機材マニアのジェム・ゴドフリーならではの味付けも施されており、現代的なプログレの旗手としての存在感は絶大。IT BITESのジョン・ベックも最新機材の使い手だったが、ジェム・ゴドフリーもその系譜を継承しつつダンス系のビートも取り入れて現在進行形のプログレッシブなロックを創造している。

Track List

1. First Day
2. Numbers
3. Towerblock
4. Signs
5. Lights Out
6.
a. Heartstrings
b. Closer To The Sun
c. The Raging Against The Dying Of The Light Blues
d. Nice Day For It.
e. Hypoventilate
f. Last Day

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