COMUS のレビュー

COMUS / First Utterance

1971,UK

英国アシッド・フォークCOMUSの1971年1stアルバムFirst Utterance。

アコギ、フルート、オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ、パーカッションと全てアコースティック楽器で繰り広げられる、呪術的で土着的でいながらドリーミーでメロディアスな暗黒フォーク。全編に漂うテンションの高さは相当です。
白眉は#2。中間部のアコギ・ソロが深遠な暗黒ムードを醸し出し、終盤は妖しくも儚げな女性Voがメロディを紡ぎます。これがこの世のものとは思えない美しさ。
完全にイッっちゃってる男性Voと軋むヴァイオリン、女性ヴォーカルの超高音スキャットがトライバルなパーカッションによるビートに乗って踊り狂う#3。
2本のアコギによるアンサンブルと男女Voのユニゾン、フルートとヴァイオリンのハーモニーによる緻密で理性的な構築美と、土着ビートとイカれた男性Voによる本能の叫びが奇跡の融合を見せるテーマ・ソング#4。
アヴァンギャルドなインスト#6。
牧歌的とも言える展開から土着パーカッションに導かれ狂気のシャウトで盛り上がる#7。
これら狂気の暗黒フォークがなぜか心地良く感じられるんですよね。

Track List

1. Diana
2. The Herald
3. Drip Drip
4. Song To Comus
5. The Bite
6. Bitten
7. The Prisoner

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COMUS / To Keep From Crying

1974,UK

COMUSの2ndアルバムTo Keep From Crying。

1stでの呪術的なムードや土着的トライバルなリズムが影を潜め、新機軸としてシンセやドラムスを本格導入することでフォーク・ロックとしての型も整いアレンジがスッキリと洗練されました。
そのことにより本来持ち合わせていたドリーミーでメロディアスな要素が前面に出ており、ポップと言っても良い仕上がりになってます。
前作の名残は少々エキセントリックなニュアンスの男女ヴォーカルに若干感じられる程度で、幽玄だったアコギも構築されたアンサンブルの一部として昇華され機能。理性的に制御された曲展開はコンパクトながらもドラマティック。
プログレにかなり接近した出来で、1stとは180度異なった頂点を極めたアルバムです。

Track List

1.Down (Like a Movie Star)
2.Touch Down
3.Waves and Caves
4.Figure in Your Dreams
5.Children of the Universe
6.So Long Supernova
7.Perpetual Motion
8.Panophany
9.Get Yourself a Man
10.To Keep from Crying
11.After the Dream

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