GENESIS のレビュー

GENESIS / Trespass

1970,UK

GENESISの2ndアルバムTrespass。

3連と8ビートを交互に配してドラマティックな展開を見せる#6をはじめ#1,#4など7分以上の長尺曲の構築性に見られるように、いわゆるプログレ的なソング・ライティング面が牧歌的フォークの薫りが残るデビュー・アルバムから格段の進化を遂げた。

メンバー・チェンジでスティーヴ・ハケットとフィル・コリンズが加入する次作以降のいわゆるGENESISらしい演劇的フィーリングやフォロワー達の手本となったGENESIS風7拍子など楽曲を彩る仕掛けは未だ希薄ながら、ケレン味の無い印象的な美メロと繊細な叙情という基本要素は既に確立。個性を発揮しつつあるピーター・ガブリエル(Vo)の歌唱もこの時点ではアクが少なく、メンバーの育ちが伺える真面目なアレンジやメロディが醸し出す美しいムードに溶け込んでいる。
一方、GENESISの歴史において影の薄いアンソニー・フィリップス(G)だが、ロックらしい熱いラン奏法を聴かせる#6のソロや以降も継承される12弦のアルペジオなど、光るプレイで多大に貢献している。

Track List

1. Looking for Someone
2. White Mountain
3. Visions of Angels
4. Stagnation
5. Dusk
6. The Knife

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GENESIS / Nursery Cryme

1971,UK

英国の叙情派プログレGENESISの1971年3rdアルバムNursery Cryme。

このアルバムよりフィル・コリンズ(Dr)、スティーブ・ハケット(G)が加入。ピーター・ガブリエル(Vo)、トニー・バンクス(Key)、マイク・ラザフォード(B)による”クラシック”メンバーが揃いました。
不気味なジャケット・アートが象徴する寓話的世界観の中、演劇的ともいえるドラマティックなフックが計算されつくして配置されており、聴いていて自然にグイグイ引き込まれてしまいます。
ハード・ロック的カッコ良さもある#1、美しいコーラスと終盤のメロトロンが感動のハーモニーを奏でる#4、が好きです。
#3や#5のひねくれたPOP感も英国っぽくって良いです。これらアクの強い名曲達を主張し合ってケンカする事無く、品良く締めている#2と#6の小品が又最高。各曲の出来、曲順、全てが最高の名盤です。

Track List

1. Musical Box
2. For Absent Friends
3. Return of the Giant Hogweed
4. Seven Stones
5. Harold the Barrel
6. Harlequin
7. Fountain of Salmacis

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GENESIS / Foxtrot

1972,UK

GENESISの1972年4thアルバムFoxtrot。

KING CRIMSONから譲られたメロトロンが鳴り響く#1。
キャッチーな中にも英国的な捻りを効かせた#2。
叙情性とスリルを併せ持つ演劇的な展開の#3。
中間部のオルガンとメロトロンによる叙情的なリフ、オルガンの分散和音フレーズによるソロなどトニー・バンクス(Key)節が爆発した#4。
スティーヴ・ハケット(G)のアコギがクラシカルな叙情を湛えた小品#5。
そして、7部からなる組曲構成の#6では緩急・静動を巧みなアレンジとボーカル・パフォーマンスで表現し22分超のドラマを紡いでいます。

内省的でこぢんまりとしたスケール感の中にも豊富なアイディアとピーター・ゲイブリエル(Vo)の圧倒的な存在感により独特のムードを醸成している、ゲイブリエル期GENESISの代表作です。

Track List

1. Watcher of the Skies
2. Time Table
3. Get 'Em out by Friday
4. Can-Utility and the Coastliners
5. Horizon's
6. Supper's Ready

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GENESIS / Selling England by the Pound

1973,UK

GENESISの1973年6thアルバムSelling England by the Pound。

前作までの寓話的ファンタジー色は薄れ、よりシンフォニック&テクニカル路線に転換。それを顕著に表すのがトニー・バンクス(Key)による鍵盤パートの充実。
スティーブ・ハケット(G)のファズ・ギターも影を潜め、#7前半のセンシティブなアルペジオや#3で聴かれるマイルドなトーンのソロに象徴されるように清廉な叙情性を増量。
その結果、適度にテクニカル&スリリングでメロディック&ドラマティックな傑作となった。長尺曲とボーカル主体のコンパクトな楽曲を交互に織り交ぜた展開で各々の曲調をより際立たせているアルバムの構成も見事。

アルバムのハイライトは#7の6分過ぎからの7拍子プログレッシブ・ワールド。トニー・バンクスがシンセ中心にメロトロンをジワジワ絡めたり、印象的なリフレインを連発させたりと大活躍。この余韻を引き摺りつつ#1のメロディをリプライズさせてアルバムを締めくくる#8が効いてます。

Track List

1. Dancing with the Moonlit Knight
2. I Know What I Like (In Your Wardrobe)
3. Firth of Fifth
4. More Fool Me
5. Battle of Epping Forest
6. After the Ordeal
7. Cinema Show
8. Aisle of Plenty

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GENESIS / The Lamb Lies Down on Broadway

1974,UK

GENESISの7thアルバムThe Lamb Lies Down on Broadway。

前作で見せた各メンバーによる演奏技術の向上はフロントマン ピーター・ゲイブリエル(Vo)の焦りを招き、彼主導のコンセプト・アルバム制作のきっかけとなった。しかしその結果、ストーリーを描き切る事でさらにプレイ面の充実を証明することになってしまうのだから皮肉なものです。

物語はゲイブリエル作による奇妙な現代的ファンタジー。古典寓話の色合いが強かったこれまでとは違う題材への取組みが、クールな質感の音像となって表現されています。
クライマックスは印象的なオルガンのリフがフェードインしてくるDISC 1 #5と3部構成のDISC 2 #7。どちらもポルタメントが気持ち良いトニー・バンクスのシンセ・ソロでは前作でも見せた規則性ある反復フレージングに表情が加わり、さらに味わい深いものになっています。
又、DISC 1 #5終盤のバンド全体の息の合ったアッチェレランドが主人公の追い詰められた心象を表現しきっています。
トニー・バンクスの見せ場DISC 2 #10の弾きまくりもナイス。同じモチーフの明暗バージョンとしてDISC 1 #1とDISC 2 #9を鏡のように配するアルバム構成も素晴らしい。
勿論、DISC 1 #8,#10,#11、DISC 2 #3,#5のように叙情性も適度に配置されてます。

Track List

DISC 1
1. Lamb Lies Down on Broadway
2. Fly on a Windshield
3. Broadway Melody of 1974
4. Cuckoo Cocoon
5. In the Cage
6. Grand Parade of Lifeless Packaging
7. Back in N.Y.C.
8. Hairless Heart
9. Counting out Time
10. Carpet Crawlers
11. Chamber of 32 Doors

DISC 2
1. Lilywhite Lilith
2. Waiting Room
3. Anyway
4. Supernatural Anaesthetist
5. Lamia
6. Silent Sorrow in Empty Boats
7. Colony of Slippermen: The Arrival/A Visit to the Doktor/The Raven
8. Ravine
9. Light Dies Down on Broadway
10. Riding the Scree
11. In the Rapids
12. It

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GENESIS / A Trick of the Tail

1976,UK

フロントマン ピーター・ゲイブリエル脱退の穴をフィル・コリンズ(Dr/Vo)が見事に埋めた新生GENESISの1976年8thアルバムA Trick of the Tail。

全体的にゲイブリエルのアクが抜けて洗練された雰囲気の好盤に仕上がってます。
ゲイブリエル在籍最後の作品となった前作The Lamb Lies Down On Broadwayにおいて、ゲイブリエル着想による難解なストーリーを音像化してきた実績を経てバンドの演奏はよりタイト且つスケールも大きくなっています。

タイトル通り火山のように熱い7拍子の鬼気迫る展開とシンフォニックなメインリフの対比がクールな#1やドッシリしたリズムが印象的な#3等の新機軸に加え、スティーブ・ハケット(G)の繊細なアルペジオが美しい#2やピアノとメロトロンが醸しだす#4の叙情性等、従来の魅力も継続。
#5の歌パートのアレンジや#6のサビ、#7全体にPOPな要素の萌芽も感じられ、後にメガヒット・バンドへと化ける過程が垣間見れます。

Track List

1. Dance on a Volcano
2. Entangled
3. Squonk
4. Mad Man Moon
5. Robbery, Assault and Battery
6. Ripples...
7. Trick of the Tail
8. Los Endos

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GENESIS / Wind & Wuthering

1977,UK

GENESISの1977年9thアルバムWind & Wuthering。

意地を見せ付けた前作に感じられた硬さが抜け、本来の英国叙情をアップデートさせた形でキーボード大増量のシンフォニック・サウンドによって具現化。

シンセのテーマ・メロディから始まり、フィル・コリンズ(Dr)のドラム中心にドラマティックかつダイナミックに展開する#1。
歌メロ部分は翳りを伴った叙情を漂わせながら、インストパートではトニー・バンクス(Key)が鍵盤群を駆使した怒涛のシンフォニック攻撃で壮大に迫る#2。
キャッチーなバラード#3。
トニー・バンクス得意のシンセによる反復フレーズも聴かれるスペイシーで爽快なインストゥルメンタル小曲#4。
ちょっとした変拍子を交え、3連中心に緩急と静動でダイナミズムを生み出す#5。
イントロ部でのスティーヴ・ハケット(G)が奏でるクラシック・ギターの美しい詩情に続き、霧のように敷き詰められたストリングスがリスナーを英国叙情に耽溺させる#6。
そして#7~#9のメドレーが終盤のハイライト。静かな#7に続きバンドが一体となってタイトかつシンフォニックに迫るインストゥルメンタル#8。アルバム冒頭でも登場したメイン・テーマを盛り込み、スケールの大きい圧巻のシンセ・ソロが高揚感をもたらしています。
そしてフィナーレに相応しく壮大に締めるバラード#10。

とにかく全編トニー・バンクスの見せ場。
スタインウェイ、アープ、ハモンド・オルガン、メロトロン、ローランド・シンセ、フェンダー・ローズと鍵盤大集合で使い放題使っております。
機材の発達をいち早く応用し、楽曲や場面に応じて音色を使い分けるセンスも素晴らしいです。音色のバリエーションは豊かなんですが、トーンやムードは統一されているんですよね。

Track List

1. Eleventh Earl of Mar
2. One for the Vine
3. Your Own Special Way
4. Wot Gorilla?
5. All in a Mouse's Night
6. Blood on the Rooftops
7. Unquiet Slumbers for the Sleepers...
8. ...In That Quiet Earth
9. Afterglow

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