女性ボーカル特集

女性ボーカル


魅惑の女性ボーカル。

その艶やかな歌声が楽曲に彩りを加え、印象をより深くする。

メタルクイーンから叙情フォークおばさんまで、女性ボーカルを幅広く取り揃えました。


女性ボーカル のレビュー

PENTANGLE / The Pentangle

1968,UK

ブルーズ寄りなバート・ヤンシュ(G)、トラッド寄りのジョン・レンボーン(G)というギターの名手のデュオから発展したフォーク・ロック・バンドPENTANGLEの1stアルバム。

リズム・セクションはダニー・トンプソン(B)、テリー・コックス(Dr)というジャズ畑の2人。そして紅一点ジャッキー・マクシー(Vo)のクリア・ヴォイスが乗るという構成で、トラッド、ジャズ、ブルーズが渾然一体となった独自のフォークを展開してます。#2ではテリーのブラシによるドラミング、#4ではダニーのソロ・タイムとジャジーなインプロビゼーションも多く、単なるフォークとは一線を画した緊張感あるアンサンブルが特徴となっています。

Track List

1. Let No Man Steal Your Thyme
2. Bells
3. Hear My Call
4. Pentangling
5. Mirage
6. Way Behind The Sun
7. Bruton Town
8. Waltz

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FAIRPORT CONVENTION / Unhalfbricking

1969,UK

英国のフォーク・ロック・バンドFAIRPORT CONVENTIONの1969年3rdアルバムUnhalfbricking。

ボブ・ディランのカヴァー#2、#7、#8でアメリカのフォークを吸収しながらも、オリジナルの#1やサンディ・デニー(Vo)の抑揚を効かせた歌唱が映える自身のペンになる5拍子の#3では英国的な翳りも感じさせています。トラッドのエレクトリック・アレンジに挑戦した#4では一貫してモーダルなムードの中、後半のギターとゲストのデイヴ・スウォーブリックによるフィドルのインプロビゼーションを盛り込んだ独自解釈で11分超の大作に仕上げています。メンバー全員が代わる代わるリード・ボーカルを取る#8では、ディラン・ナンバーをバンドに伝えたと思しきゲストのアメリカ人フォーク・シンガー マーク・エリントンが最初のヴァースを歌っております。アルバム通しての一貫性は感じれませんが、様々な要素に貪欲に取り組みオリジナリティを確立していく過程が感じられます。

Track List

1. Genesis hall
2. Si tu dois partir
3. Autopsy
4. A Sailor's life
5. Cajun woman
6. Who knows where the time goes?
7. Percy's song
8. Million dollar bash

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FAIRPORT CONVENTION / Liege & Lief

1969,UK

FAIRPORT CONVENTIONの1969年4thアルバムLiege & Lief。

オリジナルの#1、#4、#8以外の全てがトラッドで、彼らが本格的にトラッドのエレクトリック・アレンジに挑戦した歴史的なアルバムと位置付けられています。
展開が変わる後半のインスト・パートでリチャード・トンプソン(G)のエレキ・ギターとバトルを繰り広げる#3、THIN LIZZYもBlack RoseでやっていたRakish Paddyなどを含む楽しいダンス曲のメドレー#6など、前作のゲスト参加から正式メンバーに昇格したデイヴ・スウォーブリック(fiddle)のフィドルが大活躍。
そんなインスト陣に負けじと、サンディ・デニー(Vo)も表現力豊かなボーカルで聴き手を引き込みます。
神秘的なムード漂う#2や独特の拍子がなんとなく緊張感をもたらす#7など、割とコード固定のモーダルな展開で抑揚の出しにくいトラッドのエレクトリック・アレンジではありますが、微妙に唱法を使い分けたボーカルが非常に魅力的です。
でも個人的には、サンディ・デニーが書いた牧歌的なPOPチューン#1やリチャード・トンプソン作の優しいムードな#4、叙情的な#8といったオリジナル曲の方が、リラックスして伸び伸びと歌ってる感じがして好みだったりしますね。

Track List

1. Come All Ye
2. Reynardine
3. Matty Groves
4. Farewell, Farewell
5. Deserter
6. Medley: The Lark in the Morning/Rakish Paddy/Foxhunters' Jig/Toss The Feathers
7. Tam Lin
8. Crazy Man Michael

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PENTANGLE / Basket of Light

1969,UK

孤高のフォーク・ロック・バンドPENTANGLEの1969年3rdアルバムBasket of Light。

BBC-1のTVドラマ主題歌にもなったという5+7拍子に乗ったジャジーでスタイリッシュな#1。
ジャッキー・マクシー(Vo)の美声をフィーチャーしたトラッド風な#2はジョン・レンボーン(G)のシタールとテリー・コックス(Dr)のグロッケンスピルがエキゾチックかつお伽噺のような独特なムードを醸し出しています。
ジョン・レンボーンの朴訥とした歌唱がメインのブルージーな#3。
混声ハーモニーによる厳かなムードの#4。
バート・ヤンシュ(G)がリード・ボーカルを取るスタイリッシュでカッコ良いフォーク・ロック#5。
グロッケンスピル、パーカッション、精緻にアレンジされた2本のギターによる伴奏にジャッキーの透明感ある歌声が物語を紡ぐ#6。
ジャッキーが中音域で歌うPOPな中にもジャジーかつブルージーなテイストを忍ばせたキャッチーな#7。
バート・ヤンシュがサセックス州の子供から教わったというフォーク・ソングでジャッキーの澄んだ高音が素晴らしい#8。
シタールとバンジョーを取り入れた土の薫り漂う#9。
等々、PENTANGLE特有のジャズやブルーズのハイブリッド型フォーク・ロックが、それぞれの要素の融合をさらに進ませる事によって非常にキャッチーな仕上がりとなっています。

Track List

1. Light Flight
2. Once I Had a Sweetheart
3. Springtime Promises
4. Lyke-Wake Dirge
5. Train Song
6. Hunting Song
7. Sally Go 'Round the Roses
8. The Cuckoo
9. House Carpenter

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RENAISSANCE / Renaissance

1969,UK

元YARDBIRDSのキース・レルフ(G/Vo)とジム・マッカーティ(Dr/Vo)を中心に結成されたオリジナルRENAISSANCEの1stアルバム。

フォークを基本にジョン・ホウクン(Key)のピアノやハープシコードがクラシカルなフレイバーを持ち込んだサウンド。キースの実妹ジェーン・レルフもボーカルで参加してます。#3のデュエットや#4で、くぐもった独特の美声を聴かせています。

Track List

1. Kings and Queens
2. Innocence
3. Island
4. Wanderer
5. Bullet

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AFFINITY / Affinity

1970,UK

英国ジャズ・ロックバンド5人組AFFINITYの唯一作。
カヴァー曲を中心にフィンランド出身の女性シンガー リンダ・ホイル(Vo)のボーカルをフィーチャー。#1ではLED ZEPPELINのジョン・ポール・ジョーンズがブラス・セクションのアレンジを担当、リンダのパワフルな歌唱にマッチした独特なグルーヴを醸成しています。
ジャジーでムーディなパートとオルガンのリフに乗った高揚感ある展開に発展するパートとの対比が見事な#2では、リントン・ネイフ(Key)による軽く歪んだオルガンがクールなモード奏法から一転してメロディアスなフレーズを紡ぐソロプレイも聴き物。

ストリングスとコーラスをバックにクリーンな美声が堪能できる#3、ハスキーで力強い歌唱とクリーンで優しい歌唱を使い分ける#4、とデビュー作とは思えない表現力を見せるリンダ。
ブラス・セクションがヘヴィなグルーヴをもたらすブルーズ・ロックのオリジナル・ナンバー#5はリンダのパワフルな歌唱とマイク・ジョップ(G)のソロがハイライト。
ボブ・ディランのカヴァー#7では、スピード感あるオルガンのインプロビゼーションとリンダのパワフルな歌唱が交互に登場、11分超にわたって怒涛の演奏を聴かせます。ジャケット・アートはキーフ。

Track List

1. I Am and So Are Are You
2. Night Flight
3. I Wonder If I'll Care as Much
4. Mr. Joy
5. Three Sisters
6. Coconut Grove
7. All Along the Watchtower

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CURVED AIR / Air Conditioning

1970,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドCURVED AIRの1stアルバムAir Conditioning。

可憐では無くかといってパワフルという程の凄みも無いが、どこかやさぐれた雰囲気と適度なお色気が妙に印象的な紅一点ソーニャ・クリスティーナ(Vo)の歌唱を、ダリル・ウェイ(Vln/Vo)のクラシカルなヴァイオリンとフランシス・モンクマン(G/Key)のハード・エッジなギターがカラフルなアレンジで盛り立てるサウンド。

ブルーズ・ロックがベースの前半と、突然天空から舞い降りたかのようなクラシカルかつ瑞々しいヴァイオリンがリードする後半のギャップが堪らない#1。
ハード・ブギに意外にヴァイオリンがマッチした#2。
ミステリアスな歌唱パートからシンフォニックなインスト・パートで盛り上がる#3。
牧歌的なフォークのバッキングとアンニュイなソーニャの歌唱という異質な要素が絶妙にブレンドされたキャッチーな#4。
ダリル・ウェイの独壇場となるクラシカルなインストゥルメンタル#5。
ドラマティックな展開を持ったサイケなハード・ロック#6。
ピアノを中心としたバックに優雅でクリアなヴァイオリンのメロディが響き渡る美しいインスト#7。
ブルーズ・ロックをベースとしながらも、ソーニャの独特な歌唱と起伏を付けたアレンジにメロトロンが加わることでプログレッシブなテイストに仕上がった#9。
ヴァイオリンのソロをSEで装飾した#5のリプライズ#10。

サイケからプログレへの移行期であった時代の英国にありがちな多ジャンルのごった煮状態ではありながら、ソーニャの存在感と華麗なヴァイオリンが何といっても耳を惹きます。

Track List

1. It Happened Today
2. Stretch
3. Screw
4. Blind Man
5. Vivaldi
6. Hide and Seek
7. Propositions
8. Rob One
9. Situations
10. Vivaldi WIth Cannons

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FOTHERINGAY / Fotheringay

1970,UK

FAIRPORT CONVENTIONを脱退したサンディ・デニー(Vo)が夫のトレバー・ルーカス(G)らと結成した5人組フォーク・グループFOTHERINGAYの唯一作。

ボブ・ディランのカヴァー#8やトラッドのアレンジ#9を除きオリジナル・ナンバーが中心で、とりわけサンディ・デニー作の叙情的な#1、#4、#7では彼女の心に染み入るような歌唱が楽しめます。
#4はさらに右CHのアコギと左CHのクリーンなエレキ・ギターのアンサンブルも絶妙で、楽曲のセンチメンタル度を増幅しております。
もう一人のライター、トレバーの書いた牧歌的なフォーク・ナンバー#3、#5では、朴訥としたトレバーの歌唱にサンディのハーモニーが加わり、リラックスしたムードが漂います。

エレクトリック・トラッドへの取り組みをシリアスに追求するFAIRPORT CONVENTIONでの神秘的な歌唱も素晴らしいですが、自分の音楽を自由に表現できる喜びに溢れたこのFOTHERINGAYでの伸びやかで深みのある歌唱の比ではありませんね。

Track List

1. Nothing More
2. Sea
3. Ballad of Ned Kelly
4. Winter Winds
5. Peace in the End
6. Way I Feel
7. Pond and the Stream
8. Too Much of Nothing
9. Banks of the Nile

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JUSTINE / Justine

1970,UK

女性ボーカル2名を擁する英国のフォーク・グループJUSTINEの1970年唯一作。

美しいハーモニーを活かしたドリーミーな序盤が印象的な3部構成の組曲#1。
ボーカル・メロディがシンプルでキャッチーなわりに、それをサポートするベース・パートが意外と練りこまれたラインを持つ#2。
美しい多層コーラスでクライマックスを迎える#3。
男女ボーカルとコーラスが穏やかなムードの#4。
左右CHアコギのシンプルなバックに女性ツイン・ボーカルの美声ユニゾンとハーモニーが素晴らしい#5。
ミュージカルのような場面転換を抜群のハーモニーで演出する10分超の組曲#6。
ファズ・ギターのソロから始まり静謐なムードのボーカル・パートを経て徐々に盛り上がり、ラストは女性コーラス・ハーモニーが壮大に締めくくるドラマティックな#8。

堅苦しいトラッド臭はほぼ皆無でウェスト・コースト風サイケの影響を感じさせつつ、ジャジーに迫ったり、2人の女性ボーカル・ハーモニーがMELLOW CANDLEを想起させる部分があったりと(リリースはJUSTINEが2年早い)、メジャー志向でコンテンポラリーな作風となっています。

Track List

1. Flying/Love You More Than Is Good for Me To/Nostrils
2. She Brings the Morning with Her
3. Back to Boulder
4. Traveller
5. See Saw
6. Mini Splurge/Mr. Jones/Is That Good. That's Nice
7. Clocks/Hey I Used to Know You
8. Unknown Journey

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LINDA PERHACS / Parallelograms

1970,USA

女性フォーク・シンガーリンダ・パーハクスの1970年作品Parallelograms。

アコギやハーモニカ等最小限の演奏をバックに、儚げで清楚な美声による美メロが楽しめます。妖しいパーカッションがサイケな時代を感じさせる所も堪らないですね。適度なトリップ感が。RENAISSANCEのアニー・ハズラムやバシュティ・ブニヤンのファンにおすすめです。
割とストレートでドリーミーに展開していく楽曲群にあって、タイトルトラック#6でのリディアン・モードを使った幽玄なメロディと美しいハーモニーが絶品。

Track List

1. Chimacum Rain
2. Paper Mountain Man
3. Dolphin
4. Call of the River
5. Sandy Toes
6. Parallelograms
7. Hey, Who Really Cares?
8. Moons and Cattails
9. Morning Colors
10. Porcelain Baked Cast Iron Wedding
11. Delicious

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MAGNA CARTA / Seasons

1970,UK

英国の3人組フォーク・グループMAGNA CARTAの2ndアルバムSeasons。

アルバム・タイトル通りアナログA面は四季を表現した組曲で構成。冬で始まり春・夏・秋と巡って、また冬のリプライズで締めくくっています。
マイナー調で冬や秋を、メジャー調で春・夏というありきたりな表現では無く、アコギ中心の静かな冬や秋に対してロンドン・シンフォニー・オーケストラやリズム隊も動員しての躍動感ある春・夏、とダイナミズムで起伏を作っています。全編ほのぼのムードの中、優しい男女ボーカルに朗読も交えて上品に展開。

その他の小品も佳曲揃い。
オーケストラによる絶妙なさじ加減の装飾を施された楽しい雰囲気の#2。
アコギのアルペジオとチェロをバックにした、仄かな叙情と凛とした気品を感じさせる#3。
パーカッションが効いた快活なムードにシタールのエキゾチックなトーンが彩りを添える#4。
客演のリック・ウェイクマンによる品の良いオルガンとアコギのアルペジオをバックにした静かなパートと、リズムが弾むフォーク・ロックな動のパートからなる#5。
左右2本のアコギが抜群のアンサンブルを聴かせる#6。
爽やかなストリングスと軽やかなフルートが印象的な#7。

もろトラッドといった感じの厳しいムードは一切無く、上品なボーカルとまろやかなトーンの楽器群による良質な演奏からなる優しい感触で統一された音像は古さを感じさせません。

Track List

1. Seasons
i) Prologue
ii) Winter Song
iii) Spring Poem
iv) Spring Song
v) Summer Poem
vi) Summer Song
vii) Autumn Song
viii) Epilogue
ix) Winter Song (reprise)
2. Going my Way
3. Elizabethan
4. Give me no Goodbye
5. Ring of Stones
6. Scarecrow Song
7. Airport Song

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TRADER HORNE / Morning Way

1970,UK

ジャッキー・マコーレイ(Vo/G/Key/Fl)と元FAIRPORT CONVENTIONのジュディ・ダイブル(Vo/Auto Harp/Pf)のフォーク・ユニットTRADER HORNEの唯一作。
ジャッキーの優しい男性ボーカルとジュディの澄んだハイトーンが絶妙のハーモニーを聴かせるメランコリックな#1。こちらも2人のハーモニーが見事なトラッド風ナンバー#2。ハープシコードとフルートの端整な演奏で美しいメロディを紡ぐインストゥルメンタル・ナンバー#3。ヴァイオリンとチェロが導入された叙情フォーク#4。ジュディのアンニュイな歌唱が場末のペーソス感を漂わせたブルージーな#5。爽やかなフォーク・ナンバー#6。ジャッキーがリードを取りジュディの美声コーラスを加えた楽しいフォーク・ナンバー#9。デュオでコンテンポラリーな響きを聴かせる#7。ダブル・トラッキングされたジュディのボーカルが弦とアコギのシンプルな伴奏に乗った#8。ジャッキーが歌う叙情フォーク#10。ピアノの伴奏をバックに神秘的なボーカル・メロディが際立つ#12。厳かなパートと軽やかなフォーク・パートが融合した#13。
等々、素朴な伴奏にもかかわらず魅力的なメロディが満載で、ジュディの澄んだハイトーンを活かしたバラエティ豊かなフォークが展開されています。各曲のラストに前半はフルートとチェレステによるかわいいメロディ、後半はメランコリックなピアノのメロディといったジングルが挿入され、アルバムのトータル・イメージが統一されている所もチャーム・ポイント。

Track List

1. Jenny May
2. Children of Oare
3. Three Rings for Eleven Kings
4. Growing Man
5. Down and Out Blues
6. Mixed Up Kind
7. Better Than Today
8. In My Loneliness
9. Sheena
10. Mutant
11. Morning Way
12. Velvet to Atone
13. Like That Never Was

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TREES / On the Shore

1970,UK

女性ボーカルを含む英国の5人組フォーク・ロック・バンドTREESの2nd。

#1、#6では芯のしっかりした歌声、#2、#7などでは繊細で可憐な歌声を聴かせるセリア・ハンフリーズ(Vo)のボーカルをフィーチャーしたトラッドの独自解釈によるエレクトリック・アレンジ曲とカヴァー曲が大半を占めるアルバム構成となっています。#1、#3、#7、#9、#10と半数を占めるトラッドは、キャッチーなロック・アレンジを施した#9のように非常に聴き易く、TREESの色に染まっているのでアルバム全体のカラーが統一されています。ただ、やはりオリジナル曲の方が制約無くやれるからか、#8ではストリングス・セクションやハープを交えた優雅な歌唱パートにエレキ・ギターがアドリブを弾きまくるロックなパートを挿入した斬新なアレンジでプログレ的展開も見せています。カヴァー・アートはヒプノシス。

Track List

1. Soldiers Three
2. Murdoch
3. Polly on the Shore
4. Adam's Toon
5. Sally Free and Easy
6. Fool
7. Geordie
8. While the Iron Is Hot
9. Little Sadie
10. Streets of Derry

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VASHTI BUNYAN / Just Another Diamond Day

1970,UK

女性フォーク・シンガー ヴァシュティ・バニヤン(Vo/G)の1970年1st。

ウィスパー気味でちょっと儚げなボーカルとそれを支えるシンプルなアレンジが素敵です。アコギ、ダルシマー、マンドリン、バンジョー、リコーダー、ヴァイオリンの織り成すサウンドが、夢を見ているような心地良い気分にさせてくれます。#11のイントロなんて溶けそうなほどウットリします。非トラッド系なので神秘性や堅苦しい高尚さとも無縁。優しくて何故か懐かしい感じの素朴なフィーリングが堪りません。

Track List

1. Just Another Diamond Day
2. Glow Worms
3. Lily Pond
4. Timothy Grub
5. Where I Like to Stand
6. Swallow Song
7. Window Over the Bay
8. Rose Hip November
9. Come Wind Come Rain
10. Hebridean Sun
11. Rainbow River
12. Trawlerman's Song
13. Jog Along Bess
14. Iris's Song for Us

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CURVED AIR / Second Album

1971,UK

CURVED AIRの2ndアルバム Second Album。

ダリル・ウェイ(Vln)のヴァイオリンやスペイシーなシンセが幻想的なムードを醸し出す壮大な#1。
ソーニャ・クリスティーナ(Vo)の歌唱が割りと一本調子ながら、アレンジによってアンニュイなAメロとカラフルなサビにムードが変化するのがおもしろい#2。
ピアノとストリングスのみをバックにソーニャが歌う優雅でシンフォニックなバラード#3。
ピアノと歪んだギターのユニゾン・リフがリードする#4。ブルーズ・ロック風な中、転調して登場するペンタトニックにモーダルなフレージングを交えたギター・ソロが意表を突く。
パーカッションの妖しいグルーヴ、端正なピアノ、深遠なメロトロンのストリングスが絡む、妖しくもファンタジックなバラード#5。終盤のスキャットが美しい。
ソーニャのセクシーな歌唱が活きたクールでスタイリッシュなナンバー#6。アレンジを牽引するダリル・ウェイのヴァイオリン、空間を埋めるロックなドラムのフィルもカッコ良い。
軽やかな3拍子が心地良い#7。チェンバロからの切り返し、ギターとヴァイオリンの掛け合いなどコンパクトながらフック満載。
ピアノ、ヴァイオリンを中心にした起伏あるアレンジで次々に場面転換していく演劇的なナンバー#8。映画のサウンドトラックのようにシンフォニックに響くストリングス・パート、スリリングなピアノ・ソロ、エスニックな場面や幻想的なシンセなど、12分超の長尺を飽くことなく聴かせます。

クラシカルな要素もある端正な気品と、ソーニャ・クリスティーナの持ち味である妖艶さが、意外に程よくブレンド。唯一無二の不思議なムードが病み付きになります。
ダリル・ウェイがA面(#1~#5)、フランシス・モンクマン(G/Key)がB面(#6~#8)で作曲のイニシアチブを取り、バラエティに富んだ各曲のキャラ立ちも良い感じ。

Track List

1. Young Mother
2. Back Street Luv
3. Jumbo
4. You Know
5. Puppets
6. Everydance
7. Bright Summer's Day
8. Piece Of Mind

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DANDO SHAFT / Dando Shaft

1971,UK

英国のフォーク・グループDANDO SHAFTの1971年2ndアルバムDando Shaft。

今作から女性シンガー ポリー・ボルトン(Vo)が参加。
デュオで軽やかに歌うダンス・ミュージック#1。
ポリーがソロで歌うヴァイオリンがリードする#2。
ポリーのしっとりとした歌唱をアコギ、ヴァイオリン、フルートが優しく包み込み、後半のスキャットもこの世の物とは思えない美しさの叙情フォーク#5。
デュオで歌うまどろみの美メロ・フォーク#9。
などなど、ポリーの澄み切った美声がバンドのサウンドに華やかさをもたらし、かなりとっつき易くなりました。

2本のギターのアンサンブルが見事な#3。
サビのボーカル・ハーモニーが美しい#4。
マンドリンの響きがエキゾチックな#6。
マンドリンの細かいフレージングが印象的な#7。
アコギとマンドリンによるインストゥルメンタル小品#8。
等、マーティン・ジェンキンス(Vo/Vln/Mln/Fl)が素晴らしいプレイを聴かせる1stの流れを汲んだ仄暗くも暖かい土着フォークも健在。
音楽性の幅を広げメジャー感を増したアルバムです。
朽ち果てたメリーゴーラウンドが儚くも美しいジャケット・アートはキーフ。

Track List

1. Coming Home To Me
2. Railway
3. Whispering Ned
4. Sometimes
5. River Boat
6. Kalyope Driver
7. Waves Upon The Ether
8. Dewet
9. Till The Morning Comes
10. Pass It On
11. Prayer

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RENAISSANCE / Illusion

1971,UK

オリジナルRENAISSANCEの1971年2ndアルバムIllusion。

前作のセールスが振るわなかった為解散を申し出たバンドに対して、レコード会社がバンド名の使用権譲渡を条件に制作させた契約消化作とも言われておりますが、内容はなかなかのもの。#3,#6の作詞にベティ・サッチャー、#4の作曲にマイケル・ダンフォード(G)の名前も見られ、黄金の第2期RENAISSANCEへの布石ともいえるアルバムです。

素朴な中にもクラシカルな気品が見え隠れするフォーク小品#1。
ジョン・ホウクン(Key)のピアノをバックにジェーン・レルフ(Vo)のクリアなスキャットが楽しめる#2。
リリカルなピアノとサビのコーラスが美しい#3。
端整なピアノと美しいボーカルが奇跡の融合を果たしたクラシカル・フォークの名曲#5。
これらはオリジナルRENAISSANCEらしいクラシカル・タッチなフォーク作品ですが、残りの2曲は消滅しつつあるバンドの状態を反映したかのようなイレギュラーな構成となっています。
ジェーンとジョン・ホウクン以外はマイケル・ダンフォードを含む別メンバーでレコーディングされた#4。ここでの厳かなファースト・パートに続くセカンド・パート中のフレーズは、後に第2期RENAISSANCEのアルバムTurn of the Cardsのオープニング・チューンRunning Hardにも登場します。よっぽど気に入ったんでしょう。
又、ラストの長尺曲#6ではドン・シィンなるプレイヤーがエレピでジャジーなインプロビゼーションを聴かせており、音楽性が随分違うナンバーに仕上がっております。

Track List

1. Love Goes On
2. Golden Thread
3. Love Is All
4. Mr. Pine
5. Face of Yesturday
6. Past Orbits of Dust

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SANDY DENNY / The North Star Grassman and the Ravens

1971,UK

FAIRPORT CONVENTION、FOTHERINGAYを経た英国フォークの歌姫 サンディ・デニー(Vo)の1971年1stソロ・アルバムThe North Star Grassman and the Ravens。

元FAIRPORT CONVENTIONのリチャード・トンプソン(G)がサンディと共に共同プロデュース。その他、夫のトレヴァー・ルーカス(G)等のサポートで制作。

サンディ自らプレイするピアノとリチャード・トンプソンの枯れたトーンのギター・ソロが味わい深い、哀愁のフォーク・ナンバー#1。
LED ZEPPELINの”Black Mountain Side”とルーツを同じくするトラッドのアレンジ#2。
トラッドな香り漂う優しいメロディのフォーク#3。
ディランのカヴァー#4。
ヴァイオリンをフィーチャーしたトラッド風ナンバー#5。
幽玄なストリング・セクションを絡め、しっとりと聴かせる#6。
リラックスしたムードの#7。
楽しいロックン・ロール#8。
ストリングス・セクションがエキゾチックなテイストを醸しだす#9。
トラッドと叙情味が融合、足踏みオルガンの素朴な音色が印象的なタイトル・トラック#10。
サンディがダブル・トラックで自ら重ねたハーモニーが美しい#11。

FAIRPORT CONVENTIONにサンディが初めて参加した”Unhalfbricking”で見せた、トラッド/ボブ・ディランのカヴァー/オリジナル、といった雑多な要素をよりコンテンポラリーなテイストで再現したような作風。
様々な表情を見せるサンディ絶品の歌唱が素晴らしいのは勿論ですが、#6、#9で導入されたストリングスやバックを固めるプレイヤー達のツボを押さえた熟練のプレイから成るアレンジが、渋めながらもここぞという時にはしっかり主張してフックとなっており楽曲の印象を深めています。英国的な静かな情緒を湛えたキーフによるジャケット・アートも素晴らしいです。

Track List

1. Late November
2. Blackwaterside
3. The Sea Captain
4. Down in the Flood
5. John the Gun
6. Next Time Around
7. The Optimist
8. Let's Jump the Broomstick
9. Wretched Wilbur
10. The North Star Grassman and the Ravens
11. Crazy Lady Blues

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TUDOR LODGE / Tudor Lodge

1971,UK

英国の3人組フォーク・グループTUDOR LODGEの1st。

紅一点アン・スチュワート(Vo/G/Pf/Fl)の伸びやかで清楚な美声を中心にした美しい歌唱、コーラス・ハーモニー、アコギ、ゲストの管弦楽が品の良いアンサンブルでバックを固めています。アメリカ人であるアン・スチュワートがもたらしたものなのか、アメリカンでほのぼのと明るいムードの中にも気品を漂わせたところが英国らしくて良いですね。又、神秘的なイントロから寂寥感あるフルートのメロディを経て叙情的に迫る#7や、リンドン・グリーン(Vo/G)による流麗なアコギによるインスト#11のような適度にウェットな楽曲がアクセントになっています。セッション・プレイヤーとしても売れっ子だったPENTANGLEのダニー・トンプソン(B)、テリー・コックス(Dr)も参加してます。

Track List

1. It All Comes Back to Me
2. Would You Believe?
3. Recollection
4. Two Steps Back
5. Help Me Find Myself
6. Nobody's Listening
7. Willow Tree
8. Forest
9. I See a Man
10. Lady's Changing Home
11. Madeline
12. Kew Gardens

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CURVED AIR / Phantasmagoria

1972,UK

CURVED AIRの3rdアルバムPhantasmagoria。

メロトロンの使用や3拍子にチェンジする中間部など劇的な進行を見せる#1。メロウな中にもロックな激しさを内包し、タイトルの人物のドラマティックな生涯を表現。
フルートとヴァイオリンのハーモニーが美しい、ソーニャ・クリスティーナ(Vo)作のメランコリックなフォーク#2。出自を物語るシリアスなトラッドっぽさが光る。
ブラスセクションとランニングするベースラインが洒落たムードを醸し出す#3。少々ウィスパー気味にも聴こえるソーニャ・クリスティーナの歌唱パート、シンセとスキャットのユニゾン、クラシカルなエンディングなど、CURVED AIRならではの個性が随所に。
ダリル・ウェイ(Vln)によるスピーディなヴァイオリンの独壇場となったインストゥルメンタル#4。
クラシカルなシンセのアルペジオがリフレインし、パンニングやピッチ・チェンジのエフェクトを付加した実験的インストゥルメンタル#5。
ロックなグリッサンドと端正なオブリガードが融合したオルガンがリードする歌モノ#6。
奇妙なサウンドスケープに、EMS Synthi 100で加工したソーニャ・クリスティーナによるファンタスマゴリア(ルイス・キャロル作)の朗読を挿入したファンタジー実験作#7。
ヴァイオリンとブラス・セクションに歯切れ良いシロフォン、幽玄なヴィブラフォン。ジャジィなコード進行やクラシカルなフレーズなどアイディアを詰め込んだフランシス・モンクマン(Key/G)作のプログレッシブ・チューン。
ブラスセクションや軽快なパーカッション、クールなヴィブラフォンをフィーチュアした陽気なムードの#9。

#1,#3,#6など妖艶かつコケティッシュなソーニャ・クリスティーナの個性を活かしたバンドとしての佳曲がある一方、ダリル・ウェイやフランシス・モンクマンがそれぞれ勝手な事をやりまくった#4,#5,#7といった実験的作品も混在。
バンドとしての完成度とピークを極めた結果としての綻びが渦巻く最高傑作にして問題作。

Track List

1. Marie Antoinette
2. Melinda (More Or Less)
3. Not Quite The Same
4. Cheetah
5. Ultra-Vivaldi
6. Phantasmagoria
7. Whose Shoulder Are You Looking Over Anyway
8. Over And Above
9. Once Always A Ghost

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