THE WATCH / Timeless
2011,ITALY
イタリアのGENESISフォロワー プログレッシブ・ロック・バンド THE WATCHの5thアルバム Timeless。
アルバム各所に登場するテーマ・メロディを提示する序曲的な#1。12弦アコギにメロトロン、クセのあるボーカル、と既に全開。
不穏なムードで#1を継承し、比較的アップテンポに飛ばすロック・ナンバー#2。ワウを掛けたギター、オルガンのアルペジオ、シンフォニックなシンセと場面ごとに印象的なフックが盛りだくさん。
コード進行とくぐもった足踏みオルガンの音色が神秘的でファンタジックなムードを醸し出す#3。ギターの切り返しとシンセ・ソロのフレージングも良い。
#1のテーマ・メロディをサビに配したポップな#4。明るい雰囲気の中に巧みに翳りを織り交ぜて英国的に仕上がってます。
12弦アコギとフルートをイントロに配したファンタジックなバラード風の#5。後半のメロトロン・パートがドラマティック。
オルガンのリフとドラムが生み出す快活なリズムのヴァースとメロトロンによるメランコリックなパートが対比した#6。
タイトルにそぐわないのどかな序盤のボーカル・パートから、フィルターがミュンミュンするシンセ・パートで徐々に妖しく展開していく#7。
起伏を持たせた展開でラストに#1のテーマが登場、壮大なフィナーレとなる#8。
引き続きテーマ・メロディをピアノでリフレインする小曲#9。
GENESISのカヴァーをやっているうちに(#3,#4,#6はカヴァー)、オリジナル曲のテイストももはやGENESIS以外の何者でも無いという体質になってしまった所謂トリビュート・バンド。
芝居がかった歌唱、メロトロンやギターのサウンド、ちょっと奇妙なコード進行、コンパクトなポップ感覚、などなど各楽曲の至る所にガブリエル期GENESISのエッセンスを滲み出させつつも、メロディアスかつ印象的なフック満載の素晴らしいアルバム。
聴き終わった後、無性にGENESISを聴きたくなってしまうのは、THE WATCHにとって失礼なことなのか。それとも賛辞と受け取ってくれるんでしょうか?
Track List
1. The Watch
2. Thunder Has Spoken
3. One Day
4. In The Wilderness
5. Soaring On
6. Let Us Now Make Love
7. Scene Of The Crime
8. End Of The Road
9. Exit