TOMAS BODIN のレビュー

TOMAS BODIN / An Ordinary Night In My Ordinary Life

1999,SWEDEN

スウェーデンのプログレッシブ・ロック・バンド FLOWER KINGSのキーボード奏者トマス・ボディンの1stソロ・アルバムAn Ordinary Night In My Ordinary Life。

FLOWER KINGSのメンバーが全面バック・アップ。
全曲インストながら、特にロイネ・ストルトのギターが絡む#3,#7あたりの叙情性は抜群。勿論主人公のトマスも全編にわたりハモンド、ローズ、メロトロン、シンセと大活躍。パワフルに、クラシカルに、アバンギャルドに、そして清楚に・・・音楽性も特に何と限定できないごった煮風ですがカラフルに楽しませてくれます。
FLOWER KINGSでもそうですが、この人の音色セレクトは見事の一言。微妙にヴィブラートした笛のようなシンセ等の作った音も素晴らしいし、楽曲ごとのテイストや場面に応じたサウンド・メイキングのセンスが秀逸で聴いていてハッとさせられます。
中には趣味に走った退屈なテクノ風楽曲やほとんどがFX(効果音)の曲もありますが、それすらアルバム通して聴くと場面転換の繋ぎのようにも感じられ、それはそれで良くできてるなぁーと変に感心したりして。
前述の#3,#7に加え、チャーチ・オルガンの荘厳な調べ#4、軽快なフュージョン#5、3部構成の組曲#10あたりが好きですね。
#10中間部のピアノが奏でるメロディとその後のレズリーかけまくりのハモンドをバックに泣きまくるロイネのギターときたら・・・それはもう絶品です。

Track List

1,Entering the Spacebike
2,Into the Dreamscape
3,The Ballerina From Far Beyond
4,Daddy in the Clouds
5,Speed Wizard
6,An Ordinary Nightmare in Poor Mr. Hope's Ordinary Life
7,In the Land of the Pumpkins
8,The Magic Rollercoaster
9,The Gathering
10,Three Stories

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TOMAS BODIN / Pinup Guru

2002,SWEDEN

スウェーデンのプログレッシブ・ロック・バンドTHE FLOWER KINGSのキーボーディスト トマス・ボディンの2ndソロ・アルバムPinup Guru。

全曲インスト(1部スキャットとかホーミーも)でメンツはTHE FLOWER KINGSのリズム隊ヨナス・レインゴールド(B)とゾルタン・チョース(Dr)のみという3人編成。
スウェーデン人らしく、メイン機材はCLAVIA社のNord Electro、Nord Lead。その他サンンプラーAKAI S-5000やデジタル・モデリング・オルガンROLAND VK-7やグルーヴ・ボックスMC-505もクレジットされています。ということで随所に聴かれるカビ臭いメロトロンも実はサンプルなんでしょう。
様式美ハード・ロック風な#2、同じく様式美っぽいが妖しげな#9、ポルタメントが心地良いシンセによる平易なメロディがキャッチーな#4等、突き抜けたシンフォニック感はTHE FLOWER KINGSにも通ずるところ。しかし一筋縄では終わらせず、テクニカルなアンサンブルや実験的な思索パートを絡める辺りは本家THE FLOWER KINGSへのフィードバックを考えた課外活動的ニュアンスなんでしょうか。THE FLOWER KINGSではオブリガードのワンパターン化が耳に付くヨナス・レインゴールドも#6では縛りが解けたかのように活き活きとしたフレーズで底辺をメロディアスに支えてます。
THE FLOWER KINGSで世界中をツアーした中で吸収した、様々な文化や音楽的影響の自然な発露としてのエスニック、クラシカル、ハード・ロック、フュージョンと多様な音楽性。そして、そんな楽曲群を多彩な音色で華麗に表現するトマス・ボディンのサウンド・クリエイターぶりが堪能できます。

Track List

1. Sodium Regale
2. What's Going On
3. Me And Liz
4. Harlem Heat
5. My Beautiful Neighbor
6. New In The 'Hood
7. Blood
8. The Ballerina Is Not Getting Closer
9. The Last Eagle
10. The Final Swig

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TOMAS BODIN / Sonic Boulevard

2003,SWEDEN

FLOWER KINGSのキーボーディスト トマス・ボディンの3rdソロアルバムSonic Boulevard。

当初はネット経由のみの販売を考えていたというが、僚友ロイネ・ストルトにデモを聴かせた所、正式にCDでリリースすべきだ!と励まされ完成したらしい。
ということで、その気にさせた責任を取るべくロイネ・ストルトもギターで参加の他、いつものFLOWER KINGS人脈に菅やパーカッションもゲストで加えての制作となった。

本家FLOWER KINGSにも共通するポジティブな桃源郷シンフォニック路線のサウンドは、今や保証付きのクオリティ。
前作はリズム隊以外は自分のキーボードだけという編成の関係で気負いもあったのか、埋め尽くされたキーボード・サウンドに多少の息苦しさも感じさせたが、今回はギターやサックスの存在がオーガニックな空気感をもたらしており、サウンド全体もリラックス且つバンドっぽくなっていて好印象です。
やはりこの人はチームの中でこそ活きる人なんでしょう。
#7 にFLOWER KINGS のSimple Song(Flower Power #2)のフレーズを引用したりする遊び心も良い感じ。

Track List

1. Prayer
2. Hero from Cloud City
3. Back to the African Garden
4. Picture
5. Walkabout
6. Horses from Zaad
7. Beautiful Mind
8. Happy Frog
9. Morning Will Come
10. Night Will Fall

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