LONELY ROBOT のレビュー

LONELY ROBOT / Please Come Home

2015,UK

IT BITESFROSTに在席するジョン・ミッチェル(G/Vo)の新プロジェクトLONELY ROBOTの1stアルバムPlease Come Home。
FROSTでの同僚クレイグ・ブランデル(Dr)をはじめ、ゲストとしてFROSTのジェム・ゴドフリー(Key)、スティーヴン・ウィルソンのバンドなどで活躍するニック・ベッグス(B)、MARILLIONのスティーヴ・ホガース(Vo)、GO WESTのピーター・コックス(Vo)、元MOSTLY AUTUMNのヘザー・フィンレイ(Vo)、TOUCHSTONEのキム・セヴィア(Vo)らが参加。

スペイシーで壮大なインストゥルメンタル#1。
ギターのヘヴィな単音リフがリード。#1のムードを引き継いだスペイシーな静寂パートとヘヴィなサビのギャップで聴かせる#2。
ピーター・コックスが歌うIT BITES風ポップ・ナンバー#3。
スティーヴ・ホガースがピアノとバッキング・ボーカルを担当。ジョン・ミッチェルとヘザー・フィンレイのデュエットによる美しいバラード#4。
ジェム・ゴドフリーが参加。クリーンなアルペジオに象徴される歌唱パートや中間部のインスト・パート冒頭の清涼感とFROSTを彷彿させる怒涛のインスト・パートが同居した#5。
神秘的な広がりを見せる思索系チューン#6。
可憐な歌声を聴かせるキム・セヴィアをフィーチュア。スケールの大きなインスト・パートを内包した壮大なバラード#7。
サビでのちょっとした変拍子がフックとなった、IT BITESのGhostを彷彿させるキャッチーなアップテンポ・ナンバー#8。
緊張感あるヴァースと叙情的なサビを持つ#9。
スティーヴ・ホガースの奏でる静寂のピアノをバックに、寂寥感や哀愁など様々な表情を見せるジョン・ミッチェルの歌唱をフィーチュアしたバラード#10。渋いトーンとフレージングのギター・ソロはニック・カーショウ。
アンビエントを効かせた浮遊するピアノをバックに語りかけるように歌う静かな小品#11。

ジョン・ミッチェルのギター/歌唱の安定した実力はもとより、ゲスト達の個性を活かしながらも自身のプロジェクトとしての一貫したカラーを保つソングライティング/アレンジやプロデュース能力の高さを示した好盤。
元々はジョン・ベックがフィッシュのツアーに参加するため、IT BITESの活動に休止期間ができたのがプロジェクト開始のきっかけらしいが、IT BITESの次回作も期待できそうだ。

Track List

1. Airlock
2. God Vs. Man
3. The Boy In The Radio
4. Why Do We Stay?
5. Lonely Robot
6. A Godless Sea
7. Oubliette
8. Construct/Obstruct
9. Are We Copies?
10. Humans Being
11. The Red Balloon

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LONELY ROBOT / The Big Dream

2017,UK

IT BITESFROSTで活躍するジョン・ミッチェル(G/Vo)によるソロ・プロジェクト2ndアルバム。
FROSTの同僚クレイグ・ブランデル(Dr)やゲストの女性ボーカル以外のパートは自らプレイ。

スペイシーなイントロ#1。
イントロを継承するスペイシーかつドラマティックなミディアム・スロー・ナンバー#2。クレイグ・ブランデルの叩き出すヘヴィなビートが底辺をがっちりと支えている。
#2と同じようなテンポながらポップ・ソングの定番進行でよりキャッチーな#3。深遠さを垣間見せるインスト・パートでもクレイグ・ブランデルの小技が効いている。
サビにおける女性ボーカルのユニゾンが柔らかい印象を付加。神秘的でありながらキャッチーにまとめられたバラード#4。
ズ太いシンセが加わればFROSTの楽曲になりそうなリフを持つコンパクトなモダン・シンフォ#5。
サビに仄かな抒情を含んだメジャーセブンスが爽やかで洒落たポップ・チューン#6。
#6を継承するメジャーセブンスに頭打ちのリズム、ギターソロでのワーミーペダルの使用や構築度の高いスリリングなフレーズが印象的な#7。
ウーリッツアー風のエレピがどこか郷愁を誘う希望的メロディのバラード#8。
ナレーションが好奇心を掻き立てる深遠かつ壮大なインストゥルメンタル#9。
マシンのクールなビートによる寂寥感が男女ユニゾン・ボーカルのオーガニックさを引き立てるバラード#10。
アイリッシュ・ホイッスルによるエキゾチックなメロディが印象的なエピローグ#11。

ドラムを除く全パートが自身による演奏なので当然だが、ジョン・ミッチェルが意図したアレンジを忠実なアンサンブルで表現。全体のスペイシーな音像やムードも統一されており、楽曲やアルバム通してのストーリー展開に自然に引き込まれる。
ダミ声にもかかわらず爽やかな独特の声質や自在のタッチで様々なトーンを弾き出すギターも記名性に溢れ、改めてIT BITESやFROSTにおけるジョン・ミッチェルの存在感を思い知らされる。

Track List

1. Prologue - Deep Sleep (2:12)
2. Awakenings (5:10)
3. Sigma (5:06)
4. In Floral Green (5:08)
5. Everglow (4:58)
6. False Light (5:33)
7. Symbolic (5:06)
8. The Divine Art Of Being (5:38)
9. The Big Dream (8:02)
10. Hello World, Goodbye (3:52)
11. Epilogue - Sea Beams (2:48)

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LONELY ROBOT / Under Stars

2019,UK

ジョン・ミッチェル(G/Vo)によるソロ・プロジェクトLONELY ROBOTのPlease Come Home(2015)、The Big Dream(2017)と合わせて3部作との位置づけとなる3rdアルバム。
ドラムをクレイグ・ブランデル(Dr)が叩いているほか、一部でSteve Vantsisがベースをプレイしている以外の全てを本人がプレイ。

ジャケット・アートのイメージ通りの序曲#1。
7拍子リフのメロディをモチーフに展開する#2。
爽やかさとメランコリーが融合したサビが印象的な#3。
エモーショナルなギター・ソロと歌唱が胸を打つバラード#4。
イントロのテーマ・メロを軸にしたメロディアス・シンフォ#5。
重層的なシンセのオーケストレーションでスペイシーな浮遊感を醸し出す#6。
マイルドなシンセ音による5拍子アルペジオがリードする#7。
ヘヴィな5拍子リフとシンフォニックなサビの落差が耳を惹く#8。
思索的ムードの壮大なバラード#9。
スペイシーなインストゥルメンタル#10。
3部作の終幕となる優しいメロディの#11。

絶妙な空間処理による透明感ある音像がキャッチーなメロディの魅力を増幅。特徴的なリフやテーマを繰り返すことでで楽曲を強く印象付ける手法も常套手段ながら巧み。だからこそ#8のような変化球も活きてくる。
本人によれば、本プロジェクトの今後はどうなるかわからない、とのことだが。。

Track List

1. Terminal Earth (1:55)
2. Ancient Ascendant (5:47)
3. Icarus (5:20)
4. Under Stars (5:16)
5. Authorship of Our Lives (5:39)
6. The Signal (3:19)
7. The Only Time I Don't Belong is Now (5:15)
8. When Gravity Fails (5:03)
9. How Bright is the Sun? (6:03)
10. Inside this Machine (3:28)
11. An Ending (2:39)

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