AGENTS OF MERCY のレビュー

AGENTS OF MERCY / The Fading Ghosts of Twilight

2009,SWEDEN

FLOWER KINGSのロイネ・ストルト(G/Vo)による新プロジェクトAGENTS OF MERCYの2009年1st。
メンツは、Nad Sylvan(Vo)、Biggo Zelfries(Key/Violin)、Pat Mastelotto(Dr)、Jimmy Keegan(Dr)にFLOWER KINGSからはお馴染みのJonas Reingold(B)、Zoltan Csorsz(Dr)。
Nadのヴォーカルはフィル・コリンズとロイネを足して2で割ったような、若干演劇風味が入った渋い感じ。そして肝心の音楽性ですが、ここ数作ではコテコテの桃源郷シンフォニック路線に落ち着き気味の本家TFKには無い陰影や叙情性が、アダルトにリラックスしたムードの中にも程良く盛り込まれており大満足です。
デジタル・シンセによる過度な装飾は皆無でピアノ、オルガン、モーグ、メロトロン、ローズ、ウーリッツァーといったオーガニックなキーボード達のサウンドやアレンジが、より楽曲と各パートのプレイの魅力を引き出してます。ロイネによる円熟のトーン・コントロールも冴え捲くってます。

Track List

1.The Fading Ghosts Of Twilight
2.The Unwanted Brother
3.Afternoon Skies
4.Heroes & Beacons
5.Jesus On The Barricades
6.Waiting For The Sun
7.A Different Sun
8.Ready To Fly ?
9.People Like Us
10.A Soldiers Tale
11.Bomb Inside Her Heart
12.Mercury & Mercy

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AGENTS OF MERCY / Dramarama

2010,SWEDEN

ロイネ・ストルト(G)とナッド・シルヴァン(Vo)のプログレ・プロジェクト・バンドAGENTS OF MERCYの2010年2ndアルバムDramarama。

一発で耳に残る奇妙なメロディのリフレインや、GENESISっぽい7拍子が初期FLOWER KINGSを思わせる、ロイネ・ストルトが得意なタイプの典型的プログレッシブ・チューン#1。
メロトロンが哀愁を呼び起こす、メロディアスなシンフォニック・バラード#2。
ハモンドB3のバッキング・リフが印象的な#3。
ラレ・ラーション(Key)がシンセを弾き捲くる凄まじいソロをフィーチュアした神秘的なムードの#4。
フレットレス・ベースのまろやかな音色がリードする、FLOWER KINGSの桃源郷テイスト漂う#5。
SUPERTRAMPっぽいウーリッツァーの音色がペーソス感を、ストリングスのオブリガードがELOを想起させる#6。勿論メロトロンも効いてます。
ちょっとセンチメンタルなフォークロア風サビを持つ透明感あるプログレッシ・フォークの#7。
アコギとスライド・ギター中心のシンプルなアレンジの#8。
ウクレレとウーリッツァーのパーカッシブなバッキングに乗せてナッドの歌唱が物語を紡ぐ#9。
メロトロンによる大仰なオープニングから一転して、軽く歪んだエレピをバックにシンフォニックなパートも含めて展開する#10。
コーラス・パートや重層的なシンセによるシンフォニック・パートがGENESISっぽいテイストの#11。
壮大でメロディアスなバラード#12。

60年代末から70年代初頭のサウンドやヴァイブを再発見するというコンセプト通り、メロディアスでレトロなムードのプログレッシブ・ロックが展開されているのは前作と同様ですが、今回はヨナス・レインゴールド(B)、ラレ・ラーションら脇を固めるメンツもライブを通して固定され、よりバンドらしくまとまってきました。
と同時に、各人の個性も浮かび上がってきました。特にナッド自ら作曲した、とぼけたムードの歌唱を活かしたキャッチーな歌モノの連作#6,#7,#8,#9における、英国っぽい叙情性が最高。全体的にはロイネ色の濃い楽曲とアレンジが目立つ中で、良いアクセントになっています。

Track List

1. The Duke Of Sadness
2. Last Few Grains Of Hope
3. Peace United
4. Journey
5. Gratitude
6. Meet Johnnie Walker
7. Cinnamon Tree
8. The Ballad Of Mary Chilton
9. Roger The Tailor
10. Conspiracy
11. We Have Been Freed
12. Time

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AGENTS OF MERCY / The Black Forest

2011,SWEDEN

活動休止中のTHE FLOWER KINGSに代わり、もはやロイネ・ストルト(G)のメイン・バンドとの感もあるスウェーデンのプログレッシブ・ロックバンドAGENTS OF MERCYの3rdアルバム The Black Forest。

日常に潜む不穏な事象を、”漆黒の森”に喩えたコンセプト・アルバム。

期待感と高揚感を煽るイントロから11分に渡って繰り広げられるシンフォニックな序曲#1。耳を捉えて離さないシンセとギターのユニゾンで奏でられる奇妙なメロディ、静寂と喧騒の対比や緩急を活かしたアレンジが冴えるドラマティックなナンバー。
ダークなムードの中、ファンキーに進行する#2。突如突き抜けるシンフォニック感覚にハッとさせられるニクいアレンジ。バッキングでのダーティなオルガン、インスト・パートでの7色のシンセと鍵盤群を変幻自在に操るラレ・ラーション(Key)のプレイが見事。
超絶シンセ・ソロをフィーチュアした、ヘヴィなギターとダーティなオルガンのリフがリードする#3。
タイトル通りの悲痛なメロディが胸に突き刺さるメランコリックなバラード#4。ロイネ・ストルトのストレートな泣きのギター・ソロが素晴らしいです。
THE FLOWER KINGSを思わせる桃源郷的シンフォに、ダークなテイストを内包したロックなサビを持つ歌唱パートが融合した#5。
メロトロンをうっすらと絡めたバックにロイネ・ストルトがメインのボーカルを取る#6。独特の苦味がある歌唱とセンス良いギターのオブリガードといったロイネ・ストルトの個性が、フック満載のアレンジとあいまった初期FLOWER KINGSのような趣のナンバー。
不穏なムードのSEを配した序盤から、ナッド・シルヴァンとロイネ・ストルトが掛け合いで歌う中近東風メロディをアクセントに使用した歌唱パートに移行する#7。ヘヴィなパートとゴスペル風コーラスをあしらった中間部のメロウなパートの起伏が楽曲にダイナミクスを生み出している。
序盤のまろやかなシンセ、霧のようなメロトロン、ギターの繊細なアルペジオが神秘的なムードを演出する#8。短いボーカル・パートを受け継ぎ、徐々に盛り上がる叙情的なバッキングに乗った2分半に及ぶエモーショナルなギター・ソロでアルバム56分の旅を締めくくるロイネ ファン感涙のメランコリックなナンバー。

前作でナッド・シルヴァンが見せた軽妙な英国風ポップを今回は封印、YESGENESISよりはむしろBLACK SABBATHLED ZEPPELIN寄り、と本人達が言うように、適度にエッジの立ったヘヴィネスやダークな色合いを増量。
そしてそれらが従来のシンフォニックなサウンドやプログレッシブな曲展開に見事に融合し、コンセプトの元にアルバム通して一分の隙も無い作品を作り上げました。

桃源郷サウンドがあまりにも緩く拡散してしまった近作のFLOWER KINGSよりも、むしろ初期THE FLOWER KINGSに近いドラマティックな起伏とロイネ・ストルトの存在感が楽しめるAGENTS OF MERCY。
来年あたりTHE FLOWER KINGSの活動再開もあるようですが、ロイネ節を期待するならAGENTS OF MERCYの方が良い様な気がします。

Track List

1. The Black Forest
2. A Quiet Little Town
3. Elegy
4. Black Sunday
5. Citadel
6. Between Sun & Moon
7. Freak Of Life
8. Kingdom Of Heaven

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