FLOWER KINGSとしては6年ぶりとなる13thアルバムWaiting For Miracles。
徐々に煌びやかさを増していく静かなピアノがアルバム全体と続く#2のイントロとなっているインストゥルメンタル小品DISC1 #1。
希望的メロディとアナログ・シンセ、ロイネ・ストルト(G/Vo)の味わい深い歌唱、演劇的なフックのあるインスト・パートとTHE FLOWER KINGSらしさの詰まったDISC1 #2。
メインのモチーフを中心に軽快なオルガンをはじめとた鍵盤群が色を添え、幻想的ムードを掻き立てるインスト・パートを絡めて場面転換していく10分超のエピック・チューンDISC1 #3。
シンセのミニマルなシーケンスとヨナス・レインゴールド(B)のフレットレス・ベースの甘いトーンが幻惑的ムードを醸し出す序盤から、少々センチメンタル要素をまぶした桃源郷サウンドがゆったりと進行するDISC1 #4。
ハッセ・フロベリ(Vo)とロイネ・ストルト2人の歌唱で綴るバラードDISC1 #5。
映画のサウンドトラックのような幻想的インストゥルメンタルDISC1 #6。
オーソドックスなポップ・チューンDISC1 #7。
冒頭にジャケット・アートの象を思わせる鳴き声を配置、ギターとシンセがリードするインストゥルメンタルDISC1 #8。
印象的でドラマティックなイントロから抒情的な歌唱パートに移行するDISC1 #9。
ロイネによる粘っこいギターと枯れた味わいの歌唱をフィーチュアしたDISC1 #10。
DISC1 #1をより元気にシンフォニックにしたリプライズDISC2 #1。
シンセによるサウンドスケープやDISC1 #3の歌唱パートのサンプル素材のコラージュからなるDISC2 #2。
タイトルから受けるSF的要素よりもメロウな抒情が際立つDISC2 #3。
躍動感あるリズムに希望的サウンドが乗るDISC2 #4。
アウトロとなるインスト小品DISC2 #5。
ROINE STOLT’S THE FLOWER KING名義のアルバムManifesto Of An Alchemistがロイネ・ストルトの魅力を前面に打ち出した事で初期FLOWER KINGSを彷彿させる佳作になった反面、THE FLOWER KINGS名義の今作Waiting For Miraclesは、長らく鍵盤パートを担っていたトマス・ボディンの不在で、良くも悪くもトマス・ボディンの持っていた多彩な音色や意外性のあるフレーズといったアクの強さがFLOWER KINGSには不可欠なのだと逆説的に知らしめる結果となってしまった。随所にヨナスやハッセが個性を発揮する場面はあるものの、バンドFLOWER KINGとしての個性にまで昇華していないのが少々残念。
Line-up / Musicians
– Roine Stolt / electric & acoustic guitars, keyboards, lead vocals
– Jonas Reingold / bass, fretless bass
– Hasse Fröberg / lead & backing vocals
– Zach Kamins (An Endless Sporadic) / guitar, keyboards
– Mirko DeMaio (Mind Key) / drums, percussion
With:
– Michael Stolt / bass, vocals
– John “Zach” Dellinger / viola
– Paul Cartwright / violin
cover art created by US artist Kevin Sloan