THEATRE OF TRAGEDY のレビュー

THEATRE OF TRAGEDY / Theatre of Tragedy

1995,NORWAY

ノルウェーのゴシック・メタル・バンドTHEATRE OF TRAGEDYの1995年1st。

ミディアム・スロウ・テンポを中心とした暗鬱かつヘヴィなバッキングにデス声とリヴ・クリスティン(Vo)のエンジェリック・ヴォイスが対比をなしながら乗っかるゴシック王道サウンド。楽曲やアレンジの練りはまだまだながら、リヴ嬢の歌声だけは既に究極。後年と比較するとやや線が細いが、それがかえって儚さを倍増させる要因となっている。9分近い大作#5ではリリカルなピアノと弦、そして独特な欧風フォークロア由来の切ないボーカル・メロディのみで耽美な世界を構築。アルバムのハイライトとなっている。

Track List

1. A Hamlet for a Slothful Vassal
2. Cheerful Dirge
3. To These Words I Beheld No Tongue
4. Hollow-Heartèd, Heart-Departèd
5. ...A Distance There Is...
6. Sweet Art Thou
7. Mïre
8. Dying - I Only Feel Apathy
9. Monotonë

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THEATRE OF TRAGEDY / Velvet Darkness They Fear

1996,NORWAY

ノルウェーのゴシック・メタル・バンドTHEATRE OF TRAGEDYの1996年2nd。

アレンジ面が向上し醜と美の対比がより鮮明になった。メロディにも独特なフックが多数見られる反面、余り印象に残らない部分が少々感じられるのも事実。又、ドラマ性を伝えきるのに未だ長尺を要している所にさらなる成長の余地を感じる。といいつつも#5や#11では彼らならではの魅力的な個性を十二分に発揮。もう少しだ。

Track List

1. Velvet Darkness They Fear
2. Fair and 'Guiling Copesmate Death
3. Bring Forth Ye Shadow
4. Seraphic Deviltry
5. And When He Falleth
6. Der Tanz der Schatten
7. Black as the Devil Painteth
8. On Whom the Moon Doth Shine
9. The Masquerader and Phoenix

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THEATRE OF TRAGEDY / Aégis

1998,NORWAY

ノルウェーのゴシック・メタル・バンドTHEATRE OF TRAGEDYの1998年3rd。

端正な美旋律、醜と美、ドラマ性といった自らの特徴をよりコンパクトに纏め上げることに成功。曲タイトルもギリシア・ローマ神話から引用した単語1語でシンプルにし曲のイメージをはっきりさせている。シンセのアレンジがさらに向上し全体を覆う冷ややかでしっとりとした音像もアルバムの完成度アップに多大に貢献、彼らの最高傑作となった。ゴシック・メタルのファンなら常備すべき1枚。男性ボーカルが無理に歌わず淡々としたセリフ調のテイストで統一しており、その分リヴ・クリスティン(Vo)の歌うメロディとエンジェリック・ヴォイスが引き立てられている。端整で気品すら感じられる#6,#7はこのジャンルでの古今東西最高峰楽曲。

Track List

1. Cassandra
2. Lorelei
3. Angélique
4. Aœde
5. Siren
6. Samantha
7. Venus
8. Poppæa
9. Bacchante
10. Virago

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THEATRE OF TRAGEDY / Musique

2000,NORWAY

THEATRE OF TRAGEDYの2000年作。

前作で美を極めた反動からか、突如エレクトロニックなサウンドに転換。曲タイトルも現代風というか何というか無機質なイメージだ。ベースとなるサウンドが全然違う方向に来てしまっっておりゴシック・メタルではもはや無く、ヘヴィなヨーロピアン・エロクトロニック・ポップという趣。一体この2年間に何があったんでしょうか?しかしながらリヴ・クリスティン(Vo)は今まで以上に普通に歌っており、#4の「アン、アアン、ア、アンアン、アアン」なんて部分では新味の萌えを発散している。歌唱スタイルはむしろ後のLEAVE’S EYESにより近くなっているくらいなので、彼女のファンとしてはこれはこれでありだ。

Track List

1. Machine
2. City Of Light
3. Fragment
4. Musique
5. Commute
6. Radio
7. Image
8. Crash/Concrete
9. Retrospect
10. Reverie
11. Space Age

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THEATRE OF TRAGEDY / Closure

2001,NORWAY

ノルウェーのゴシック・メタル・バンドTHEATRE OF TRAGEDYの2001年作ライブ。

初期のゴシックな雰囲気にエレクトロニック風味が共存していておもしろい、過渡期にあるバンドの姿をさらけ出したライブ。#5は原曲をアレンジしデジタル・ポップになっちゃったりして。でも不思議とそれなりに聴けてしまう。名曲#4もスタジオ・バージョンとは違う雰囲気のイントロでコレもなかなか良い。リヴ・クリスティン(Vo)の歌唱はウィスパーなスタジオ・バージョンよりも”歌っている”感じ。ハイライトは#7だ。エンジェリック・ヴォイスで煽るリヴたん。。

Track List

1. Intro/And When He Falleth
2. Der Spiegel
3. Cassandra
4. Venus
5. Black as the Devil Painteth
6. Siren
7. Poppæa
8. Bacchante
9. A Distance There Is
10. Der Tanz Der Schatten

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THEATRE OF TRAGEDY / Storm

2006,NORWAY

THEATRE OF TRAGEDYの2006年6th。

前作Assemblyでデジ・ロックな方向性を進めるバンドと音楽性の相違により脱退したリヴ・クリスティンに替わり、ネル・シグランド(Vo)が新たな歌姫の座に。エンジェリック度はややリヴ嬢に劣るものの水準以上の実力の持ち主で、歌唱は完璧。こんな声好きですね。曲調もデジ・ロックで鍛えたリズム面を強調しながら、メタル風味も復活。かつてのダークで耽美だがともすると一本調子だったゴシック・メタルから、新境地を切り開いた感がある。そう考えると最近2作の寄り道も無駄ではなかった。曲調、メロディのバリエーションも豊富。#1以外にも強力な曲が欲しいがそれは今後に期待するか。

Track List

1. Storm
2. Silence
3. Ashes and Dreams
4. Voices
5. Fade
6. Begin and End
7. Senseless
8. Exile
9. Disintegration
10. Debris

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THEATRE OF TRAGEDY / Forever is the World

2009,NORWAY

ゴシック・メタルのヴェテラン・バンドTHEATRE OF TRAGEDYの2009年7th。

フォロワー達がゴージャス&シンフォニックなデコレーション路線で成功して行く中、元々壮麗なアレンジやドラマティックな場面転換といった即効性の高い派手な要素よりも、淡々と美に耽る中にキラリと光る必殺フックでリスナーのハートを掴んできた彼らの個性が復活してきた印象です。グロウル・ヴォイスと不穏なムードで引っ張り、サビでのネル・シグランド(Vo)の美声で一気に突き抜けるゴシック定番チューン#1で軽くジャブ。凡百のバンドが安直にシンセ・ストリングスでやりそうなリフもギターで奏でる事でピアノのオブリガードを活かした#2。ギター、ピアノ、ストリングスを場面に応じて使い分けた#3、くぐもったピアノがリードしグロウル・ヴォイスの無い#4、等のメランコリック・チューンではネル嬢の歌唱が抜群に映えています。クリーン・ギターとパーカッシブなドラムに乗るパワー・バラード風な#5でも囁くような部分とサビでの声色の使い分けが見事。ノーマル男声ボーカルの序盤と対比させたサビでのネル嬢の歌唱が激萌えな#6。低音域でも存在感ある美声があることを証明する#7。適度に重厚なストリングスにマイルドな歌唱がたゆたう耽美なゴシック・バラード#8。サビのアレンジがキャッチーな彼らの王道ゴシック#9。ピアノのバックとネル嬢によるオーバーダブされたコーラスが美しく印象に残るラストの#10。これが加入後2作目となるネル嬢は、前任のリヴ・クリスティンのようなこの世の物とは思えないエンジェリック・ヴォイスこそ無いが、様々な曲調をこなす音域の広さと可憐なキャラクターの声質で確実にバンドを進化させています。バンドもネル嬢の個性を巧く引き出してますし。特にラスト3曲はかなりの充実度です。

Track List

1. Hide and Seek
2. A Nine Days Wonder
3. Revolution
4. Transition
5. Hollow
6. Astray
7. Frozen
8. Illusions
9. Deadland
10. Forever Is the World

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