名盤 のレビュー

KING CRIMSON / In the Court of the Crimson King

1969,UK

ロバート・フリップ(G)率いるKING CRIMSONの1969年1stアルバム In the Court of the Crimson King。

衝撃のディストーション・ヴォイスとインストゥルメント・パートの構築されたスリリングな展開がエバーグリーンな魅力を持つロック史に残る名曲#1。
英国的で静謐な側面が魅力的な#2。
グレッグ・レイク(B/Vo)の叙情的なボーカルとメロトロンの洪水でお馴染みの#3。
叙情とアバンギャルドが両立した#4。
神々しいまでのメロディとそれを増幅するメロトロンのシャワーが快感の#5。

イアン・マクドナルド(Key等)がサックスやフルート、メロトロン、ヴィブラフォンとマルチに活躍し、バンドのアイディアを具現化。
ポップ・ミュージックのフィールドにおいて、全ミュージシャンと全リスナーに表現の可能性が無限である事を示したロック界永遠のバイブルです。

Track List

1. 21st Century Schizoid Man/Mirrors
2. I Talk to the Wind
3. Epitaph/March for No Reason/Tomorrow and Tomorrow
4. Moonchild/The Dream/The Illusion
5. Court of the Crimson King/The Return of the Fire Witch/The Dance of the Puppets

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DEEP PURPLE / In Rock

1970,UK

DEEP PURPLEの1970年5thアルバムIn Rock。それまではアート・ロックをやっていたDEEP PURPLEがイアン・ギラン(Vo)、ロジャー・グローバー(B)の加入を経て制作した作品。

#1,#2,#4,#5等に見られるギター、オルガン、ベースが一体となってのユニゾン・リフ中心の楽曲構成に高音でシャウトできるパワフルなイアン・ギランのボーカルが乗るハード・ロック スタイルに路線変更。そこにリッチー・ブラックモア(G)のギター、ジョン・ロード(Key)の歪ませたハモンドによる個性的なソロがプラスされバンドとしての個性も確立。
特に#4,#7でのジョン・ロードのソロは強烈ですね。
#3ではクラシック趣味も漂わせた大仰な展開と緩急、イアン・ギランの超高音スクリームで独自の様式を提示するなど、ブルーズをベースにしつつもドロ臭くなく、より先鋭化した新たなスタイルでハード・ロックの新時代を切り開いた衝撃作です。

Track List

1.Speed King
2.Bloodsucker
3.Child in Time
4.Flight of the Rat
5.Into the Fire
6.Living Wreck
7.Hard Lovin' Man

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BLACK SABBATH / Black Sabbath

1970,UK

ヴァーティゴからのデビューとなったドゥームの祖BLACK SABBATHの1stアルバム。

キーフによる色彩感覚と雰囲気が抜群なジャケからしてもう掴みはOK。「人を怖がらせる音楽」をつくるべく悪魔的なイメージを利用した彼らですが、悪魔やオカルトを暗喩として実は社会風刺的なメッセージを歌ってたりしたという工業都市バーミンガム出身ならではの社会派でもあるんです。”リフ・マスター”トニー・アイオミ(G)による独特の着想からの不気味なリフ、ジャズ・ブルーズを基本としながらもどう展開していくのか先が読めないプログレッシブな曲の展開、アコースティック・サイドの寂寥感といったSABBATHのエッセンスが盛りだくさん。デビュー作にして既に、オジー・オズボーン(Vo)のしゃがれ声、トニーのコリコリしたギター・サウンド等、唯一無二の個性が完成している点も驚異的です。今更言うまでも無いですが、後進のメタル・バンドやメタル・ファン達にとっての永遠のバイブルですね。

Track List

1. Black Sabbath
2. The Wizard
3. Wasp / Behind The Wall Of Sleep / Bassically / N.I.B.
4. Wicked World
5. A Bit Of Finger / Sleeping Village / Warning

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EMERSON LAKE & PALMER / Tarkus

1971,UK

ELPの1971年2nd。

何と言っても20分超のタイトル組曲#1が圧巻。ハモンドによる印象的な怒涛の5拍子リフが、架空の怪物タルカスがキャタピラで縦横無尽に暴れまわる姿を表現しきってます。一方、グレッグ・レイクのヴォーカルによる歌パートでは物語が抽象的に語られつつも、叙情性にホッと一息入れる余裕も聴き手に与える心遣いが嬉しいですね。Drのカール・パーマーは後のASIAでの醜態がウソのようにタイトなビートでタルカスの機関部となりバンドの推進力を高めてます。キーボード・トリオという構成でこれだけのドラマを構築されたらもう降参ですね。小品#2やタイトな演奏が聴ける#3でのホンキートンク調ピアノ、荘厳なオルガンに導かれる#4の後半でのクラシカルなピアノ等ピアノも素敵です。でもやっぱり#6のオルガンには血が沸き立ちますね。

Track List

1. Tarkus
Eruption
Stones of Years
Iconoclast
Mass
Manticore
Battlefield
Aquatarkus
2. Jeremy Bender
3. Bitches Crystal
4. The Only Way
5. Infinite Space
6. A Time and a Place
7. Are You Ready Eddy?

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CARAVAN / In the Land of Grey and Pink

1971,UK

カンタベリーの至宝CARAVANの1971年3rdアルバムIn the Land of Grey and Pink。

朴訥とした男性Voと少々ひねくれつつも牧歌的なサイケ&フォークでなごませつつ、単音ファズ・オルガンが強烈な個性を放っています。
リリカルなアコギで始まり怒涛のオルガン・ソロを含む7分超の#2や名曲と名高い22分超の#5では歪み以外にも通常のトーン、ワウをかませたようなトーン等オルガンだけでも何音色も使い分けて若干ジャズ・テイストな長尺曲のインプロビゼーションをスリリングに且つ一気に聴かせます。
アルバム全編通して程良くマイルドに仕上がった音像なのでゆったり寛いで聴くのにちょうど良い感じですね。タイトル通りのジャケも良いです。

Track List

1. Golf Girl
2. Winter Wine
3. Love to Love You (And Tonight Pigs Will Fly)
4. In the Land of Grey and Pink
5. Nine Feet Undergroud

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LED ZEPPELIN / Led Zeppelin IV

1971,UK

LED ZEPPELINの4thアルバム、通称Four Simbols。

前作のフォーク路線が一部評論家からバッシングを浴びた事へのバンド側からの回答が、このタイトルもバンド・ロゴも無いジャケット・アート。先入観無しに、純粋に音楽で評価してくれ!ということだったようです。レコード内袋には#4の歌詞がプリントされ、メンバー各人を象徴したとされる謎の4つのシンボルが記載されていたことから、Four Simbolsとも呼ばれています。

トリッキーなリズムの捻りを加えたハード・ロック・ナンバー#1。
ウラから入るジョン・ボーナム(Dr)のフィルが超有名な典型的ロックン・ロール・ナンバー#2。冒頭2曲でつかみはOK。
サンディ・デニーをゲストに招いた神秘的なトラッド・フォーク#3。ライブではジョン・ポール・ジョーンズ(B)がトリプル・ネックのマンソン・ギター(俗称キングギドラ!?)で参戦するのも有名です。
この#3から、フォークとハード・ロックが有史以来最高の融合を果たす全人類のアンセム#4までの流れが最高ですね。ジミー・ペイジ(G)によるアコギとエレキをブレンドさせたアルペジオ、リコーダーの美しい響き、ドラムが入る瞬間の興奮、そしてロバート・プラント(Vo)の魂のシャウト。もう完璧ですね。
感動の余韻に浸りながらレコードをひっくり返して臨む#5以降のアナログB面は、ジョン・ボーナムのアンビエント感いっぱいのビッグなドラムとリズムのトリックが楽しめる#5、#6、#8に加え、透き通るアコースティック曲#7でアクセントを付けた構成も素晴らしいです。
又、アルバム全編に漂う静かで冷たい感触が、このアルバムの一種独特なムードを醸し出しているんですよね。

Track List

1. Black Dog
2. Rock 'n' Roll
3. Battle of Evermore
4. Stairway to Heaven
5. Misty Mountain Hop
6. Four Sticks
7. Going to California
8. When the Levee Breaks

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カテゴリー: LED ZEPPELIN

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YES / Close to the Edge

1972,UK

YESの1972年5thアルバムClose to the Edge。

時に小説単位で行われたレコーディングの断片をテープの切り・貼りによって再構築したという#1がもう最高。川のせせらぎと鳥のさえずりのSEを導入部に仕込むことで牧歌的なイメージを与えておきながら、バンド演奏が始まるとともに突然のフリージャズ寸前の展開に当時の全リスナーが腰を抜かしたであろう衝撃のオープニングでつかみはOK。そして忍耐強く聴き続けた者だけに訪れる緊張からの爽やかな開放感。まさに「アメ」と「ムチ」。この曲は基本的にこのパターンを繰り返しながらオーラスの大団円に向かって徐々に感動の度合いが高まるように構成されています。後世の多くのバンドがこうした手法を模倣しながら未だにこのオリジナルの完成度を越える事ができていない、という事実がいかにこの30年以上前の作品が凄いものであるかを証明しています。
リック・ウェイクマン(Key)が多彩なトーンでチーム・プレーに徹しつつ幻想的雰囲気を醸し出す#2、
各パートの演奏が有機的に絡み合った#3も素晴らしいです。

スリリングでドラマティック、メロディアスでインテレクチュアルなロック史に燦然と輝く名盤。偏執狂的制作スタイルに疲れたビル・ブラッフォード(Dr)はレコーディング後脱退、KING CRIMSONに加入します。

Track List

1. Close To The Edge
(i)The Solid Time Of Change
(ii)Total Mass Retain
(iii)I Get Up, I Get Down
(iv)Seasons Of A Man
2. And You And I
(i)Cord Of Life
(ii)Eclipse
(iii)The Preacher, The Teacher
(iv)Apocalypse
3. Siberian Khatru

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MELLOW CANDLE / Swaddling Songs

1972,IRELAND

クロダー・シモンズ(Vo/Pf)、アリソン・ウィリアムス(Vo)という美声シンガー2名を擁したアイルランドの5人組フォーク・ロック・バンドMELLOW CANDLEの唯一作Swaddling Songs。

トラッドの薫りを漂わせながらも時代を超越したキャッチーさを併せ持つボーカル・メロディに、端整なハープシコードや流麗なピアノ、少々控えめなギターにしっかりしたリズム・セクションで練りこまれたアレンジを施した美しいフォーク・ロックが楽しめます。
ボーカルの2人はレコーディング時にはティーン・エイジャーだったといのが信じられないくらい、バックの演奏に負けない堂々とした歌唱を聴かせます。
#1,#6,#10では姉さん風左CHと可憐な右CHという違うキャラクターの美声がハーモニーを紡いだり#9では左右CHでボーカルを掛け合ったりと単調にならない仕掛けや、楽曲のバリエーションの豊富さも、古さを感じさせない要因でしょう。女性ボーカル・ファン必聴作品です。

Track List

1. Heaven Heath
2. Sheep Season
3. Silver Song
4. The Poet And The Witch
5. Messenger Birds
6. Dan The Wing
7. Reverend Sisters
8. Break Your Token
9. Buy Or Beware
10. Vile Excesses
11. Lonely Man
12. Boulders On My Grave
13. Feeling High
14. Tea With The Sun

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PREMIATA FORNERIA MARCONI / Per Un Amico

1972,ITALY

イタリアン・プログレッシブ・ロックの至宝PREMIATA FORNERIA MARCONIの1972年2ndアルバムPer Un Amico。

感動のメロディを奏でるシンセとそれを支えるメロトロンの幽玄なトーンでお馴染みの、ファンタジックな代表曲#1。静かなボーカルから徐々に盛り上がるパートの叙情が胸を締め付けます。
ドライヴするギター、ハイハットのカウント、アヴァンギャルドなピアノ、そして舞い踊るヴァイオリン、と各パートがクールに絡み合うジャズ・ロックのインストゥルメンタル#2。中間部の牧歌的なマーチで見せるユーモラスな表情も魅力です。
フルートを中心に叙情を漂わせるイントロから、なんとなく英国のCARAVANあたりを思わせる洒落ていてメロディアスなボーカル・パートに移行する#3。インスト・パートはヴァイオリンのインプロビゼーションから爽快なアコギのコード・カッティングを経て、シンセのファンファーレへとシンフォニックに展開。
アコギをバックに清涼感あるボーカルが乗るキャッチーなフォーク#4。シンセがリードする神秘的なムードのインスト・パートでは、ハープのシャワーが心地良いです。フラヴィオ・プレモーリ(Key)の独演会と化す、シンセのシンフォニック・パート~ピアノ・ソロの豪快さと繊細さの対比も素晴らしいアクセントになっています。
明るいムードの中に神秘性を帯びたボーカル・パートと、ヘヴィで屈折気味のインスト・パートが融合した#5。

後にELPのレーベル マンティコアからリリースされる世界デビュー盤の元ネタではありますが、素朴なプロデュースとイタリア語の響きが彼らの魅力をより忠実に表現していると思います。

Track List

1. Appena Un Po
2. Generale
3. Per Un Amico
4. Il Banchetto
5. Geranio

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STRAWBS / Grave New World

1972,UK

STRAWBSの1972年5thアルバムGrave New World。
キーボードがYESに加入したリック・ウェイクマンからブルー・ウィーバーにチェンジ。様々な音色とフレーズで個性を楽曲に反映させていた前任者と比べると、一歩下がって俯瞰するかのようなスタンスで目立ちはしないが楽曲に必要不可欠のパートを堅実に演奏しています。

爽やかなアコギにオルガンやメロトロンの装飾とエレクトリック・ダルシマーと思しきソロまで登場するボリューム感満点のポジティブ・ナンバー#1で幕を開け、#5は大仰なイントロとメロトロンの白玉がプログレッシャーの心を鷲づかみに。
美しいコーラス・ハーモニーで始まる#7では、ハーモニウム(足踏みオルガン)にメロトロンやオルガン、そして叙情パートで単音メロディーを奏でるクラヴィオラインとウィーバー大活躍。

美しいメロディに本物のヴィンテージ・キーボードしか出し得ないオーガニックなサウンドが溶け合った至福のひとときが味わえます。

Track List

1.Benedictus
2.Hey, Little Man.... Thursday's Child
3.Queen of Dreams
4.Heavy Disguise
5.New World
6.Hey, Little Man.... Thursday's Child
7.Flower and the Young Man
8.Tomorrow
9.On Growing Older
10.Ah Me, Ah My
11.Is It Today, Lord?
12.Journey's End

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カテゴリー: STRAWBS

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PINK FLOYD / The Dark Side of the Moon

1973,UK

邦題「狂気」が言い得て妙なPINK FLOYDの1973年8th。

鼓動のSEがオープニングとエンディングに配され、各曲が微妙にクロスフェードしながら繋がったアルバム構成、大胆にベル音をあしらった#4、サンプラーが無い時代にレジの音を録音したテープの切り貼りで組み立てた#5のリズム、といった部分の実験的な要素と、ゲスト女性ボーカルによるソウルフルなゴスペル風スキャットやコーラス、キャッチーなボーカル・メロディがもたらすポピュラー音楽としての分かり易さが高次元で融合。それでいて、リラックスしたムードのヒット・シングル#7やスペイシーな#8などのゆったりとしたテイストがリスナーのイマジネーションを刺激するプログレッシブな精神性も。シド・バレットの暗喩とされた「月の暗い面」を日常の狂気という より普遍的なテーマに昇華させ、耳障りの良いポップスの意匠をまとった楽曲を実験的なSEで繋ぎトータル・コンセプト・アルバムとして完成させた、音楽性・商業性を両立した20世紀のロック史に刻まれた金字塔です。

Track List

1. Speak to Me
2. Breathe
3. On the Run
4. Time
5. The Great Gig in the Sky
6. Money
7. Us and Them
8. Any Colour You Like
9. Brain Damage
10. Eclipse

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GENESIS / Selling England by the Pound

1973,UK

GENESISの1973年6thアルバムSelling England by the Pound。

前作までの寓話的ファンタジー色は薄れ、よりシンフォニック&テクニカル路線に転換。それを顕著に表すのがトニー・バンクス(Key)による鍵盤パートの充実。
スティーブ・ハケット(G)のファズ・ギターも影を潜め、#7前半のセンシティブなアルペジオや#3で聴かれるマイルドなトーンのソロに象徴されるように清廉な叙情性を増量。
その結果、適度にテクニカル&スリリングでメロディック&ドラマティックな傑作となった。長尺曲とボーカル主体のコンパクトな楽曲を交互に織り交ぜた展開で各々の曲調をより際立たせているアルバムの構成も見事。

アルバムのハイライトは#7の6分過ぎからの7拍子プログレッシブ・ワールド。トニー・バンクスがシンセ中心にメロトロンをジワジワ絡めたり、印象的なリフレインを連発させたりと大活躍。この余韻を引き摺りつつ#1のメロディをリプライズさせてアルバムを締めくくる#8が効いてます。

Track List

1. Dancing with the Moonlit Knight
2. I Know What I Like (In Your Wardrobe)
3. Firth of Fifth
4. More Fool Me
5. Battle of Epping Forest
6. After the Ordeal
7. Cinema Show
8. Aisle of Plenty

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LED ZEPPELIN / Houses of the Holy

1973,UK

LED ZEPPELINの5thアルバムHouses of the Holy。

前作で極めたからか、ケルト/トラッド風味は薄めでカラっとしたサウンド。でも各曲のキャラが立っている。

元は#2の序曲として作られたという爽やかな疾走感が気持ち良い#1。
メロトロンが静かな詩情を表現した#2。
アコギ/エレキのアンサンブルが見事な#3。
ノルにノレない変態ファンクが快感の#4。
ZEPならではの変テコHRな#5。
リラックスしたイイ感じのZEP風レゲエ#6(でもドラムはビッグなサウンドでロックしてます)。
一転してジョン・ポール・ジョーンズ(B/Key)のトレモロをかけたエレピがスペーシーな、暗黒プログレ沼へのトリップを誘う#7。
変拍子変態リフと終盤のお祭り騒ぎが楽しい#8。

全曲穴無し。ジョンジー度高いのが良い。ヒプノシスによるジャケもキレイで大好きです。

Track List

1. Song Remains the Same
2. Rain Song
3. Over the Hills and Far Away
4. Crunge
5. Dancing Days
6. D'Yer Mak'er
7. No Quarter
8. Ocean

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ARTI E MESTIERI / Tilt

1974,ITALY

イタリアの6人組ジャズ・ロック・バンドARTI E MESTIERIの1974年1stアルバムTilt。

フリオ・キリコ(Dr)の繰り出す手数の多いドラミングを中心に鍵盤とギターがバックを固め、ヴァイオリンとサックスがメインのメロディをクールに奏でるスタイルで統一されています。が、しかし、そのオーガニックな響きゆえに温かみをも同時に醸し出した独特のサウンドになっているのがポイント。そしてそのクールなインストゥルメンタル・パートと対比を成すのが、ボーカルが入った時の静かな叙情。特に#2の囁くようなボーカルとジワジワ染み入るメロトロンによる、もう反則っていうくらいの叙情味は印象に強く残ります。又、普段はバッキングに徹しているギターも、#4では突如スリリングな早弾きソロで前面に出てきます。そんなロック的熱さも魅力。クールなジャズ・ロックと優しい叙情を交差させた13分超の#7のドラマティックさは圧巻。

バンド名通り、芸術家の感性と職人の技術が高次元で融合。全9曲中インストゥルメンタル・ナンバーが7曲という構成でいながら、親しみ易く歌心を感じさせるアルバムです。

Track List

1. Gravità 9,81
2. Strips
3. Corrosione
4. Positivo / Negativo
5. In Cammino
6. Scacco Matto
7. Farenheit
8. Articolazioni
9. Tilt

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KING CRIMSON / Red

1974,UK

KING CRIMSONのスタジオ7thアルバム Red。

ジョン・ウェットン(B/Vo)中心に他のメンバーがどんどん音量を上げるステージで居場所を失ったデヴィッド・クロスが脱退、残った正式メンバー3人に加え、デヴィッド・クロスを含めイアン・マクドナルドやメル・コリンズなどかつてのメンバーのゲスト参加を仰ぎ制作された70年代KING CRIMSONのラスト・アルバム。

重金属を思わせるギターの上昇フレーズがうねるヘヴィなインスト#1。
ジョン・ウェットンのボーカルをフィーチュアした叙情チューン#2。ゲスト陣のサックスやオーボエが陰影を帯びて良い感じに仕上がってます。
#1のテイストをベースに、キャッチーとも言えるボーカル・パートやサックス・ソロをフィーチュアしたインスト・パートを織り交ぜた#3。
と、アナログA面のここまでをロバート・フリップ(G)はメタル・サイドと表現。

デヴィッド・クロスの軋んだヴァイオリンとサウンドスケープを中心に混沌としたインプロビゼーションを展開する#4。雰囲気モノに終始するギターやヴァイオリンと比べ、よりはっきりとしたフレーズでアンサンブルを牽引するジョン・ウェットンの存在感(と音量)が凄まじい。
そして70年代CRIMSONのラストを飾る#5。メロトロンの寂寥感、叙情的なボーカル・メロディ、哀愁のサックス、屈折した暗黒インスト・パート、暴虐のヘヴィネス・パートと様々なテイストを盛り込んだバンドの最後を飾るにふさわしい集大成的名曲です。

アルバムの発売直前にロバート・フリップが突如解散を宣言。
プログレッシブ・ロックの黎明期から常にシーンをリードしてきたバンドの歴史にひとまず終止符を打つ事に。

Track List

1. Red
2. Fallen Angel
3. One More Red Nightmare
4. Providence
5. Starless

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DEEP PURPLE / Burn

1974,UK

イアン・ギラン、ロジャー・グローバーをクビにして、ほぼ無名の新人デヴィッド・カヴァーデイル(Vo)と元TRAPEZEのグレン・ヒューズ(B/Vo)を加えての第三期DEEP PURPLEの1作目となる1974年9thアルバムBurn。

男らしいディープ・ヴォイスのデヴィッドにハイトーンのグレンと、#1からいきなり新加入スーパー・ボーカリスト2名の個性が爆発。ロールしまくるイアン・ペイス(Dr)、ハード・ロック史に残るソロを聴かせるリッチー・ブラックモア(G)、ジョン・ロード(Key)らオリジナル・メンバーも大いに触発されテンションの高いプレイを披露。カッコ良いリフとクラシカルなソロを完備した様式美ハード・ロックの名曲となりました。
ファンキーな#2。
2人が交互にボーカルを取るロックン・ロール・ナンバー#3。
ブルージーな#4。
イアン・ペイスのドラムがリードする#5。など、その他の楽曲は2人の個性を活かしたPOPなボーカル・ナンバーが並び、ソフィスティケイトされたブルーズ・ロックに到達した感のある第二期とはまた異なる方向性を打ち出すことに成功しています。
リッチー、デヴィッド双方とにとって後のキャリアでも重要なレパートリーとなるブルーズ・ナンバー#7。ジョン・ロードがシンセを駆使した実験色の強い#8。なども含め、バラエティ豊かなアルバム構成となっています。

Track List

1. Burn
2. Might Just Take Your Life
3. Lay Down, Stay Down
4. Sail Away
5. You Fool No One
6. What's Going on Here
7. Mistreated
8. "A" 200

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JEFF BECK / Blow by Blow

1975,UK

JEFF BECK GROUP、BECK,BOGERT&APPICEといったロック・バンドを経てジェフ・ベック(G)がリリースしたインストゥルメンタル・アルバム1975年作Blow by Blow。
BEATLESの仕事で有名なジョージ・マーティンがプロデュースとオーケストラのアレンジを担当。

旧友マックス・ミドルトン(Key)によるクラビネットのバッキングがファンキーな#1,#3。
ジェフによるトーキング・モジュレーターで有名なBEATLESのカヴァー#2。
テンポ・ダウンしてからのメロウなソロが艶っぽいフュージョン・ナンバー#4。
9/8拍子のスリリングなリフとそこから開放された伸びやかなソロが心地良い#5。
冒頭のボリューム奏法をはじめとしてチョーキングひとつひとつにも絶妙のトーン・コントロールが施された#6。
オクターヴァーをかけたヘヴィなテーマ・メロディが印象的な#7。
アーミングを活用したテーマ・メロディがシャッフルのリズムに乗った楽しい#8。
ストリングスが美しいしっとりとしたミステリアスな5拍子のナンバー#9。

一般リスナーも楽しめるキャッチーなメロディが紡がれる裏で、フレージングやトーン、特殊奏法、エフェクター活用の先進性でギタリストにとって永遠のバイブルとなった名作です。

Track List

1. You Know What I Mean
2. She's A Woman
3. Constipated Duck
4. Air Blower
5. Scatterbrain
6. Cause We've Ended As Lovers
7. Thelonious
8. Freeway Jam
9. Diamond Dust

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RAINBOW / Rising

1975,UK

リッチー・ブラックモア(G)がDEEP PURPLEを脱退して結成したRAINBOWの1976年2ndアルバムRising。

前作がバック・バンドにELFを従えたソロ・アルバム風なテイストだったので、バンドとしては本作が実質1枚目と言えるでしょう。ロニー・ジェイムス・ディオ(Vo)以外のメンバーは全員解雇され、コージー・パウエル(Dr)、トニー・カレイ(Key)、ジミー・ベイン(B)という歴代最高のメンツが揃い、様式美ハード・ロックの古典ともなった名曲・名演が収録されています。

トニーのポルタメントを効かせたモーグによるミステリアスでスペイシーなイントロからドラマティックにギターのリフが切れ込んでくる#1。
ロニーの圧倒的な歌唱とコージーの独特のタイム感を持ったフィルインが単なるブルーズ・ロックをRAINBOW流ハード・ロックに昇華させた#2。
RAINBOWがやるシャッフル・ナンバーの典型ともなった#3。
キャッチーでストレートなハード・ロックにコージーのドラミングが映える#4。
そしてアナログB面となる#5、#6はセットで壮大な叙事詩となっています。
独特のシンコペーションがカッコ良いコージーによる怒涛のドラミングで幕を開ける#5はオリエンタルなムードを挿入し壮大な世界を描ききったRAINBOW流様式美の1つの頂点。
続く#6はジミーのナイスなオブリガード、コージーのツ-バスがドライブ感抜群にボトムを支え、トニーのアグレッシブなシンセ・ソロからギターとのクラシカルなハーモニーを経てリッチーのソロへ、そして再びクラシカルなハーモニーで絶頂を極める王道のハード・ロック。

DEEP PURPLE時代と比較してより緻密になったアレンジとそれでいて個性を発揮できるスゴ腕のミュージシャン、独特の世界観を表現可能なロニーの歌唱力を得てリッチーの目指したハード・ロックが完成した歴史に残る名盤です。

Track List

1. Tarot Woman
2. Run With the Wolf
3. Starstruck
4. Do You Close Your Eyes
5. Stargazer
6. Light in the Black

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RENAISSANCE / Scheherazade and Other Stories

1975,UK

英国70年代プログレッシブ・ロックの華 RENAISSANCEの6thアルバムScheherazade and Other Stories。

リディアン・モードの印象的な旋律を歌うアニー・ハズラム(Vo)のクリスタル・ヴォイス、ジョン・タウト(Key)のチェレステや足踏みオルガンが醸し出すお伽噺のような幻想的なムード、ソロパートではピアノによる転がるように軽快なフレーズも連発!そして5拍子のキメといったおいしすぎるプログレッシブなネタが盛りだくさんの#1は私のフェイバリット・ソング。
伸びやかな美声が堪能できるアップテンポな#2。
まどろむようなオーケストラとアニーの美しすぎる歌唱が美を極めた叙情ナンバー#3。
そして、アラビアン・ナイトでお馴染み「千一夜物語」の語り部=賢くて美しい少女シェヘラザードが王妃の裏切りで凶悪になったスルタンに見出されて王宮に招かれ、窮地を凌ぐために毎夜毎夜、不思議なエピソードを物語る内にスルタンも元に戻り、シェヘラザードと幸せになるという様を描いたフルオーケストラ参加のシンフォニック大作#4。

RENAISSANCEの代表作にして最高傑作との呼び声高い名作です。

Track List

1.Trip To The Fair
2.The Vultures Fly High
3.Ocean Gypsy
4.Song Of Scheherazade
a) Fanfare
b) The Betrayal
c) The Sultan
d) Love Theme
e) The Young Price And Princess as Told By Scheherazade
f) Festival Preparations
g) Fugue For The Sultan
h) The Festival / Finale

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HATFIELD AND THE NORTH / The Rotters’ Club

1975,UK

ロック、POP、サイケ等雑多な音楽性がジャズの感性と確かなテクニックによって奇跡の融合を果たしたカンタベリー・ミュージックの名盤。HATFIELD AND THE NORTHの1975年2ndアルバムThe Rotters’ Club。

ジャズ・ロックというほど構えてもおらず、かといって退屈なBGMとは程遠いこの感触。
小難しくは無いけどいかにも英国風な良質のメロディと軽快なインプロビゼーションは、身を委ねているだけでも充分な心地良さ。
エレピ、オルガン、アナログ・シンセとデイヴ・スチュワート(Key)が大活躍。フィル・ミラー(G)のギターも派手さは無いがテクニカルで、鍵盤とのユニゾンやハモリで適度なスリルを提供。

キメとインプロビゼーションを往き来する圧巻のアンサンブルと女性コーラスをオシャレにあしらったラストの組曲Mumpsはプログレ史に残る名曲。

Track List

1. Share It
2. Lounging There Trying
3. (Big) John Wayne Socks Psychology on the Jaw
4. Chaos at the Greasy Spoon
5. Yes No Interlude
6. Fitter Stoke Has a Bath
7. Didn't Matter Anyway
8. Underdub
9. Mumps

HATFIELD AND THE NORTH / The Rotters’ Club のレビューを見る

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