ロジャー・ディーン のレビュー

GRACIOUS / This is … Gracious!!

1971,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドGRACIOUSの1971年2ndアルバムThis is … Gracious!!。

軋んだメロトロンとオルガンがブルーズ・ロック由来のギター・リフとともにヘヴィなグルーヴを生むb)、メロディアスなフォークに霧のようなメロトロンがかぶさるc)、ボーカル・ハーモニーと静かなオルガンを中心に希望的なムードで美しいクライマックスを迎えるd)といった多彩な表情を見せる21分超の組曲#1。
ファンキーなギターのリフとカッティングにダーティなメロトロン、ホンキー・トンク風ピアノが絡み、キャッチーかつクールに展開するサイケ・ロック#2。
深遠なメロトロンと英国的な翳りを感じさせるセンチメンタルなボーカル・メロディが良い感じの#3。
メロトロンのリフとギターのカッティングがリードするアップテンポのインストゥルメンタル・パートと、ピアノの伴奏に乗ってゆったり進行するボーカル・パートを対比させた#4。
ウエスト・コースト風な軽いムードに深みのあるメロトロンが加わり、ユニークなハード・ポップに仕上がった#5。
と、全編でメロトロンが大活躍。
1stでのクラシカルな要素やヘヴィなタテ乗りに変わり、ベースがランニングするグルーヴィな乗りやメロトロンを効果的に使用した独自のハード・ロックっぽさで、よりオリジナル且つメインストリームなテイストが濃くなってます。ジャケット・アートはロジャー・ディーン。

Track List

1. Super Nova
a)Arrival of The Traveller
b)Blood Red Sun
c)Say Goodbye to Love
d)Prepare to Meet Thy Maker
2. C.B.S
3. What's Come to Be
4. Blue Skies and Alibis
5. Hold Me Down

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GENTLE GIANT / Octopus

1972,UK

ロジャー・ディーンによる幻想的なジャケットが美しいGENTLE GIANTの1972年4thアルバムOctopus。

多彩なアイディアをヴァイオリンや菅、ヴィブラフォンまで加えた様々な楽器音による演奏で緻密に紡いだ唯一無二のサウンドが、時代を超えて常に新鮮な驚きを与える名盤です。メインのメロディやリフを中心に組み立てられた”普通の”ロックとは対極に位置するそのスタンスこそが、まさにプログレッシブ。そんな複雑な音楽性でありながら、サクッと各曲4分程度で収めつつ、意外にキャッチーなコーラスとタイトな演奏で一気に聴かせてしまうハイセンスな30数分。
掴み所が無さそうで、食べてみたらプリプリした食感にハマってしまうタイトル通りタコのようなアルバムです。

Track List

1. Advent of Panurge
2. Raconteur, Troubadour
3. Cry for Everyone
4. Knots
5. Boys in the Band
6. Dog's Life
7. Think of Me with Kindness
8. River

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YES / Fragile

1972,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドYESの1972年4thアルバムFragile。

本作から加入したリック・ウェイクマン(Key)のオルガンが印象的な超有名曲#1から各メンバーの全開プレイが楽しめます。
大作主義的な#1,#4,#6,#9以外は各メンバーの個性を前面に出したソロのような作風でコンパクトに仕上げられています。このように大作と小品がバランス良く配置されたアルバム構成に対して、考え過ぎた当時のファンが勝手にこの作品をコンセプトアルバムだと誤解しました。
ただ、あくまでもロック的なアンサンブルの中でのメンバー同士の激突がこのバンドの魅力だと思うんで、ちょっと物足りない感じもしますね。

Track List

1. Roundabout
2. Cans and Brahms
3. We Have Heaven
4. South Side of the Sky
5. Five Per Cent of Nothing
6. Long Distance Runaround
7. Fish (Schindleria Praematurus)
8. Mood for a Day

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YES / Close to the Edge

1972,UK

YESの1972年5thアルバムClose to the Edge。

時に小説単位で行われたレコーディングの断片をテープの切り・貼りによって再構築したという#1がもう最高。川のせせらぎと鳥のさえずりのSEを導入部に仕込むことで牧歌的なイメージを与えておきながら、バンド演奏が始まるとともに突然のフリージャズ寸前の展開に当時の全リスナーが腰を抜かしたであろう衝撃のオープニングでつかみはOK。そして忍耐強く聴き続けた者だけに訪れる緊張からの爽やかな開放感。まさに「アメ」と「ムチ」。この曲は基本的にこのパターンを繰り返しながらオーラスの大団円に向かって徐々に感動の度合いが高まるように構成されています。後世の多くのバンドがこうした手法を模倣しながら未だにこのオリジナルの完成度を越える事ができていない、という事実がいかにこの30年以上前の作品が凄いものであるかを証明しています。
リック・ウェイクマン(Key)が多彩なトーンでチーム・プレーに徹しつつ幻想的雰囲気を醸し出す#2、
各パートの演奏が有機的に絡み合った#3も素晴らしいです。

スリリングでドラマティック、メロディアスでインテレクチュアルなロック史に燦然と輝く名盤。偏執狂的制作スタイルに疲れたビル・ブラッフォード(Dr)はレコーディング後脱退、KING CRIMSONに加入します。

Track List

1. Close To The Edge
(i)The Solid Time Of Change
(ii)Total Mass Retain
(iii)I Get Up, I Get Down
(iv)Seasons Of A Man
2. And You And I
(i)Cord Of Life
(ii)Eclipse
(iii)The Preacher, The Teacher
(iv)Apocalypse
3. Siberian Khatru

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BADGER / One Live Badger

1973,UK

元YESのトニー・ケイ(Key)を擁する英国の4人組ハードロック・バンドBADGERの1973年1stアルバムOne Live Badger。

デビュー作にしていきなりライブということで、よほど腕に自身があったのか、それとも制作予算が無かったのか・・・その辺は不明ですが演奏はタイト。
鍵盤はブルース・ロックを基盤としたオルガンのプレイが中心ながら、シンセやメロトロン を効果的に使用しプログレ風味を取り入れたオリジナリティを発揮しようとの意欲が汲み取れます。
メインのリフやバッキング、オブリガードなどの構築度が高い分、サビ以外の部分でのヴォーカル・メロディのラフさが気になりますね。ハードロックらしいと言えばその通りではありますが、メロディと歌唱にもう一工夫あれば#5みたいなキャッチーな曲も一段と輝きを増し、バンドそのものも違うステージに行っていたはず。

ともあれ、メロトロン度は高いし、ライブならではの熱さとタイトな演奏が楽しめる好盤ではあります。
ジャケット・アートはロジャー・ディーン。

Track List

1.Wheel of Fortune
2.Fountain
3.Wind of Change
4.River
5.Preacher
6.On the Way Home

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GREENSLADE / Greenslade

1973,UK

元COLOSSEUMのデイヴ・グリーンスレイドが中心となって結成されたツイン・キーボード、ギターレスの4人組GREENSLADEの1973年1st。

ロジャー・ディーンによる淡いグリーンを基調にしたジャケットがステキです。ロックン・ロールやブルーズをベースに変拍子やメロトロンのソロをフックに個性的に迫る序盤は、左右のオルガンの絡みつくような展開が少なくおとなしい感じ。
ところが、ユニークなメロディの歌モノ#3,#4を挟んだ後半は怒涛のプログレッシブ・ワールド。左右オルガンのアレンジが絶妙な上、メロトロンやモジュレーションをかけたベースソロで起伏ある展開を見せるインスト#5。
ダーティなオルガンが引き摺るようなヘヴィ・グルーヴをもたらす右CHと、白玉のメロトロンが緊迫感を煽る左CHの対比が見事な#6。
ミステリアスなピアノに導かれる序盤からメロトロンとオルガンが分厚く立ち込める中盤、エレピやオルガンのソロが舞い踊る終盤とカラフルに迫る#7。
やはりこの辺が一番の聴き物でしょう。
KING CRIMSONの3rdで叩いてたドラムのアンディ・マカロックもステディ且つテクニカルなプレイでサウンドを支えてます。

Track List

1. Feathered Friends
2. English Western
3. Drowning Man
4. Temple Song
5. Melange
6. What Are You Doin' to Me?
7. Sundance

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GREENSLADE / Bedside Manners Are Extra

1973,UK

GREENSLADEの1973年2ndアルバムBedside Manners Are Extra。

全6曲で歌モノ/インストが半々。歌モノ#1,#3#,5では美しいメロディを軸にヒネリや変拍子、ソロ・パートがアクセントに。インスト#2,#4,#6はタイトなアンサンブルとカラフルな鍵盤群が圧巻です。

#1はバラード・タイプのPOPな曲調ながら、シンセやメロトロンがアクセントとなり、歪ませたエレピがドリーミングなフレーズでソロを奏でます。
#2はメロトロンが霧のように埋め尽くすイントロから、オルガン主導の3連系ハード・ロックなインストに。終盤の左右CHで追いかけっこのようにメロディックなフレーズを応酬するダブル・オルガンとバックで神々しく鳴り響くメロトロンが高揚感抜群でトリ肌モンです!
#5はエレピ主導による変拍子の歌モノ。ジャジーなムードの中上手くは無いが囁くようなVoがイイ味出してます。

ダーティなエレピがクールなフレーズを連発して活躍。ジャズやブルースのフィーリングをセンス良く配したフックのあるハード・ロックが、カラフルなキーボードを中心にタイトな演奏で楽しめる1枚です。

Track List

1. Bedside Manners Are Extra
2. Pilgrims Progress
3. Time to Dream
4. Drum Folk
5. Sun Kissed You're Not
6. Chalk Hill

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YES / Tales From Topographic Oceans

1973,UK

ドラムがビル・ブラッフォードからアラン・ホワイトにチェンジしてのYESの1973年6thアルバムTales From Topographic Oceans。

ジョン・アンダーソン(Vo)の呪文のようなボーカルから始まり、寄せては引き引いては返す波のように緩急が程よく繰り返されるシンフォニックな#1。雄大な場面をメロトロン、鋭いオブリガードをピアノ、ソロではモーグ、とリック・ウェイクマン(Key)が場面に応じてカラフルにプレイし長尺の緊張感を保ってます。
桃源郷のような緩いムードが大半を支配する中、7拍子に乗ったアグレッシヴ・パートのテンションが心地良い#2。
小刻みなパーカッションをバックにしたアバンギャルドなスライド・ギター、スパニッシュ風なアコギのプレイ等スティーヴ・ハウ(G)がテクニックとアイディアを見せ付けた#3。
スティーヴ・ハウのシタールやアラン・ホワイトの叩き出すプリミティブな感じのビートがエスニックなムードを醸し出す#4。

アナログ時代はLP2枚各面毎に20分クラスの1曲を収録した合計4曲という超大作です。壮大なYES流シンフォニーに浸れます。

Track List

1. The Revealing Science Of God
/Dance Of The Dawn
2. The Remembering
/High The Memory
3. The Ancient
/Giants Under The Sun
4. Ritual
/Nous Sommes Du Soleil

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YES / Relayer

1974,UK

YESのスタジオ1974年7thアルバムRelayer。
1973年の前作「Tales From Topographic Oceans」を最後にリック・ウェイクマン(Key)が脱退、1974年の今作からスイス人のパトリック・モラーツ(Key)が加入。

22分にも及ぶ大作#1では、早速モラーツのカラフルなキーボード群によるジャズの素養を感じさせるクールなフレージングが聴き所となっています。8分過ぎからのインスト・パートでは分厚いシンセ・サウンドと独特の攻撃的なフレージングでスティーヴ・ハウ(G)を挑発、手に汗握る緊迫したバトルを展開しています。
ギターとベースによる速いパッセージのユニゾンがスリリングな#2。
ハイテンションな前2曲とは打って変わってゆったりした#3では、良く聴くと各々のパートが絶えず紡ぎだすフレーズが絶妙な融合を見せている事に気づきます。
YESに新鮮な風を送り込んだパトリック・モラーツでしたが、自身のソロ作の成功もあり、この1枚で脱退してしまいます。

Track List

1. The Gates of Delirium
2. Sound Chaser
3. To Be Over

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YES / Drama

1980,UK

YESのスタジオ1980年10thアルバムDrama。

ジョン・アンダーソンとリック・ウェイクマンが脱退したYESでしたが、その大ピンチを救ったのは何とテクノなポップ・グループTHE BUGGLESの2人、トレヴァー・ホーン(Vo)とジェフ・ダウンズ(Key)。前作がシングル・ヒットを狙ったかのようなポップと従来のYESらしさが融合しきらず、まだら模様のような中途半端な作風だったのがウソのように、心機一転、スッキリしたサウンドが耳に心地良いです。

ダークなテーマ・メロディから始まり、ギターのトリッキーな3連フレーズで桃源郷メジャー・サウンドに変貌するオープニング・チューン#1。明暗、動静、緩急、など相反する要素を巧みに織り込み、キャッチーでありつつもプログレッシブな意匠も忘れない見事なトラックです。
神秘的な中にスケール感も感じさせる小曲#2。
ベース・リフに絡むシンフォニックなシンセとタイトなリズム、そこに変拍子のヒネリを加えた#3。
ヴォコーダーと歌メロが醸し出すムードがBUGGLESのようにポップな#4は、そこにYESならではのドラマティックな展開とスティーヴ・ハウ(G)のガチャガチャしたプレイが絶妙に融合したプログレッシブ・ポップな傑作。
ジェフ・ダウンズのカラフルなシンセとスティーヴ・ハウのマンドリンやギターのオブリガードで紡ぐ#5。
ランニングするベース・リフ、THE POLICEのようなシャープなカッティングがリードする#6は、オルガンが鋭く切れ込みバンドが一体となって迫るプログレ・パートがカッコ良いコンパクトなナンバー。

ジョン・アンダーソンのような無垢なフィーリングにはほど遠いながら、なかなか健闘しているトレヴァー・ホーンに、ソツ無くチーム・プレイに徹しつつも各曲で必ず印象的な素晴らしい鍵盤群を聴かせるジェフ・ダウンズ。
クラシック・ラインナップのYESと産業ロック路線で大ヒットした90125YESの狭間にたった1枚で終わったメンツ、と言うことで地味な扱いを受けてますが、キャッチーなプログレという誰も成し得なかった金字塔を打ち立てたエポック・メイキングなアルバムですよ、これは。ジャケット・アートも久しぶりにロジャー・ディーンに回帰しております。

Track List

1. Machine Messiah
2. White Car
3. Does It Really Happen?
4. Into The Lens
5. Run Through The Light
6. Tempus Fugit

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ASIA / Asia

1982,UK

元YESのスティーブ・ハウ(G)、元KING CRIMSON,UKのジョン・ウェットン(B/Vo)、元ELPのカール・パーマー(Dr)、「ラジオスターの悲劇」でヒットを放ったエレクトロPOPバンドBUGGLESのジェフリー・ダウンズ(Key)によって結成されたプログレ界のスーパー・バンドASIAの1982年1stアルバムAsia。

POPながらも少々ガチャガチャしたギター・ソロがスティーブならではの#1。
ホルンっぽいシンセのイントロ、透明感あるギターのオブガード等フック満載の#2。
場面転換を巧みに取り入れた#3。
ポジティブで開放的なムードの#4。
クラシカルで大仰なイントロのハード・ポップ#5。
叙情メロディとドラマティックな中間部を持つ#6。
シンセとギターによるユニゾン&ハーモニーが印象的なバラード#7。
シンセによるシンフォニックな終盤でアクセントをつけた#8。
もはやAORとも言える歌メロ部といかにもプログレなシンセ・ソロが違和感無く融合している#9。

プログレッシブ・ロックのドラマティックかつシンフォニックなエッセンスをキャッチーな歌メロと共存させ、4~5分のコンパクトな楽曲にまとめたプロの手腕とセンスがメロディアスなものを求める時代にマッチして大ヒットしました。

Track List

1. Heat of the Moment
2. Only Time Will Tell
3. Sole Survivor
4. One Step Closer
5. Time Again
6. Wildest Dreams
7. Without You
8. Cutting It Fine
9. Here Comes the Feeling

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ASIA / Alpha

1983,UK

英国のPOPなプログレッシブ・ロック・バンドASIAの1983年2ndアルバムAlpha。

1stよりも大幅増量された空間系エフェクトによるモワっとした音像がいかにも80年代っぽいです。ジェフリー・ダウンズはどんなシンセ使ってたんでしょうか?ストリングスとかブ厚いけど爽やかだし#4のふくよかなホルン、#5冒頭のキラキラ音等、気になりますね。
ローランドJUPITER8(アナログ・ポリフォニックシンセ)が1981年発売、ヤマハDX7(FM音源搭載のデジタルシンセ)が1983年発売なんでこの辺のヤツでしょうか?

ジョン・ウェットンがKING CRIMSONやUKで垣間見せていた叙情性やキャッチーさがダウンズの才能と化学反応を起こし、POPのフィールドで開花。全編シンフォニック且つコンパクトな名曲揃い。
それでいて、突然掻き毟るように弾き捲くるスティーヴ・ハウのギターやさりげなく7拍子な#9にプログレ者の矜持も感じます。
ロジャー・ディーンのジャケット・アートも素晴らしいです。

Track List

1.Don't Cry
2.Smile Has Left Your Eyes
3.Never in a Million Years
4.My Own Time (I'll Do What I Want)
5.Heat Goes On
6.Eye to Eye
7.Last to Know
8.True Colors
9.Midnight Sun
10.Open Your Eyes

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ASIA / Astra

1985,UK

ASIAの1985年3rdアルバムAstra。

前作Alpha発表後のジョン・ウェットン(Vo/B)脱退(後に復帰)に続き、このアルバムのリハーサル中にスティーブ・ハウ(G)が脱退。スイス人の父とネイティブ・カナディアンの母を持つカナダ生まれのスイス人ギタリスト マンディ・メイヤー(後にハード・ロック・バンドKATMANDUを結成)が後任で参加してます。
スティーブ・ハウのガチャガチャした感じと比べると、マンディ・メイヤーの落ち着いたソツの無いプレイの方が全体的にコンパクトなAOR路線となったバンド・サウンドにフィットしているように感じます。
HR出身のルーツを垣間見せるエッジの立ったシャープなリフ・ワークやメロディアスなフレージングが光るギター・ソロ、繊細でクリアなアルペジオなど幅広い引き出しを感じさせる活躍でベテラン・メンバーと同等に貢献してます。

シンフォニックな要素が減ったとはいえウェットンの書いた曲はさすがにどれも良い出来ではあるが、前作までの売上に達せずバンドは一時解散状態となってしまいます。

Track List

1.Go
2.Voice of America
3.Hard on Me
4.Wishing
5.Rock and Roll Dream
6.Countdown to Zero
7.Love Now Till Eternity
8.Too Late
9.Suspicion
10.After the War

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IT BITES / Eat Me in St Louis

1989,UK

IT BITESの1989年3rdアルバムEat Me in St Louis。

ドラムの音がよりビッグになるとともに全体的によりハードになった。メロディ・テクニック・アレンジ・グルーヴ・機材の使いこなしが高次元で見事なハーモニーを奏でる名盤。
#2はROLAND社デジタル・シンセの名機D-50のチェイス機能を使用したイントロが印象的。
#8のヴァイオリンは同社サンプラーSシリーズの音、シンセ・ソロは同社シンセのよくあるシンセリード系だろう。YAMAHA等のホイールでは表現できないアーミング的フレーズはROLANDシンセのベンダー特有のものだ。

個人的には#5のZEP的な大きなグルーヴが好き。
#12はフラシス・ダナリー(G/Vo)がディレイを使用した一人二重奏。
ちなみにジャケット・アートはロジャー・ディーンです。

Track List

1. Positively Animal
2. Underneath Your Pillow
3. Let Us All Go
4. Still Too Young to Remember
5. Murder of the Planet Earth
6. People of America
7. Sister Sarah
8. Leaving Without You
9. Till the End of Time
10. Ice Melts Into Water
11. Charlie

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YES / Union

1991,UK

ABWHと権利上の本家YESが合体し、8人YESとしてリリースされたアルバムUNION。

無垢で気まぐれなジョン・アンダーソン(Vo)の行動に、金の匂いを嗅ぎつけたレコード会社やプロモーター等ビジネス面が乗った結果、複数のプロデューサー、スタジオミュージシャン(中にはスティーヴ・ポーカロのような大御所も)が入り乱れ、タイトルのUNIONに反してバンド・メンバーの体温が伝わってこない散漫なアルバムに。
特に、ギターやキーボードの大部分をバンドメンバー以外の演奏に頼ったのがまずかった。
ジョン・アンダーソンの声が唯一らしさを発揮するだけで、サウンドの鍵の部分がこれではバンドっていう感じが乏しいのも仕方が無い。これはバンド・メンバーの不和に端を発したプロデューサー苦肉の策らしい。
しかし、個々の楽曲には光るものもあり、さすがと唸らせます。

スティーヴ・ハウ(G)のガチャガチャしたギター、カラフルなキーボード群、重層コーラスなど、YESらしいパーツをふんだんに盛り込んだポップな#1。
重厚なリズムにブルーズ・ロック風リフが乗る#2。勿論、ジョン・アンダーソンのモード旋律に沿った歌唱と各種オブリガートによりドロ臭さは皆無。流麗なギター・ソロはスティーヴ・ハウっぽく無いのでもしかしたらゲスト・プレイヤーか。
スティーヴ・ハウのアコギ・ソロ小品#3。
トレヴァー・ラビン(G)によるメカニカルかつスピーディなパッセージのリフがカッコ良い、ゴージャスなハード・プログレ・ポップの#4。
メランコリックで静かな前半部分、9拍子の緊張感あるサビが印象的な後半部分から成る#5。
レゲエ風グルーヴを取り入れたポップな#6。
オルガンやマンドリンによる変拍子リフがギターのミニマルなリフと絡む、緊張感とポピュラリティを兼ね備えた#7。
変拍子が心地良いズレを生む#8。
思索バラードの#9。
神秘的な#10。
トニー・レヴィン(B)のパーカッシブなベースがリードするリズムコンシャスな#11。
エキゾチックなビートを織り交ぜた#12や#14。

シリアスで変拍子を中心とした迷彩を施しながらも意外とポップなABWH陣営、ゴージャスでポップな本家YES陣営。
ともに楽曲はそれぞれの特長を発揮して面白いだけに、演奏にロック・バンドそしての温度が感じられないのが惜しい。

Track List

1. I Would Have Waited Forever
2. Shock To The System
3. Masquerade
4. Lift Me Up
5. Without Hope You Cannot Start The Day
6. Saving My Heart
7. Miracle Of Life
8. Silent Talking
9. The More We Live - Let Go
10. Angkor Wat
11. Dangerous
12. Holding On 13. Evensong
14. Take The Water To The Mountain

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YES / The Ladder

1999,UK

プログレッシブ・ロック・バンドYESの16thアルバム The Ladder。
メンツはジョン・アンダーソン(Vo)、クリス・スクワイヤ(B)、スティーヴ・ハウ(G)、アラン・ホワイト(Dr)のクラシック・メンバーに、ビリー・シャーウッド(G)、イゴール・コロシェフ(Key)を加えた6人編成。

序盤のダークでアンニュイな部分ではどことなくレゲエっぽいグルーヴ。中間部の3連パートを経て徐々にプログレッシブ・ロックに移行し、終盤はシンセやオルガンが壮大に鳴り響くシンフォニック・ロックに展開する#1。
琴か三味線のような東洋的な楽器音が印象的なゆったりとしたナンバーの#2。優しく美しいメロディ、シンフォニックな盛り上がりなどコンパクトな中に旨味を凝縮。
ホーン・セクションを導入したトロピカル・ミュージックにアップテンポのタテ乗りアレンジを施したポップな#3。
パーカッションとスキャットのトライバルなムードをベースにしながらも、シンセの白玉やジョン・アンダーソンの美声により土着風にならず不思議な感触のインスト#4。
爽やかなギターのカッティングがリードする明るく開放的な#5。終盤に登場する、いかにもスティーヴ・ハウというギター・パートが短か過ぎて残念。
伸びやかで美しいボーカル・メロディが、ラップ・スティールやシンセの控えめながらも印象的なバッキングに溶け込んだキャッチーな#6。
なんとなく東洋風なメロディ、シタール風なサウンドなどエスニック要素をポップに昇華した#7。
ポップに飛ばす前半から、シンセ・ストリングスをバックにアコギ、ギター、ボーカルがゆったりとシンフォニックにメロディを奏でる後半に展開する#8。
ファンキーなベースのリフを軸に少々ダークに進行するも、壮大なコーラスを持つサビ前からはYESらしく開放的に進行する#9。
ウェイクマン風クラシカルなオルガンとミニマルなフレーズを繰り返すハウのギターのイントロ、バンド・インしての続く疾走パート、と序盤からスリリングな#10。ボーカル・パートは序盤こそ又もや南国風テイストを漂わせながらも、ミステリアスでダークなパートを経て、メロディが徐々に天高く上り詰めるような最高のサビを迎えるドラマティックな構成。個性的なアコギ・ソロ、メロトロンっぽい白玉など、中簡に配された器楽パートも充実。

全編通して非常にポップですが、ワールド・ミュージック風なスパイスも嫌味が無く、産業ロックという程のギラついたあざとさも無い、自然体の心地良さが楽しめるアルバム。長尺で起伏ある展開に往年のプログレ・テイストを想起させる#1や#10の出来も素晴らしい。

Track List

1. Homeworld (The Ladder)
2. It Will Be A Good Day (The River)
3. Lightning Strikes
4. Can I?
5. Face To Face
6. If Only I Knew
7. To Be Alive (He Yadda)
8. Finally
9. The Messenger
10. New Language
11. Nine Voices (Longwalker)

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ASIA / Phoenix

2008,UK

ジョン・ウェットン(B/Vo)、ジェフ・ダウンズ(Key)、スティーヴ・ハウ(G)、カール・パーマー(Dr)のASIAオリジナル・メンバーによるAlpha以来25年ぶりのスタジオ・アルバム2008年作Phoenix。

独特の空間処理と80年代ハイブリット・シンセ風キラキラ音が一気にあの頃を思い起こさせる、ASIAらしいメロディアスなナンバー#1。
冒頭のファンファーレとマーチング・ドラムで、これは一大プログレ大作が来るなと思わせておいて、ボーカルが入るとメランコリックで上質なAOR路線に展開する#2。
ジョン・ウェットンが抜群の歌唱力で歌い上げるバラード#3。
シンセのシーケンス・フレーズにコーラスやシタールを加えた幻想的なムードのインストゥルメンタル・パートで、カラフルなシンセのデコレーションが映える歌パートをサンドした組曲#4。
スティーヴ・ハウ得意のラップ・スティールがアクセントとなった#5。シンセ・ソロや終盤の厳かなチェンバロが良い感じです。
ピアノ伴奏にフルートやチェロを交えた序盤から、スケールの大きなバラードに発展する#6。
緩急とキラキラ音シンセでキャッチーに迫る#7。
深みのあるメロディを綴るバラードに、ドラマティックかつシンフォニックなインストゥルメンタル・パートを挿入した組曲#8。スティーヴ・ハウのアコギ・ソロ~ラップ・スティール・ソロが泣かせます。本アルバムのハイライトです。
エキゾチックなムードを漂わせたハウ作の#9。
Globusのカヴァー#10。
甘いサビメロを中心ににマンドリン、スティール、シンセが丁寧にメロディを紡ぐ叙情的な#11。
印象的なメロディを散りばめたAORナンバー#12。

広がりのある開放的なサウンド、メロディアスでキャッチーな楽曲、時に意外な曲展開やシンフォニックなインストゥルメンタル・パートにプログレ者の矜持を滲ませた、ASIAらしさの揃った好アルバムです。

Track List

1. Never Again
2. Nothing's Forever
3. Heroine
4. Sleeping Giant / No Way Back / Reprise
5. Alibis
6. I Will Remember You
7. Shadow Of A Doubt
8. Parallel Worlds / Vortex / Deya
9. Wish I'd Known All Along
10. Orchard Of Mines
11. Over And Over
12. An Extraordinary Life

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ASIA / Omega

2010,UK

再結成オリジナルASIAの2010年第2弾Omega。

躍動感に溢れたハード・ポップ#1。
ハウ/ウェットン作のムーディな#2。
冒頭のシズル感あるピアノのアルペジオが印象的な#3。溌剌としたヴァースとメランコリックなサビの対比が見事です。
パッド系シンセやアコギの柔らかなタッチが心地良い、サビのクラシカルなコード進行に気品が漂うバラード#4。
流れるようなピアノのアルペジオがリードするポジティブなムードの#5。間奏での7拍子リフのフックが良いアクセントになってます。
シンセ・ストリングスやティンパニによる大仰なパートをサラっと溶け込ませた余裕のセンスに、メンバーの年輪を感じさせるバラード#6。
テクノ風リフにスティーヴ・ハウ得意のスライド・ギターが絡む#7。
ジョン・ウェットンの歌唱をフィーチャーしたセンチメンタルなバラード#8。
どこか郷愁を感じさせるメロディがELOっぽい、軽快なシャッフル・ナンバー#9。
エキゾチックなフレーヴァーをまぶしたフォークロア風バラード#10。
爽快なブラス・ストリングスのシンセ・リフを持つストレートなASIA王道ナンバー#11。
メロトロン風なクワイヤをうっすらと潜ませたドラマティックなバラード#12。

スティーヴ・ハウ(1947年)、ジョン・ウェットン(1949年)、カール・パーマー(1950年)、ジェフ・ダウンズ(1952年)、と平均年齢60歳超えとは思えない若々しいサウンドの中に、豊富な引き出しからの老獪なアレンジを忍ばせた各曲のキャラ立ちも見事。彼らにしか成し得ない極上のハード・ポップが全編を覆っています。
その上、#3におけるカール・パーマーのドラム・ソロ、随所で切れ味鋭いオブリガードを聴かせるスティーヴ・ハウなど、個人技も楽しめるんだから売れるのも納得です。

Track List

1. Finger On The Trigger
2. Through My Veins
3. Holy War
4. Ever Yours
5. Listen, Children
6. End Of The World
7. Light The Way
8. Emily
9. I'm Still The Same
10. There Was A Time
11. I Believe
12. Don't Wanna Lose You Now

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YES / Fly From Here

2011,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドYESの2011年作、Fly From Here。

80年代以降、目まぐるしくメンバー・チェンジを繰り返しながらバンドとしての看板を守り続けたYES。
今作Fly From Hereは、YESのトリビュート・バンドに在籍していたカナダ人 べノワ・デイヴィッド(Vo)以下、クリス・スクワイヤ(B)、アラン・ホワイト(Dr)、スティーヴ・ハウ(G)、ジェフ・ダウンズ(Key)というDrama以来となるジョン・アンダーソン不在のメンバー編成。そして何と、プロデュースはトレヴァー・ホーン、さらにDramaのアウトテイクだったFly From Hereを収録ということで、Dramaを名盤と信じる個人的には思わずニヤリの条件が揃いました。

中高音部ではジョン・アンダーソンに似た感じのべノワ・デイヴィッド、全体的にはジョン程の透明感や無垢なニュアンスには及ばないものの無難に違和感無くこなしています。

#1~#6の組曲は変拍子も交えた程良い緊張感をベースに、叙情や爽快感で起伏をもたせたドラマティックな佳曲。70年代の大作を彷彿させる構成に思わず頬を緩めるとともに、スティーヴ・ハウの独特な単音オブリガードが入ると、やはりYESらしさが増幅されます。
落ち着いた雰囲気のAORチューン#7。
アルペジオやコード・カッティングなどアコギがリードする洗練されたプログレッシブ・チューン#8。
ジェントルな歌唱がフォーク・タッチの伴奏に溶け込んだ#9。シンセ・ソロの上品なフレージングが、出しゃばらないジェフ・ダウンズらしいセンスを醸し出し、良いアクセントになっています。
ラテンなムードを漂わせたアコギによるインストゥルメンタル#10。エレキでは何かガチャガチャしたイメージのスティーヴ・ハウですが、アコギでは音楽的バックグラウンドの深みを感じさせるのは70年代から不変。
キャッチーでリラックスした中に、疾走感と7拍子のプログレ的展開を織り込んだ#11。

地味ながらツボを心得たジェフ・ダウンズのプレイと音色選択が、シンフォニックからポップ・チューンまでバラエティに富んだ楽曲群を上手くオブラートで包み込み、Drama期にAOR風味を加えたかのような上質な作品に仕上がっています。当然そこにはトレヴァー・ホーンの舵取りもあったわけで、一般的に低く評価されているDrama期YESのリベンジは大成功。
懐古でも前衛でも無い自然体のロック・バンドYESの姿がここに。

Track List

1. Fly From Here - Overture
2. Fly From Here pt I - We Can Fly
3. Fly From Here pt II - Sad Night At The Airfield
4. Fly From Here pt III - Madman At The Screens
5. Fly From Here pt IV - Bumpy Ride
6. Fly From Here pt V - We Can Fly Reprise
7. The Man You Always Wanted Me To Be
8. Life On A Film Set
9. Hour Of Need
10. Solitaire
11. Into The Storm

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ASIA / XXX

2012,UK

再結成オリジナルASIAの3作目、XXX。

シンセがテーマメロディを提示する展開が80年代 -というかBUGGLES- を彷彿させる21世紀の今となってはダサさギリギリの躍動感溢れるオープニング・チューン#1。ジェフリー・ダウンズ(Key)によるハイブリット・シンセ風なキラキラ・トーンも懐かしさを通り越してむしろ新鮮。スティーヴ・ハウ(G)による2コーラス目のオブリガードやギター・ソロも個性的かつメロディアスで素晴らしいです。
ゆったりと落ち着いたリズムの#2。透明感あるボーカル・メロディ、シンフォニックかつクラシカルなシンセのパートが初期ASIAを想起させます。
ジョン・ウェットン(B/Vo)の男っぽいボーカルがシブい、シンプルなリフをベースにしたロックン・ロール#3。
これもどこかBUGGLESっぽい#4。サビはsus4を使い捲くりの得意なパターン。
イントロのひしゃげたようなエレピのトーンが印象的な#5。古今東西使い回された定番パターンのリフレインから楽曲を仕上げてしまうあたりはヴェテランの貫禄。
シンセ・ストリングスを纏った瑞々しいピアノで幕を開けるタイトな8ビートの#6。間奏はスティーヴ・ハウのアレンジされたソロ。分厚いシンセのアレンジが耳を惹きます。
シンプルなリズムに乗ったメランコリックなヴァースからキャッチーなサビに展開する#7。2コーラス目に登場するサイケなトーンのオルガンがいい味を出しています。
こちらもシンプルな80年代風ポップの#8。サビとコーラスが超キャッチー。
ピアノとボーカルのデュオで進行する感動のバラード#9。抑えたトーンのソロ、スライドのソロといったギター、シンセのオーケストレーションでスケール感たっぷりにアルバムを締めくくります。

ASIAもデビュー30周年。2008年再結成以降の順調な活動振りや、今作も手がけたロジャー・ディーンの変わらぬフレッシュでファンタジックなカヴァーの印象もあってか、30年の重みというよりも未だ現役感バリバリで溌剌としたイメージのASIA。

音の方も瑞々しさを湛えた躍動感あるASIAサウンドが健在。とにかくどの曲もサビが親しみやすく、すぐに馴染めてしまう。そこにはもはや意外性など無いのは勿論だが、普通に良質なメロディを産み出し続けているところが素晴らしいのだ。

懐メロ集金ツアーだけで創作能力を失ったレジェンド・バンド達に、見倣って欲しい。

Track List

1. Tomorrow The World
2. Bury Me In Willow 3. No Religion
4. Faithful
5. I Know How You Feel
6. Face On The Bridge
7. Al Gatto Nero
8. Judas
9. Ghost Of A Chance

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