FLYING COLORS のレビュー

FLYING COLORS / Flying Colors

2012,USA

スティーヴ・モーズ(G)、ケーシー・マクファーソン(Vo)、ニール・モーズ(Key)、デイヴ・ラルー(B)、マイク・ポートノイ(Dr)から成る5人組ロック・バンドFLYING COLORSの1stアルバムFlying Colors。

メンツや#1序盤の両モーズによるジャム風掛け合いで、テクニカルかつシンフォニックなプログレッシブ・ロックを期待してたんですが、一聴すると音は割と普通のメロディアスなアメリカン・ロックがメイン。
爽やかなサビがキャッチーな#1、#4、#5など王道アメリカン・ロックを軸に、ドラマティックな起伏、こもったトーンのギター・ソロやコーラスがQUEEN風な#6、ストリングス・アレンジが美しいバラード#7などでのバリエーションをつけたアルバム構成もオーソドックス。
しかしながら、パーカッシブなギター&ベースに華麗なタムのロールやツーバスなど余裕のプレイが楽しめる#5のインスト・パート、怒涛のテクニカル・リフが登場するプログレッシブ&ヘヴィな#10、12分超のエピック・チューン#11の中間部での2分半に及ぶインスト・パートではインスト陣の出自を垣間見せる場面も。特にスティーヴ・モーズとマイク・ポートノイの記名性はさすが。ニール・モーズはシンセ、アコピ、エレピ、オルガンと多彩なトーンを聴かせる#11以外はTRANSATLANTICでお腹いっぱいなのか少々おとなしい印象。
一方、全体的な没個性に加え、ヘヴィ・ロックでのパワー不足がミスマッチで気持ち悪い#2やシアトリカルな表現力が求められるべき#6でのシンガーの力量不足は明白。
このプロジェクトが今後継続するとしたら、シンガーをどうするかがポイントのような気がします。

Track List

1. Blue Ocean
2. Shoulda Coulda Woulda
3. Kayla
4. The Storm
5. Forever in a Daze
6. Love Is What I'm Waiting For
7. Everything Changes
8. Better Than Walking Away
9. All Falls Down
10. Fool in My Heart
11. Infinite Fire

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FLYING COLORS / Second Nature

2014,USA

ニール・モーズ(Key)、スティーヴ・モーズ(G)、マイク・ポートノイ(Dr)というビッグ・スター3人を含む5人組アメリカン・バンド FLYING COLORSの2ndアルバムSecond Nature。

SPOCK’S BEARD風のフックと起伏ある展開を持つ12分超のプログレッシブ・チューン#1。テーマ・メロディにギターが絡む部分は、ギターの音色とフレージングにもう少し粘りがあればTRANSATLANTICのようだ。エンディングではプログレ然としたアンサンブルを展開。
キャッチーなフックを持つノリの良いロック・チューン#2。
左右チャンネルのギターによる掛け合いバッキング・リフがリードする#3。
ケイシー・マクファーソン(Vo)のファルセットがアクセントとなる美しいメロディの王道バラード#4。
本編4拍子に対する3拍子のリズムに乗せたユニークなメロディによるRUSH風のイントロから始まり、超キャッチーなサビへ展開する北米プログレッシブ・ハードの流れを汲む#5。
爽やかなポップ・チューン#6。
ケルトのダンス・ミュージックのようなリフレインが耳に残る新機軸プログレ・ポップ#7。終盤の5拍子が印象的なフックとなっている。
PINK FLOYDのDark Side of the MoonやDREAM THEATERのThe Spirit Carries Onを彷彿させる、The McCrary Sistersによるゴスペル風女性コーラスをフィーチュアした感動のバラード#8。
ミステリアスなI、落ち着いたムードのII、大陸的な雄大さを感じさせるIIIなど3パートから成る11分超の組曲#9。

プログレのテイストを滲ませたアメリカン・ロックに軸足を置いたデビュー・アルバムより、若干プログレかつシンフォニックな要素を増量。
しかし音像は湿った欧州風とは趣を異とする乾いたものであり、メロディに仄かにカントリーのテイストを感じさせる部分があったりするところはやはり北米ならではのもの。
メンツから期待されるプログレ感やテクニカル感を前面に出さず、ボーカルもこれといった特長が無いタイプなのでどうしても地味に聴こえるが、ベテランらしい堅実なアンサンブルで楽しくロックしている様子が伺えるので、つまりはそういう方向性なのだろう。
凡庸な楽曲もあるが、#1、#5、#8といった突出した曲を作れるあたりはさすがプロ中のプロ。
キャッチーでクールなジャケット・デザインは、RUSHや最近のDREAM THEATERでお馴染みのヒュー・サイムによるもの。

Track List

1. Open Up Your Eyes
2. Mask Machine
3. Bombs Away
4. The Fury of My Love
5. A Place in Your World
6. Lost Without You
7. One Love Forever
8. Peaceful Harbor
9. Cosmic Symphony
I. Still Life of the World
II. Searching for the Air
III. Pound for Pound

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FLYING COLORS / Third Degree

2019,USA

スティーヴ・モーズ(G)、ケーシー・マクファーソン(Vo)、ニール・モーズ(Key)、デイヴ・ラルー(B)、マイク・ポートノイ(Dr)から成る5人組シンフォ・バンドFLYING COLORSの3rdアルバムThird Degree。

意表を突く転調からのサビのスケール感が強力なハード・ロック#1。
ミステリアスなリフがどことなくDEEP PURPLE風と思っていると終盤のニール・モーズによるシンセ・ソロもドン・エイリーっぽく聴こえる#2。
メロトロンやストリングスのアレンジ、テーマ・メロがSPOCK’S BEARD風な北米シンフォ・チューン#3。
7拍子を感じさせないマイルドな序盤、ハード・ポップなサビ、デイヴ・ラルーのベース・ソロをフィーチュアした解放感広がる中間部のインスト・パートなど意匠を変えながらポジティブなムードで展開する#4。
テーマ・メロディを各所に散りばめて展開する10分超えのエピック・チューン#5。
スウィング感が心地よいシンフォニックAORチューン#6。
ハート・ウォーミングなシンフォニック・バラード#7。
メロディ、コーラス、ビート等々、70年代ポップのテイスト満載で楽しい#8。
ドラマティックなギター・ソロが聴きどころ。長尺の随所でクラシカルなモチーフがベースになっており端正な印象を受ける#9。

ニール・モーズの色が出るとどうしてもSPOCK’S BEARDやTRANSATLANTICがチラつくが、ベテランらしく隙の無いアレンジと十二分にテクニカルな人達が楽曲第一のアンサンブルに徹する姿勢が清々しいアメリカン・ハード・シンフォ。

Track List

1. The Loss Inside
2. More
3. Cadence
4. Guardian
5. Last Train Home
6. Geronimo
7. You Are Not Alone
8. Love Letter
9. Crawl

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