RATT のレビュー

RATT / Reach for the Sky

1988,USA

RATTの1988年4thアルバムReach for the Sky。

プロデュースは当初WHITESNAKEの1987年作を手がけたマイク・ストーンでしたが、制作途中で降板。作曲クレジットで6曲に顔を出すボー・ヒルが戻り、ボー・ヒルとマイク・ストーンの連名になりました。

スティーブン・パーシー(Vo)の独特のヴォイスと小気味良いサウンドからなるRATT’N’ROLLは健在ながら、かつてのアイディアに溢れたリフの切れやカッコ良さは減退。ウォーレン・デ・マルティーニ(G)のジョージ・リンチ色を払拭した正統派フレージングも通好みの地味なものになってしまってます。
あからさまなPOP路線が痛い#2や#9、スケールの大きな#5などでは表現力に乏しいスティーブンの歌唱が足枷となってしまってイマイチ突き抜けきらないもどかしさを感じます。
ホーン・セクションを導入しバンドが並々ならぬ意欲で勝負を賭けた#3もRATTがこういったテイストに挑戦する、といった意味でのインパクトこそあれ、楽曲の出来としてはまぁ並。
理屈抜きで楽しめるノリの良い#6、ウォーレンが素晴らしいソロをキメるキャッチーなサビがリフと融合した#8や#10など、RATTらしい佳曲もあるので、こういった曲でアルバムが占められていたら全体の印象もかなり変わったと思うんですが、でもそれだと単なる過去の焼き直しだし・・・といった何とも言えない閉塞感に満ちたアルバムです。

Track List

1. City to City
2. I Want a Woman
3. Way Cool Jr.
4. Don't Bite the Hand That Feeds
5. I Want to Love You Tonight
6. Chain Reaction
7. No Surprise
8. Bottom Line
9. What's It Gonna Be
10. What I'm After

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