GARY MOORE / Back on the Streets
1975,UK
クレイジーな早弾きとメロディアスなフレージングでお馴染みのゲイリー・ムーア(G)の1stソロ・アルバムBack On The Streets。
イントロの超高速16分音符が往復ビンタ並みの破壊力を持つTHIN LIZZY風ハード・ロックな#1。
THIN LIZZYの楽曲を盟友フィル・ライノットとのツイン・ボーカルでスローにアレンジした#2。
曲中にドイツ国歌のメロをさりげなく挿入し皮肉ったハード・ロックな#3。
と、THIN LIZZYの名盤Black Roseと同時期の作品だけあって、ここまではTHIN LIZZYにも通ずるカッコ良いハード・ロック路線。
そして突如インストゥル・メンタルのジャズ・ロック#4。
バックのメンツもそれまでの3曲がLIZZYのメンバーで固められていたのとはうって変わり、ジョン・モール(B)、ドン・エイリー(Key)というCOLUSSEUM II繋がりに、サイモン・フィリップス(Dr)を加えたスゴ腕なメンツがドラマティックかつ壮大でテクニカルなジャズ・ロックを展開。
ゲイリー自身は多分ジェフ・ベックみたいな事をやりたかっただけだと思うが、そこら辺のハード・ロックの100倍は熱いゲイリーのプレイが、ジャズとかロックとかのジャンル云々を超越してキッズのハートを鷲掴みに。
そして続くアップ・テンポな#5とゲイリーのコンテンポラリーなセンスを表現する#6、ファンキーな#7もこのメンツ。
#5ではドンとゲイリーのバトルが手に汗握ります。
#6のアーミングによるヴィブラートはゲイリー独特の繊細なタッチ。
そしてこのアルバムのもうひとつのハイライトがラストの#8。
抑えたトーンで泣きまくるゲイリーの名演中の名演。
ちょっとしたグリッサンド・ノイズとかタメとか超ロング・トーンとか、派手な早弾きの対極にあるエモーショナルな味わいもまた素晴らしい。バックのマンドリンも良いですね。
Track List
1. Back On The Streets
2. Don't Believe A Word
3. Fanatical Fascists
4. Flight Of The Snow Moose
5. Hurricane
6. Song For Donna
7. What Would You Rather Bee Or A Wasp
8. Parisienne Walkways