プログレッシブ・ハード のレビュー

KANSAS / Leftoverture

1976,USA

アメリカン・プログレ・バンドKANSASの1976年4thアルバムLeftoverture。

#1のギター・リフにからむオルガンなんかアレンジの参考になるなぁ。
ムーグ、オーバーハイム、ARP等わざわざクレジットしているわりには使いまくっているわけではありません。アメリカンらしくキャッチーな曲展開の中でここぞっていう部分で使用するから効果が高いんです。
ヴァイオリンも効いてます。

Track List

1. Carry On Wayward Son
2. The Wall
3. What's On My Mind
4. Miracles Out of Nowhere
5. Opus Insert
6. Questions of My Childhood
7. Cheyenne Anthem
8. Magnum Opus

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BOSTON / Boston

1976,USA

アメリカのプログレッシブ・ハードロック・バンドBOSTONの1976年1st。

マサチューセッツ工科大学(MIT)出身のエンジニア トム・ショルツ(G/Key)が宅録したデモテープがCBSレコードに認められデビュー。
「No Synthesizers Used」「No Computers Used」のクレジット通りシンセやシーケンサー等を使用せず、緻密なオーバーダブやピック・スクラッチに空間系エフェクトを施すなど、オーガニックなテクニックで最先端かつジャケット・アートのイメージ通りのスペイシーなサウンドを創造しております。

アコギのアルペジオがフェイドインし、ピック・スクラッチと共にブ厚いコード・カッティングが登場する#1。ギターの粒の細かい歪みが爽やかです。
#2もアコギのカッティングと流麗なツイン・リードが印象的なロックン・ロール。
オルガンのクラシカルなアルペジオにディストーション・ギターのパワー・コードが絡むドラマティックなインストゥルメンタル小品のForeplayからメドレーでLong Timeに繋がる#3。
SEのオーディエンス・ノイズが興奮を呼ぶBOSTON流ロックン・ロールの#4。
小気味良いブギーにクールなジャズ・オルガン風ソロとチャーチ風オルガンによる盛り上がりを挿入した#5。
アコギをバックにブラッド・デルプ(Vo)の爽やかでメロディアスな歌唱が映える#6。
静かなイントロから哀愁を帯びたツイン・リードギターのハーモニーがドラマティックに登場する#7。
終盤のアップテンポでのパートが楽しいパーティ・ロックン・ロールの#8。

キャッチーな歌メロにフック満載のドラマティックなアレンジとスペイシーなムードを持ち合わせた、時代を超越した名盤です。

Track List

1. More Than A Feeling
2. Peace Of Mind
3. Foreplay/Long Time
4. Rock & Roll Band
5. Smokin'
6. Hitch A Ride
7. Something About You
8. Let Me Take You Home Tonight

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TOTO / Toto

1978,USA

アメリカ西海岸のスタジオ・ミュージシャンが結成したハード・ロック・バンド1978年1st。

鍵盤奏者がピアノ中心のデビッド・ペイチとシンセ中心のスティーブ・ポーカロの2名体制。後に「TOTOホルン」などと呼ばれることになる独特の音色でも有名です。リズムの仕掛けがプログレッシブでドラマティックに盛り上がる名刺代わりのインスト#1からつかみはOK!ライブではエフェクトかけまくりでモコモコなサウンドのスティーブ・ルカサー(G)もスタジオ盤では最高のサウンド。基本HRなんだけど、確かな経験とテクに基づく計算されつくしたアレンジと変拍子やジャジーな雰囲気をもさりげなく溶け込ませる独特のセンスがオシャレ且つカッコ良い。AOR路線の#3,#5もいいけど、やっぱりロックな#2,#6,#9が好きですね。

Track List

1. Child's Anthem
2. I'll Supply the Love
3. Georgy Porgy
4. Manuela Run
5. You Are the Flower
6. Girl Goodbye
7. Takin' It Back
8. Rockmaker
9. Hold the Line
10. Angela

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STYX / Pieces of Eight

1978,USA

アメリカン・プログレッシブ・ハードSTYXの1978年8th。

躍進のきっかけとなったトミー・ショウ(G/Vo)加入から数えて3作目。ジェイムズ・ヤング(G/Vo)の豪快なボーカルとオーディエンス・ノイズが印象的なアリーナ・ロックの#1。作品を出す毎に着実にチャートを上げてきた事による自信に溢れた様子が伺えます。キャッチーな中にもチャーチ・オルガンによる荘厳なパートがもたらす気品が感じられる、デニス・デ・ヤング(Key/Vo)が歌う#2。シンセが活躍するプログレッシブなタッチのフォーク曲#3。トミー・ショウのマイルドな歌唱と若干ラテン風なメロディが不思議な調和を見せています。デニス・デ・ヤングがシンセのオーバーダブで作り上げたインストゥメンタル#4。#4に続きシンセがバッキングをリードする#5は、シンセを中心としたオーケストレーションがコンパクトながらも壮大なエピック・チューン。歪んだオルガンとハード・エッジなギターがリードする、メロディアスでカッコ良いハード・ロック・チューンの#6。ライブでも定番です。デニスの伸びやかなハイトーンが映えるハード・ロック#7。ファンキーなグルーヴのリフを持つ#8。感動的なコーラス・パートを持つ#9。アルバムの余韻を残す、エキゾチックなメロディのアウトロ的なインストゥルメンタル#10。楽曲提供を二分するデニスとトミー。ボーカルを分け合うデニス、トミー、ジェイムズ。ギター・ソロを分け合うトミー、ジェイムズ。と、フロント3人が個性を発揮しつつもSTYXというバンドとして融合、バラエティに富んだ作風ながら芯の通った所を感じさせます。モアイ像のピアスを付けた中年女性、という意味不明なジャケット・アートは勿論ヒプノシス。インパクト勝負で、段々自らのパロディに陥って行き出した頃の作品ですね。

Track List

1. Great White Hope
2. I'm O.K.
3. Sing for the Day
4. The Message
5. Lords of the Ring
6. Blue Collar Man
7. Queen of Spades
8. Renegade
9. Pieces of Eight
10. Aku-Aku

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BOSTON / Don’t Look Back

1978,USA

アメリカン・プログレ・ハード・ロック・バンドBOSTONの2ndアルバムDon’t Look Back。

オリジナルは1978年なので勿論LP盤しかなかったけど、当時から音質は抜群だった。そして、アルバム・スリーブには誇らしげに「No Synthesizers Used」「No Computers Used」のクレジット。ギターとオルガンのみで、こんなにスペイシーなんですよ!
それは勿論、MITマサチューセッツ工科大学出身の天才トム・ショルツ(G)が生み出したエフェクト「ロックマン」に拠るところ大なわけです。それにしてもピック・スクラッチがカッコええ~!マネしてたくさんピックをすり減らしたあの頃・・・・
いや~、#1のリフの空ピックのドライブ感ときたらもう!聴いて一瞬でワクワクしますね~。「だ~だ、だ~だ、だ~だ、だだ、ぎゅぅん!」というグリッサンドもBOSTON節ですね~。
続く#2のスペイシー感。実はオルガンがかなり効いてます。
間髪入れずノリノリな#3。中間部のセンチメンタルなパートがキュンときますね。勿論ツイン・リード・ギターのハーモニーも最高。
そしてブラッド・デルプ(Vo)の美声が堪能できるバラード#4。2分50秒のピック・スクラッチが又効いてます。
アナログではここで一旦休憩して盤をひっくり返すと、またまたノリノリな#5。思わず一緒にハンド・クラッピングしたくなりますね。
そして、心が洗われるようなクリーンなアルペジオに導かれるBOSTON流ロックン・ロールな#6。ツイン・ギターのハモったオブリで、BOSTONらしさ爆発。
次の#7ってイントロがなんか切ないんですよ、オルガンが効いてて。冒頭にグリスをカマしたオルガン・ソロがグッときます。
そしてラスト#8はハナからツイン・リードでハートを鷲づかみ。ワウとスライドを駆使したソロが楽しいです。

Track List

1. Don't Look Back
2. Journey
3. It's Easy
4. Man I'll Never Be
5. Feelin' Satisfied
6. Party
7. Used to Bad News
8. Don't Be Afraid

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TOTO / Hydra

1979,USA

アメリカ西海岸で活躍するスタジオ・ミュージシャン6人によるバンド TOTOの2nd。

神話を題材に都会の孤独を歌ったドラマティックな#1、#2がアメリカのバンドっぽくないシリアスでプログレッシブなムード満点。
ただし、そんな中にもお馴染みTOTOホルンが使用されたり、16ビート風のグルーヴが隠されている所にスタジオ・ミュージシャンの集合体であるTOTOらしいアメリカンなインテリジェンスも感じさせます。
とにかくカッコ良い初期TOTOですが、目玉はやっぱりスティーヴ・ルカサー(G)のハイセンス且つテクニカルなギター・ソロをフィーチャーしたハード・ロック。
端整なピアノとロックするパートの対比がドラマティックな#4。
ストレートなハード・ロック#5。
デヴィッド・ペイチ(Key)のピアノとスティーヴ・ポーカロ(Key)のシンセを効果的に配した、TOTOらしいメロディアスな#7。
これらは意外にも、主にピアノをプレイするデヴィッド・ペイチが作曲。
#3、#6といったTOTOならではのコンテンポラリーAOR路線の楽曲もアクセントとなっています。

多彩なセッション・ワークから得られたであろうソウルやジャズ/フュージョンなどのコンテンポラリーな要素を、ハード・ロックという分かりやすいフォーマットに忍ばせて独自のテイストのサウンドを確立したアルバムです。

Track List

1. Hydra
2. St. George and the Dragon
3. 99
4. Lorraine
5. All Us Boys
6. Mama
7. White Sister
8. Secret Love

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STYX / Cornerstone

1979,USA

アメリカのプログレッシブなハード・ロック・バンドSTYXの1979年9thアルバム。

トミー・ショウ(G/Vo)加入後、ヒットチャートにも顔を出すようになったSTYXですが、うっすらとコーラスのかかったエレピの煌びやかな音色とデニス・デ・ヤング(Key/Vo)の優しい歌唱が印象的なバラード#3のシングルで遂に全米No.1に。本アルバムからは他にも#2や#6もシングル・カットされ、いよいよ産業ロックなテイストも増してきました。そんな中ではありますが、#3のギター・ソロでのドラマティックなアレンジや、マンドリンやオートハープなどを使用し、何か郷愁を感じさせる無国籍フォークに仕上げたトミーの曲#5でのアーティスティックな薫り、シングル曲の#6にしてもライブのオープニングにぴったりなアリーナ・ロック・チューンだったりするところに、単なるポップ・バンドとは一線を画すSTYXらしい絶妙なバランス感覚が感じられます。又、#1や#9でのズ太いシンセ・サウンドやジェイムズ・ヤング作のシャープなハード・ロック#8ではギター・シンセが導入されたり、といったプログレッシブな要素がチャッチーな中に垣間見れるのも面白いですね。

Track List

1. Lights
2. Why Me
3. Babe
4. Never Say Never
5. Boat on the River
6. Borrowed Time
7. First Time
8. Eddie
9. Love in the Midnight

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カテゴリー: STYX

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JOURNEY / Departure

1980,USA

元SANTANAのニール・ショーン(G)とグレッグ・ローリー(Key/Vo)が中心となり結成されたインストゥメンタル主体のプログレッシブ・ロックバンドJOURNEYの6thアルバムDeparture。
4thから専任ボーカルにスティーヴ・ペリー(Vo)が加入し、彼の歌唱をフィーチャーしたキャッチーなアメリカン・ハード・ロックへ徐々に音楽性を転換。
冒頭のコーラス・ハーモニーやスティーヴのハイトーンを活かした歌メロにおけるキャッチーな要素と、ドライブ感あるギター・リフにスリリングな早弾きギター・ソロというハード・ロックな要素を兼ね備えたオープニング・チューン#1に魅力が凝縮されてます。
とはいえまだ後年のようにソフィスティケートされたフック満載の産業ロックには至っていないところが、けれん味無い叙情的なバラード#7やアーティスティックな#10などに表れています。
キャッチーなハード・ロック#6、中間部のクラシカルな3連フレーズがカッコ良い#8などライブでの定番曲も収録。

Track List

1. Any Way You Want It
2. Walks Like a Lady
3. Someday Soon
4. People and Places
5. Precious Time
6. Where Were You
7. I'm Cryin'
8. Line of Fire
9. Departure
10. Good Morning Girl
11. Stay Awhile
12. Homemade Love

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JOURNEY / Escape

1981,USA

ちょっとドロ臭いオルガンが得意なグレッグ・ローリーが脱退し、元BABYSのジョナサン・ケイン(Key/G)が加入したアメリカン・ハードロック・バンドJOURNEYの7thアルバムEscape。

ジョナサンが早速全曲のライティングに関与し、JOURNEYサウンドが数段バージョン・アップ。
スティーヴ・ペリー(Vo)の歌う親しみやすくキャッチーなメロディと西海岸らしくカラっと爽やかで開放的なハードロック・サウンドが心地良く融合した、まさに全曲シングル・カットOKなんじゃないかというくらい高品質なポップ・アルバムに仕上がりました。
鼻にシワを寄せて弾くニール・ショーン(G)も楽曲に応じて印象的なプレイを聴かせています。
列車の警笛のようなダブルチョ-キングが鮮烈な#1の伸びやかなメロディアス・プレイ。
#3でのしっとりと落ち着いたフレージング。
クラシカルなムードがドラマティックなJOURNEY流様式美ナンバー#9では「1拍にどれだけ音符入るか」的に弾きまくり、ここまで徹底されれば気分も爽快なくらいです。
#7ではPOPな中にもプログレッシブ・ロック的な捻りの効いたアレンジが施され、バンドとしての成熟も感じられます。又全編に渡ってロス・ヴァロリー(B)のパーカッシヴなベースが良いアクセントになってます。

Track List

1. Don't Stop Believin'
2. Stone in Love
3. Who's Crying Now
4. Keep on Runnin'
5. Still They Ride
6. Escape
7. Lay It Down
8. Dead or Alive
9. Mother, Father
10. Open Arms

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TOTO / Turn Back

1981,USA

TOTOの1981年3rd。

ちょっとブランクがあったからなのか、サウンドがアメリカンな感じに変化。快活なハード・ロック・チューン#5では世を席巻したフロイド・ローズならではのフレーズが新鮮だった。今じゃ当たり前ですけどね。中間部のプログレッシブなアンサンブルがカッコ良い。ただ、#3,#4,#6と所謂AORチューンが増えてきた。

Track List

1. Gift with a Golden Gun
2. English Eyes
3. Live for Today
4. A Million Miles Away
5. Goodbye Elenore
6. I Think I Could Stand You Forever
7. Turn Back
8. If It's the Last Night

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STYX / Paradise Theater

1981,USA

アメリカはシカゴ出身のプログレッシブなハード・ロック・バンドSTYXの1981年10thアルバムは、地元シカゴに実在した劇場の栄枯盛衰をテーマにしたコンセプト・アルバム。#1のアルバム・テーマ・メロディから勢い良く繋がった弾けるようなロックンロール・ナンバー#2が、アルバム・ジャケットに描かれたパラダイス・シアター全盛期の賑々しさを象徴しているかのようです。トミー・ショウ(G/Vo)が作曲しボーカルをとるコミカルなリフにヒネリを効かせた展開のポップなナンバー#3。ブラス・セクションを導入したレゲエ風リズムの#4とファンキーな#6。デニス・デ・ヤング(Key/Vo)の甘い歌唱とサビのブ厚いコーラス、メロディアスなギター・ソロ、と全てのパーツが完璧なアルバム・テーマ・チューンの感動的なバラード#5。トミー・ショウ作曲の軽快なフォーク風ナンバー#7。ジェイムス・ヤング(G/Vo)とデニス・デ・ヤング共作のミステリアスな#8。ジェイムス・ヤングのガッツィーなハード・ロック・チューン#9は、マイルドなサックスを交えて終盤徐々にシンフォニックなパートに移行していく様がドラマティックで感傷的です。ここから再びテーマ・メロディが登場しパラダイス・シアターの思い出を振り返る#10とカーテンコールのような#11は、是非アルバム裏ジャケットの廃墟と化したパラダイス・シアターを眺めながら聴いて、郷愁に浸って欲しいところです。#11の場末のバーみたいなホンキー・トンク・ピアノの音色が良い感じなんですよ。

Track List

1. A.D. 1928
2. Too Much Time on My Hands
3. Nothing Ever Goes As Planned" (DeY
4. The Best of Times
5. Lonely People
6. She Cares
7. Snowblind
8. Half-Penny, Two-Penny
9. A.D. 1958
10. State Street Sadie

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TOTO / IV

1982,USA

TOTOの1982年4thアルバム。

もうここまで来ると完全にAOR。大ヒット・シングル#1のオシャレなスウィング感なんて、もはやハード・ロックとは別次元。#10も大ヒット。

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JOURNEY / Frontiers

1983,USA

全体に漂う雰囲気が冷んやりと欧州的な感じが漂うJOURNEYの8thアルバムFrontiers。

ビデオ・クリップは史上最低のダサさだったが、印象的なシンセのイントロとガッツィなバッキング・リフの超名曲#1。
冷んやり感満点のメロディアスな#2、
キレがあるのにコクもあるロックな#3、
メロディ派大喜びな#4,#5、
これも冷んやり空間処理が見事なドライヴ感を生んでいるカッコ良い#6、
プログレシッブな雰囲気の#7ヘヴィな#8、プログレッシブな要素をコンパクトにまとめた#9、壮大な#10。と、パーフェクト。

#1のイントロで感じたカラーが全編貫かれてるんで、アルバムとしての統一感もあります。

Track List

1. Separate Ways (Worlds Apart)
2. Send Her My Love
3. Chain Reaction
4. After the Fall
5. Faithfully
6. Edge of the Blade
7. Troubled Child
8. Back Talk
9. Frontiers
10. Rubicon

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BOSTON / Third Stage

1986,USA

アメリカのプログレッシブなハード・ロック・バンドBOSTONの前作から8年ぶりとなる1986年3rdアルバムThird Stage。

メドレーっぽく繋がった#2,#3,#4を挟み、ヒット・シングルとなった#1とそのメロディをアレンジしたバラード小曲#5で締める、という構成のアナログA面の完成度ときたらそれはもう異常な程です。

アコギの爽やかで優しいカッティングに乗ってブラッド・デルプ(Vo)の美声が聞こえてくると、そこはもうBOSTONの世界な#1、お約束のツイン・リード・ハーモニーも健在です。
独特の軽いオーバー・ドライブがかかったリフからハード・ロックに移行する#2。終盤、じらした後「1,2,3,4,Come On!」からのツイン・リードが鳥肌ものの堪らなさ。ラストのクリーンなアルペジオは教会の鐘を模したとのことです。
トム・ショルツ(G/Key)がエフェクトを駆使したジェット・サウンドのSEとシアター・オルガンで作り上げたスペイシーなインストゥルメンタル・ナンバー#3。BOSTONの旅が続いている事の暗喩でしょうか、前作の2曲目The Journeyのフレーズがさりげなく挿入されております。
シンプルなリフに忍ばせたヒネリとシンコペーションがドライブ感を演出するBOSTON流ロックン・ロール#4。シリーズの締めは、#1のアコギに対してこちらはウーリッツァーの控えめな音色に乗せたバラードの#5で感動的に。
アナログ時代はここで余韻に浸りながらレコード盤をひっくり返すところですが、CDでもここで数秒のインターバルが設定されています。
イントロ#6を冠し、感傷的なボーカル・メロディとスペイシーで壮大なギター・オーケストレーションでドラマティックに展開する#7。
BOSTON流ロックン・ロール#8。
ブラッドのコーラス・ハーモニーで幕を開け、Still in Loveがメドレー的に繋がった、ギターによるクラシカルなフレーズのオブリガードが印象的なロックン・ロール#9。
ギター・オーケストレーションが壮大にアルバムを締めくくる#10。

実態はほとんどの楽器をプレイしミックスやエンジニアリングも行うトムと看板ボーカリスト ブラッドのユニットなんですが、もはやお馴染みとなったBOSTONとしての”バンド・サウンド”が完璧かつ丁寧に紡ぎ上げられております。

Track List

1. Amanda
2. We're Ready
3. Launch
4. Cool the Engines
5. My Destination
6. New World
7. To Be a Man
8. I Think I Like It
9. Can'tcha Say (You Believe in Me): Still in Love
10. Hollyann

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BOSTON / Walk On

1994,USA

トム・ショルツ(G/Key)のライフワーク・プロジェクトBOSTONの1994年4thアルバムWalk On。

オルガンとミュート気味のギターが徐々にフェードインし、ピック・スクラッチを合図にバンド・インするマイルドなメロディアス・ハード・チューン#1。リッチなクリーン・ギターのアルペジオに乗るフラン・コスモ(Vo)の声はブラッド・デルプと比べると若干ハスキーですが、サビのハイトーンもまずまず出ており安心。ギター・ソロではトムが珍しくアーミングを使ったりしている所もちょっとした変化かも。
ドライヴしたギターのバッキングに爽やかなサビが乗るBOSTON定番のロックン・ロール#2。
インストゥルメンタル・パートのギターのハーモニーが美しい、シンセ・ストリングスをイントロに配したバラードの#3。
そして、Walk On メドレーと題された#4~#7。
アルバム中間部にこうした構成を持って来るのもまさにCD全盛時代ならでは、ということでこんな部分にも8年の歳月を感じます。
抑えたトーンによるギターのフリーな独奏がディストーションONと同時にフレーズも激しく変化する#4。
そのムードを引き継ぎ、スウィングしたカッコ良い単音リフが登場、メドレーのメイン・チューンであるBOSTON王道パターンのドライヴ感満点なブギ#5へ。
#5のインストゥルメンタル・パート的な#6はジャムが一旦ストップし、クラシカルなオルガンとピック・スクラッチのシャワー、ギターのオーケストレーションで壮大に盛り上がるアルバム随一のハイライト。
続いて再びブギに戻る#7と、構成もクール。
スペイシーなインストゥルメンタル・パートを持つ#8。
美しいコーラス・ハーモニーをフィーチュアした#9。
ロックマンを通したギターのファットなリフとハンド・クラップが往年のBOSTONサウンドを想起させる#10。

ブラッド・デルプが自身のバンド活動の為レコーディングには不参加(作曲には絡んでいる)となり、代わりにフラン・コスモが歌っていたり、#3にてシンセ・ストリングスが導入され”No Synthesizers Used”のクレジットが初めてはずされたりと、さすがに8年も間が空くと色々な変化があるもんですが、BOSTONサウンドは不変です。

Track List

1. I Need Your Love
2. Surrender To Me
3. Livin' For You
4. Walkin' At Night
5. Walk On
6. Get Organ-ized
7. Walk On (Some More)
8. What's Your Name
9. Magdalene
10. We Can Make It

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DREAM THEATER / Metropolis PT2 : Scenes from a Memory

1999,USA

プログレ・メタルの先駆者DREAM THEATERの5thアルバムScenes From A Memory。

2ndアルバム収録曲で初来日公演のオープニングを飾ったプログレ・メタルの名曲Metropolis PART1に続くPART2を銘打った、悲劇と輪廻転生を描いたストーリー・アルバム。

イントロ的な#1からMetropolisの一節を挿入してフェードインしてくる#2のリフで既にワクワク感はMAX状態。大きな展開とテクニカルな素早いパッセージをバランス良く配した曲構成も見事なオープニング。
後にリプライズするピアノのアルペジオが印象的な#4から、新加入ジョーダン・ルーデス(Key)の超絶ソロが登場するダークな#5に移行するあたりから徐々に物語の深部へ。
メタリックな激しさとミステリアスな静寂が交互に押し寄せ、やがてメロディアスに昇華するドラマティックな#6。中間部のインスト・パートは、リフをバックにしたジョン・ペトルーシ(G)のソロ、目まぐるしく展開するシンセ・ソロ、ジョン・ペトルーシの鬼のような早弾きと息つくヒマも無いが、これだけ弾き倒されるとむしろ爽快。
ソウルフルな女性スキャットがアルバムの中間地点で良いアクセントとなった#7。ここはジェイムス・ラブリエ(Vo)の表現力豊かな歌唱も聴き所です。
熱にうなされるかのように息苦しくヘヴィな#8で物語はACT IIへ。ヘヴィネスからメロディアスに転換する意外性あるアレンジが秀逸。
ジョン・ミュング(B)によるフランジング効果の掛かった重いリフからプログレ・メタルらしい奇妙なリフに変化するインストゥルメンタルの#9。ホンキートンク・ピアノのソロがなかなか洒落ていて、ジョーダン・ルーデスの引き出しの多さを垣間見れます。
流れるように美しいピアノに導かれたバラード風の冒頭から、爽やかとも言えるくらいメロディアスなサビへ移行する#10。
#11はゴスペル風コーラスとジョン・ペトルーシの情感たっぷりなギター・ソロをフィーチュアした、普遍性を持ったメロディアスな名曲。
そして起伏あるドラマを締めくくるのが、アルバム全てを凝縮したかのようなドラマティックな12分超の感動大作#12。

随所にMetropolisの一部を登場させるニクい演出もさることながら、とにかく全曲の質が異常に高い。
場面転換してストーリーを紡ぎながらも各曲のキャラがちゃんと立っているのがもはや奇跡。
従来のテクニカルなプログレッシブ・メタルに、より一般受けするメロディアスな要素を加えつつ、それをさらにストーリー性を持たせてアルバム1枚を構築してしまうという偉業を成し遂げたロック史に残る名盤。
このアルバムでDREAM THEATERは往年の名バンド達と肩を並べたと言っても良いのではないでしょうか。
ストーリーのラストは音だけでは不可解なので、タネ明かしされるライブDVDの鑑賞もお勧めします。

Track List

1. Regression
2. Overture 1928
3. Strange Deja Vu
4. Through My Words
5. Fatal Tragedy
6. Beyond This Life
7. Through Her Eyes
8. Home
9. The Dance of Eternity
10. One Last Time
11. The Spirit Carries On
12. Finally Free

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BOSTON / Corporate America

2002,USA

天才トム・ショルツ(G/Key/B/Dr)率いるアメリカン・プログレッシブ・ハード BOSTONの2002年5thアルバムCorporate America。
前作Walk Onからは8年ぶりとなりますが、BOSTONからすれば平均ペース。

ライブではベースを担当する女性メンバー キンバリー・ダーム(Vo/G/B)の弾き語りを中心にした、彼女作のフォーク・ナンバー#4、Walk Onから加入のフラン・コスモ(Vo/G)の息子、アンソニー・コスモ(G/Key)が書いた、爽やかなアメリカン風味の#2、ダークで深遠な#6、従来のBOSTONらしさに一捻り加えたメロディアスな#7、など他メンバーの才能をフィーチュア。

代名詞となったギターのハーモニーも健在、ブラッド・デルプ(Vo)の素晴らしい歌唱がシンプルなバッキングに乗る#1。
意外なディスコ・ビートが異彩を放つも、サビでピック・スクラッチを合図にギター・オーケストレーションとコーラス・ハーモニーがブ厚くスペイシーに展開するとトリ肌が立つ#3。
オルガンのリフにお約束のピック・スクラッチからギター・ハーモニーが絡む#5。
キンバリーとゲストのチャーリー・ファレン(Vo)がデュエットを聴かせる#9。
等、トムのペンになる楽曲も負けじとこれまでになくバリエーションが豊かになっています。
このように音楽性を微妙にアップデートしながらも、全体の質感や爽快感など、1976年のデビュー以来四半世紀に渡ってBOSTONらしいスペイシーなサウンドはほぼ不変。
リスナーである自分は、多感な思春期や就職に結婚など様々な経験を経て成長したわけですが、BOSTONの音楽に触れる度に子供の頃のワクワク感が蘇ってきます。

Track List

1. I Had A Good Time
2. Stare Out Your Window
3. Corporate America
4. With You
5. Someone
6. Turn It Off
7. Cryin'
8. Didn't Mean To Fall In Love
9. You Gave Up On Love
10. Livin' For You

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BOSTON / LIFE,LOVE & HOPE

2013,USA

1947年生まれのトム・ショルツ(G/Vo)によるライフワークともいえるバンドBOSTONの6thアルバムLife Love and Hope。

ギターの独特なオーバードライブ・サウンドで幕を開ける#1。フィードバック音にアーミングした、ロケットみたいなサウンドも1stアルバム当時から不変のトレードマーク。
前作収録曲のリメイク#2。
トム・ショルツが全楽器を演奏したクラシカルなメロディのインストゥルメンタル#3。
キンバリー・ダーム(B/Vo)のラップが耳障りな#4。メインの部分はブラッド・デルプが素晴らしい歌唱を聴かせるドラマティックな楽曲なだけに惜しい。
My Spaceでトム・ショルツに見出されたトミー・デカーロ(Vo)作曲の#5。迷いが見えるトム・ショルツ作曲の新曲よりもBOSTONらしいムードなのが皮肉。
キンバリー・ダームが歌う#6。典型的BOSTONサウンドに中音域女性ボーカルが違和感満載。
デカーロとトムがメインで歌いゲストの女性ボーカルも絡む#7。目まぐるしい歌唱の変化やハーモニカの音色が何とも落ち着かない。
トム・ショルツの渋いヘタウマ歌唱をフィーチュアした#8。ピックスクラッチやオルガンなどBOSTONサウンドに欠かせない装飾があるものの歌が・・・。
前作収録曲のリメイク#9。
イントロがコーラスにリアレンジされた前作収録曲のリメイク#10。
メランコリックなメロディとメロディアスなツイン・リードギターが良い感じの#11。

2007年に逝去したブラッド・デルプの不在は大きく、彼以外がボーカルを担当する楽曲には違和感も。
中途半端なコンテポラリー要素の導入やサンプリング及び打ち込みっぽいドラムなど、スペイシーでカッコ良いBOSTONサウンドもかなり劣化してしまったようだ。
トム・ショルツも66歳。次はあるのだろうか。

Track List

1. Heaven on Earth
2. Didn't Mean to Fall in Love
3. Last Day of School
4. Sail Away
5. Life Love and Hope
6. If You Were in Love
7. Someday
8. Love Got Away
9. Someone (2.0)
10. You Gave Up on Love (2.0)
11. The Way You Look Tonight

BOSTON / LIFE,LOVE & HOPE のレビューを見る

カテゴリー: BOSTON

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