ANGLAGARD のレビュー

ANGLAGARD / Hybris

1992,SWEDEN

スウェーデンのプログレッシブ・ロック・バンドANGLAGARDの1992年1stアルバムHybris。

KING CRIMSON初期の叙情と中期のメタリックな質感をベースに、北欧独特の寂寥感と屈折した仄暗い情念をまぶした暗黒叙情シンフォニック・プログレ。
Mattias Olsson(Dr)が叩き出すドライヴ感抜群のドラミングにリードされた緊張感あるアンサンブルは、巧みに変拍子を織り交ぜつつも、それを感じさせないソリッドでタイトな暗黒グルーヴを醸成。と同時に、Anna Dolmgren嬢(Fl)の息遣いも生々しいフルートや静寂パートでのギターやオルガンのちょっとしたトーン・コントロール加減も見事で、メロトロンの洪水パートとのダイナミックな対比が楽曲のドラマ性を高めてます。

押しと引きのバランスに優れたソング・ライティング、他に類を見ない独特のムードを確立した各パートのプレイも老獪。LANDBERKと並び同郷のANEKDOTENPAATOSに絶大な影響を与えたであろう、鬱系スウェディッシュ・ネオ・プログレのバイブル的アルバムです。

Track List

1.Jordrok
2.Vardrirgar I Vilserhet
3.I Frar Klarhet Till Klarhet
4.Burg Bore

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ANGLAGARD / Epilog

1994,SWEDEN

スウェーデンの暗黒叙情プログレANGLAGARDの1994年2ndアルバムEpilog。

フルートやゲストのヴァイオリン等弦楽器が醸し出すミステリアスで荒涼とした静の部分と、不条理系メタリックな質感のヘヴィ・リフが暴れる動の部分の対比を軸に、メロトロンを効果的に絡ませた独自の音世界を構築。
Redの頃のKING CRIMSONから、ある意味キャッチーな歌部分を排除した上で暗黒叙情とメタリックなヘヴィさを抽出し、北欧の極寒で結晶化させたような混じりっけ無しのサウンド。
歌や甘いメロディーといったケレン味が一切無いストイックな楽曲群で綴られたにもかかわらず、メロディアスで耳に残るこの不思議な感触は、もはや唯一無二。孤高の世界ですね。

Track List

1.Prolog
2.Höstsejd
3.Rösten
4.Skogsranden
5.Sista Somrar
6.Saknadens Fullhet

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ANGLAGARD / Viljans Öga

2012,SWEDEN

スウェーデンのプログレッシブ・ロック・バンドANGLAGARD 18年ぶりのスタジオ3rdアルバムViljans Öga。ギターが一人抜けて5人となり、一部ゲストも参加している。

フルートを全面的にフィーチュア。感情移入できるリード楽器としてギター以上にメイン・メロディを奏でる機会が多く、メロトロンをバックにした静寂パートでの儚さ、ヘヴィな暗黒不条理リフと絡んだ時の狂気、など、起伏に満ちた楽曲のその時点での立ち位置を雄弁に表現。全曲インストゥルメンタルにもかからわず、聴き手のイマジネーションを刺激してきます。
ゲストのチェロや各種管楽器を交えた部分でのクラシカルな響きから、アヴァンギャルドというよりは北欧ならではの凍てついたエキゾチックさを漂わせた妖しい場面まで、それぞれ12~16分の長尺全4曲ながら、音楽的アイディアのレンジも広く予測不能の展開で全く飽きさせない。

楽器群は、リッケンバッカーと思しきバキバキなベース、幽玄なメロトロン、グリッサンドが唸るオルガン、そしてギターに管弦とオーガニックな響きがヴィンテージかつ時代を超越した不思議なムードを醸し、ANGLAGARDならではの独特の世界観が成立。
白眉は不条理リフでヘヴィかつスリリングに進行しながらチェロを交えた耽美なパートを織り交ぜ、一転してメランコリックなクライマックスを用意した#3。
KING CRIMSONのStarlessを想起させる暗黒的ドラマティックさに悶絶必至の名曲です。

Track List

1. Ur Vilande
2. Sorgmantel
3. Snårdom
4.Längtans Klocka

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