SPOCK'S BEARD のレビュー

SPOCK’S BEARD / The Light

1995,USA

アメリカの4人組プログレッシブ・ロックバンドSPOCK’S BEARDの1995年1stアルバムThe Light。

デビュー作ながら、いきなり組曲形式の2曲を含む4曲を収録。メンバーはそれぞれLA周辺でのセッション等で活躍していた人達のようです。ニール・モーズ(Key/Vo)のペンになる各楽曲は、彼がミュージカルの仕事もしていたというだけあって、場面転換とフックに溢れた小曲が止めどなく流れて組曲を構成する様は見事の一言。唐突な展開にGENTLE GIANT、ゴスペル風女性コーラスにPINK FLOYDを思わせる所もありますが、この辺は偉大なる先人への敬意を込めたオマージュと言ったところでしょうか。

古臭くも無ければ、かといって最新シンセのような軽さも無い不思議なムードを醸し出すキーボード群のセンス良いアレンジも素晴らしいです。せっかくのメロトロンも味付け程度なのが奥ゆかしいですね。

Track List

1. The Light
ⅰthe dream
ⅱone man
ⅲgarden people
ⅳlooking straight into the light
ⅴthe man in the mountain
ⅵsenor valasco's voodoo love dance
ⅶthe return of the horrible catfish man
ⅷthe dream
2. Go the Way You Go
3. The Water
ⅰintroduction/the water
ⅱwhen if all goes to hell
ⅲa thief in the night
ⅳFU/I'm sorry
ⅴthe water(revisited)
ⅵrunnin' the race
ⅶreach for the sky
4. On the Edge

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SPOCK’S BEARD / Beware of Darkness

1996,USA

アメリカのプログレッシブ・ロック・バンドSPOCK’S BEARDの1996年2ndアルバムBeware of Darkness。
日本人キーボーディスト奥本亮が参加、オルガンとメロトロンをプレイ。ライブでのニール・モーズ(Key/Vo)の負担を軽減すると共に表現力もアップ。日本版ボーナス・トラック#8のオルガン・ソロでの個性的なフレージングは本編でも随所に聴かれます。

奇妙でシンフォニックなSPOCK’S BEARDワールドを展開する#1は、何とジョージ・ハリスンのカヴァー。原曲を知らなかったので、クレジットをちゃんと読むまではオリジナルだと思ってました。
場面転換がミュージカル風な#2もまさしく彼ら独特の世界。古めかしいトーンのメロトロンが良い味を出しています。
テーマフレーズが、瑞々しいピアノ、シンセと曲中に様々な表情で引き継がれ、キャッチーな歌メロとともに展開していく#3。
クラシカルなタッチにコンテンポラリーなセンスをまぶしたアコギのソロ#4は楽器と作曲クレジットからすると、ニール・モーズ(Key/Vo)によるものでしょうか。落ち着いた叙情と流麗な演奏が素晴らしい小曲です。
オルガンがリードする序盤から、爽快でポジティブなムードの歌パート、フレットレス・ベースが浮遊する静かなパートを経てシンフォニックな広がりを見せる#5。
アコギをバックにした内省的な歌モノが、バンド演奏が加わる事でスケール感を増す#6。
随所にユニゾンやハーモニーにる印象的なメロディのフックを配し、何となくレトロなムードで16分超を紡ぎあげていく#7。

1stアルバムで見せた演劇的スタイルのSPOCK’S BEARDらしい楽曲展開がますます増量、独特のスタイルが確立されたアルバムです。

Track List

1. Beware of Darkness
2. Thoughts
3. Doorway
4. Chatauqua
5. Walking on the Wind
6. Waste Away
7. Time Has Come
8. On the Edge(LIVE)

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SPOCK’S BEARD / The Kindness Of Strangers

1998,USA

アメリカのプログレッシブ・ロック・バンドSPOCK’S BEARDの3rdアルバムThe Kindness Of Strangers。

シンセストリングスとチェロによるスペイシーかつ厳かなイントロを配した#1。様々な音色のオルガンやギターで彩られたインスト・パートがやがて激しさを増し、アコースティック・ギターのカッティングからアメリカンなムードのチャッチーなボーカル・パートへ展開。メロトロンやチェロが絶妙に配置され、どこか郷愁を誘う歌メロを引き立てている。
奇妙なシンセ音による掛け合いで提示されたユーモラスなテーマが印象的な#2。メロトロンが入ってムードを変化させたりとコンパクトな中にもアイディアが詰め込まれています。
ウラから入るピアノのリフレインがトリッキーな#3。
アコギとコーラスワークで聴かせるフォーク・タッチのバラード#4。
メロトロンのクワイヤが唸る#5。ギターのオブリガードや足踏みオルガンのバッキングなど細部にもこだわりのアレンジが施されています。
プログレ然とした大仰なイントロ、ボーカルが入ってからの静かに浮遊するメロトロンがファンタジックな序盤、7拍子に乗って軽快に疾走する中盤、テンポを落として感動のフィナーレを迎えるエンディングと、ドラマティックな#6。
SPOCK’S BEARD節とも言えるミュージカルのような場面転換の連続で進行する#7。ユーモラスなテーマのリフレインで統一感を持たせると同時に、ハイライトとなるパートやクライマックスもキッチリ用意。彼らのソングライティング能力の高さを示す、3部構成15分超の大作。

長尺や小品問わず、ボーカル・パートはストレートにロックする場面が増え、キャッチーな歌メロとあいまってまさにアメリカンなシンフォニック・プログレを展開。
そんな中で、大量に使用されたメロトロンがもたらす深遠さがアメリカンな快活さの中にヨーロピアンな深みを与えています。

Track List

1. The Good Don't Last
I. Introduction
II. The Good Don't Last
III. The Radiant Is
2. In the Mouth of Madness
3. Cakewalk on Easy Street
4. June
5. Strange World
6. Harm's Way
7. Flow
I. True Believer
II. A Constant Flow of Sound
III. Into the Source

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SPOCK’S BEARD / Brief Nocturnes and Dreamless Sleep

2013,USA

アメリカのプログレッシブ・ロック・バンドSPOCK’S BEARDの11thアルバムBrief Nocturnes and Dreamless Sleep。
ニック・ディヴァーリジオに代わりジミー・キーガン(Dr)、さらにENCHANTのテッド・レオナルド(Vo/G)を加え5人編成となった。

オープニングに相応しいドラマティックなイントロ、オルガンのシンコーペーション、メロトロンとおいしい要素盛り沢山の序盤から、ボーカル・パートは一旦落としたムードでプログレのインフレを解消。叙情メロやメタルっぽい激しさを交えて進行する#1。
ノリノリの7拍子に乗ったクールなシンセのテーマ・メロでいきなりハートを掴む#2。アーミングやワーミーペダルを駆使して奏でられる光線銃のSEみたいなトリッキーなギター・ソロがブッ飛んでいてカッコ良い。それでいてメロウなパートではメロトロンを投入するなどフックだらけの名曲。
ストリングス、フルート、クワイヤなど様々な音色のメロトロンとズ太いシンセが堪能できる、スケールの大きさと繊細な叙情の起伏も素晴らしいプログレッシブ・チューン#3。スネア2発打ちからのベンダーを使った短いシンセ・ソロは必聴。
アメリカンなおおらかさに少々エキゾチックな風味を加えたテッド・レオナルド作の#4。
左右にパンニングされたパーカッシブなクラヴィネットとロックなギターが、ユニゾンや互いを補完するバッキング・プレイでリードする#5。GENTLE GIANTのようなアカペラ・パートがアクセントになっている。
キャッチーな歌メロとエモーショナルなインストゥルメンタル・パートがバランス良く配合された#6。
ニール・モーズが作曲とギターで参加した12分超の大作#7。TANSATLANTIC的というか初期SPOCK’S BEARD風でもある疾走感あるキャッチーなボーカル・パートが心地良い。ダウンテンポしてのメロウなギター・ソロが次第に激しさを増し、テンポ・チェンジして快活なシンセ・ソロに移行する場面は鳥肌モノの爽快感。壮大なテーマ・メロを配し、巧みな起伏と場面転換で長尺を描き切ってしまうあたりはさすが。

ちょっとしたオブリガードさえも聴き手の印象に刺さる心憎いアレンジや随所に登場するキャッチーなメロディの本物感は、歴史を重ねてきたバンドならでは。
展開の妙を満喫できる#2,#3,#7はヘヴィ・ローテーション決定ナンバー。

Track List

1. Hiding Out
2. I Know Your Secret
3. A Treasure Abandoned
4. Submerged
5. Afterthoughts
6. Something Very Strange
7. Waiting For Me

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SPOCK’S BEARD / The Oblivion Particle

2015,USA

アメリカのプログレッシブ・ロック・バンドSPOCK’S BEARDの12thアルバムThe Oblivion Particle。

静と動の対比、ダイナミズムと各パートのタイトなアンサンブルで聴かせる典型的なSPOCK’S BEARDチューンの#1。
爽やかな3声コーラス、深遠なメロトロン、耳にひっかかる奇妙なリフなど様々な要素が違和感なく展開。アレンジの妙が冴える#2。
アコギとフルート風シンセの音色が印象的。アメリカンなポップさがの中に自然な拍子チェンジも交えたキャッチーな#3。
ジミー・キーガン(Dr)がリード・ボーカルを担当。シタールやマンドリンを使用したレトロなムードの中に不思議と未来感覚を合わせ持った#4。
マイナー調のメロディックな歌ものナンバー#5。
ドラマティックな切り返しや妖しいメロディに次々と展開していくインスト・パートなど、シアトリカルな要素が満載の#6。
ピアノのエチュード風フレーズから始まり、ミステリアスとコミカルが同居したSPOCK’S BEARDらしいリフレインを経てスケール感のあるキャッチーなシンフォニック・ロックに移行する#7。インスト・パートではシンセとギターのクラシカルなハーモニー・プレイで聴かせる。
スペイシーなスケール感を持ったミディアム・スローの思索系ナンバー#8。
KANSASのデヴィッド・ラグスデール(vln)が参加したスリリングなインスト・パートを内包したセンチメンタルなバラード#9。

テッド・レオナルド(Vo)とジミー・キーガンが加わった前作と同じメンツで制作。テッド・レオナルドは#2、#3を作曲するなど創作面でも存在感を確立。
キャッチーな歌メロと捻ったクセのあるアレンジというSPOCK’S BEARDらしさは相変わらずだが、全体的には普遍的なアメリカン・ロック成分が増えた印象。そんな中、#1のソロでのアグレッシブなアーミングや#7のトレモロを掛けたオブリガードなど、アラン・モーズ(G)が随所に個性を発揮。全編に渡って使用されるメロトロンとあいまって、SPOCK’S BEARDとしての記名性を高めている。

Track List

1. Tides of Time
2. Minion
3. Hell's Not Enough
4. Bennett Built a Time Machine
5. Get Out While You Can
6. A Better Way to Fly
7. The Center Line
8. To Be Free Again
9. Disappear

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