ERIKA のレビュー

ERIKA / Cold Winter Night

1990,SWEDEN

イングヴェイ・マルムスティーンの元元妻エリカ(Vo)の1stアルバムCold Winter Night。

イングヴェイが#9で参加しているということで、それ聴きたさに軽い気持ちで購入したら、何とABBA MEETS HRとでも表現できそうな透明感ある極上のハード・ポップが全編に渡り展開されており驚愕。
メロディアスな楽曲が粒揃いで、エリカも健康的なセクシー路線で曲調に合わせて硬軟織り交ぜた歌唱を聴かせます。

シンセの重厚なストリングスとギターの刻みにエリカの切ない歌唱が乗るドラマティックなオープニングに期待で胸が高まる序曲#1。
#1を引き継ぐ#2は、早くもアルバムのハイライトと言える叙情ハード・ポップの名曲。クラシカルで端整なコード進行の序盤に漂う静かに凍てついた透明感と、映画STREET OF FIREの主題歌Tonight Is What It Means to Be Youngを思わせる壮大なコーラスで盛り上げるサビの激情とのギャップが堪りません。
キャッチーな#3、伸びやかな歌唱の#4、ムーディなパートの抑えた歌唱もなかなかな#5、と続くポップな佳曲。
吹雪のSEで始まりブ厚いシンセとハード・エッジなギターのリフがリードするハード・ロック#6。サビ・メロで感じる何となくABBAっぽい北欧叙情が最高。
サビの転調にハッとする#7。
アコースティックなタッチを取り入れたバラード#8。
イングヴェイのギター・ソロをフィーチュアした、サックスが奏でるサイレンのようなリフが印象的なアップテンポの#9。曲のムードにぴったり合いつつも、イングヴェイならではの個性を発揮した流麗なギター・ソロが見事です。
マイナーな美メロのバラード#10。そして、#10のフレーズを基に徐々に盛り上がるドラマティックかつ壮大なオーケストレーションでアルバムを締めくくる#11。テーマ・メロディをリフレインするギターのクリーンなトーンに心が洗われるような清涼感が漂います。

#1からマイ・アンセム#2の流れがいつ聴いても完璧。

Track List

1. Prelude
2. Together Were Lost
3. Line Of Fire
4. Hurting So Bad
5. Heavenly
6. Cold Winter Night
7. Living Like A Hurricane
8. Love In Vain
9. Emergency
10. Last Call For Love
11. Postlude

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ERIKA / In the Arms of a Stranger

1991,SWEDEN

イングヴェイ・マルムスティーンの元元妻エリカ(Vo)の2ndアルバムIn the Arms of a Stranger。

イントロ#1に続く、サビがキャッチーな実質オープニング・チューン#2。
シンセの透明感溢れるアレンジによるパワー・バラード風な#3。
サビのブラス・ストリングスが1stのタイトル・チューンを想起させる#5。
中間部に美しいインストゥルメンタル・パートを擁したドラマティックなバラード#6。
シンセのカラフルなアレンジが光る哀愁のサビを持つ#7。
キラキラしたシンセが爽やかなサビメロにマッチした#8。
サックスのリフがリードするアップテンポの#10。

1stと同じブレインのペンになる楽曲、ほぼ同じミュージシャンでのレコーディングということで、概ね前作を踏襲した作りとなっています。しかしながら、ハード・ロックなエッジとドラマティックな北欧叙情が減少し、より爽やかで快活なポップスとなった印象。
親しみ易いメロディと、余裕が出てきたからか、エリカの程好く力の抜けた伸びやかな歌唱が楽しめます。

Track List

1. 6.AM
2. Wake Me Up When The House Is On Fire
3. Rock Me Into Heaven
4. Games We Play
5. Easy Come, Easy Go
6. In The Arms of A Stranger
7. Made of Stone
8. Walk Into My Heart
9. Shadows In Rain
10. Danger In Disguise
11. Fall From Grace

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ERIKA / Deaf Dumb & Blonde

2016,SWEDEN

1990年リリースの名盤Cold Winter Nightで知られるスウェーデン人シンガー エリカの18年振りとなる6thアルバムDeaf Dumb & Blonde。

へヴィなギターとコンテンポラリーなシンセによる鮮烈な幕開け。続くメロウなパートからコーラスが美しい激情のサビに至る構成が名曲Together Were Lostを彷彿させる#1。
#1同様に扇情的なコーラスが1stのテイストを漂わせる#2。静と動で巧みに歌唱を使い分けるエリカの歌唱は全くブランクを感じさせない。
ギターのザクザクしたリフがカッコ良い王道ハード・ポップ・ナンバー#3。
デュエットの男性ボーカルが暑苦しいパワー・バラード#4。ウィスパーやファルセットも交えた多彩なスタイルで熱唱するエリカ一人に焦点を絞った方が100倍良い。
EUROPEの名バラードCarrieを思わせるクラシカルなコード進行が気品に満ちた美バラード#5。
ポップなシンセが甘口のアクセントとなったアップテンポのハード・ロック・ナンバー#6。
ドラマティックな展開にエリカの表情豊かなボーカルが活きる、サビに往年のムードを纏った#7。
ダウン・チューニングのギターによるヘヴィなリフにパワフルなエリカの歌唱が乗る#8。
ソフトな歌唱が楽しめるメロウな#9。
アップテンポな激情ハード・ロック#10。
エキゾチックなシタールのフレーズがフックとなったミディアム・テンポの#11。
妖艶なムードの#12。

イェスパー・ストロムブラード(G/元IN FLAMES)やミック・ミカエリ(Key/EUROPE)等が脇を固めて作曲とバッキングをサポート。
イントロやエンディングを必要以上に拡張しないコンパクトな構成、3分程度の尺にドラマティックな場面転換を用意した絶妙なアレンジと、エリカありきで彼女の魅力と歌唱力を最大限にフィーチュアしている。
初期のエリカを知る実力者達の献身と、何よりエリカ自身の硬軟織り交ぜた変わらぬ健康的セクシー歌唱により、抒情を帯びたメロディアス・ハード・ポップの佳作に仕上がっている。

Track List

1. Killer
2. Heroes of Heartbreak
3. Suckerpunch
4. Drama
5. Hearts gone bad
6. Sleeping with a memory
7. Once upon A time
8. Go Down
9. Us Fools
10. One for the road
11. Start your engine
12. Warhoney

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