THIN LIZZY のレビュー

THIN LIZZY / Jailbreak

1976,IRELAND

アイルランドのハード・ロック・バンドTHIN LIZZYの1976年6th。

メンバー全員のキャラが強烈でビジュアルなつかみもOK。ハードなエッジとキャッチーなメロディが同居する独特の世界におなじみツイン・リード・ギターの美しいハーモニーが花を添える完全にオリジナルなスタイルを持っている。#6,#8は彼らの代表曲として有名。後世のバンド達がライブでよくカヴァーしている。

Track List

1. Jailbreak
2. Angel from the Coast
3. Running Back
4. Romeo and the Lonely Girl
5. Warriors
6. The Boys Are Back in Town
7. Fight or Fall
8. Cowboy Song
9. Emerald

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THIN LIZZY / Black Rose a Rock Legend

1979,IRELAND

ツイン・ギターの片割れにゲイリー・ムーア(G)が正式加入したTHIN LIZZYの1979年作。

クレイジーに暴れまくってます。しかしそれだけじゃない所がこのアルバムを名盤たらしめた理由。アイリッシュやアメリカンな民謡を織り交ぜつつ各メンバーのルーツを誇らしげに叙事詩的楽曲として昇華したタイトル曲をはじめ、ゲイリーのメロウ・サイドを表した#5などバラエティに富んだ名曲揃い。勿論看板のメロディアスなツイン・リードも、当時のギター・キッズが2人いれば必ずコピーした#4やオープニングの#1、泣きの#8などてんこ盛り。意外とスコット・ゴーハム(G)が弾いたソロが印象に残ってたりするなー(#4や#6の前半など)。ジャケも良い。

Track List

1. Do Anything You Want To
2. Toughest Street in Town
3. S & M
4. Waiting for an Alibi
5. Sarah
6. Got to Give It Up
7. Get Out of Here
8. With Love
9. Róisín Dubh (Black Rose): A Rock Legend

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THIN LIZZY / Chinatown

1980,IRELAND

アイルランドのハード・ロック・バンドTHIN LIZZYの1980年10th。

前作Black Roseリリース後のツアー中に失踪したゲイリー・ムーアに代わり、ピーター・グリーンなどのセッション・ギタリストをしていたスノーウィー・ホワイト(G)が加入。スノーウィーはバンド全員で書いた#2,#4や#6でソング・ライティングに貢献するだけでなく、#6をはじめとしてゲイリーのクレイジーなプレイや相棒スコット・ゴーハム(G)の独特の引っかかりのあるフレージングとも違う、スムーズでメロディアスなプレイを聴かせてくれます。バンドの看板であるツイン・リード・ギターによる美しいハーモニーをイントロ、ギター・ソロ終盤、ボーカル・パートの伴奏、とそこかしこに配した哀愁のハード・ロック・ナンバー#1。シャッフルに乗ったクールな単音リフがリードするタイトル・トラック#2。イントロでのブライアン・ダウニー(Dr)のタム回しが冴える#3は、ツイン・リード、フィル・ライノット(B/Vo)のお経ボーカル、メロディアスなサビ、というTHIN LIZZYの典型的ロックン・ロール。軽快なシンコーペーションのリフと、鋭く切れ込んでくるギターのハーモナイズ・オブリガードが印象的な#4。スリリングなリフから一転してシンプルなバッキングにフィルのマシンガン・ボーカルが乗る、これも典型的パターンのシングル曲#5。スノーウィーとフィルの共作によるキャッチーなナンバー#6。ストレートなハード・ロック#7。フィルの語りかけるような優しい歌唱と美しいギター・ハーモニーをフィーチュアしたバラード#8。ギター・ソロでスコットが激しいラン奏法を聴かせる#9。強烈な個性を持ったギタリストが不在だったり、バンドが解散に向かう時期の作品ということで地味で小ぢんまりとした印象もありますが、ツイン・リードやちょっとワルな感じといったTHIN LIZZYらしさは健在。何よりもバンドの一体感が感じられるところが好感触なアルバム。

Track List

1. We Will Be Strong
2. Chinatown
3. Sweetheart
4. Sugar Blues
5. Killer on the Loose
6. Having a Good Time
7. Genocide (The Killing of the Buffalo)
8. Didn't I
9. Hey You

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THIN LIZZY / Renegade

1981,IRELAND

アイルランドの至宝THIN LIZZYの1981年11th。

フィル・ライノット(B/Vo)、スコット・ゴーハム(G)、これが参加2作目となるスノーウィ・ホワイト(G)、ブライアン・ダウニー(Dr)の正式メンバー4人に鍵盤奏者のダーレン・ウォートンを加えて制作されました。当時注目されたキーボード導入ですが、シンセが目立つ#1もTHIN LIZZYにしては新機軸なヘヴィ・メタリックな部分の方が際立ち、それほど気にならないですね。又、代名詞である美しいツイン・リード・ギターのハーモニーは減ってはいますが、もうひとつの大事な要素である哀愁は#2や#5のサビを始め全編に漂ってます。しかし、名盤Black Roseと最終作の意気込みが強烈なThunder and Lightningに挟まれた影の薄い時期の作品とあって、全体的に地味な印象になってしまっているかも。後半のマイルド路線に迷いも感じられますし、スコットの相棒がブルーズ畑出身のスノーウィというのも、ギター・ヒーロー然としたゲイリー・ムーアやジョン・サイクスと比較するとインパクト的には分が悪いですしね。でも、マンガチックな従来のテイストとは一線を画したジャケット・アートに通ずる序盤#1,#2,#3のシリアスなムードを中心に、何か好きなんですよね。このアルバム。

Track List

1. Angel of Death
2. Renegade
3. The Pressure Will Blow
4. Leave This Town
5. Hollywood (Down on Your Luck)
6. No One Told Him
7. Fats
8. Mexican Blood
9. It's Getting Dangerous

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THIN LIZZY / Thunder and Lightning

1983,IRELAND

アイルランドのハード・ロック・バンドTHIN LIZZYの1983年12thにしてラスト・アルバム。

前作RENEGADEを最後に脱退したスノーウィー・ホワイトに代わり、元TYGERS OF PAN TANGのジョン・サイクス(G)を起用。既にバンドの解散がアナウンスされており、かなりの注目度の中でのリリースとなりました。大抜擢されたジョンはフィルの寵愛もあってか、あくまでもTHIN LIZZYというバンドのフォーマットを尊重しつつも伸び伸びと大活躍。ソング・ライティングでは#5のみながらプレイとサウンドで大きく貢献し、NWOBHMブームにあやかったバンドのヘヴィ・メタル路線を支えています。ザクザクした単音リフと攻撃的なバッキングにフィル・ライノット(B/Vo)のマシンガン・ボーカルが乗るメタリックなオープニング・チューン#1。ソロではオーソドックスなスコット・ゴーハム(G)、ダーレン・ワートン(Key)のシンセ・ソロ、早弾きやピッキング・ハーモニクスを多用した鮮烈なジョンのソロをフィーチュア。新たな血を導入したTHIN LIZZYの名詞代わりの会心の一撃となりました。前ノリで#1の勢いを引き継ぐ哀愁のサビを持つ#2。スコット=右CH、ジョン=左CHとパンニングされたギター・ソロでは、フレージングやトーンにそれぞれの個性が滲み出たギター・バトルが楽しめます。ブライアン・ダウニー(Dr)のリム・ショットが淡々と刻むリズムに、クリーンなギターとシンセがムーディなバッキングを加える叙情ナンバー#3。ロングトーンを活かした官能的なギター・ソロはジョンでしょうか。あのTYGERS OF PAN TANGのジョンが随分大人なプレイをするもんだ、と当時は感心したものです。ツイン・リードでの小刻みなハーモニーと緩急を使い分けたドラマティックなジョンのギター・ソロが印象的な、カッコ良いハード・ロック#4。ジョンとフィルが共作したHM/HRの定番、5度重音リフがリードする#5。バッキング時のアグレッシブなグリッサンドやソロでのライト・ハンド奏法など、自分の曲ということもありジョンが好き放題やっちゃってます。典型的なTHIN LIZZYパターンの楽曲に、おそらくダーレン・ワートンの持ち込んだものと思われる洒落たコード進行や変拍子がプラスされ、コンテンポラリーに仕上がったハード・ロック#6。ジョンのスムーズなフレージングもハマってます。アイディアの引き出しが豊富なジョンのギター・ソロをフィーチュアした、THIN LIZZYらしさが色濃く残る哀愁のシャッフル・ナンバー#7。スコットのメロディアスなギター・ソロをフィーチュアした、スコットとフィルの共作によるキャッチーな#8。途中からハモるツイン・リードがゾクゾクするハード・ロック#9。従来のTHIN LIZZYらしさにジョン・サイクスやダーレン・ワートンといった若い才能のもたらした新機軸が加わり、このメンツでしか成し得ない上質なハード・ロックが展開されています。ラスト・アルバムという付加価値を差し引いても、このアルバムが高品質な事に疑いは無く、THIN LIZZYが、というかフィルが最後の意地を見せつけた感じがしますね。

Track List

1. Thunder and Lightning
2. This Is the One
3. The Sun Goes Down
4. The Holy War
5. Cold Sweat
6. Someday She Is Going to Hit Back
7. Baby Please Don’t Go
8. Bad Habits
9. Heart Attack

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THIN LIZZY / Life Live

1983,IRELAND

THIN LIZZYの1983年ファイナル・ツアー時のライブ。

終盤では歴代ギタリストが次々に登場しスタジオ盤レコーディング時のラインナップで演奏。最後のThe Rockerではエリック・ベル、スコット・ゴーハム、ブライアン・ロバートソン、ゲイリー・ムーア、ジョン・サイクスと5名のギタリストがステージに勢揃い。PA担当者は頭を抱えたであろうが、ファンにはうれしいサプライズだったようだ。各ギタリストが順にコールされると共に音が重ねられ、オーディエンスの熱狂も最高潮。音もワケわかんなくなっている熱いライブ盤だ。

Track List

DISC 1
1. Thunder and Lightning
2. Waiting for an Alibi
3. Jailbreak
4. Baby Please Don't Go
5. The Holy War
6. Renegade
7. Hollywood
8. Got to Give It Up
9. Angel of Death
10. Are You Ready

DISC 2
1. The Boys Are Back in Town
2. Cold Sweat
3. Don't Believe a Word
4. Killer on the Loose
5. The Sun Goes Down
6. Emerald
7. Black Rose
8. Still in Love With You
9. The Rocker

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