STEVEN WILSON



プログレッシブ・ロック・バンドPORCUPINE TREEのスティーヴン・ウィルソン(G/Vo)。
NO-MANやBLACKFIELD等の自身のプロジェクトやOPETHPAATOSといった他バンドのプロデュースやエンジニアリングをはじめ、近年はKING CRIMSONELPなど大御所の名盤のサラウンド・リミックスを任されるなど、新旧プログレ界の架け橋となる活動を精力的に行っている。

ソロとしても、2008年のInsurgentesから定期的に充実した内容のアルバムを発表。 2013年のアルバムThe Raven That Refused To Singでは、実力者を集めたバンドで行ったツアーで事前に新曲をステージで披露するなど、よりバンド形態としてのまとまりを感じさせるようになってきている。
10代の頃から宅録を始めただけあって、エレクトロニックなマシン・ビートやサウンドスケープなど実験的なテクノロジーにも精通しつつ、メロトロンやハモンドといったヴィンテージ・キーボードや生の管弦といったオーガニックな音の導入にも長けており、独特の翳りを持った美旋律からヘヴィなギター・リフまでサウンドの引き出しは非常に多い。
現代プログレ・シーンにおける最重要人物である。

STEVEN WILSON のレビュー

STEVEN WILSON / Insurgentes

2008,UK

自らのバンドPORCUPINE TREEの活動をはじめとして、プロジェクトや様々なバンドのプロデュース/エンジニアリング、最近ではKING CRIMSONなどの旧譜リマスターなどでも大忙しのスティーヴン・ウィルソン(Vo/G/Key)による1stソロ・アルバムInsurgentes。

繊細で鬱ながら、ヘヴィなサビではキャッチーさも感じさせるメロディがPORCUPINE TREEっぽい#1。
ローファイなブレイクビーツにオーガニックなアコギとボーカルが乗る静謐な#2。終盤の洪水のような轟音サウンドスケープもなぜか美しく響きます。
妖しいリフにアンビエントなギター、PORCUPINE TREEの盟友ギャヴィン・ハリソン(Dr)のヘヴィなドラムで不条理ダークネスの世界を構築する#3。
霧のようなパッド系シンセ、テオ・トラヴィス(Sax)のサックス、美しいコーラスが、まろやかな陶酔感をもたらす#4。
ダークなリフが終始リード。ジャムのような雰囲気でドラムとギターが呼応しながら徐々に暴力的なアンサンブルに移行する#5。
メジャーセブンスを中心とした爽やかなコードと緩やかなリズムで浮遊感を演出したメロディアスな#6。
クールでダークなリフの#7。バックの音が厚くなってもクールに不変なボーカルが逆に凄みを感じさせます。
メランコリックなアコギとピアノに音響エフェクトを加えた、神秘的なムードのインスト小品#8。
ピアノの弾き語りの静かな序盤から、多層コーラスや歪んだパワーコード、発振ノイズなどで動に移行する鬱系チューン#9。
J-POPからプログレまでジャンルを問わず世界的に活躍する筝奏者 八木美知依のプレイが、オリエンタルなムードを演出する繊細で耽美な#10。

KING CRIMSONやPINK FLOYDのDNAを受け継ぎつつ、サイケやメタル、ブレイクビーツやアンビエントな音響など多彩な要素を融合した独自の世界を持つPORCUPINE TREEと同様の方向性ではあるものの、バンドというある種の制約から開放されて才能を自由に発揮。
より美しく深みのある音楽が楽しめます。

Track List

1. Harmony Korine
2. Abandoner
3. Salvaging
4. Veneno Para Las Hadas
5. No Twilight
6. Significant Other
7. Only Child
8. Twilight Coda
9. Get All You Deserve
10. Insurgentes

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STEVEN WILSON / Grace For Drowning

2011,UK

STEVEN WILSONの2ndソロ・アルバム Grace For Drowning。

制作が一連のKING CRIMSON旧譜リマスター作業と期間が被っていたようで、完全に思考及び嗜好モードがCRIMSONだったのでしょう。
メランコリックな歌メロ~不条理リフへの展開が明らかにKING CRIMSONのCirkusからの影響モロ出しのDisc2 #4をはじめ、全体の雰囲気はLIZARD~ISLANDS期KING CRIMSONのような静謐な美しさに溢れています。
主にピアノで作曲したという収録曲はリフ的な構造よりもメロディに主眼が置かれているようで、ジャズ系ミュージシャンを使用したバックの演奏も落ち着いた感じ。

Disc1 #3等でのメロトロンの叙情、Disc1 #2のホールトーン(全音音階)の緊張感(RED)、Disc1 #7,Disc2 #4の数学的メカニカルなリフ(DISCIPLINE)、とKING CRIMSONの全キャリアのエッセンスを忍ばせつつ、得意のブレイク・ビーツやエフェクトによるサウンド・スケープなど現代的な手法と、端整なストリングス、生々しく時にインテンスなサックスやDisc2 #5のファンタジックなオートハープによる装飾などオーガニックなトーンが溶け合い、メロディ・構造・構築性・サウンド、全てが美の元に収斂し、唯一無二のSTEVEN WILSONワールドを醸成。

自身の作品に似ているかどうかの感想を求められたロバート・フリップが、「私にはスティーヴン・ウィルソンにしか聴こえない」と答えたのも、これら影響を飲み込んだ上で個性を発揮してのけたスティーヴン・ウィルソンに対する賛辞でしょう。
まさに傑作。

Track List

Disc 1: Deform to Form a Star
1. Grace for Drowning
2. Sectarian
3. Deform to Form a Star
4. No Part of Me
5. Postcard
6. Raider Prelude
7. Remainder the Black Dog

Disc 2: Like Dust I Have Cleared from My Eye
1. Belle de Jour
2. Index
3. Track One
4. Raider II
5. Like Dust I Have Cleared from My Eye

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STEVEN WILSON / The Raven That Refused To Sing

2013,UK

スティーヴン・ウィルソンの3rdアルバムThe Raven That Refused to Sing。

このところ、KING CRIMSONを皮切りに、ELPやJETHRO TULLなどの旧作リマスターの仕事でも評価を上げ、自らの作品でパフォームするだけでなく新旧プログレ界の架け橋としての存在感も増す、現在のプログレ界で最も多忙で重要な人物であるスティーヴン・ウィルソン。

ニック・ベッグス(B ex.KAJAGOOGOO)、マルコ・ミンネマン(Dr)、テオ・トラヴィス(Sax/Fl)等、錚々たるメンツを集めてレーコーディングされた本作は、プロデュースをアラン・パーソンズに委ねた万全の体制。

疾走感のもたらすソリッドなスリルと静かなパートでのフルートやメロトロンの幽玄な叙情の2面性を持つ#1。
ストリングスも絡め、メロディアスで美しくメランコリックな#2。E-BOWを掛けたギターのフィンガリングのみと思しき滑らかなソロが曲にマッチして胸を熱くします。
各人のソロとそれに呼応するドラムやオルガンのバック陣によるジャムをフィーチュアした冒頭2分、ボーカル・パートでのロックの王道リック、そして王道リックから深遠なパートに移行する意外な展開など、並みのバンドやアーティストなら数曲分に相当するアイディアを贅沢に詰め込んだ#3。
ミステリアスなムードの中、静と動の起伏を巧くつけた#4。
心に染み入る弾き語りパートやメロトロンやスキャットが加わるインスト・パートなど、アコギのアルペジオをフィーチュアした前半から、フルートやクロマチックなフレーズが印象的なギター、サックスによるソロ・パートを挟み、ピアノのアルペジオがリードするボーカル・パートを経てダークに盛り上がる終盤へと展開するプログレッシブ・チューン#5。
ひたすら美しくそしてシンフォニックにもなる、ダークでファンタジックな#6。

ユニゾンやキメがハマった時のカタルシスなどバンドならではのアンサンブルの妙を感じさせる場面も多々あり、内省的な印象の強かったこれまでのソロ作とはまた違った味わい。
スティーヴン・ウィルソン自身、「音楽の旅」ができるアルバムを聴いて育った、とインタビューで語っていたが、本作はまさにその音楽の旅に浸れる傑作。
レジェンドに触れて得た様々な奥義を吸収、咀嚼してスティーヴン・ウィルソンとしてのフィルターを通して表現した、刺激的でいて懐かしくもある素晴らしい作品に仕上がってます。

Track List

1. Luminol
2. Drive Home
3. The Holy Drinker
4. The Pin Drop
5. The Watchmaker
6. The Raven That Refused To Sing

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STEVEN WILSON / Hand. Cannot. Erase.

2015,UK

スティーヴン・ウィルソン(Vo/G/Key)の4thアルバム Hand. Cannot. Erase.。
前作The Raven That Refused To Singとほぼ同様のメンツで制作。
実在したJoyce Carol Vincentという女性の人生にインスパイアされたコンセプト・アルバム

美しいメロディを提示した、期待感で胸膨らむオープニング・インストゥルメンタル#1。
快活なギターのカッティングがリードする10分超の#2。ドラマを予感させる長いイントロを経てスティーヴンによる繊細な歌唱パートへ。時にうっすらとそしてクライマックスでは神々しく鳴り響くメロトロンが爽快。
歌メロを軸に静と動のダイナミクスで聴かせるキャチーな#3。ここでもメロトロンが活躍。
序盤に女性のモノローグを配し、マシンのリズムをベースに穏やかな音色群でデコレーションされたオケをバックに延々とサビを反復する#4。単純な繰り返しこそが完璧な生活という暗喩だろうか。反復の陶酔感とともにリスナーに魔法を掛けるかのような曲だ。
うって変わって生々しいピアノとボーカルで始まる#5。ミステリアスなアコギのアルペジオ・パート、ガスリー・ゴーヴァン(G)によるメロウなギター・ソロ、女性ボーカル・パートを交えながら徐々に盛り上がるドラマティック・チューン。
切迫感を煽るリフ、パーカッシヴなフェンダー・ローズ、エフェクトを掛けたボーカルをフィーチュア。緊張と緩和による落差が決定的なフックとなって強烈な印象を残す#6。
ベンダーを多用したモーグ・シンセサイザーのソロをフィーチュアしたインスト・チューン#7。
神秘的なコーラス・パートを内包する、アコギのアルペジオをバックにしたシンプルながら非常に英国的な小品#8。
屈折したメロウネスと暴虐のインスト・パートを兼備した初期KING CRIMSONを彷彿させる13分超のエピック・チューン#9。テオ・トラヴィス(Fl/Sax)の浮遊するフルートが神秘的な味わいを付加。
#1のテーマ・メロディから内省的で聴かせるボーカル・パートに移行、感動的なメロディで本編を締めくくる#10。
余韻を残しながらオープニングに回帰するかのようなインスト#11。

ストーリー・テリングを重視したためか、前作のような即興的な器楽要素は後退したものの、インスト・パートの深淵なダークネスやメランコリックな要素といったスティーヴン・ウィルソンらしさに加え、ボーカル・ラインはより親しみやすいメロディが増量。各国のチャート・アクションも好調なことからも伺えるように、単なるプログレの範疇から脱却しPINK FLOYDと同様のステージに進出した感のある作品。

Track List

1. First Regret
2. 3 Years Older
3. Hand Cannot Erase
4. Perfect Life
5. Routine
6. Home Invasion
7. Regret #9
8. Transience
9. Ancestral
10. Happy Returns
11. Ascendant Here On…

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STEVEN WILSON / 4 1/2

2016,UK

スティーヴン・ウィルソンの前2作、Hand. Cannot. Erase.(#1,#3,#4)及びThe Raven That Refused to Sing(#2)のセッションで書かれたアルバム未収録曲を仕上げたものを中心としたミニ・アルバム 4 1/2。
記号のようなタイトルは、4thアルバムと次作5thの間を意味するらしい。
全曲参加のバンド・メンバー ニック・ベッグス(B)とアダム・ホルツマン(Key)に加え、曲によって様々なメンツがプレイしている。

乾いたギターのカッティングやタイトルが前作を彷彿させる#1。キャッチーな歌唱パートとスリリングなインスト・パートを併せ持つ最近のスティーヴン・ウィルソンの定番フォーマット。テクニカルで変態的なギター・ソロはデイヴ・キルミンスター(G)。現代的センスのフレージングがレトロなミニ・モーグのソロと面白い対比を成している。ドラムはマルコ・ミンネマンと思いきやFROSTにも参加しているクレイグ・ブランデル(Dr)。ギター・ソロ中のギターとのユニゾンで叩き出すトリッキーな変拍子風ビートはFROSTのスタジオ・ライブ作The Rockfield Filesにも通ずるものがあり、腑に落ちた。
アコギのアルペジオと深遠なストリングスにThe Raven That Refused to Singの幽玄なムードが漂う#2。
快活なサビがHand. Cannot. Erase.のムードそのままの歌モノ#3。
テオ・トラヴィス(Sax/Fl)の物憂げなフルートをフィーチュアした、ダークな中にも温かみのあるインストゥルメンタル・ナンバー#4。
独特のヒネリとフックのあるメイン・リフを様々に変容させながらグイグイ聴き手を引き込んでしまうインストゥルメンタル・ナンバー#5。
Hand. Cannot. Erase.にも参加のイスラエル人女性シンガー ニネット・タイブ(Vo)が切ない歌唱を聴かせる、POCUPINE TREEのアルバムStupid Dream収録曲の新バージョン#6。

アルバムの収録に漏れたのが不思議なほど各楽曲は高品質。これだけクオリティの高い楽曲を新作アルバムに取っておくような事はせず、あえてミニ・アルバムとしてリリースした理由は2つあると思う。
一つ目は楽曲がアルバムのカラーに染まり過ぎている事。
二つ目はストックに頼らずとも、新作のコンセプトに沿ってゼロから創作できるという自信だ。
スティーヴン・ウィルソン。まだまだ楽しませてくれそうです。

Track List

1. My Book of Regrets
2. Year of the Plague
3. Happiness III
4. Sunday Rain Sets In
5. Vermillioncore
6. Don't Hate Me

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STEVEN WILSON / To The Bone

2017,UK

現代プログレ界の重要人物スティーヴン・ウィルソン(Vo/G/B/Key)の5thアルバムTo The Bone。

ファンキーなグルーヴが珍しいギター・ロックからスティーヴン・ウィルソンらしい深遠なサウンドスケープに移行する#1。
流れるようなサビ、爽やかなスライド・ギター、コンパクトながらメロディアスに展開するインスト・パートとフック満載のポップ・チューン#2。
ハスキーな歌声でエモーショナルな歌唱を聴かせる女性シンガー ニネット・タイブ(Vo)とのデュエットによるバラード#3。神々しいメロトロンが押し寄せるインスト・パートが圧巻。
ジャキジャキしたギターと意外性のあるファルセットを軸にゆったりたゆたうポップ・チューン#4。感動的なストリングスとギターに合わせたスキャットのフックが印象的。
スペイシーなソリーナや郷愁を誘うハーモニカなどを上手くアレンジに取り入れるセンスがさすが。抒情を湛えた神秘的ナンバー#5。
いかにも英国的なポップ・チューンという雰囲気のメロディ、サビの解放感が気持ち良いアップ・テンポの#6。
再びニネット・タイブとデュエットのプログレ・フォーク小品#7。
捻りを加えたコード進行が耳に残る、掻き鳴らしギターがリードするロック・ナンバー#8。
ソフィ・ハンガー(Vo)とのデュエットによるダークでファンキーなナンバー#9。中近東風な隠し味を加えたストリングスが映画のサウンド・トラックのような説得力で迫る。
静謐にエレクロニカ、そしてスリリングなヘヴィネスと、独自の音楽性を9分超に凝縮した#10。テーマ・メロディを自然にリスナーの脳裏に刷り込む手腕がさすが。個人的に中間部のパーカッションとギターのカッティングが入る神秘パートにKAJAGOOGOOを想起したが、ニック・ベッグス(B)は関与していなかった。
感動的で深遠なサウンド・スケープに浸れるシンフォニックなバラード#11。

ここ2作をほぼ固定メンバーのバンド形態で制作してきたのに対し本作To The Boneは、ニック・ベッグスが#6に参加したのみで他はソロ全作でアレンジ等で関与する元HATFIELD AND THE NORTHNATIONAL HEALTHでストリングス・アレンンジのデイヴ・スチュワートをはじめとして、全曲でサポートするアダム・ホルツマン(Key)、FROSTなどで活動するクレイグ・ブランデル(Dr)らを楽曲ごとに使い分けて制作。

テオ・トラヴィスやガスリー・ゴーヴァンらのプレイが聴けないのは寂しいが、耳障りの良いキャッチーなメロディの影にスティーヴン・ウィルソン個人の色を濃く反映した内省的なカラーが絶妙に配合され、独自のプログレッシブ・ポップを展開。ロックなギター・カッティングやパーカッシブな#7のギター・ソロなど、スティーヴン・ウィルソン本人のギター・プレイもルーツに戻ったかのようなシンプルかつストレートでいながらエネルギーに満ち溢れ、アルバム全体のソロ色を濃くしている。

Track List

1.To the Bone
2.Nowhere Now
3.Pariah
4.The Same Asylum as Before
5.Refuge
6.Permanating
7.Blank Tapes
8.People Who Eat Darkness
9.Song of I
10.Detonation
11.Song of Unborn

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STEVEN WILSON / The Future Bites

2021,UK

STEVEN WILSONの6thアルバム。

ダークな内省的アンビエント小品の#1。
キャッチーな女性コーラスを配したエレクトロニカをベースとしたグルーヴィ・チューン#2。
シンセのアルペジオと幽玄なスキャットが印象的な#3。
ディミニッシュ・コードの箇所でSUPERTRAMPのようなペーソスを想起させる、端正でメロディアスなポップ・チューン#4。
ニック・ベッグス(B)によるズ太いスティックのリフが牽引するR&Bナンバー#5。
マシンによる静かで無機質なビートが寂寥感を増幅。ゆったりとしたサウンドスケープにジェントルな歌唱が乗った#6。
サビは一転して英国伝統の抒情メロディで強烈な印象を残す、ダークなリフレインがトリップ感を生む#7。
SNSに翻弄される現代社会の風刺を80年代のニューロマンティック風サウンドで送る#8。
持ち味の静謐な美しさで余韻を残す#9。

近作で勢いを増すメイン・ストリームへの接近。今回はプログラミングを駆使したエレクトロニカでソウルやR&Bを再構築することで提示。もはや何を演ってもスティーヴン・ウィルソンであることをその音楽的懐の深さで改めて証明。
ストレートな#2、#5に加え、持ち味のポップ・センスと新味を融合させた#7、バンド形式による#4、#8などバラエティにも富み、全41分を感じさせない程充実した音楽の旅を満喫させてくれるアルバム。

Track List

1. Unself
2. Self
3. King Ghost
4. 12 Things I Forgot
5. Eminent Sleaze
6. Man of the People
7. Personal Shopper
8. Follower
9. Count of Unease

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