STEVEN WILSON のレビュー

STEVEN WILSON / To The Bone

2017,UK

現代プログレ界の重要人物スティーヴン・ウィルソン(Vo/G/B/Key)の5thアルバムTo The Bone。

ファンキーなグルーヴが珍しいギター・ロックからスティーヴン・ウィルソンらしい深遠なサウンドスケープに移行する#1。
流れるようなサビ、爽やかなスライド・ギター、コンパクトながらメロディアスに展開するインスト・パートとフック満載のポップ・チューン#2。
ハスキーな歌声でエモーショナルな歌唱を聴かせる女性シンガー ニネット・タイブ(Vo)とのデュエットによるバラード#3。神々しいメロトロンが押し寄せるインスト・パートが圧巻。
ジャキジャキしたギターと意外性のあるファルセットを軸にゆったりたゆたうポップ・チューン#4。感動的なストリングスとギターに合わせたスキャットのフックが印象的。
スペイシーなソリーナや郷愁を誘うハーモニカなどを上手くアレンジに取り入れるセンスがさすが。抒情を湛えた神秘的ナンバー#5。
いかにも英国的なポップ・チューンという雰囲気のメロディ、サビの解放感が気持ち良いアップ・テンポの#6。
再びニネット・タイブとデュエットのプログレ・フォーク小品#7。
捻りを加えたコード進行が耳に残る、掻き鳴らしギターがリードするロック・ナンバー#8。
ソフィ・ハンガー(Vo)とのデュエットによるダークでファンキーなナンバー#9。中近東風な隠し味を加えたストリングスが映画のサウンド・トラックのような説得力で迫る。
静謐にエレクロニカ、そしてスリリングなヘヴィネスと、独自の音楽性を9分超に凝縮した#10。テーマ・メロディを自然にリスナーの脳裏に刷り込む手腕がさすが。個人的に中間部のパーカッションとギターのカッティングが入る神秘パートにKAJAGOOGOOを想起したが、ニック・ベッグス(B)は関与していなかった。
感動的で深遠なサウンド・スケープに浸れるシンフォニックなバラード#11。

ここ2作をほぼ固定メンバーのバンド形態で制作してきたのに対し本作To The Boneは、ニック・ベッグスが#6に参加したのみで他はソロ全作でアレンジ等で関与する元HATFIELD AND THE NORTHNATIONAL HEALTHでストリングス・アレンンジのデイヴ・スチュワートをはじめとして、全曲でサポートするアダム・ホルツマン(Key)、FROSTなどで活動するクレイグ・ブランデル(Dr)らを楽曲ごとに使い分けて制作。

テオ・トラヴィスやガスリー・ゴーヴァンらのプレイが聴けないのは寂しいが、耳障りの良いキャッチーなメロディの影にスティーヴン・ウィルソン個人の色を濃く反映した内省的なカラーが絶妙に配合され、独自のプログレッシブ・ポップを展開。ロックなギター・カッティングやパーカッシブな#7のギター・ソロなど、スティーヴン・ウィルソン本人のギター・プレイもルーツに戻ったかのようなシンプルかつストレートでいながらエネルギーに満ち溢れ、アルバム全体のソロ色を濃くしている。

Track List

1.To the Bone
2.Nowhere Now
3.Pariah
4.The Same Asylum as Before
5.Refuge
6.Permanating
7.Blank Tapes
8.People Who Eat Darkness
9.Song of I
10.Detonation
11.Song of Unborn

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