STEVEN WILSON のレビュー

STEVEN WILSON / The Future Bites

2021,UK

STEVEN WILSONの6thアルバム。

ダークな内省的アンビエント小品の#1。
キャッチーな女性コーラスを配したエレクトロニカをベースとしたグルーヴィ・チューン#2。
シンセのアルペジオと幽玄なスキャットが印象的な#3。
ディミニッシュ・コードの箇所でSUPERTRAMPのようなペーソスを想起させる、端正でメロディアスなポップ・チューン#4。
ニック・ベッグス(B)によるズ太いスティックのリフが牽引するR&Bナンバー#5。
マシンによる静かで無機質なビートが寂寥感を増幅。ゆったりとしたサウンドスケープにジェントルな歌唱が乗った#6。
サビは一転して英国伝統の抒情メロディで強烈な印象を残す、ダークなリフレインがトリップ感を生む#7。
SNSに翻弄される現代社会の風刺を80年代のニューロマンティック風サウンドで送る#8。
持ち味の静謐な美しさで余韻を残す#9。

近作で勢いを増すメイン・ストリームへの接近。今回はプログラミングを駆使したエレクトロニカでソウルやR&Bを再構築することで提示。もはや何を演ってもスティーヴン・ウィルソンであることをその音楽的懐の深さで改めて証明。
ストレートな#2、#5に加え、持ち味のポップ・センスと新味を融合させた#7、バンド形式による#4、#8などバラエティにも富み、全41分を感じさせない程充実した音楽の旅を満喫させてくれるアルバム。

Track List

1. Unself
2. Self
3. King Ghost
4. 12 Things I Forgot
5. Eminent Sleaze
6. Man of the People
7. Personal Shopper
8. Follower
9. Count of Unease

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カテゴリー: STEVEN WILSON

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