STEVEN WILSON のレビュー

STEVEN WILSON / Hand. Cannot. Erase.

2015,UK

スティーヴン・ウィルソン(Vo/G/Key)の4thアルバム Hand. Cannot. Erase.。
前作The Raven That Refused To Singとほぼ同様のメンツで制作。
実在したJoyce Carol Vincentという女性の人生にインスパイアされたコンセプト・アルバム

美しいメロディを提示した、期待感で胸膨らむオープニング・インストゥルメンタル#1。
快活なギターのカッティングがリードする10分超の#2。ドラマを予感させる長いイントロを経てスティーヴンによる繊細な歌唱パートへ。時にうっすらとそしてクライマックスでは神々しく鳴り響くメロトロンが爽快。
歌メロを軸に静と動のダイナミクスで聴かせるキャチーな#3。ここでもメロトロンが活躍。
序盤に女性のモノローグを配し、マシンのリズムをベースに穏やかな音色群でデコレーションされたオケをバックに延々とサビを反復する#4。単純な繰り返しこそが完璧な生活という暗喩だろうか。反復の陶酔感とともにリスナーに魔法を掛けるかのような曲だ。
うって変わって生々しいピアノとボーカルで始まる#5。ミステリアスなアコギのアルペジオ・パート、ガスリー・ゴーヴァン(G)によるメロウなギター・ソロ、女性ボーカル・パートを交えながら徐々に盛り上がるドラマティック・チューン。
切迫感を煽るリフ、パーカッシヴなフェンダー・ローズ、エフェクトを掛けたボーカルをフィーチュア。緊張と緩和による落差が決定的なフックとなって強烈な印象を残す#6。
ベンダーを多用したモーグ・シンセサイザーのソロをフィーチュアしたインスト・チューン#7。
神秘的なコーラス・パートを内包する、アコギのアルペジオをバックにしたシンプルながら非常に英国的な小品#8。
屈折したメロウネスと暴虐のインスト・パートを兼備した初期KING CRIMSONを彷彿させる13分超のエピック・チューン#9。テオ・トラヴィス(Fl/Sax)の浮遊するフルートが神秘的な味わいを付加。
#1のテーマ・メロディから内省的で聴かせるボーカル・パートに移行、感動的なメロディで本編を締めくくる#10。
余韻を残しながらオープニングに回帰するかのようなインスト#11。

ストーリー・テリングを重視したためか、前作のような即興的な器楽要素は後退したものの、インスト・パートの深淵なダークネスやメランコリックな要素といったスティーヴン・ウィルソンらしさに加え、ボーカル・ラインはより親しみやすいメロディが増量。各国のチャート・アクションも好調なことからも伺えるように、単なるプログレの範疇から脱却しPINK FLOYDと同様のステージに進出した感のある作品。

Track List

1. First Regret
2. 3 Years Older
3. Hand Cannot Erase
4. Perfect Life
5. Routine
6. Home Invasion
7. Regret #9
8. Transience
9. Ancestral
10. Happy Returns
11. Ascendant Here On…

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