BIG BIG TRAIN

BIG BIG TRAIN

1990年に結成された英国のプログレッシブ・ロック・バンド BIG BIG TRAIN。
ジェントルな歌唱や美しいハーモニー、叙情やメロトロンの醸し出す気品がGENESISを彷彿させる英国らしいバンド。
プログレ界の交遊が広く、1stアルバムの共同プロデューサーに当時IQのマーティン・オフォードを迎えた他、MARILLIONのピート・トレワヴァス、THE TANGENTのアンディ・ティリソン、元IT BITESのフランシス・ダナリー、FROSTのジェム・ゴドフライ、SPOCK'S BEARDのニック・ディヴァージリオ(後に正式メンバー化)、デイヴ・メロスらが度々アルバム制作にゲスト参加している。

BIG BIG TRAIN のレビュー

BIG BIG TRAIN / The Difference Machine

2007,UK

アンディ・プール(B/Key)、グレッグ・スパウトン(G/Key)による英国の2人組プログレッシブ・ロック・ユニットBIG BIG TRAINの2007年5thアルバムThe Difference Machine。

ニック・ディヴァージリオ(Dr/SPOCK’S BEARD)、ピート・トレワヴァス(B/MARILLION)ら、その筋のツワモノを要所に招き、2人のアイディアを余すところ無くバンド・サウンドとして具現化。

ゲストプレイヤーによるヴィオラを中心に、サックス、ピアノ等でテーマ・メロディを提示した端整な#1。
バンド全体で畳み掛けるアンサンブルによるアグレッションと、メロトロンを中心とした静かな叙情とで起伏を付けた展開の14分超に及ぶ実質的なオープニング・チューン#2。時折挿入されるエフェクトを掛けたヴォイスやサックスや鍵盤のソロが醒めた狂気を醸し出しています。
#2の余韻をメロトロンやSEで引き継いだインストゥルメンタル小品#3。
コンテンポラリーな感触のメロディアスなボーカル・チューンに、ヴィオラによる#1のテーマ・メロディを挿入し仄かな叙情を漂わせながら13分超を描き切った#4。
霧のように漂うシンセの白玉が妖しくも神秘的なムードを醸成するインストゥルメンタル小品#5。
透明感ある歌唱を活かした清楚なボーカル・チューン#6。
コーラスと繊細なアルペジオで紡いだ神秘的で美しい静寂からメロトロンをバックにしたサックス・ソロを経て、#1のテーマ・メロディを奏でるヴィオラで統一感を持ってエンディングを迎える#7。

VDGGKING CRIMSONの不条理で強引な展開とGENESISの英国的メランコリーを高次元で融合、叙情的でありながら、あまり湿っぽくならずどこか醒めた感じのクールな質感を持った独特のサウンドが魅力です。

Track List

1. Hope This Finds You
2. Perfect Cosmic Storm
3. Breathing Space
4. Pick Up If You're There
5. From The Wide Open Sea
6. Salt Water falling on uneven ground
7. Summer's Lease

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BIG BIG TRAIN / The Underfall Yard

2009,UK

英国の3人組プログレッシブ・ロック・バンドBIG BIG TRAINの2009年6thアルバムThe Underfall Yard。

ゲストで管や弦を加えた端整な室内楽風の部分にIslands期KING CRIMSON、メロトロンやメロディ等全体に漂う叙情味にGENESISを感じさせつつ、決して大仰にもウェットにもなり過ぎない現代的なバランス感覚で独特の個性を醸し出しています。

ジェントルな男声コーラスで幕を開けるインストゥルメンタル#1から早くも、仄暗い中にも端整で温かみのある独特の質感のサウンド。
押し寄せるメロトロンが圧巻の静と動の対比が見事な#2。
チェロやフレンチホルンを使ったまろやかなパートと、シンセが唸りドラムが疾走するロックなパートによる緩急が溶け合った12分超の#3。
ボーカル、コーラス、アコギのアルペジオを中心に瑞々しい演奏を聴かせる#4。
チェロ、マンドリン、メロトロンで敷き詰めた雲の上を寂寥感を漂わせたフルートが浮遊する序盤から、思索路線の歌唱パートを経てジワジワと盛り上がる#5。
オーガニックなサウンドの楽器群で丹念に紡ぎ上げ、終盤では#1のコーラス・パートをバックに劇的に盛り上がる22分超の大作#6の中間部では、元IT BITESのフランシス・ダナリー(G)が彼らしい音使いでのテクニカルなギター・ソロを、さらに、FROSTのジェム・ゴドフリー(Key)がデジタル・シンセ特有のササクレだった強烈なトーンでクレイジー&スリリング且つカッコ良いシンセ・ソロを披露。アルバム全体がお上品なムードで仕上がっているだけに、これらのソロ・パートが鮮烈に印象に残ります。又、カッコ良いフィルによる場面転換でリズムを牽引するSPOCK’S BEARDのニック・ディヴァージリオ(Dr)も全編で良い仕事をしております。彼のドラミングが適度な緊張感をもたらして、各々の楽曲に一本の芯を通してる感じなんですよね。

Track List

1.Evening Star
2.Master James of St. George
3.Victorian Brickwork
4.Last Train
5.Winchester Diver
6.The Underfall Yard

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BIG BIG TRAIN / English Electric (Part One)

2012,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドBIG BIG TRAINの7thアルバムEnglish Electric (Part One)。

緊張感あるギターのアルペジオ・リフから、小刻みなリズムをフックとするブリッジを経て開放的なサビに移行する#1。モチーフのメロディをベースにした終盤のシンセ・ソロがプログレの王道を行きつつ、フルートの陰影や重厚なストリングス・セクションが随所で効いた素晴らしいシンフォニックなオープニング・ナンバー。
リコーダーやバンジョーなどがもたらすほのぼのとした雰囲気に、かすかなペーソスを織り込んだ田園フォーク風ナンバーの#2。ボーカル・パート冒頭の歌い回しをはじめ、全体的にGENESISの小品っぽい上品な英国風味に仕上がってます。
ロマンティックなフルートにジャジーでクールなヴァース、一転してサビはストリングス・セクションをバックに叙情で覆い尽くす#3。清楚でリリカルなフルートからギター・ソロへ徐々に盛り上がるインスト・パートもドラマティック。
3+3+3+2、3+3+3+4に続き3+2、そしてサビは3拍子に移行。テンポは変わらずも、拍子の変化で緩急を付けた頭脳的なナンバー#4。ロジカルな構造に反して、親しみやすいボーカル・メロディ、中間部の叙情フルート、後半のドラマティックな盛り上がりなど、エモーショナルな聴感を残すあたり、ソングライティングはもはや名人芸。
ピアノにヴァイオリンが絡む清楚なヴァース、メロトロンをバックにした希望的なサビ、ニック・ディヴァージリオ(Dr)のドラミングが牽引する熱いパート、トランペットをはじめ金管がまろやかな印象を残す終盤など、起伏に富みつつも落ち着いたトーンで静かな感動を呼ぶ#5。
アコギのアルペジオ、バンジョーに滑らかなフィドル、アコーディオンなどによる淡い色調のフォーク・ナンバー#6。
#2の主人公(元炭鉱夫のジャックおじさん)が再登場し若い頃の経験を語る#7。テンポアップしたインスト・パートでのスタイリッシュなヴァイオリン・ソロがカッコ良い。
弾むようなパートと、メロトロンが軋むスリリングなインスト・パートに続く叙情ヴァイオリンによる明暗のコントラストが最高な#8。

近代の実話や身近な人物の逸話などをテーマに、ジェントルな重層コーラスや豊富な管弦ゲスト陣を活用してのドラマティックでシンフォニックなアレンジを施した英国テイスト満載の逸品。
暗くて湿っぽい工業地帯やのどかな田園風景など、英国の様々な情景が広がってきます。

Track List

1. The First Rebreather
2. Uncle Jack
3. Winchester From St Giles' Hill
4. Judas Unrepentant
5. Summoned By Bells
6. Upton Heath
7. A Boy In Darkness
8. Hedgerow

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BIG BIG TRAIN / English Electric (Part Two)

2013,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンド BIG BIG TRAINの8thアルバムEnglish Electric (Part Two)。

スリリングなパートとゆったりとした叙情パートの緩急がドラマティックな15分超の#1。後半、徐々に盛り上がる5拍子のリフレインが壮大なシンフォニック。美しいコーラスや甘美なストリングス、まろやかなブラス・セクションが英国らしい気品を湛えています。
柔らかな管が暖かく響く、センチメンタルな序盤から仄かな明るさを持つサビに移行する#2。
構築度の高いギター・ソロが印象に残る、GENESISの小品のような英国情緒を纏った#3。
どこかオリエンタルなムードに翳りを伴ったヒネリを加え、短い中にドラマを凝縮した#4。
バンジョーやフィドルによる軽快なフォークロア風味と叙情シンフォニックが融合した#5。
Part One 1曲目The First Rebreatherではボーカルやシンセによって奏でられたメロディを管弦の優しいタッチに趣を変えて挿入された#6。
静かなバラードからドマラティックに展開していく#7。アルバム2枚のラストを飾るに相応しい感動のリフレインが胸を熱くします。

前作のEnglish Electric (Part One)同様、蒸気機関車、造船業者、修道院の廃墟を保全する人、蝶の研究家など、近代~現代イギリスにまつわる実話や普通の人々をテーマにした楽曲で構成。管弦を導入した端正な音像と美しいメロディライン、ジェントルな歌唱から、それらの事象や人々にする優しい目線が感じられます。

Track List

1.East Coast Racer
2.Swan Hunter
3.Worked Out
4.Leopards
5.Keeper of Abbeys
6.The Permanent Way
7.Curator of Butterflies

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BIG BIG TRAIN / Wassail

2015,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンド BIG BIG TRAINの2015年作EP Wassail。

イングランド西部に中世初期から伝わる伝統行事をテーマとした#1。フィドルやフルート、マンドリンが演出するトラッド風モーダルなメロディをフィーチュア。サビはBIG BIG TRAINらしく堂々たるシンフォニック。
繊細な12弦ギターとジェントルな歌唱及びコーラスによる仄かに叙情薫るキャッチーなヴァースから、テンポと拍子の大胆な変化で激情クライマックスへとドラマティックに展開する#2。GENESISの系譜を継承するBIG BIG TRAINならではの端正な英国風サウンドにストリング・セクションもマッチしている。
19世紀ロンドンの貧困層のひとつ 泥ひばりを題材にしペーソスを漂わせる、簡素なコーラス以外はほぼインストゥルメンタルの#3。序盤の9/8拍子から3拍子そして4拍子へと自然に拍子を変化させるセンスはさすが。
The Underfall Yardに収録された楽曲のスタジオライブ#4。こだまのように折り重なる多重コーラスが美しい。

直近のEnglish Electric 2部作で近代~現代英国の日常を生きる人々を温かく描写。今最も英国らしいプログレを聴かせるBIG BIG TRAINによる、新作フルアルバムへの期待を煽るEP。

Track List

1. Wassail
2. Lost Rivers of London
3. Mudlarks
4. Master James of St. George

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BIG BIG TRAIN / Folklore

2016,UK

近世イギリスの市井の人々をテーマにした楽曲を綴った2作のEnglish Electricアルバムを経て、BIG BIG TRAINが9thアルバムに冠したタイトルはFolklore。

ストリングスと管による端正なイントロに続くエキゾチックなテーマが楽曲のカラーを象徴するタイトル・トラック#1。フォークロア風メロディを従来のBIG BIG TRAINらしい抒情メロディに融合。重厚なオルガンやプログレ然としたアナログ・シンセ・ソロなど器楽要素も盛りだくさんで、ニュー・アルバムの素晴らしいプレゼンとなっている。
アコギのアルペジオとフルートに導かれるメロウな歌唱パート、一転してテンポアップしてのカンタベリー風ジャズ・ロック的硬質なインスト・パートを持つ抒情プログレ・チューン#2。
優しく包み込むブラス・セクションと美しいコーラスに耳がいきがちだが、実は凝った変拍子を軸に進行するジェントルなナンバー#3。
優雅なストリングス・セクションをフィーチュアした小品#4。
柔らかいブラスと澄んだストリングスが絡み合う透明感溢れるイントロから、妖艶なアルペジオからのムーディな歌唱パートへ展開する#5。
フィドルと呼んだ方が相応しいヴァイオリンのメロディ、トラッドな質感のボーカル・メロディ、そして堂々たるサビに至るフォークロア・シンフォ#6。
中間部のインスト・パートやボーカル・パートでGENESISのヴァイブを感じさせる、起伏に満ちたアルバム随一のロック・ナンバー#7。
5拍子に乗って進行するスリリングなインスト・パートを内包した12分超のプログレ・チューン#8。
リラックスしたムードの歌モノ#9。

最も英国らしい抒情サウンドを持つBIG BIG TRAINがトラッドをも取り込み、もはや孤高の域に達した感も。
寓話や童話を題材に当時の英国事情を楽曲に投影していたGENESISの姿を彷彿させるものがある。

Track List

1. Folklore
2. London Plane
3. Along the Ridgeway
4. Salisbury Giant
5. The Transit of Venus Across the Sun
6. Wassail
7. Winkie
8. Brooklands
9. Telling the Bees

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BIG BIG TRAIN / Grimspound

2017,UK

BIG BIG TRAINの10thアルバムGrimspound。
ここ数作のリリース間隔が1年毎というところにバンドの良好なコンディションが想像される。

ヴァイオリンやチェロがフォークロアやクラシカルな装いを付加、オルガンが牽引する緊張感とドラマティックが混在するインスト・パートを持つ現在のBIG BIG TRAINを象徴するシンフォニック・ナンバー#1。
リード楽器が次々にテーマを提示し緊張と緩和の緩急をつけるインスト・ナンバー#2。オルガンのミニマルなシーケンスがカンタベリー風でもある。
霧のようなシンセ・ストリングスに導かれる抒情的な序盤から、ボーカル・インするとGENESISスタイルの英国風味を醸し出す#3。GENESISならシンセで奏でていたフックのメロディーをストリングス・セクションに置換するところにBIG BIG TRAINらしさを発揮している。
タイトル通り、牧草地ののどかな風景が広がるジェントルなアコ-スティック・ナンバー#4。
英国のダートムーア国立公園にある史跡をタイトルに戴く、捻りの効いた歌メロとが英国らしいムードのタイトル・トラック#5。
ジュディ・ダイブル(Vo)をゲストに招いたトラッド風ナンバー#6。郷愁を誘うメロディの魅力に負けじとエレクトリック・パート移行のダイナミズムやその後のシンセによる抒情モチーフなど器楽的要素も充実。
モダンで軽快な4拍子、スリリングな3拍子パート、ゆったりとしたメロウなパートなどリズムの起伏で場面転換していく15分超の長尺シンフォ#7。
モダンな音像に男女デュエットやフルート/ストリングスなどのオーガニックな音色が融合した#8。

トラッド/フォークロア路線を完成させる最後のピースとして伝説の歌姫ジュディ・ダイブルを起用。
コンスタントにこの路線を継続するのか、また新たな展開を見せるのか。

Track List

1. Brave Captain (12:37)
2. On The Racing Line (5:12)
3. Experimental Gentlemen (10:01)
4. Meadowland (3:36)
5. Grimspound (6:56)
6. The Ivy Gate (7:27)
7. A Mead Hall In Winter (15:20)
8. As The Crow Flies (6:44)

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