BIG BIG TRAIN / The Underfall Yard
2009,UK
英国の3人組プログレッシブ・ロック・バンドBIG BIG TRAINの2009年6thアルバムThe Underfall Yard。
ゲストで管や弦を加えた端整な室内楽風の部分にIslands期KING CRIMSON、メロトロンやメロディ等全体に漂う叙情味にGENESISを感じさせつつ、決して大仰にもウェットにもなり過ぎない現代的なバランス感覚で独特の個性を醸し出しています。
ジェントルな男声コーラスで幕を開けるインストゥルメンタル#1から早くも、仄暗い中にも端整で温かみのある独特の質感のサウンド。
押し寄せるメロトロンが圧巻の静と動の対比が見事な#2。
チェロやフレンチホルンを使ったまろやかなパートと、シンセが唸りドラムが疾走するロックなパートによる緩急が溶け合った12分超の#3。
ボーカル、コーラス、アコギのアルペジオを中心に瑞々しい演奏を聴かせる#4。
チェロ、マンドリン、メロトロンで敷き詰めた雲の上を寂寥感を漂わせたフルートが浮遊する序盤から、思索路線の歌唱パートを経てジワジワと盛り上がる#5。
オーガニックなサウンドの楽器群で丹念に紡ぎ上げ、終盤では#1のコーラス・パートをバックに劇的に盛り上がる22分超の大作#6の中間部では、元IT BITESのフランシス・ダナリー(G)が彼らしい音使いでのテクニカルなギター・ソロを、さらに、FROSTのジェム・ゴドフリー(Key)がデジタル・シンセ特有のササクレだった強烈なトーンでクレイジー&スリリング且つカッコ良いシンセ・ソロを披露。アルバム全体がお上品なムードで仕上がっているだけに、これらのソロ・パートが鮮烈に印象に残ります。又、カッコ良いフィルによる場面転換でリズムを牽引するSPOCK’S BEARDのニック・ディヴァージリオ(Dr)も全編で良い仕事をしております。彼のドラミングが適度な緊張感をもたらして、各々の楽曲に一本の芯を通してる感じなんですよね。
Track List
1.Evening Star
2.Master James of St. George
3.Victorian Brickwork
4.Last Train
5.Winchester Diver
6.The Underfall Yard
カテゴリー: BIG BIG TRAIN