MARILLION のレビュー

MARILLION / Script for a Jester’s Tear

1982,UK

フィッシュ(Vo)のシアトリカルな歌唱スタイルやサウンドの叙情性からGENESISのフォロワーと呼ばれる英国のプログレ・バンドMARILLIONの1982年1stアルバムScript for a Jester’s Tear。

例えば、主題を徐々に変奏・展開していく単音シンセによるフレーズはまさにGENESISの影響下にあるものと言えますが、GENESISがキーボード・ソロで聴かせていたのに対しMARILLIONの場合は楽曲のアンサンブルの一部として機能している所に大きな違いが有ります。つまり、GENESISの持ち味をパーツとして咀嚼してアンサンブルとして昇華させたわけですね。
このような部分で単なるコピー・バンドでは無いオリジナルな工夫を感じます。良く聴くとフィッシュのヴォーカル・ラインはあまりメロディアスではありませんが、これだけ豊かに叙情性を醸し出すのはキーボードによるアレンジとスティーヴ・ロザリー(G)のクサいまでにウェットなメロディによるギター・プレイの存在があるからでしょう。
独特の冷んやりした質感のサウンドによる叙情的な名盤に仕上がってます。

Track List

1.He knows you know
2.Web
3.Garden party
4.Chelsea Monday
5.Forgotten sons
6.Script for a jester's tea

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MARILLION / Misplaced Childhood

1985,UK

MARILLIONの1985年3rdアルバムMisplaced Childhood。

各曲が時に組曲形式を取りつつも隙間無く紡がれていき、ラストはポジティブな印象で大団円を迎えるコンセプト・アルバム。自然な変拍子やテクニックに走る事の無いあくまでも楽曲重視のアレンジが、フィッシュ(vo)のストーリーテリングぶりとスティーブ・ロザリー(G)の叙情的なプレイを際立たせ、独自のシンフォニックな世界を醸成してます。手法としては良く引き合いに出されるGENESISよりもCAMEL寄りと言えるかもしれません。切れ目無く曲が続く構成は随所にキャッチーなフックと絶妙な場面転換が用意されており、アルバム通して一気に聴けます。中弛みや延々と空虚な繰り返しパートで茶を濁す凡百のバンドが陥りがちな安易な作りとは無縁の高品質な作風で名声を確立した代表作。スティーブ・ロザリーのディレイを微妙にかけたギター・サウンドが透明感抜群で適度な湿り気を保ちつつも抜けが良く、アルバム全体の印象をもクリアなものに高めてます。

Track List

1.Pseudo Silk Kimono
2.Kayleigh
3.Lavender
4.Bitter Suite:
I. Brief Encounter,
II. Lost Weekend,
III. Blue Angel
5.Heart Of Lothian:
I. Wide Boy,
II. Curtain Call
6.Waterhole (Expresso Bongo)
7.Lords Of The Backstage
8.Blind Curve:
I. Vocal Under A Bloodlight,
II. Passing Strangers,
III. Mylo,
IV. Perimeter Walk,
V. Threshold
9.Childhoods End?
10.White Feather

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