女性ボーカル のレビュー

CURVED AIR / Phantasmagoria

1972,UK

CURVED AIRの3rdアルバムPhantasmagoria。

メロトロンの使用や3拍子にチェンジする中間部など劇的な進行を見せる#1。メロウな中にもロックな激しさを内包し、タイトルの人物のドラマティックな生涯を表現。
フルートとヴァイオリンのハーモニーが美しい、ソーニャ・クリスティーナ(Vo)作のメランコリックなフォーク#2。出自を物語るシリアスなトラッドっぽさが光る。
ブラスセクションとランニングするベースラインが洒落たムードを醸し出す#3。少々ウィスパー気味にも聴こえるソーニャ・クリスティーナの歌唱パート、シンセとスキャットのユニゾン、クラシカルなエンディングなど、CURVED AIRならではの個性が随所に。
ダリル・ウェイ(Vln)によるスピーディなヴァイオリンの独壇場となったインストゥルメンタル#4。
クラシカルなシンセのアルペジオがリフレインし、パンニングやピッチ・チェンジのエフェクトを付加した実験的インストゥルメンタル#5。
ロックなグリッサンドと端正なオブリガードが融合したオルガンがリードする歌モノ#6。
奇妙なサウンドスケープに、EMS Synthi 100で加工したソーニャ・クリスティーナによるファンタスマゴリア(ルイス・キャロル作)の朗読を挿入したファンタジー実験作#7。
ヴァイオリンとブラス・セクションに歯切れ良いシロフォン、幽玄なヴィブラフォン。ジャジィなコード進行やクラシカルなフレーズなどアイディアを詰め込んだフランシス・モンクマン(Key/G)作のプログレッシブ・チューン。
ブラスセクションや軽快なパーカッション、クールなヴィブラフォンをフィーチュアした陽気なムードの#9。

#1,#3,#6など妖艶かつコケティッシュなソーニャ・クリスティーナの個性を活かしたバンドとしての佳曲がある一方、ダリル・ウェイやフランシス・モンクマンがそれぞれ勝手な事をやりまくった#4,#5,#7といった実験的作品も混在。
バンドとしての完成度とピークを極めた結果としての綻びが渦巻く最高傑作にして問題作。

Track List

1. Marie Antoinette
2. Melinda (More Or Less)
3. Not Quite The Same
4. Cheetah
5. Ultra-Vivaldi
6. Phantasmagoria
7. Whose Shoulder Are You Looking Over Anyway
8. Over And Above
9. Once Always A Ghost

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RENAISSANCE / Prologue

1972,UK

英国プログレッシブ・ロックの華RENAISSANCEの1972年3rdアルバムRENAISSANCE。

ジェーン・レルフの歌唱をフィーチャーしたオリジナルRENAISSANCEからメンバーが全とっかえ。
アニー・ハズラム(Vo)、ジョン・タウト(Key)、ジョン・キャンプ(B)、テレンス・サリヴァン(Dr)、ロブ・ヘンドリー(G)の5人編成となりました。
ソング・ライティングにメインのマイケル・ダンフォード&ベティ・サッチャーに加え、#2と#5にオリジナル・メンバーのジム・マッカーティが絡んでいる所に過渡期な様子が伺えます。

ショパンの革命を引用したインストゥルメンタル#1で早くもアニーの美しすぎるスキャットが登場。
ジョン・タウトの華麗なピアノがリードしジョン・キャンプがボーカルを取る#2は、オリジナル期を彷彿させる翳りを持ったナンバーでアニーはコーラスのみ参加。
#3でようやくアニーがボーカルを披露。ピアノの端整な演奏をバックに美声を聴かせます。サビのハイトーンが完璧。
アコギとピアノを中心にコーラス・ハーモニーが美しいフォーク・ロック#4。
これまたピアノが美しいボーカル・ナンバー#5。
エキゾチックなムードの中、アニーのクリスタル・ヴォイスによるスキャットが映える#6。

オリジナル期を引き継ぎ、クラシックやフォークの要素を取り入れた歌物中心の端整な楽曲が並んでいます。
ジム・マッカーティによるオリジナル期のムード、エレキ・ギターの存在など、過渡期ならではのレアな味わいの中、Scheherazadeを思わせる#6に黄金期RENAISSANCEの要素の萌芽も垣間見れます。

Track List

1. Prologue
2. Kiev
3. Sounds of the Sea
4. Spare Some Love
5. Bound for Infinity
6. Rajah Khan

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ABBA / Ring Ring

1973,SWEDEN

スウェーデンのポップ・グループABBAの1stアルバムRing Ring。

当初は1972年にビョルン&ベニー名義で#10(邦題「木枯らしの少女」)をヒットさせていた男性デュオにそれぞれのパートナーの女性シンガーをゲストに迎えたプロジェクトだったようで、オリジナル・リリース時の表記はABBAでは無く、Björn Benny & Agnetha Frida。

ABBAといえば2人の看板女性シンガーが歌うポップスという印象だが、ビョルン(G/Vo)の歌唱パートやABBA流ロックン・ロールの原型といえる#1、#12を始めとしたロックっぽいサウンドの占める比率が高く、後年のABBAの特長である北欧らしい独特の叙情や煌くキャッチーなメロディは控え目の素朴なポップス。
この1stアルバムRing Ringには、70年代中期から80年代初頭にかけて全世界的に大ヒットを連発する洗練されたスーパースターABBAの姿はまだ無い。しかし既にそれなりのキャリアを持っていたアグネッサ(Vo)とフリーダ(Vo)の歌唱は完成されており、アルバムのスマッシュ・ヒットを受けて、この2人の素材を活かす方向で後の楽曲は作られていくことになる。
アグネッサ作曲のバラード#3が収録されていたり、#1や#2で使用したと思しきメロトロンがクレジットされている点も見逃せない。

Track List

1. Ring Ring
2. Another Town, Another Train
3. Disillusion
4. People Need Love
5. I Saw It in the Mirror
6. Nina, Pretty Ballerina
7. Love Isn't Easy (But It Sure Is Hard Enough)
8. Me and Bobby and Bobby's Brother
9. He Is Your Brother
10. She's My Kind of Girl
11. I Am Just a Girl
12. Rock'n Roll Band

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カテゴリー: ABBA

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SPIROGYRA / Bells,Boots and Shambles

1973,UK

ブリティッシュ・フォーク・ロックの名バンドSPIROGYRAの1973年3rdアルバムBells,Boots and Shambles。
この時点で正式メンバーは全曲を手がけたマーティン・コッカーハム(Vo/G)、バーバラ・ガスキン(Vo)の2名のみで、過去の在籍メンバーやゲストのヴァイオリン、フルート等のプレイヤーを加えて制作されています。

アコギのアルペジオからフルートやチェロが幽玄に絡みドラマティックに展開するプログレッシブ・フォークの#1。
バーバラの天使のような歌声がアコギ、フルート、チェロによる厳かな伴奏の中に映える英国叙情満点の#2。
マーティンが歌うアメリカンなムードのフォークにバーバラの雲間から光差すような神々しいスキャットが清涼感をもたらす#3、後半は一転してバーバラがメインの叙情フォークになってます。
ピッコロ・フルートとアコギのシンプルな伴奏にバーバラのボーカルが乗る美しすぎる小品#4。
ドリーミーな中に屈折したムードを織り込んだ#5。
マーティンの歌う穏やかな#6。
疾走するアコギのパートからトランペットとバーバラのスキャットによるメイン・テーマのリフレインでドラマティックに幕を引く組曲形式の#7。

マーティンのアクの強いボーカルは好き嫌いが分かれそうな部分ではありますが、その存在がバーバラの儚げな美声をより一層輝かせると共に絶妙な陰影と起伏をアルバムにもたらしています。

Track List

1. Furthest Point
2. Old Boot Wine
3. Parallel Lines Never Seperate
4. Spiggly
5. Everyday Consumption Song
6. Sergant Says
7. In the Western World

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CURVED AIR / Air Cut

1973,UK

妖艶な歌姫ソーニャ・クリスティーナ(Vo)率いる英国のプログレッシブ・ロック・バンドCURVED AIRの4thアルバムAir Cut。

新メンバー カービー・グレゴリー(G)による疾走感あるギターのカッティングがリードする#1。
トラッド風メロディをベースに少々ヒネリを加えた神秘的な#2。
フックとなるキャッチーなリフレインを複数配し静と動を交えた劇的な場面転換で進行する、後のスーパーバンドUKの薫り漂うプログレッシブ・チューン#3。VCS3の太い音色から構築度の高いオルガン・ソロ、リズミカルなピアノまで、多彩な鍵盤群を多彩な奏法で操るエディ・ジョブソン(Vln/Key)がアレンジ及び作曲能力をいかんなく発揮。
場末のバーかパブっぽい雰囲気の猥雑かつ洒落た小品#4。ソーニャ・クリスティーナの個性にマッチした独特のサウンドにエディ・ジョブソンの軽妙なヴァイオリンが絶妙なアクセントを加えている。
ヴァイオリンをフィーチュアしたロック・インストゥルメンタル#5。
ギターのリフがリードしつつも、メロトロンが登場する静謐なパートを中間部に配し、一筋縄ではいかないプログレッシブ・ハード・ロック#6。
マイク・ウェッジウッド(B)がリード・ボーカルを取るロック・ナンバー#7。
トリッキーなリズムのインスト・パートを内包し、ズ太いシンセ・ソロが吼えるヘヴィ・バラード#8。

前作で散々好き放題やらかしたインスト面の2枚看板であるダリル・ウェイとフランシス・モンクマンを含むオリジナル・メンバーが3人抜け、新メンバーを補充。
ダリル・ウェイのイメージを引き継ぎつつも、シンセだけで無くヴァイオリンでもクラシカルに止まらない攻撃的なフレーズを繰り出す若きエディ・ジョブソンが、躍動感あるプレイを繰り広げるカービー・グレゴリーとともにロック・オリエンテッドな本作に貢献。

Track List

1. The Purple Speed Queen
2. Elfin Boy
3. Metamorphosis
4. World
5. Armin
6. U.H.F.
7. Two-Three-Two
8. Easy

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RENAISSANCE / Ashes are Burning

1973,UK

RENAISSANCEの1973年4thアルバムAshes are Burning。

前作でギターを弾いていたロブ・ヘンドリーに代わりマイケル・ダンフォード(G)がアコギをプレイ。ゲスト扱いとはいえこれで黄金メンバーが揃い、新生RENAISSANCEの真の第一歩ともいえるアルバムに仕上がりました。

#1のオープニングからしてドラマティックにスケール・アップしたのが一目瞭然。そしてアコギにアニー・ハズラム(Vo)の美声、トラッド・フォークを思わせるエキゾチックな要素とオーケストラの導入。第2期RENAISSANCEの黄金パターンが既に完成しています。
一転して落ち着いたボーカル・ナンバー#2、ジム・マッカーティ作の起伏を持たせたフォーク#3、程良いオーケストラの装飾とジョン・タウト(Key)のハープシコードが気品を湛えた、アニーがお気に入りのキャッチーな#4、叙情的な#5でもアニーの美声が味わえます。
11分を超えるラストの#6はライブでも定番なフォーク&クラシカル&ドラマティックな名曲。アニー不在のインスト・パートもジョン・タウトがオルガン、ピアノと大活躍で聴き応えたっぷり。エンディングのギター・ソロはWISHBONE ASHのアンディ・パウエルが彼らのアルバムArgusでジョン・タウトが参加した返礼としてゲストでプレイしています。

Track List

1. Can You Understand
2. Let It Grow
3. On the Frontier
4. Carpet of the Sun
5. At the Harbour
6. Ashes Are Burning

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RENAISSANCE / Turn of the Cards

1974,UK

英国プログレッシブ・ロックの華RENAISSANCEの1974年5thアルバムTurn of the Cards。

詩人ベティ・サッチャーとの黄金コンビで全曲を作曲したマイケル・ダンフォード(G)が正式メンバーとしてクレジットされ、ここに黄金期RENAISSANCEのメンバー構成が完成。音楽性もアコースティック楽器によるバンド演奏にオーケストラを導入したスケールの大きなシンフォニック・ロック、というスタイルが確立されました。

ジョン・タウト(Key)のクラシカルなピアノ・ソロをオープニングに配した本アルバム最長9分34秒の#1から早くもクライマックス。オリジナルRENAISSANCEの2ndアルバムIllusionに収録されたMr. Pineのエキゾチックなパートがシンフォニックな装いで挿入されるなど、オーケストラを活用し壮大なスケールに仕上がってます。
ハープシコードが隠し味的に効いたバラード風の#2ではアニー・ハズラム(Vo)のまろやかな美声が堪能できます。
ジャジーなテイストとミステリアスなムードの序盤、アニーのクリスタル・ヴォイスによるスキャットがフィーチャーされた中盤、そして美しいボーカル・ハーモニーでポジティブなメロディを紡ぐ終盤と全てバンドのみの演奏で9分の長尺を描き切った#3。
アコギのアルペジオによる静かなオープニングから、ハープシコードが厳かな美を湛えるサビでドラマティックに盛り上がる#4。
チャーチオルガンをバックにアニーが切々とアダージョのメロディを歌い上げる#5。
オーケストラを使用した美しく壮大な#6は、エキゾチックなメロディとアニーの渾身の歌唱が感動を呼ぶ9分超の大作。またもやアニーのクリスタル・ヴォイスによるスキャットが華を添えております。

大作と小品をバランス良く配したアルバム構成も素晴らしいです。

Track List

1. Running Hard
2. I Think of You
3. Things I Don't Understand
4. Black Flame
5. Cold Is Being
6. Mother Russia

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STEVE HACKETT / Voyage of the Acolyte

1975,UK

GENESIS在籍中の1975年にリリースされたスティーヴ・ハケット(G/Key/Vo)の1stソロVoyage of the Acolyte。
GENESISからフィル・コリンズ(Dr/Vo)とマイク・ラザフォード(B/G)、その他実弟ジョン・ハケット(Fl/Key)、サリー・オールドフィールド(Vo)などのゲストを招いて制作。
ピーター・ガブリエルが主導権を握った1974年のThe Lamb Lies Down On Broadwayに対する反動なのか、全編でGENESISを彷彿させるシンフォニックかつ英国的な世界を展開。この時期のGENESISサウンドの核は紛れも無くスティーヴ・ハケットだったということが良くわかります。

タロットカードを題材にした収録曲のトップは最強のカードを意味する#1 Ace Of Wands。GENESIS風変拍子によるギター・リフから始まり、アープやモーグ等シンセ、典雅な12弦アコギ、フルート、メロトロン、オートハープの神秘的な響き、などまるでキャスト紹介のように次々と登場する豊富な楽器群のアンサンブルによるファンタジックな中間部から疾走感ある後半に至るシンフォニックなインストゥルメンタル。
12弦アコギのアルペジオとメロトロンをバックに翳りを交えたフルートが乗る、初期GENESIS風妖しくもファンタジックなインスト・チューン#2。メロディの区切りで登場するオートハープのキラキラ音が印象的です。
タロットで悲嘆・災難・不名誉・転落を意味するカード=塔をタイトルに頂く#3。リフレインするメイン・メロディと変拍子で、タイトル通りの世界を表現したダークなナンバー。
そして、#2のリプライズとなる#4がフェード・イン。オーボエに絡むフルートと濃霧のようなメロトロン、まろやかなシンセが美しいアンサンブルを聴かせます。
悲しげな12弦アコギのアルペジオにスティーヴ・ハケットの暗鬱な歌唱が乗る#5。インスト・パートではチェロやフルート、そしてさりげないエレキのハーモニーが上品にクラシカルな叙情を演出。エレキのアルペジオをバックにしたオーボエのソロからフルートのソロに移行するパートも美しいです。
フィル・コリンズとのボーカル・ハーモニーから始まる#6。じわじわ押し寄せるメロトロンと奇妙なペーソス感が又もや初期GENESIS風なモーグのメロディが秀逸。さらに、ダークなパートからオーボエによる神々しいまでの清廉なメロディに移る際の場面転換が超ドラマティック。
爪弾かれるギターをアンビエントな音像で捕らえた小品#7。逆回転エコーなどのSEによるコラージュで実験的なムードも。
そして、メロトロンとギターによるシンフォニックなイントロから、サリー・オールドフィールドの美声ソプラノが響き渡るボーカル・パートに移行する11分超の大作#8。歌唱と12弦アコギやオートハープが神秘的でおとぎ話のような世界を醸成。元祖ライトハンド奏法による幻想的なパート、ボリューム奏法を使ったヴァイオリンのようなトーンによるリフレインのメロディなど、ギタリストらしいアイディアに溢れたスティーヴ・ハケットのプレイもポイントが高い。

GENESISから演劇風臭みを取り除いた、純粋シンフォ・サウンドが堪能できるプログレッシブ・ロックの名盤です。

Track List

1. Ace Of Wands
2. Hands Of The Priestess
3. A Tower Struck Down
4. Hands Of The Priestess (Part 2)
5. The Hermit
6. Star Of Sirius
7. The Lovers
8. Shadow Of The Hierophant

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RENAISSANCE / Scheherazade and Other Stories

1975,UK

英国70年代プログレッシブ・ロックの華 RENAISSANCEの6thアルバムScheherazade and Other Stories。

リディアン・モードの印象的な旋律を歌うアニー・ハズラム(Vo)のクリスタル・ヴォイス、ジョン・タウト(Key)のチェレステや足踏みオルガンが醸し出すお伽噺のような幻想的なムード、ソロパートではピアノによる転がるように軽快なフレーズも連発!そして5拍子のキメといったおいしすぎるプログレッシブなネタが盛りだくさんの#1は私のフェイバリット・ソング。
伸びやかな美声が堪能できるアップテンポな#2。
まどろむようなオーケストラとアニーの美しすぎる歌唱が美を極めた叙情ナンバー#3。
そして、アラビアン・ナイトでお馴染み「千一夜物語」の語り部=賢くて美しい少女シェヘラザードが王妃の裏切りで凶悪になったスルタンに見出されて王宮に招かれ、窮地を凌ぐために毎夜毎夜、不思議なエピソードを物語る内にスルタンも元に戻り、シェヘラザードと幸せになるという様を描いたフルオーケストラ参加のシンフォニック大作#4。

RENAISSANCEの代表作にして最高傑作との呼び声高い名作です。

Track List

1.Trip To The Fair
2.The Vultures Fly High
3.Ocean Gypsy
4.Song Of Scheherazade
a) Fanfare
b) The Betrayal
c) The Sultan
d) Love Theme
e) The Young Price And Princess as Told By Scheherazade
f) Festival Preparations
g) Fugue For The Sultan
h) The Festival / Finale

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ABBA / Arrival

1976,SWEDEN

スウェーデンのポップ・グループABBAの4thアルバムArrival。

爽やかなアップテンポのフォーク・ポップ#1。
イントロからすかさず必殺のサビに移行する、世界的メガ・ヒット・ナンバーとなったABBAの代表曲#2。
ゆったりとしたリズム、ドラマティックな起伏のある美メロディのバラード#3。
弾むようなリズムにケルトっぽいフォークロアの薫り漂うメロディが乗る#4。
ムーディかつシリアスなヴァースからドラマティックなサビへ展開する#5。
ミステリアスでいてコミカルでもある、金に憑かれたものを皮肉るようなナンバー#6。
ヴァースはアップテンポのリズムに対比するゆったりした歌メロ、サビは畳み掛けるような早口で強烈な印象を残す#7
ビョルン(G/Vo)がヴァース、サビは女性陣による歌唱のブギ・ナンバー#8。
緩急と静動で巧みにメリハリをつけたABBA流ロックン・ロール#9。
鳴り響くバグパイプにフリーダとアグネッサのコーラスでメロディを奏でる、郷愁と荘厳が同居するスコットランド民謡風のインストゥルメンタル#10。

フォーク色を残した親しみやすいメロディゆえの取っ掛かりの良さにもかかわらず、何十年聴いても飽きが来ない素晴らしい歌唱に磨きがかかったソングライティングとアレンジ。
初期の素朴さと後期の作りこまれたポップ性の両面をバランス良く有する、バラエティ豊かな楽曲群の各々にABBAらしいフックを常備させた完璧なアルバム。

Track List

1. When I Kissed the Teacher
2. Dancing Queen
3. My Love, My Life
4. Dum Dum Diddle
5. Knowing Me, Knowing You
6. Money, Money, Money
7. That's Me
8. Why Did It Have to Be Me?
9. Tiger
10. Arrival

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カテゴリー: ABBA

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RENAISSANCE / Live at Carnegie Hall

1976,UK

英国プログレッシブ・ロックの華、RENAISSANCEのライブLive at Carnegie Hall。
1975年6月20日から3日連続で行われたニューヨークはカーネギー・ホールでの公演を収録。
曲目はアニー・ハズラム(Vo)期RENAISSANCEのそれまでのアルバム4枚(Prologue,Ashes are Burning,Turn of the Cards,Scheherazade)からの選曲となっており、ほぼベストといえるもの。

ライブでも完璧なアニー・ハズラムの美声、厚いコーラス、ジョン・キャンプ(B)がインプロビゼーションでがんばるDISC2 #2などライブ・バンドとしての力量を証明するナンバーも興味深いですが、最大の聴き所はやはりニューヨーク・フィルハーモニック・オーケストラを従えたDISC1 #3,#5,#6といったシンフォニックなナンバー、そしてやはり極めつけは大作DISC2 #1でしょう。
ミックスの影響なのかメリハリに今イチ迫力を欠いていたり、ブラス系がちょこちょこ音をはずしたりと、オーケストラが精彩を欠いている所も見受けられますが、スタジオ作ではアルバム毎に微妙に質感やテイストの異なっていたオーケストラ・パートを各曲同条件で聴けるのはうれしいですね。

Track List

DISC 1
1. Prologue
2. Ocean Gypsy
3. Can You Understand
4. Carpet of the Sun
5. Running Hard
6. Mother Russia

DISC 2
1. Song of Scheherazade
2. Ashes are Burning

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RENAISSANCE / Novella

1976,UK

RENAISSANCEの7thアルバムNovella。

従来の牧歌的なフォーク色は減少したものの、オーケストラとの融合がより進んだことでドラマティックさとスケールが大幅に増量。そこにアニー・ハズラム(Vo)のクリスタル・ヴォイスが神秘的な香りを漂わせて物語を紡ぐRENAISSANCEの最高傑作。

特に混声合唱団を加えてダイナミックに展開する13分超の#1と、その余韻をひきずりながら叙情を湛えて神々しさすら感じさせる静かな#2という、シンフォニックな冒頭2曲の完成度が素晴らしいです。
続く#3もマイケル・ダンフォード(G)によるアコギのカッティングをジョン・タウト(Key)のピアノや鐘の音が包み込む、エキゾチックなムードを帯びた静かなるシンフォニック・チューン。
そして、ジョン・タウトの素晴らしいタッチのピアノをバックにアニーの美声が滑らかに響く美しい#4と続き、ラストは再びオーケストラを加えた壮大な#5で締め。
バンドの演奏を中心に適所にストリングス等を加えたロマンティックな序盤から、アコギとジョン・キャンプ(B)のゴリゴリしたベースをバックにシンセやピアノのソロを聴かせるインストゥメンタル・パートを経て、テレンス・サリヴァン(Dr)のフィルをきっかけにオーケストラが徐々に様々な音色を増して行きスリリングに展開する終盤とその緊張からの開放、そして興奮と絶頂に上り詰めるエンディング・・・・・

芸術的な構成の楽曲群とアルバム構成でありながら、メロディは勿論、起伏や緩急によるキャッチーともいえるフックの数々が耳を捕らえて離さない至福の40分が味わえます。

Track List

1.Can You Hear Me?
2.Sisters
3.Midas Man
4.Captive Heart
5.Touching Once (Is So Hard to Keep)

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ILLUSION / Out of the Mist

1977,UK

オリジナルRENAISSANCEのメンツから、感電死したキース・レルフを除いたメンツで結成されたバンドILLUSIONの1977年1stアルバムOut of the Mist。

RENAISSANCE期には中途半端にも感じられたクラシック風味を抑え、叙情フォーク・ロック路線に的を絞った作風。
ジェーン・レルフ(Vo)の儚げにも聴こえるヴォーカルとジョン・ホウクン(Key)の耽美なフレーズ連発のピアノを中心として、端整な演奏でくすんだフォーク・ロックを展開してます。
ジェーンのベルベットのような歌声が軽快なピアノに乗る#2や7拍子が心地良い#4、ジェーンの伸びやかな歌唱が堪能できる#5など意外とPOPでキャッチーなテイストも。
しかし何といっても#3ですね。この3拍子に乗ったメロウな楽曲ではジョン・ホウクンの耽美なピアノとジェーンの歌唱が見事なハーモニーを奏で、穢れ無き世界を表現。
#6はRENAISSANCEの2ndアルバムIllusion収録の名曲をセルフ・カバー。
モーグの刺激的なイントロから始まり、メロトロンと美しいコーラスでアニー・ハズラムのRENAISSANCEに劣らない壮大なシンフォ・ロックを提示した#7も見事。

突き抜けきらないPOPさと、繊細なウェット感を併せ持った英国情緒満点の愛すべき1枚です。

Track List

1. Isadora
2. Roads to Freedom
3. Beautiful Country
4. Solo Flight
5. Everywhere You Go
6. Face of Yesterday
7. Candles Are Burning

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RENAISSANCE / A Song for All Seasons

1978,UK

RENAISSANCEのスタジオ1978年8thアルバムA Song for All Seasons。

オーケストラが醸し出すムードが前作に近いしっとりとした感じの#1。
#1のモチーフを引き継ぎながらオーケストラとバンドの演奏が一体となって溌剌としたプログレッシブ・ロックを展開する#2。サビでの高揚感とアニー・ハズラム(Vo)の素晴らしいクリスタル・ヴォイスが堪能できます。中間部の7拍子に乗ったジョン・タウト(Key)のシンセ・ソロも聴き所。6分過ぎからのアニーのボーカル・パートは、いつ聴いても感動する美しさです。
アニーの優しい歌唱がマイケル・ダンフォード(G)のアコギによるカッティングに乗るフォーク小品#3。ジョン・キャンプ(B)のフレットレス・ベースでの滑らかなオブリガードも効いてます。
切ないイントロに続き、ジョン・キャンプがマイルドな歌声で切々と歌う哀愁のフォーク#4。これもサビでの美しいメロディとコーラスに感動必至。
TVドラマの主題歌にもなったポップな#5。
ジョン・キャンプがオーケストラをバックに歌う#6は、本来ならアニーの出番であろう所をあえて男性ボーカルに、という試みが面白いですね。
アニーの美声をフィーチャーした爽やかなムードの#7。アコギのカッティング、エレキのアルペジオ、シンセのオブリガード、ソリーナのストリングスが透明感に溢れたサウンドを醸成しています。
オーケストラとバンドが一体となってのインストゥルメンタル・パートを序盤に配し、後半はアニーの歌唱をフィーチャーしたシンフォニックな大作#8。

前作Novellaでの重厚な中にもしっとりとした神秘性から、ファンタジックながらも、よりキャッチーでコンテンポラリーな作風に変化。RENAISSANCEのアルバムはどれも素晴らしいですが、聴き易さはこれが一番かも。Prologueでロブ・ヘンドリーが弾いて以来かと思えるエレキ・ギターや使用頻度が目立ってきたシンセのもたらすブライトな感触の効果も大きいです。オーケストラ・アレンジはELOや後のOZZY OSBOURNEとの仕事でもお馴染みのルイス・クラーク。カラフルでポップなジャケット・アートなヒプノシス。

Track List

1. Opening Out
2. Day of the Dreamer
3. Closer Than Yesterday
4. Kindness (At the End)
5. Back Home Once Again
6. She Is Love
7. Northern Lights
8. Song for All Seasons

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ILLUSION / Illusion

1978,UK

ILLUSIONの1978年2ndアルバムIllusion。

ジム・マッカーティ(Vo/Per)とジェーン・レルフ(Vo)の美しいハーモニーとメロトロンをバックにしたピアノのリフレインが印象的で気品ある佇まいの#1。
アコギがリードする田園フォークからピアノとコーラスを交えた美しいアンサンブルに発展する#2。
これまた男女ヴォーカルのハーモニーがうっとりするほどの#4。
シンセとプリミティブなビートを融合させた実験作#5。
ムーディなジェーンのヴォーカルがエレピとメロトロンをバックに堪能できる#6。
壮大なオーケストレーションでドラマティックにエンディングを飾る#7。

ジョン・ホウクン(Key)のピアノをアンサンブルの中心に据えるスタイルは不変ながら、1stでの湿り気はやや後退し、爽やかとも言える美しいメロディで彩られたコンテンポラリーなサウンドに。そんな中にあって、ジェーン・レルフ(Vo)が切々と歌う#3が前作の#3”Beautiful Country”にも通ずる神秘性で異彩を放っています。

Track List

1.Madonna Blue
2.Never Be the Same
3.Louis' Theme
4.Wing Across the Sea
5.Cruising Nowhere
6.Man of Miracles
7.The Revolutionary

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ABBA / Voulez-Vous

1979,SWEDEN

スウェーデンのポップ・グループABBAの6thアルバムVoulez-Vous。

端正なストリングスとシャープなリズムがリード、コンパクトな中にABBAらしいメロディを散りばめた#1。
ディスコ・ビートをベースにした#2。
フリーダ(Vo)の優しい中域を活かした暖かみのあるバラード#3。
単にキャッチーなだけでは無く仄かな北欧風味が感じられる所がABBAならではの、煌めくパーフェクトなポップ・チューン#4。
穏やかなヴァースとスリリングなサビが対比したドラマティックなナンバー#5。
フリーダとアグネッサ(Vo)を贅沢にバック・コーラスに従えた、初期を彷彿させるビョルン(G/Vo)歌唱のロックン・ロール・ナンバー#6。
華麗なアレンジと端正なメロディがDancing Queenを彷彿させる#7。
国連国際児童年のテーマ・ソングに採用された#8。シンプルながら徐々に盛り上げるアレンジがドラマティック。
ムーディな中にセクシーな妖艶さを内包した#9。
女性陣が歌うABBA流ロックン・ロールにディスコ風味を加えた#10。

ポップ・メイカーとして頂点に立ったABBAが、映画サタデー・ナイト・フィーバー(1977)を機に世界的ブームとなったディスコ・ミュージックを導入。
ポップ界の第一人者が流行を取り入れるという事でその完成度は間違いなく高いが、時代に迎合した部分はエバーグリーン感には欠けるかも。
むしろ、北欧風ウルトラ・ポップに徹した#4やスパニッシュなテイストを取り入れた#8に普遍的な魅力が感じられる。
ABBA自らが所有するポーラー・スタジオでレコーディングされた最初の作品。

Track List

1. As Good as New
2. Voulez-Vous
3. I Have a Dream
4. Angeleyes
5. The King Has Lost His Crown
6. Does Your Mother Know
7. If It Wasn't for the Nights
8. Chiquitita
9. Lovers (Live a Little Longer)
10. Kisses of Fire

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カテゴリー: ABBA

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RENAISSANCE / Azure d’Or

1979,UK

RENAISSANCEの1979年スタジオ9枚目アルバムAzure d’Or。

時代を反映してかクラシカルなテイストは大幅に減少しキャッチーな要素が前面に出ては来ましたが、マイケル・ダンフォード(G)とマーガレット・サッチャー(作詞)の黄金コンビは不変。#1や#4,#9などポップでキャッチーな中にも滲み出るドラマティックなムードと英国的な気品は隠せません。さらに本作ではジョン・キャンプ(B/Vo)が作曲で大活躍。
ジョン・キャンプのジェントルな歌唱と、ジョン・タウト(Key)のアープ・ストリングス・アンサンブル+ヤマハCS80のみで紡ぎ上げた清廉で神秘的な#3。
アニー・ハズラム(Vo)のクリスタル・ヴォイスを活かした曲調に、タウラス・ベースペダルを操るキャンプ、ピアノやシンセに加えクラビネットなど鍵盤総動員のタウト、ティンパニやチャイムも叩くテレンス・サリヴァン(Dr)とライブでの奮闘を思わせる各プレイヤーの活躍で素晴らしいプログレッシブ・ポップに仕上がった#6。
冒頭で一瞬前作のOpening Outっぽいボーカル・メロディが飛び出すシンフォニックなバラード#7。
叙情的でドラマティックなインストゥルメンタル・ナンバー#8。
など、バラエイティに富みつつもRENAISSANCEらしさを残したソング・ライティングが光ります。
そして、サウンド面ではジョン・タウトが大忙し。もはやオーケストラを一切排したこの時期のライブ音源でもお馴染みのバンドだけの編成で、彼が操るヤマハのCS80/CS30、アープのストリングス・アンサンブル/プロ・ソロイスト、ピアノ等鍵盤群がシンフォニックなサウンドを生み出し、プログレッシブ・ロック・バンドRENAISSANCEとしての矜持がひしひしと伝わってきます。

Track List

1. Jekyll And Hyde
2. The Winter Tree
3. Only Angels Have Wings
4. Golden Key
5. Forever Changing
6. Secret Mission
7. Kalynda (A Magical Isle)
8. The Discovery
9. Friends
10. The Flood At Lyons

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MIKE OLDFIELD / Crises

1983,UK

マイク・オールドフィールドの8thアルバムCrises。

70年代からの流れを汲む大作と商業的なポップ性が同居したアルバム。

瑞々しい美しさに溢れたケルティックなテーマのメロディを持つアナログA面を占める20分超の#1。次々と表情を変える組曲で構成。シンフォニックなパートでは、フェアライトCMI、ローランドRS-202、オーバーハイム、プロフェット5など、時代を反映したシンセの名機達が活躍。
アナログB面はバラエティに富んだ小品集。
後にアニー・ハズラムがソロ・アルバムでカヴァーした、マギー・ライリー(Vo)を起用したキャッチーな名曲#2。
ジョン・アンダーソン(Vo)が歌う幻想的な#3。
ミステリアスなシンセのシーケンス・フレーズをバックにマギー・ライリーが歌う#4。
マイク自らアコギ、バンジョー、マンドリンなどを駆使したラテンなインスト#5。
FAMILYのロジャー・チャップマンが歌うハード・ロック#6。

#1でのシーケンサーを使用した山びこのようなパートは、機材の持つ可能性を芸術に昇華させた好例と言える。
一方で、リズムが躍動する同曲終盤でテーマ・メロディを奏でるギターのタッチが何となくイリアン・パイプを模しているようにも聴こえ、先端技術と伝統を表現手段としてフラットに捉えたマイク・オールドフィールドの俯瞰的な視線が伺えます。

Track List

1. Crisis
2. Moonlight Shadow
3. In High Places
4. Foreign Affair
5. Taurus 3
6. Shadow On The Wall

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NENA / Nena

1983,GERMANY

東西冷戦下の西ドイツでデビューした5人組ポップ・バンドNENAの1983年1stアルバムNena。

パンク/ニューウェイブの影響も感じさせつつ、メロディアスな歌メロとシンセの効果的な使用でキャッチーなサウンドを構築してます。紅一点ネーナ・ケルナー(Vo)の歌唱は巧くは無いが、ドイツ語歌詞から生じる独特のひっかかりが舌足らずな感じで、声質との相乗効果もあって超キュート。
アメリカで放送され高視聴率をあげた核戦争を描いたテレビ映画「ザ・デイ・アフター」で使用された#6が大ヒット。英語以外の曲では坂本九の「スキヤキ(上を向いて歩こう)」以来となるNo.1を記録。日本でもプロモ・ビデオが盛んに放映されネーナのルックスもあって話題になりました。1発屋扱いされることもありますが、シンセのリフがポップな#1、アップテンポでサビにおけるスネアのフラムがロックっぽい#4、雄大なスケールにプリミティブでエキゾチックな雰囲気を漂わせた#7、サビの「Ah~」の透明感がいい感じの#9、マイナーなサビが胸キュンの8ビートのカッコ良いロック#11などキャッチーな佳曲満載。アンニュイな#4、レゲエ調の#10などデビュー作とは思えない幅広い音楽性も発揮しております。

Track List

1. Kino
2. Indianer
3. Vollmond
4. Nur geträumt
5. Tanz auf dem Vulkan
6. 99 Luftballons
7. Zaubertrick
8. Einmal ist keinmal
9. Leuchtturm
10. Ich bleib' im Bett
11. Noch einmal
12. Satellitenstadt

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カテゴリー: NENA

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MIKE OLDFIELD / Discovery

1984,UK

マイク・オールドフィールドの9thアルバムDiscovery。

マギー・ライリーの素晴らしい歌唱、ケルトの香りを漂わせるどこか郷愁を誘うメイン・メロディ、マンドリンのトレモロも効いている#1。
バリー・パーマー歌唱、神秘的な静とパワフルな動を織り交ぜた#2。
クールな中にもキャッチーなサビが印象的なマギー・ライリー歌唱の#3。
自身のメロディアスなギターソロをフィーチュア、マギーとバリーのデュエットを聴かせるアップテンポの#4。
バリー・パーマーのハスキーなシャウトをヘヴィなバッキングで支えるロック・チューン#5。
#1のメイン・メロディを引用しつつ浮遊感あるバッキングでムーディに仕上げた#6。
センチメンタルなメロディのファンタジックなパートから壮大なサビに展開する#7。
12分超のインストゥルメンタル・ナンバー#8。

シンガーにバリー・パーマーとマギー・ライリー、共同プロデューサーにサイモン・フィリップス(Dr)を迎え、ドラム以外を全て自身が演奏。ギターやベース、フェアライトに加え、ローランドのアナログ・ギターシンセGR-300も使用されている。前作収録のMoonlight Shadowのヒットに気を良くしたヴァージン・レコードによる、同様なポップ作品の制作をというプレッシャーに応えた作品。
ポップな#1~7と、サンプリングしたマギー・ライリーのスキャットをシーケンサーで走らせるなど実験的要素も含むドラマティックな大作#8を共存させ、レコード会社の要求と自身の芸術性の折り合いを高次元で実現。

Track List

1. To France
2. Poison Arrows
3. Crystal Gazing
4. Tricks of the Light
5. Discovery
6. Talk About Your Life
7. Saved by a Bell
8. The Lake

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