CURVED AIR のレビュー

CURVED AIR / Phantasmagoria

1972,UK

CURVED AIRの3rdアルバムPhantasmagoria。

メロトロンの使用や3拍子にチェンジする中間部など劇的な進行を見せる#1。メロウな中にもロックな激しさを内包し、タイトルの人物のドラマティックな生涯を表現。
フルートとヴァイオリンのハーモニーが美しい、ソーニャ・クリスティーナ(Vo)作のメランコリックなフォーク#2。出自を物語るシリアスなトラッドっぽさが光る。
ブラスセクションとランニングするベースラインが洒落たムードを醸し出す#3。少々ウィスパー気味にも聴こえるソーニャ・クリスティーナの歌唱パート、シンセとスキャットのユニゾン、クラシカルなエンディングなど、CURVED AIRならではの個性が随所に。
ダリル・ウェイ(Vln)によるスピーディなヴァイオリンの独壇場となったインストゥルメンタル#4。
クラシカルなシンセのアルペジオがリフレインし、パンニングやピッチ・チェンジのエフェクトを付加した実験的インストゥルメンタル#5。
ロックなグリッサンドと端正なオブリガードが融合したオルガンがリードする歌モノ#6。
奇妙なサウンドスケープに、EMS Synthi 100で加工したソーニャ・クリスティーナによるファンタスマゴリア(ルイス・キャロル作)の朗読を挿入したファンタジー実験作#7。
ヴァイオリンとブラス・セクションに歯切れ良いシロフォン、幽玄なヴィブラフォン。ジャジィなコード進行やクラシカルなフレーズなどアイディアを詰め込んだフランシス・モンクマン(Key/G)作のプログレッシブ・チューン。
ブラスセクションや軽快なパーカッション、クールなヴィブラフォンをフィーチュアした陽気なムードの#9。

#1,#3,#6など妖艶かつコケティッシュなソーニャ・クリスティーナの個性を活かしたバンドとしての佳曲がある一方、ダリル・ウェイやフランシス・モンクマンがそれぞれ勝手な事をやりまくった#4,#5,#7といった実験的作品も混在。
バンドとしての完成度とピークを極めた結果としての綻びが渦巻く最高傑作にして問題作。

Track List

1. Marie Antoinette
2. Melinda (More Or Less)
3. Not Quite The Same
4. Cheetah
5. Ultra-Vivaldi
6. Phantasmagoria
7. Whose Shoulder Are You Looking Over Anyway
8. Over And Above
9. Once Always A Ghost

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