プログレ のレビュー

RUSH / Moving Pictures

1981,CANADA

RUSHの1981年作Moving Pictures。

#5以外コンパクトなナンバーで占められているが、それぞれ劇的な展開をしっかり持っており、3ピースであることを忘れさせる巧みなアレンジで必要最低限の厚みを出しているのが凄い。
各パートがお互いをカバーしつつも主張もちゃんとしているので、シンプルなのに濃密という相反する要素が両立する奇跡が体現されている。見習うべきバンドはたくさんあると思う。

Track List

1. Tom Sawyer
2. Red Barchetta
3. YYZ
4. Limelight
5. The Camera Eye
6. Witch Hunt
7. Vital Signs

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ASIA / Asia

1982,UK

元YESのスティーブ・ハウ(G)、元KING CRIMSON,UKのジョン・ウェットン(B/Vo)、元ELPのカール・パーマー(Dr)、「ラジオスターの悲劇」でヒットを放ったエレクトロPOPバンドBUGGLESのジェフリー・ダウンズ(Key)によって結成されたプログレ界のスーパー・バンドASIAの1982年1stアルバムAsia。

POPながらも少々ガチャガチャしたギター・ソロがスティーブならではの#1。
ホルンっぽいシンセのイントロ、透明感あるギターのオブガード等フック満載の#2。
場面転換を巧みに取り入れた#3。
ポジティブで開放的なムードの#4。
クラシカルで大仰なイントロのハード・ポップ#5。
叙情メロディとドラマティックな中間部を持つ#6。
シンセとギターによるユニゾン&ハーモニーが印象的なバラード#7。
シンセによるシンフォニックな終盤でアクセントをつけた#8。
もはやAORとも言える歌メロ部といかにもプログレなシンセ・ソロが違和感無く融合している#9。

プログレッシブ・ロックのドラマティックかつシンフォニックなエッセンスをキャッチーな歌メロと共存させ、4~5分のコンパクトな楽曲にまとめたプロの手腕とセンスがメロディアスなものを求める時代にマッチして大ヒットしました。

Track List

1. Heat of the Moment
2. Only Time Will Tell
3. Sole Survivor
4. One Step Closer
5. Time Again
6. Wildest Dreams
7. Without You
8. Cutting It Fine
9. Here Comes the Feeling

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KING CRIMSON / Beat

1982,UK/USA

再結成KING CRIMSONの2作目にして通算9thアルバム Beat。
メンツはバンド史上初の前作同様ラインナップで、ロバート・フリップ(G)、ビル・ブラッフォード(Dr)エイドリアン・ブリュー(G/Vo)、トニー・レヴィン(B)。

表面のシンプルなビートと裏側の奇数拍子パターンを反復する2本のギターが織り成す表裏一体のポリリズムが不思議な浮遊感をもたらす前作路線の#1。
クリアなカッティング・ギターとアンニュイなムードが印象的なボーカル・ナンバー#2。
無機質にも聴こえるリズム隊とエキゾチックなモードで奏でられるファットでチープなギター・シンセによる緊張感あるパートから、リラックスした南国リゾート風パートへの移行が心地よい#3。
エスニックな有機的ビートを打ち出す方法論が、パーカッションとギターのメカニカルな無機的反復フレーズであるとうパラドックスが面白い#4。
扇情的なサイレン音とエイドリアン・ブリューのボーカル、フリーにランニングするベース、叩きまくるドラム。ジャムの混沌からやがて緻密なアンサンブルに移行するも、変拍子の嵐で容易にその正体を現さないエキセントリックでいながらインテリジェントな#5。
パーカションとクリアなギターのゆったりとしたエスニック感。ギター・シンセのソロをフィーチュアした#6。
5拍子、7拍子など局面で変化するボーカル・ナンバー#7。ノイズをコントロール下に置いたエイドリアンのギター・ソロが唯一無二個性を発揮。
ダークな即興アンサンブルの#8。

アンサンブルに対するプログレッシブな姿勢を一見キャッチーなニュー・ウェイブ風テイストの影で進行させた、普通の音楽リスナーからマニアックなリスナーまで幅広い需要に応えるアルバムです。

Track List

1. Neal and Jack and Me
2. Heartbeat
3. Sartori in Tangier
4. Waiting Man
5. Neurotica
6. Two Hands
7. The Howler
8. Requiem

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MARILLION / Script for a Jester’s Tear

1982,UK

フィッシュ(Vo)のシアトリカルな歌唱スタイルやサウンドの叙情性からGENESISのフォロワーと呼ばれる英国のプログレ・バンドMARILLIONの1982年1stアルバムScript for a Jester’s Tear。

例えば、主題を徐々に変奏・展開していく単音シンセによるフレーズはまさにGENESISの影響下にあるものと言えますが、GENESISがキーボード・ソロで聴かせていたのに対しMARILLIONの場合は楽曲のアンサンブルの一部として機能している所に大きな違いが有ります。つまり、GENESISの持ち味をパーツとして咀嚼してアンサンブルとして昇華させたわけですね。
このような部分で単なるコピー・バンドでは無いオリジナルな工夫を感じます。良く聴くとフィッシュのヴォーカル・ラインはあまりメロディアスではありませんが、これだけ豊かに叙情性を醸し出すのはキーボードによるアレンジとスティーヴ・ロザリー(G)のクサいまでにウェットなメロディによるギター・プレイの存在があるからでしょう。
独特の冷んやりした質感のサウンドによる叙情的な名盤に仕上がってます。

Track List

1.He knows you know
2.Web
3.Garden party
4.Chelsea Monday
5.Forgotten sons
6.Script for a jester's tea

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ROGER HODGSON / In The Eye of The Storm

1982,UK

1982年のFamous Last Words を最後にSUPERTRAMPを脱退したロジャー・ホッジソンの1984年1stソロ・アルバムIn The Eye of The Storm。

基本的に全ての楽器を自らプレイし足りない部分をゲストで補うという構成で、ロジャー節全開。
楽曲的には、改めてSUPERTRAMPというバンドが彼を中心として成り立っていたという事を思い知らされる充実の内容。とはいえ、ここにリック・デイヴィスの素朴なヴォーカルとジョン・ヘリウェルのペーソス感たっぷりなクラリネットがあれば完璧なのに・・・という場面も。
そう、このアルバムにはSUPERTRAMPにあったリラックスした雰囲気とか場末のペーソス感といった独特のテイストが無いんですね。勿論ソロなのでそれでもOKなんですが。初ソロということで力みもあったのか、程よくシリアスなムードで統一されてます。
ロジャーの才能と共にSUPERTRAMPのケミストリーの源泉が何だったのか、を知らしめる傑作。

Track List

1. Had a Dream [Sleeping with the Enemy]
2. In Jeopardy
3. Lovers in the Wind
4. Hooked on a Problem
5. Give Me Love, Give Me Like
6. I'm Not Afraid
7. Only Because of You

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SUPERTRAMP / Famous Last Words

1982,UK

大ヒットした前作Breakfast In Americaに続き、ライブアルバムを挟んでのSUPERTRAMPのスタジオ7th。

中心人物のロジャー・ホッジソン(G/Key/Vo)在籍最後のアルバムだったり、前作のプレッシャー云々で曲調が暗いといわれがちですが、むしろ本来の姿に戻っただけだと思いますね。#1,#3,#5,#7と多彩かつ多才な表情を見せるロジャーの曲は相変わらず最高。ウーリッツァーが目立たなくなったのは残念ですが、ジョン・ヘリウェルのクラリネットやサックスは健在だし、リック・デイヴィス(Key/Vo)の曲はは良くも悪くもいつも通り地味だし、全体の冷ややかな質感もいつも通り。
確かにラスト#9のタイトルといいセンチメンタルなムードといい、ロジャーの決意みたいなものは感じられますが・・・アルバムとしてのクオリティは、売れ始めてからのここ数作にひけを取らないと思いますね。しかしそれだけにロジャーとしては、バンドとしてはやり尽くした、という思いだったのかもしれません。ロジャーは1984年にIn The Eye of The Stormでソロ・デビュー。

Track List

1. Crazy
2. Put on Your Old Brown Shoes
3. It's Raining Again
4. Bonnie
5. Know Who You Are
6. My Kind of Lady
7. C'est Le Bon
8. Waiting So Long
9. Don't Leave Me Now

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ASIA / Alpha

1983,UK

英国のPOPなプログレッシブ・ロック・バンドASIAの1983年2ndアルバムAlpha。

1stよりも大幅増量された空間系エフェクトによるモワっとした音像がいかにも80年代っぽいです。ジェフリー・ダウンズはどんなシンセ使ってたんでしょうか?ストリングスとかブ厚いけど爽やかだし#4のふくよかなホルン、#5冒頭のキラキラ音等、気になりますね。
ローランドJUPITER8(アナログ・ポリフォニックシンセ)が1981年発売、ヤマハDX7(FM音源搭載のデジタルシンセ)が1983年発売なんでこの辺のヤツでしょうか?

ジョン・ウェットンがKING CRIMSONやUKで垣間見せていた叙情性やキャッチーさがダウンズの才能と化学反応を起こし、POPのフィールドで開花。全編シンフォニック且つコンパクトな名曲揃い。
それでいて、突然掻き毟るように弾き捲くるスティーヴ・ハウのギターやさりげなく7拍子な#9にプログレ者の矜持も感じます。
ロジャー・ディーンのジャケット・アートも素晴らしいです。

Track List

1.Don't Cry
2.Smile Has Left Your Eyes
3.Never in a Million Years
4.My Own Time (I'll Do What I Want)
5.Heat Goes On
6.Eye to Eye
7.Last to Know
8.True Colors
9.Midnight Sun
10.Open Your Eyes

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IQ / Tales from the Lush Attic

1983,UK

70年代末の英国に勃興したNWOBHMムーブメントに呼応するかのように起こったプログレッシブ・ロック再興ムーブメント=ポンプ・ロック。そのシーンの代表格であるIQの1983年デビュー作Tales from the Lush Attic。

ピーター・ゲイブリエル期GENESISのシアトリカルなヴォーカルと、ゲイブリエル後GENESISが確立したシンフォニックなプログレの型を融合したサウンドは非常にありがちながら、いきなりの19分超チューンである#1から見せる巧みな場面転換による長尺の構成力はなかなかなものです。曲想優先でヴォーカルのメロディがイマイチついて行っていない所は若干の苦笑も禁じえませんが・・・そんなぎこちないヴォーカルと固めのシンセ・サウンドが折角の叙情味を殺いでいる所も若さ故か。
キャリアを重ねる事で表現力を増して行ったピーター・ニコルス(Vo)のヴォーカルも、マァこれが1stだし仕方が無いとしても、キツ目の矩形波っぽいシンセ・サウンドがもうちょいポルタメントとかエコー処理で滑らかだったら印象もかなり変わったと思いますね。

Track List

1. The Last Human Gateway
2. Through The Corridors
3. Awake And Nervous
4. My Baby Treats Me Right ‘Cos I’m A Hard Lovin’ Man All Night Long
5. The Enemy Smacks

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MIKE OLDFIELD / Crises

1983,UK

マイク・オールドフィールドの8thアルバムCrises。

70年代からの流れを汲む大作と商業的なポップ性が同居したアルバム。

瑞々しい美しさに溢れたケルティックなテーマのメロディを持つアナログA面を占める20分超の#1。次々と表情を変える組曲で構成。シンフォニックなパートでは、フェアライトCMI、ローランドRS-202、オーバーハイム、プロフェット5など、時代を反映したシンセの名機達が活躍。
アナログB面はバラエティに富んだ小品集。
後にアニー・ハズラムがソロ・アルバムでカヴァーした、マギー・ライリー(Vo)を起用したキャッチーな名曲#2。
ジョン・アンダーソン(Vo)が歌う幻想的な#3。
ミステリアスなシンセのシーケンス・フレーズをバックにマギー・ライリーが歌う#4。
マイク自らアコギ、バンジョー、マンドリンなどを駆使したラテンなインスト#5。
FAMILYのロジャー・チャップマンが歌うハード・ロック#6。

#1でのシーケンサーを使用した山びこのようなパートは、機材の持つ可能性を芸術に昇華させた好例と言える。
一方で、リズムが躍動する同曲終盤でテーマ・メロディを奏でるギターのタッチが何となくイリアン・パイプを模しているようにも聴こえ、先端技術と伝統を表現手段としてフラットに捉えたマイク・オールドフィールドの俯瞰的な視線が伺えます。

Track List

1. Crisis
2. Moonlight Shadow
3. In High Places
4. Foreign Affair
5. Taurus 3
6. Shadow On The Wall

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YES / 90125

1983,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドYESの11thアルバム90125。

THE BUGGLESの2人を加入させて名盤Dramaを制作し危機を乗り越えたYESですが、ツアーでは不評だったようで解散状態に。
ところが、クリス・スクワイア(B)、アラン・ホワイト(Dr)がトレーヴァー・ラビン(G)と始めたバンドCINEMAに、3rdアルバムまで在籍していたトニー・ケイ(Key)、そしてジョン・アンダーソン(Vo)が加わりおそらくビジネス的思惑も絡んで新生YESが誕生。
トレヴァー・ホーンのプロデュースで制作されたアルバムは、#1のシングル・ヒットもあり大成功。トレヴァー・ホーンは見事にリベンジを果たす事に成功しました。

時代を席巻した#1や#6の鮮烈なオーケストラ・ヒットは、世の中の一歩先を行くという意味ではプログレッシブとも言えるものの、全体的には往年のシンフォニックなプログレとも、Dramaのニューウェイブ感覚を取り入れたポップなプログレとも違う、アーミングやピッキング・ハーモニクスなど派手なギターがリードするハード・ポップにサウンドは変化。
昔は地味なオルガンのバッキングを聴かせていたトニー・ケイも、プレイは相変わらず地味ながらキラキラした80年代風シンセ・サウンドでアンサンブルの一部に溶け込み、才気溢れるトレヴァー・ラビンの多彩なプレイとキャッチーなメロディをお馴染みの無垢な声で歌うジョン・アンダーソンをフォローしています。

そんな中、トリッキーな変拍子イントロから叙情ポップなボーカル・パートへ予測不能の展開を見せる#4、スペイシーでスリリングなインストゥルメンタル#5、ドラマティックな#9あたりに何となくYESっぽさを感じさせる所がおもしろいですね。

Track List

1. Owner of a Lonely Heart
2. Hold On
3. It Can Happen
4. Changes
5. Cinema
6. Leave It
7. Our Song
8. City of Love
9. Hearts

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カテゴリー: YES

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KING CRIMSON / Three Of A Perfect Pair

1984,UK/USA

Discipline期KING CRIMSONの最終作にして通算10thアルバム Three Of A Perfect Pair。

7拍子の引っかかりはあるものの全体的には物憂げなニューウェーブ風ボーカル・チューン#1。ギター・シンセの音色パッチ切り替えが、エフェクト風効果をもたらすソロが面白い。
メロウなパートを持つボーカル・チューン#2。
バスドラ4つ打ちとスラップ・ベースのビートにボーカルとパッド系シンセが被さる#3。
東洋的なニュアンスの浮遊感あるバッキング演奏に乗せたボーカル・チューン#4。
パーカッションをバックにサウンドスケープと様々なギターのインプロビゼーション・フレーズを加えた#5。
反復するリズム・パターンをベースにヘヴィなギターのフレーズやノイズがコラージュしたかのような#6。
#6をよりアヴァンにしたかのような混沌のインスト・パートとポップなボーカル・パートが共存する#7。
インプロビゼーションだが、むしろノイズと言っても良い#8。#9のイントロとしての位置付けか?
太陽と戦慄のパート3ということで話題となった#9。メカニカルなギターのシーケンス・フレーズ、軽いカッティング中心のリフ、シモンズの特徴的なサウンドなど、Discipline期KING CRIMSONのエッセンスを名曲のフォーマットに融合した感じ。ここといった山場に欠けるのが惜しい。

ネタは出尽くしたのか、弦楽器のメカニカルな絡みを中心とした緊迫感やポリリズムのトリックなど、この時期特有のテイストが薄い作品。

Track List

1. Three of a Perfect Pair
2. Model Man
3. Sleepless
4. Man with an Open Heart
5. Nuages (That Which Passes, Passes Like Clouds)
6. Industry
7. Dig Me
8. No Warning
9. Larks' Tongues in Aspic (Part III)

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MIKE OLDFIELD / Discovery

1984,UK

マイク・オールドフィールドの9thアルバムDiscovery。

マギー・ライリーの素晴らしい歌唱、ケルトの香りを漂わせるどこか郷愁を誘うメイン・メロディ、マンドリンのトレモロも効いている#1。
バリー・パーマー歌唱、神秘的な静とパワフルな動を織り交ぜた#2。
クールな中にもキャッチーなサビが印象的なマギー・ライリー歌唱の#3。
自身のメロディアスなギターソロをフィーチュア、マギーとバリーのデュエットを聴かせるアップテンポの#4。
バリー・パーマーのハスキーなシャウトをヘヴィなバッキングで支えるロック・チューン#5。
#1のメイン・メロディを引用しつつ浮遊感あるバッキングでムーディに仕上げた#6。
センチメンタルなメロディのファンタジックなパートから壮大なサビに展開する#7。
12分超のインストゥルメンタル・ナンバー#8。

シンガーにバリー・パーマーとマギー・ライリー、共同プロデューサーにサイモン・フィリップス(Dr)を迎え、ドラム以外を全て自身が演奏。ギターやベース、フェアライトに加え、ローランドのアナログ・ギターシンセGR-300も使用されている。前作収録のMoonlight Shadowのヒットに気を良くしたヴァージン・レコードによる、同様なポップ作品の制作をというプレッシャーに応えた作品。
ポップな#1~7と、サンプリングしたマギー・ライリーのスキャットをシーケンサーで走らせるなど実験的要素も含むドラマティックな大作#8を共存させ、レコード会社の要求と自身の芸術性の折り合いを高次元で実現。

Track List

1. To France
2. Poison Arrows
3. Crystal Gazing
4. Tricks of the Light
5. Discovery
6. Talk About Your Life
7. Saved by a Bell
8. The Lake

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SOLSTICE / Silent Dance

1984,UK

英国女性ヴォーカル・シンフォSOLSTICEの1984年1stアルバムSilent Dance。

8分超の大作#5後半のズ太いシンセソロにGENESSIS、サンディ・レイ嬢(Vo)の透明感あるハイトーンとモーダルなメロディに英国70年代プログレの華 RENAISSANCEとその歌姫アニー・ハズラムからの影響を感じさせる正統派英国シンフォ。
先達のおいしい要素を拝借しつつも、仄かにジャジーな#2、シャーマンの祈りのような神秘的なメロディにプリミティブなテイストで迫る#6、キャッチーでコンテンポラリーなバラードの#7など、豊富なアイディアによるオリジナリティも加味。
ソリーナっぽい音色のストリングスがソソるシンセによる分厚いバッキングに、軽やかに浮遊するクラシカルでは無いヴァイオリン、コードのヴォイシングと叙情ソロに独特のセンスを感じさせるギター(エレキ、アコギ共にナイス!)が絡むサウンドは既に唯一無二の個性を放っています。適度な変拍子が又、心地良いです。

Track List

1.Peace
2.Earthsong
3.Sunrise
4.Return of Spring
5.Brave New World
6.Cheyenne
7.Find Yourself

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カテゴリー: SOLSTICE

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ASIA / Astra

1985,UK

ASIAの1985年3rdアルバムAstra。

前作Alpha発表後のジョン・ウェットン(Vo/B)脱退(後に復帰)に続き、このアルバムのリハーサル中にスティーブ・ハウ(G)が脱退。スイス人の父とネイティブ・カナディアンの母を持つカナダ生まれのスイス人ギタリスト マンディ・メイヤー(後にハード・ロック・バンドKATMANDUを結成)が後任で参加してます。
スティーブ・ハウのガチャガチャした感じと比べると、マンディ・メイヤーの落ち着いたソツの無いプレイの方が全体的にコンパクトなAOR路線となったバンド・サウンドにフィットしているように感じます。
HR出身のルーツを垣間見せるエッジの立ったシャープなリフ・ワークやメロディアスなフレージングが光るギター・ソロ、繊細でクリアなアルペジオなど幅広い引き出しを感じさせる活躍でベテラン・メンバーと同等に貢献してます。

シンフォニックな要素が減ったとはいえウェットンの書いた曲はさすがにどれも良い出来ではあるが、前作までの売上に達せずバンドは一時解散状態となってしまいます。

Track List

1.Go
2.Voice of America
3.Hard on Me
4.Wishing
5.Rock and Roll Dream
6.Countdown to Zero
7.Love Now Till Eternity
8.Too Late
9.Suspicion
10.After the War

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IQ / The Wake

1985,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドIQの1985年2ndアルバムThe Wake。

GENESIS影響下のポンプ・ロック勢の例に漏れず、このIQもピーター・ニコルズ(Vo)のピーター・ゲイブリエルをよりデフォルメしたような歌唱とマーティン・オフォード(Key)のシンセ・ストリングスを中心としたシンフォニックなアンサンブルが特徴。
ハイトーンに付いていけず”しゃくる”ような歌唱になってしまう#1のように少々辛い部分もあるピーター・ニコルズですが、アイデンティティ確立の過程での試行錯誤の1ページということでしょうか。

軽快な5拍子に乗ってシンセ・ストリングスとクリーンなアルペジオがリードする#1。中間部では7拍子にシフト・チェンジしてテーマ・メロディをギターやシンセでアレンジして聴かせる等、定番の手法ながら考え抜かれた構成が見事です。
ミステリアスなシンセのリフレインからドッシリしたビートで堂々としたアンサンブルを展開する#2。80年代らしく、キャチーなテイストも織り交ぜています。
序曲的な#2の余韻に繋げたシンセのぶ厚いイントロから軽快な7拍子、まろやかなフレットレス・ベースがたゆたう歌唱パート、とめまぐるしく展開する#3。サビでは#2のメロディが再登場し関連性を持たせ、スペイシーなギターのシンフォニックなソロでフェイドアウト。
スティール・ドラムのような音色のシンセとエレクトリック・シタールをフィーチャーした無国籍風エキゾチックな#4。
クリーン・ギターの7拍子アルペジオに絡むムード抜群のフルート系シンセとぶ厚いパッド系シンセが織り成す翳りある冒頭から、シンフォニックかつスリリングに発展する9分超の#5。希望的な歌メロを補完するパワフルなドラムが楽曲のダイナミクスを増強しています。
ギターの軽快なカッティングとシンセ・ストリングスがリードするキャッチーなボーカル・ナンバー#6。単にポップに終わるのではなく、少々捻ったインスト・パートを挿入するセンスも素晴らしいです。
ラストを飾る#7は伝統的英国叙情を漂わせた静かな冒頭から、ヘヴィなビートに乗せたスケール練習のようなGENESIS風シンセ・ソロとギター・ソロに続き、#1のモチーフを長3度メジャー版にしたフレーズが登場、アルバムとしての統一感を醸し出しています。ラストのフォークロア風味を感じさせるギターのリフレインも良い感じ。

自然に聴かせる変拍子やここぞという場面でのキメ・フレーズなど、テクニックに走らずメロディとアンサンブルを大切にした等身大のシンフォニック・ロックが好感度高し。彼らのクラシックとも評される1枚です。

Track List

1. Outer Limits
2. The Wake
3. The Magic Roundabout
4. Corners
5. Widow's Peak
6. The Thousand Days
7. Headlong

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MARILLION / Misplaced Childhood

1985,UK

MARILLIONの1985年3rdアルバムMisplaced Childhood。

各曲が時に組曲形式を取りつつも隙間無く紡がれていき、ラストはポジティブな印象で大団円を迎えるコンセプト・アルバム。自然な変拍子やテクニックに走る事の無いあくまでも楽曲重視のアレンジが、フィッシュ(vo)のストーリーテリングぶりとスティーブ・ロザリー(G)の叙情的なプレイを際立たせ、独自のシンフォニックな世界を醸成してます。手法としては良く引き合いに出されるGENESISよりもCAMEL寄りと言えるかもしれません。切れ目無く曲が続く構成は随所にキャッチーなフックと絶妙な場面転換が用意されており、アルバム通して一気に聴けます。中弛みや延々と空虚な繰り返しパートで茶を濁す凡百のバンドが陥りがちな安易な作りとは無縁の高品質な作風で名声を確立した代表作。スティーブ・ロザリーのディレイを微妙にかけたギター・サウンドが透明感抜群で適度な湿り気を保ちつつも抜けが良く、アルバム全体の印象をもクリアなものに高めてます。

Track List

1.Pseudo Silk Kimono
2.Kayleigh
3.Lavender
4.Bitter Suite:
I. Brief Encounter,
II. Lost Weekend,
III. Blue Angel
5.Heart Of Lothian:
I. Wide Boy,
II. Curtain Call
6.Waterhole (Expresso Bongo)
7.Lords Of The Backstage
8.Blind Curve:
I. Vocal Under A Bloodlight,
II. Passing Strangers,
III. Mylo,
IV. Perimeter Walk,
V. Threshold
9.Childhoods End?
10.White Feather

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EMERSON LAKE & POWELL / Emerson, Lake & Powell

1986,UK

ELP再結成を断ったASIAで成功したカール・パーマーに代わり、イニシャルが同じPのコージー・パウエル(Dr)を起用した、EMERSON, LAKE & POWELLの1986年唯一作。

時代を反映してキース・エマーソン(Key)のメイン楽器はシンセですが、勇壮なファンファーレを聴かせる#1,#3,#4では程良いブ厚さのサウンドが良い感じで、そのキャッチーなメロディの良さも相まって、ここ日本では長年スポーツやドキュメンタリー系のシリアスなTV番組にはもってこいのBGMとして重宝され続けています。プログレやロックに興味無い人でも#4のテーマ・メロディは絶対どこかで聴いた事があるはずです。多彩なシンセ・サウンドを操る#5、アコピとエレピで洒落たジャジーなプレイを聴かせる#6、ホルストの「惑星」から火星を取り上げた#8など、昔ほどの派手さはありませんが、さすがのセンスを発揮しています。#3のような格調高いアンセム風ナンバーからバラードの#7まで、幅広いテイストの楽曲をグレッグ・レイク(B/Vo)が抜群の表現力で歌い飽きさせません。又、注目のコージーはハード・ロック系バンドの時のような熱い躍動感は無いものの、ドッシリしたビートでスケールの大きなサウンドを支え、バンドの威厳を保ってます。ASIAやYESの成功に刺激されてのバンド結成だったんでしょうが、セールス的には振るわず、バンドはツアー後に解散してしまいます。時代を超えた普遍性を持ったメロディとサウンドが、なかなか良い。

Track List

1. The Score
2. Learning to Fly
3. The Miracle
4. Touch and Go
5. Love Blind
6. Step Aside
7. Lay Down Your Guns
8. Mars, the Bringer of War

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カテゴリー: EMERSON LAKE & POWELL

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PAGENT / 螺鈿幻想

1986,JAPAN

元フロマージュのギタリスト中嶋一晃(夜来香~浪漫座)のバンドPAGENTの1986年1st。

新宿ガーデン・シェッドの店長もコーラスで参加してます。GENESISからの影響か、音像と共に独特の歌詞世界がすごいです。永井博子(後に大木理沙/Vo)の歌唱力・表現力が抜群。後に歌唱パートがリメイクされる世紀の名曲#2ヴェクサシオンの歌唱に怜悧な凄みを感じます。

Track List

1. 螺鈿幻想
2. ヴェクサシオン
3. 木霊(こだま)
4. 人形地獄
5. 夜笑う
6. セルロイドの空
7. エピローグ

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PAGENT / 仮面の笑顔

1987,JAPAN

「人形地獄」、ポップな「真夏の夜の夢」、歌唱パートをリメイクした「ヴェクサシオン」、ジャジーな「仮面の笑顔」、カッコ良い「奈落の舞踏会」、「蜘蛛の館」の6曲を収録したミニ・アルバム。「ヴェクサシオン」はこっちのバージョンが好きです。

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VERMILION SANDS / Water Blue

1987,JAPAN

RENAISSANCEやSOLSTICEの影響を感じさせる、女性ボーカルをフィーチュアした日本のプログレッシブ・ロック・バンドVERMILION SANDSの唯一作。

トラッドをアレンジした荒涼としたムードがオープニングにぴったりなワクワク感をもたらす#1。本家もお得意なリディアン・モードの神秘的な歌メロに変拍子、アコギ、マンドリン等アコースティック楽器に太いアナログ・シンセ、ピアノも総動員して先人達のコピーに止まらない独自のオーガニックでシンフォニックな世界を構築した大作#2。叙情的なエレクトリック・フォーク#3。透明感あるスキャットによる伸びやかなパートとヴァイオリンやベースがユニゾンでスリリングなアンサンブルを聴かせるインスト・パートを持つ#4。日本語詩を活かした叙情的なムードに、フレットレス・ベースのまろやかなソロが印象的な#5。軽快で高揚感に溢れる#6。清楚なボーカルがシンセ・ストリングスの海をたゆたう#7。等々、珠玉の楽曲群で蝋山陽子(Vo)のソプラノ・ヴォイスが時に優しく、時に神秘的な美声を聴かせます。

Track List

1. My Lagan Love
2. 時の灰(Ashes of the Time)
3. In Your Mind
4. Coral D~The Cloud Sculptors
5. 北本
6. Living in the Shiny Days
7. The Poet

VERMILION SANDS / Water Blue のレビューを見る

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