YES / 90125
1983,UK
英国のプログレッシブ・ロック・バンドYESの11thアルバム90125。
THE BUGGLESの2人を加入させて名盤Dramaを制作し危機を乗り越えたYESですが、ツアーでは不評だったようで解散状態に。
ところが、クリス・スクワイア(B)、アラン・ホワイト(Dr)がトレーヴァー・ラビン(G)と始めたバンドCINEMAに、3rdアルバムまで在籍していたトニー・ケイ(Key)、そしてジョン・アンダーソン(Vo)が加わりおそらくビジネス的思惑も絡んで新生YESが誕生。
トレヴァー・ホーンのプロデュースで制作されたアルバムは、#1のシングル・ヒットもあり大成功。トレヴァー・ホーンは見事にリベンジを果たす事に成功しました。
時代を席巻した#1や#6の鮮烈なオーケストラ・ヒットは、世の中の一歩先を行くという意味ではプログレッシブとも言えるものの、全体的には往年のシンフォニックなプログレとも、Dramaのニューウェイブ感覚を取り入れたポップなプログレとも違う、アーミングやピッキング・ハーモニクスなど派手なギターがリードするハード・ポップにサウンドは変化。
昔は地味なオルガンのバッキングを聴かせていたトニー・ケイも、プレイは相変わらず地味ながらキラキラした80年代風シンセ・サウンドでアンサンブルの一部に溶け込み、才気溢れるトレヴァー・ラビンの多彩なプレイとキャッチーなメロディをお馴染みの無垢な声で歌うジョン・アンダーソンをフォローしています。
そんな中、トリッキーな変拍子イントロから叙情ポップなボーカル・パートへ予測不能の展開を見せる#4、スペイシーでスリリングなインストゥルメンタル#5、ドラマティックな#9あたりに何となくYESっぽさを感じさせる所がおもしろいですね。
Track List
1. Owner of a Lonely Heart
2. Hold On
3. It Can Happen
4. Changes
5. Cinema
6. Leave It
7. Our Song
8. City of Love
9. Hearts