YES のレビュー

YES / The Yes Album

1971,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドYESの1971年3rdアルバムThe Yes Album。

本作よりスティーヴ・ハウ(G)が加入。早速、バッキング、オブリガード、ソロと縦横無尽にカラフルなプレイを披露。メンバーもそんな彼の才能に敬意を表してか、ライブ・レコーディングによるアコギのソロ#2を収録。これが又、クラシック、カントリー、スパニッシュ、ブルーズなど様々な影響を融合した、「これだけ弾けたらさぞ楽しいだろうな」、と感じさせる素晴らしい演奏で奏でられた軽快なインストゥルメンタルに仕上がってます。
クリス・スクワイヤ(B)とビル・ブラフォード(Dr)の叩き出すドライブ感抜群のビートに、スティーヴ・ハウによる華麗なギターのオブリガードが舞う#1。
アコギの見事なバッキング・パートに乗る美しいコーラス・パート、エレキのカッティング・リフをベースにした思索的インストパートなど、スティーヴ・ハウのギターが舵を取る組曲形式の#3。
アコギと素朴なリコーダーに美しい多層コーラスが乗る序盤とリズミックなシャッフルのロックン・ロールの後半の2部構成の組曲#4。
少々サイケなムードの中に英国っぽい妖しいヒネリが加わったポップな小品#5。
緊張感あるリフとゆったりした歌唱・アンサンブル・パートが繰り返す中に、突如シンセとベースのユニゾン・リフが登場しカオスなインスト・パートに発展するスリルを持ち込んだ#6。

組曲形式の楽曲構成に後の緻密なアンサンブルによる長大なシンフォニック・ロックの萌芽も読み取れますが、全体的には牧歌的なムードも漂わせる箇所も多々存在する、プログレ風味のポップ・ロックといったテイスト。
本作がラストとなるトニー・ケイ(Key)もオルガンやピアノ中心にシンセも操り奮闘してはいますが、楽曲に彩を加えるスティーヴ・ハウの派手なプレイと比較するとバンド・サウンドの中に埋もれている印象。
バンドが楽曲の組曲・長尺化によって目指すスケール感を表現する上では役不足かも。脱退も止む無しといったところでしょうか。

Track List

1. Yours Is No Disgrace
2. The Clap
3. Starship Trooper
i)Life Seeker
ii)Disillusion
iii)Wurm
4. I've Seen All Good People
i)Your Move
ii)All Good People
5. A Venture
6. Perpetual Change

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カテゴリー: YES

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