IQ のレビュー

IQ / The Wake

1985,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドIQの1985年2ndアルバムThe Wake。

GENESIS影響下のポンプ・ロック勢の例に漏れず、このIQもピーター・ニコルズ(Vo)のピーター・ゲイブリエルをよりデフォルメしたような歌唱とマーティン・オフォード(Key)のシンセ・ストリングスを中心としたシンフォニックなアンサンブルが特徴。
ハイトーンに付いていけず”しゃくる”ような歌唱になってしまう#1のように少々辛い部分もあるピーター・ニコルズですが、アイデンティティ確立の過程での試行錯誤の1ページということでしょうか。

軽快な5拍子に乗ってシンセ・ストリングスとクリーンなアルペジオがリードする#1。中間部では7拍子にシフト・チェンジしてテーマ・メロディをギターやシンセでアレンジして聴かせる等、定番の手法ながら考え抜かれた構成が見事です。
ミステリアスなシンセのリフレインからドッシリしたビートで堂々としたアンサンブルを展開する#2。80年代らしく、キャチーなテイストも織り交ぜています。
序曲的な#2の余韻に繋げたシンセのぶ厚いイントロから軽快な7拍子、まろやかなフレットレス・ベースがたゆたう歌唱パート、とめまぐるしく展開する#3。サビでは#2のメロディが再登場し関連性を持たせ、スペイシーなギターのシンフォニックなソロでフェイドアウト。
スティール・ドラムのような音色のシンセとエレクトリック・シタールをフィーチャーした無国籍風エキゾチックな#4。
クリーン・ギターの7拍子アルペジオに絡むムード抜群のフルート系シンセとぶ厚いパッド系シンセが織り成す翳りある冒頭から、シンフォニックかつスリリングに発展する9分超の#5。希望的な歌メロを補完するパワフルなドラムが楽曲のダイナミクスを増強しています。
ギターの軽快なカッティングとシンセ・ストリングスがリードするキャッチーなボーカル・ナンバー#6。単にポップに終わるのではなく、少々捻ったインスト・パートを挿入するセンスも素晴らしいです。
ラストを飾る#7は伝統的英国叙情を漂わせた静かな冒頭から、ヘヴィなビートに乗せたスケール練習のようなGENESIS風シンセ・ソロとギター・ソロに続き、#1のモチーフを長3度メジャー版にしたフレーズが登場、アルバムとしての統一感を醸し出しています。ラストのフォークロア風味を感じさせるギターのリフレインも良い感じ。

自然に聴かせる変拍子やここぞという場面でのキメ・フレーズなど、テクニックに走らずメロディとアンサンブルを大切にした等身大のシンフォニック・ロックが好感度高し。彼らのクラシックとも評される1枚です。

Track List

1. Outer Limits
2. The Wake
3. The Magic Roundabout
4. Corners
5. Widow's Peak
6. The Thousand Days
7. Headlong

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カテゴリー: IQ

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