IQ のレビュー

IQ / Resistance

2019,UK

英国の重鎮ポンプ・バンドIQの2019年作Resistance。

ズッシリしたリフに乗せた緊張感あるパートからシンセが唸りを上げるサビで一気にシンフォニックなカタルシスを味わえる#1。
内省的な序盤から次第にヘヴィかつスペイシーな広がりへと展開するシリアスな#2。
霧のような白玉シンセにピアノやアコギのアルペジオで繊細なムードを演出する前半から、リズム隊も加わり重厚なシンフォに移行する#3。
厚いシンセのサウンドスケープにエキゾチックな管楽器風のアクセントを加えたミステリアスな前半とギターとヴォーカルをフィーチュアした後半からなる#4。
メロトロンの雲の上に切々とした歌唱が乗るシンフォ・バラード#5。
パッド系シンセとまろやかなベースをバックにしたマイルドなナンバー#6。
どこか郷愁をそそりながらユーモラスでもある足踏みオルガン風のサウンドと幽玄なアレンジが浮遊感を演出する序盤、起承転結を持つギター・ソロをフィーチュアしテンポを上げた中盤を経て、解放感とポジティブなムードに包まれた終盤へと展開する15分超えの#7。
シンセと手数の多いドラムがリードする変拍子リフレインを軸にその変奏や緊張と緩和による緩急で21分超えをドラマティックに描く#8。
エモーショナルなギター・ソロを配したバラード#9。
攻撃的なオルガンと抑制されたギターが対比する#10。
浮遊するシンセをバックにしたドリーミーなバラード、スリリングなバンドの器楽パート、スペイシーなシンフォパート等からなる#11。

スロー~ミディアム・テンポの曲調にシンセの白玉アレンジが多く、アルバム全体に統一した抒情的ムードはあるものの、楽曲ごとの強烈な個性に欠ける印象。そんな中、ズ太いトーンと派手なポルタメントで楽曲に印象的なフックをもたらすIQ加入後2作目となるニール・デュラント(Key)がアレンジ面で気を吐き、ピーター・ニコルズ(Vo)の耳馴染みの良い歌唱で長尺かつ重厚な楽曲群を聴かせきってしまう大御所の貫禄。

Track List

Disc1
1. A Missile
2. Rise
3. Stay Down
4. Alampandria
5. Shallow Bay
6. If Anything
7. For Another Lifetime

Disc2
1. The Great Spirit Way
2. Fire And Security
3. Perfect Space
4. Fallout

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