プログレ のレビュー

KING CRIMSON / In the Wake of Poseidon

1970,UK

KING CRIMSONの1970年2ndアルバム In the Wake of Poseidon。

マルチ・プレイヤーで音楽的イニシアチブをロバート・フリップ(G)と分け合っていたイアン・マクドナルドが脱退し、新たにメル・コリンズ(Sax/Fl)、キース・ティペット(Pf)、ゴードン・ハスケル(Vo=#3の歌唱)が参加。

前作の延長上の方向性でアルバム・タイトルやヘヴィな#2、メロトロンをフィーチュアした#4など楽曲構成が1stと対を成している所も。
しかし叙情性という部分では、静謐なフォーク#1,#3,#5,#8やメロトロンの洪水サウンドがクリアになった#4のように難解なインプロビゼーションを配し、分かりやすくすっきりした作風で楽曲ごとの焦点が絞り込まれた事が奏功しています。
#6ではポップ・ソングをベースにキースのジャジーなピアノを盛り込み、#7ではホルストの火星をアレンジするなど新機軸も見せています。
メンバーが流動的な状態で制作された事で、収録各楽曲のテイストがバリエーション豊かに拡散してしまっている所を#1,#5.#8の三部作が上手に配置され、アルバムとしての統一感をギリギリでキープしています。

Track List

1. Peace-A Beginning
2. Pictures of a City/42nd at Treadmill
3. Cadence and Cascade
4. In the Wake of Poseidon/Libra's Theme
5. Peace - A Theme
6. Cat Food
7. Devil's Triangle: Merday Morn/Hand of Sceiron/Garden of Worm
8. Peace - An End

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KING CRIMSON / Lizard

1970,UK

KING CRIMSONの1970年3rdアルバム Lizard。

メンバーの相次ぐ脱退でロバート・フリップ(G)とピート・シンフィールド(Word)の2人だけになってしまったKING CRIMSONはメル・コリンズ(Sax/Fl)、ゴードン・ハスケル(Vo/B)、アンディ・マカロク(Dr)を新メンバーに迎えてアルバムを制作。準メンバーのキース・ティペット(Pf)や管楽器奏者ゲスト陣が、整然と構築された楽曲群に彩りを加えています。

アコギのアルペジオをバックに静かな叙情を湛えた歌唱パートとメロトロンによる不穏なリフがリードする混沌パートの対比が印象的な#1。
アンディ・マカロクの小刻みなビートと管楽器のインプロビゼーションがジャジーな#2。
キース・ティペットがアバンギャルドなフレーズを織り込み、他のパートもアドリブ的に好き放題やりつつも、整合感を保持する#3。
フルートが瑞々しい美しさを醸成する静かな歌物小品#4。
YESのジョン・アンダーソンが参加、序盤で美しい詩情に溢れた歌唱を披露した組曲#5。中間部では静かなボレロのリズムに乗ったメロディアスなインスト・パートでエキゾチックなムードを織り交ぜつつ展開。後半は、メロトロンの奏でるダークなメロディを皮切りにブラスセクションのヘヴィなリフをバックに管やピアノの混沌としたフリー・インプロビゼーションも登場。

アルバム通して整理された叙情とカオスなインプロビゼーションが融合し、静謐なヨーロピアン・テイスト薫る1枚となりました。

Track List

1. Cirkus
Including Entry of the Chameleons
2. Indoor Games
3. Happy Family
4. Lady of the Dancing Water
5. Lizard
i)Prince Rupert Awakes
ii)Bolero: The Peacock's Tale
iii)The Battle of Glass Tears
including Dawn Song,Last Skirmish,Peince Rupert's Lament
iv)Big Top

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PINK FLOYD / Atom Heart Mother

1970,UK

PINK FLOYDの5thアルバムAtom Heart Mother。

バンドのオルガンやスライド・ギターが、管楽器を中心とするオケや混声コーラスに溶け込み、あるいは場面ごとに交互に見せ場を担当することで23分超を紡ぎあげた#1。オーケストラといっても各パートがフルに演奏している訳ではなくシンプルにアレンジされた結果、あくまでもロック・ミュージックとしてのPINK FLOYDの音楽として成立。ブルージーなバンド主体の演奏が次第にシンフォニックに移行していく様子やSEを織り交ぜた前衛的なパートなど、ロックとオーケストラの単純な融合に止まらない意欲と冒険に満ちている。オケのアレンジを担当したという現代音楽家ロン・ギーシンのバンドの意図を汲んだ仕事ぶりが光る。
ロジャー・ウォーターズ(B)による牧歌的なムードに内包された内省的な弾き語りフォーク#2。
サイケの薫り漂う緩めのフォークに、ブラス・セクションで印象的なフックを付加したリック・ライト(Key)作の#3。
デイヴ・ギルモア(G)作のレイドバックしたラブソング#4。
朝食の風景のSEにピアノやアコギの端正な演奏を軸にした音楽を挿入した#5は、実験的でいながらポップな親しみやすさも併せ持っている。

ヒプノシスが担当したジャケット・アートや邦題「原始心母」のインパクトとも相まって、プログレの代表作として永遠に語り継がれるであろう作品。

Track List

1. Atom Heart Mother
I. Father's Shout
II. Breast Milky
III. Mother Fore
IV. Funky Dung
V. Mind Your Throats Please
VI. Remergence
2. If
3. Summer '68
4. Fat Old Sun
5. Alan's Psychedelic Breakfast

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カテゴリー: PINK FLOYD

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PRETTY THINGS / Parachute

1970,UK

ヒプノシスによるジャケットが美しい英国サイケデリック・ポップバンドPRETTY THINGSの5thアルバムParachute。

ブリティッシュ・ビートをベースに、メロトロンや美しいコーラス・ハーモニーを効果的に使って幅広い曲想をカバーしてます。ドラマティックに紡がれるメドレー形式の#4~#6、ギターとベースのユニゾン・リフにサビのメロディがカッコ良い#7、黒っぽいグルーヴにファズ・ギターのリフがクールな#8、哀愁を感じさせるムーディな#9、シャープナインスのリフがこれまたクールな#10、サビがキャッチーな#11、アルバムを締めくくるカラフルなバラード#13等々全曲穴無し。

Track List

1. Scene One
2. Good Mr. Square
3. She Was Tall, She Was High
4. In the Square
5. Letter
6. Rain
7. Miss Fay Regrets
8. Cries from the Midnight Circus
9. Grass
10. Sickle Clowns
11. She's a Lover
12. What's the Use
13. Parachute

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QUATERMASS / Quatermass

1970,UK

DEEP PURPLEを脱退したリッチー・ブラックモアがRAINBOWのデビュー・アルバムで#2をカヴァーした事でおなじみ、オルガンを中心にした英国の3ピース・バンドQUATERMASSの1970年唯一作。

クリーンからヘヴィなディストーションまで変幻自在のハモンドが縦横無尽に暴れまくるジャズ・ロック風味のハード・ロックを展開。例えば、有名なBlack Sheep of the Familyはブルドーザーのようなオルガンがグイグイ引っ張る、RAINBOWバージョンよりも数段ヘヴィなハード・ロックだったりする。10分超の#8ではストリングスもまじえたプログレッシヴでスリリングな展開も見せる。何でもありだった時代の濃密な空気が味わえる1枚です。

Track List

1. Entropy
2. Black Sheep of the Family
3. Post War Saturday Echo
4. Good Lord Knows
5. Up on the Ground
6. Gemini
7. Make up Your Mind
8. Laughin Tackle
9. Entropy

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SOFT MACHINE / Third

1970,UK

SOFT MACHINEの1970年3rdアルバムThird。

アナログ時代はディスク2枚での4曲構成で歌入りは#3のみ。基本の3人にホーンセクションを加え、ジャズ風味もあるサイケでカラフルなロックだった前作から硬派なジャズ路線に進化してます。
とはいえ#1では、ホーンがテーマのメロディをクールに構築する傍ら、ソロタイムではマイク・ラトリッジのファズ・オルガンがこれでもかとシングル・ノートの反復フレーズを叩きつける所に熱いロックな息吹も感じられます。
全編シリアスでジャジーな印象なので堅苦しさすら覚えそうな所ですが、前作までの流れを継承したメロディアスでサイケPOPなヴォーカル曲#3の存在がナイスな気分転換となってます。
別の日のライブを繋げた#1やテープの逆回転エフェクトを駆使した#4にスタジオ・ワークとしてアルバム制作を捉えた実験的な姿勢が感じられます。ミニマルで浮遊感のある無機的な逆回転と、その後の7拍子パートでのオーガニックに爆発するインプロビゼーションとの対比が効果的なんですよね。

Track List

1.Facelift
2.Slightly All the Time
3.Moon in June
4.Out-Bloody-Rageous

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T2 / It’ll All Work Out in Boomland

1970,UK

英国の3人組ハード・ロック・バンドT2の1970年唯一作。

キース・クロス(G/Key)のナチュラルにほど良く歪んだ轟音ギター・サウンドが爽快です。細かい反復フレーズでの多少の荒さも、勢いで聴かせてしまうパワーが眩しい。メロトロンがうっすらと立ち込める#2や#3、#4に見られる静寂パートのフォークっぽいタッチが、叩きまくるドラムと暴虐エレキ・ギターからなるハードなパートと絶妙の対比を見せ、ハード・ロックながら、あまりそのルーツたるブルーズ色を感じさせない独自の方法論でヘヴィなロックをやってます。 #1と#3が8分超で#4は何と21分超の超大作という規格外のアルバム構成が、実験精神に溢れた良き時代を象徴。意外とメロディアスなフォーク由来のハーモニーや、サウンドの隙間を埋めるベース・ライン等々聴き所が盛り沢山です。

Track List

1. In Circles
2. J.L.T.
3. No More White Horses
4. Morning

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カテゴリー: T2

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TRAPEZE / Trapeze

1970,UK

MOODY BLUESが設立したスレッショルド・レーベルからデビューしたブリティッシュ・ロック・バンドTRAPEZEの1st。

パワフルにロックしつつもキレのあるフィルインがカッコ良いドラミングが楽しめる#2。サイケ風に甘いコーラス・パートを持つ#3。フォーク・タッチのカラフルなPOPを聴かせる#4、#6。クラシカルなヒネリの効いたキャッチーなオルガン・フレーズが印象的なロックン・ロールにジャジーなピアノ・ソロ~フルート、アコギ、ピアノによる静かなパートを挿入したプログレシッブな組曲の#5。エキゾチックで神秘的なムードを漂わせた#7。ファンキーなグルーヴを持ったサイケ・ロック#8。ビート・ロック風リフがリードする#9。アコギとオルガンがメランコリックなムードを湛えた序盤からメジャーなサビへのドラマティックな展開が巧みな#10。MOODY BLUESばりのシンフォニック路線な#11。などなど、ファンタジックなジャケット・アートの印象そのままにメロディアスでキャッチーなブリティッシュ・ロックを展開しており、後にDEEP PURPLEに加入するグレン・ヒューズ(B/Vo)、WHITESNAKEに加入するメル・ギャレー(G)、JUDAS PRIESTに加入するデイブ・ホーランド(Dr)が在籍していたのが信じられない程ですがクオリティは高いです。お伽噺のBGMのようにかわいらしいジングル風の#1と#12を最初と最後に配したアルバム構成も、ストーリー性を感じさせるニクイ演出です。又、グレン・ヒューズの声量あるダイナミック・レンジの広い歌唱が、様々なテイストの各楽曲で多彩な表情を見せています。

Track List

1. It's Only a Dream
2. Giant's Dead Hoorah
3. Over
4. Nancy Gray
5. Fairytale/Verily Verily/Fairytale
6. It's My Life
7. Am I
8. Suicide
9. Wings
10. Another Day
11. Send Me No More Letters
12. It's Only a Dream

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カテゴリー: TRAPEZE

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VAN DER GRAAF GENERATOR / H to He Who Am the Only One

1970,UK

ピーター・ハミルによる人間の内面を深く抉る独特の歌詞世界をオルガンとSAXを中心としたバンド・アンサンブルで包み込むように表現したVAN DER GRAAF GENERATORの3rd。

あくまでもボーカルが軸でありながらも、インストパートでは時に狂気を孕んだかのようなフレーズを聴かせるデヴィッド・ジャクソンのSAXやフルートがサウンドの主要なキャラクターを担っています。英国的な翳りのある#2,#3での叙情とアグレッションの見事な場面転換もこの人のSAXとフルートが主導し、他に類を見ない独特のブリティッシュ・ロックを構築。その孤高性に賛同したのか、KING CRIMSONのロバート・フリップがゲスト参加。#3中間部で硬質かつクールなフレーズを決めてます。12分超えの#5でもSAXが大活躍。アバンギャルドな中間部ソロとボーカル部バックでの熱病にうなされているかのようなフレーズがトリップ感抜群でハマります。一般的にプログレッシブ・ロックの範疇で語られるバンドですが、その音楽性は型通りのプログレとは一線を画す非常にユニークなものです。

Track List

1. Killer
2. House With No Door
3. Emperor In His War-room
4. Lost
5. Pioneers Over C

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カテゴリー: VAN DER GRAAF GENERATOR

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AUDIENCE / The House on the Hill

1971,UK

英国の4人組プログレッシブ・フォーク・ロックバンド AUDIENCEの1971年3rdアルバムThe House on the Hill。

アコギの繊細なアルペジオやコード・カッティングにキース・ゲメル(Sax etc)のテナー・サックス/クラリネット/フルートがアクセントとして加わるバッキングに、ほど良くリラックスした感じの歌メロが乗る独特のサウンド。
オープニングの#1から木管を操るキースのプレイが既に全開。ゆったりした序盤から3連パート、テンポアップしたエキサイティングなソロ・パートと目まぐるしく展開する中で7分超の長尺を感じさせないくらい随所に大活躍しております。
アコギの素晴らしいフィンガー・ピッキングに、ゲストのストリングス・セクションが初めはうっすらと霧のように、終盤は激しく絡むドラマティックな展開を見せる#4。
黒人ブルーズ・シンガー スクリーミング・ジェイ・ホーキンスのカヴァーをアコギやフルート、ヴィブラフォンを使用し寂寥感あるフォーク・ロックに仕上げた#7
。フルートのインプロビゼーション、ドラム・ソロ、テープ・エコーを掛けたサックス・ソロをフィーチャーしジャズ・ロック風に迫る#8。
等々、ほぼ鍵盤無しの限られた編成でいながら、起伏あるアレンジでアルバムをバラエティ豊かに演出しています。
ジャケット・アートはヒプノシス。

Track List

1. Jackdaw
2. You're Not Smiling
3. I Had a Dream
4. Raviole
5. Nancy
6. Eye to Eye
7. I Put a Spell on You
8. House on the Hill
9. Indian Summer

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カテゴリー: AUDIENCE

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BIG SLEEP / Bluebell Wood

1971,UK

英国ビート・ポップ・バンドEYES OF BLUEのメンバーによる変名バンドBLUEBELL WOODの1971年唯一作。

メランコリックなムードのフォークやサイケをベースに一部ヴォーカル・メロディにブルーズの節回しも登場したりと、掴み所の無い良い意味での節操の無さが70年代初頭の英国ロックを体現しているアルバム。気品を感じさせるピアノのサウンドとフレージングが拡散しがちな各曲のイメージをBIG SLEEPという名の下に収束させている感じです。ゲストプレーヤーの演奏による#1のストリングスや#6のフルート、サックス等のカラフルな装飾も効果的で、不気味なジャケットとは正反対の端正で瑞々しい音楽が奏でられています。場末の酒場を彷彿させるホンキートンクなR&Rで唐突にエンディングを迎えるラスト#8の意外性も英国的なヒネリなんでしょうか。

Track List

1.Death Of A Hope
2.Odd Song
3.Free Life
4.Aunty James
5.Saint And Sceptic
6.Bluebell Wood
7.Watching Love Grow
8.When The Sun Was Out

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カテゴリー: BIG SLEEP

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CARAVAN / In the Land of Grey and Pink

1971,UK

カンタベリーの至宝CARAVANの1971年3rdアルバムIn the Land of Grey and Pink。

朴訥とした男性Voと少々ひねくれつつも牧歌的なサイケ&フォークでなごませつつ、単音ファズ・オルガンが強烈な個性を放っています。
リリカルなアコギで始まり怒涛のオルガン・ソロを含む7分超の#2や名曲と名高い22分超の#5では歪み以外にも通常のトーン、ワウをかませたようなトーン等オルガンだけでも何音色も使い分けて若干ジャズ・テイストな長尺曲のインプロビゼーションをスリリングに且つ一気に聴かせます。
アルバム全編通して程良くマイルドに仕上がった音像なのでゆったり寛いで聴くのにちょうど良い感じですね。タイトル通りのジャケも良いです。

Track List

1. Golf Girl
2. Winter Wine
3. Love to Love You (And Tonight Pigs Will Fly)
4. In the Land of Grey and Pink
5. Nine Feet Undergroud

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カテゴリー: CARAVAN

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CIRKUS / One

1971,UK

英国プログレ CIRKUSの1971年1stアルバムOne。

割とキャッチー且つベタなマイナー・メロディをフィーチャーしたコンパクトな楽曲に、ELECTRIC LIGHT ORCHESTRAのようなオーケストレーションを施しドラマティックに迫るハード・ロック。
オルガンを中心とした鍵盤がバッキングに徹しており、派手なフレージングが一切無い為プログレ度は低目ですが、時折アコギやメロトロンを交えた静かな英国的叙情を見せたりと、実は芸が細かいです。
しっかりと歌えるヴォーカリストによる一般受けしそうな平易な歌メロとバンドによる丁寧なアンサンブルやアレンジにPOPなフィールドでの成功を狙った節も感じられますが、リリースがインディ・レーベルだった為かメインストリームに上り詰める事はありませんでした。それでも、今だに英国ロックの懐の深さを感じさせる名盤としてはずせない1枚です。

Track List

1.You Are
2.Seasons
3.April '73
4.Song For Tavish
5.A Prayer
6.Brotherly Love
7.Those Were The Days
8.Jenny
9.Title Track
ⅰ. Breach
ⅱ. Ad Infinitum

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カテゴリー: CIRKUS

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CRESSIDA / Asylum

1971,UK

キーフによるジャケット・アートで有名な、ジャズ風味を仄かに漂わせた英国プログレッシブ・ロック・バンドCRESSIDAの2ndアルバムAsylum。

歌モノではあるが、間奏でのオルガンを中心としたインプロビゼーションは聴き応えがあります。
オーケストラを導入し冷ややかな質感のストリングスが染み入る叙情大作#2では、緩急を自在に織り交ぜた楽曲構成力を発揮し9分超の長尺を飽きさせません。
11分超の#8は控え目なオーケストレーションがジャジーな歌唱パートをセンス良くデコレーションする叙情と、オルガンによる熱いインプロビゼーションの情熱が融合した傑作。

#2,#8以外は3~5分程度のコンパクトな尺ながら、適度にPOPな歌パートに対しマイルドな音色で流麗なプレイを聴かせるオルガンによるソロ・パートが良いアクセントとなっています。

Track List

1. Asylum
2. Munich
3. Goodbye Post Office Tower Goodbye
4. Survivor
5. Reprieved
6. Lisa
7. Summer Weekend of a Lifetime
8. Let Them Come When They Will

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CURVED AIR / Second Album

1971,UK

CURVED AIRの2ndアルバム Second Album。

ダリル・ウェイ(Vln)のヴァイオリンやスペイシーなシンセが幻想的なムードを醸し出す壮大な#1。
ソーニャ・クリスティーナ(Vo)の歌唱が割りと一本調子ながら、アレンジによってアンニュイなAメロとカラフルなサビにムードが変化するのがおもしろい#2。
ピアノとストリングスのみをバックにソーニャが歌う優雅でシンフォニックなバラード#3。
ピアノと歪んだギターのユニゾン・リフがリードする#4。ブルーズ・ロック風な中、転調して登場するペンタトニックにモーダルなフレージングを交えたギター・ソロが意表を突く。
パーカッションの妖しいグルーヴ、端正なピアノ、深遠なメロトロンのストリングスが絡む、妖しくもファンタジックなバラード#5。終盤のスキャットが美しい。
ソーニャのセクシーな歌唱が活きたクールでスタイリッシュなナンバー#6。アレンジを牽引するダリル・ウェイのヴァイオリン、空間を埋めるロックなドラムのフィルもカッコ良い。
軽やかな3拍子が心地良い#7。チェンバロからの切り返し、ギターとヴァイオリンの掛け合いなどコンパクトながらフック満載。
ピアノ、ヴァイオリンを中心にした起伏あるアレンジで次々に場面転換していく演劇的なナンバー#8。映画のサウンドトラックのようにシンフォニックに響くストリングス・パート、スリリングなピアノ・ソロ、エスニックな場面や幻想的なシンセなど、12分超の長尺を飽くことなく聴かせます。

クラシカルな要素もある端正な気品と、ソーニャ・クリスティーナの持ち味である妖艶さが、意外に程よくブレンド。唯一無二の不思議なムードが病み付きになります。
ダリル・ウェイがA面(#1~#5)、フランシス・モンクマン(G/Key)がB面(#6~#8)で作曲のイニシアチブを取り、バラエティに富んだ各曲のキャラ立ちも良い感じ。

Track List

1. Young Mother
2. Back Street Luv
3. Jumbo
4. You Know
5. Puppets
6. Everydance
7. Bright Summer's Day
8. Piece Of Mind

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EMERSON LAKE & PALMER / Tarkus

1971,UK

ELPの1971年2nd。

何と言っても20分超のタイトル組曲#1が圧巻。ハモンドによる印象的な怒涛の5拍子リフが、架空の怪物タルカスがキャタピラで縦横無尽に暴れまわる姿を表現しきってます。一方、グレッグ・レイクのヴォーカルによる歌パートでは物語が抽象的に語られつつも、叙情性にホッと一息入れる余裕も聴き手に与える心遣いが嬉しいですね。Drのカール・パーマーは後のASIAでの醜態がウソのようにタイトなビートでタルカスの機関部となりバンドの推進力を高めてます。キーボード・トリオという構成でこれだけのドラマを構築されたらもう降参ですね。小品#2やタイトな演奏が聴ける#3でのホンキートンク調ピアノ、荘厳なオルガンに導かれる#4の後半でのクラシカルなピアノ等ピアノも素敵です。でもやっぱり#6のオルガンには血が沸き立ちますね。

Track List

1. Tarkus
Eruption
Stones of Years
Iconoclast
Mass
Manticore
Battlefield
Aquatarkus
2. Jeremy Bender
3. Bitches Crystal
4. The Only Way
5. Infinite Space
6. A Time and a Place
7. Are You Ready Eddy?

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EMERSON LAKE & PALMER / Pictures at an Exhibition

1971,UK

ELPの1971年3rd。

2ndアルバムTARKUSのレコーディング終了後にニュー・キャッスル・シティ・ホールにて収録されたムソルグスキーの「展覧会の絵」をモチーフにしたライブ。当初、TARKUSがリリースされたばかりとあって未発表音源となっていたが、ブートレグが出回ったためにその対抗策として正規盤でリリースされました。オリジナルのフレーズを発展させて、縦横無尽に弾き倒すキース・エマーソン(Key)のプレイが壮絶。テーマのPromenadeやブルージーなインプロビゼーションがスリリングな#6など、ハモンドの様々なトーンを中心に聴かせるのは勿論、フィルターでミュンミュンいわせた#2、ピッチをスムーズにコントロールした#4などNICE時代から取り入れていたモーグ・シンセサイザーをステージでも完璧に使いこなし世界中のミュージシャンに影響を与えました。又、グレッグ・レイク(B/Vo/G)のクリアな歌唱が効いていて、テーマを歌う#3では厳かに、ラストの#11では雄大にとサウンドのイメージを増幅。#4での見事なアコギ・ソロに叙情的な歌唱もハイライトのひとつとなっています。#12はアンコールの「くるみ割り人形」。キース・エマーソンのホンキートンク風ピアノが、カール・パーマー(Dr)の叩き出す走り気味のビートに乗って場内大興奮。

Track List

1. Promenade
2. The Gnome
3. Promenade
4. The Sage
5. The Old Castle
6. Blues Variation
7. Promenade
8. The Hut of Baba Yaga
9. The Curse of Baba Yaga
10. The Hut of Baba Yaga
11. The Great Gates of Kiev
12. Nutrocker

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FIELDS / Fields

1971,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドFIELDSの唯一作Fields。

元RARE BIRDのグレアム・フィールド(Key)、アラン・バリー(G/B/Vo)、アルバムLizardでプレイした元KING CRIMSONのアンディ・マカロック(Dr)からなる3人組。

レズリーを効かせたダーティなハモンド・オルガンが唸りを上げ、クラシカルなアルペジオに移行するELPタイプの#1。
アメリカナイズされた時期のSTRAWBSみたいなポップな#2。
ピアノのバッキングがリードする清楚な曲調に反してうねるレズリーとドタバタしたドラムが印象的なバラード#3。
トーキング・ドラムとモーダルなメロディを活かしたトライバルな序盤からキャッチーに展開する#4。
ゆったりとしたオルガンのロングトーンをフィーチュアした、どこか東洋的なテイストも感じさせるインストゥルメンタル#5。
緊張感あるオルガンのリフを中心に畳み掛けるインスト・パートの動、叙情メロディを含むボーカル・パートの静、と対照的なテイストを融合させたプログレッシブ・チューン#6。
レイドバックした#7。
アコギのアルペジオをバックにした田園風叙情フォークの小品#8。
オルガンと特にエレガントなピアノのトーンの存在でドロ臭くなく仕上がったブルーズ・ロックの#9。
クラシカルでドラマティックなオープニングから、アリア、もしくはPROCOL HARUMから拝借した下降フレーズが安直な印象を与えつつも、聴き応えのあるアレンジで予測不能な展開を見せるインストゥルンメンタル#10。

メインがオルガンで、しかもクラシカルなフレーズを織り込んで迫ってくるあたりはELPの影響大と言えそうですが、#2,#7などの独特なポップ・チューン、バンドというよりはソロっぽい#5,#8などの存在が音楽性の幅広さを物語ると同時に、アルバムの印象を散漫にしてしまっているきらいも。何でもありな70年代っぽさという観点から見れば、まさしく見本のようなアルバムなんですが。

攻撃性と叙情性を併せ持った#1,#6,#10あたりの楽曲が彼らの真骨頂だと思うんですが、バンドはあえなくアルバム1枚で消滅。

Track List

1. A Friend Of Mine
2. While The Sun Still Shines
3. Not So Good
4. Three Minstrels
5. Slow Susan
6. Over And Over Again
7. Feeling Free
8. Fair Haired Lady
9. A Place To Lay My Head
10. The Eagle

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カテゴリー: FIELDS

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GENESIS / Nursery Cryme

1971,UK

英国の叙情派プログレGENESISの1971年3rdアルバムNursery Cryme。

このアルバムよりフィル・コリンズ(Dr)、スティーブ・ハケット(G)が加入。ピーター・ガブリエル(Vo)、トニー・バンクス(Key)、マイク・ラザフォード(B)による”クラシック”メンバーが揃いました。
不気味なジャケット・アートが象徴する寓話的世界観の中、演劇的ともいえるドラマティックなフックが計算されつくして配置されており、聴いていて自然にグイグイ引き込まれてしまいます。
ハード・ロック的カッコ良さもある#1、美しいコーラスと終盤のメロトロンが感動のハーモニーを奏でる#4、が好きです。
#3や#5のひねくれたPOP感も英国っぽくって良いです。これらアクの強い名曲達を主張し合ってケンカする事無く、品良く締めている#2と#6の小品が又最高。各曲の出来、曲順、全てが最高の名盤です。

Track List

1. Musical Box
2. For Absent Friends
3. Return of the Giant Hogweed
4. Seven Stones
5. Harold the Barrel
6. Harlequin
7. Fountain of Salmacis

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GIGANTI / Terra in Bocca

1971,ITALY

イタリアの4人組プログレッシブ・ロック・バンド I GIGANTIの1971年作Terra in Bocca。

マフィアを題材としたコンセプト・アルバムとなっており、ラジオ局で放送禁止になるほどの大胆な歌詞は実際に獄中の受刑者に取材して得られた素材を元にしたものという気合の入りよう。
場面に応じた複数のシンガーの起用、ナレーションや効果音、各曲が繋がった構成、など後世のロック・バンドが踏襲するコンセプト・アルバムの様式が既に70年代初頭のイタリアで完成していた事に驚きます。

妖しくもジャジーなピアノや叙情的メロディを聴かせるエレキ・ギターによる、壮大な序曲的インストゥルメンタル・チューン#1。
アコギの3フィンガーに乗った哀愁のテーマ・メロディ(後に#5冒頭や#7、#8終盤など各所にムードを換えて登場)が提示される#2。
軽快なアコギに乗ったほのぼのとした明るい地中海風パートから、低音ボーカル・パートを挟み、左右からメロトロンとピアノが押し寄せるドラマティックなサビに発展する#3。
アカペラの多層コーラスを冒頭に配し、左右交互にボーカルがやり取りする演劇的パートや軋んだメロトロンのリードするインスト・パートがスリリングな#4。
穏やかな中に叙情を潜ませたサイケな地中海風ポップスが、突如強烈な電子音で掻き消される#5。
メロウなパートと激しいパートが行き来するキャッチーな#6。
3拍子でクールな序盤、激しく盛り上がるサビ、静かなパートの随所でメロトロンが幽玄な彩を加える#7。
曲間でテープの走行エラーのような効果音で演奏が一瞬途切れ、混沌としたインスト・パートへ展開。ピアノとメロトロンをバックにしてのイタリア語のボーカル・メロディが哀愁を増幅する静かな序盤から、歌い上げるサビに発展する#8。
男女の会話シーンから、ピアノを中心にメロトロンやオルガンを加えたインストゥルメンタルに移行する#9。
モジュレーションを掛けたエレピをバックに浮遊感あるボーカルが乗る小品#10。
#2のアコギをバックにしたテーマがリプライズし、激しく盛り上がるサビを頂点に厳かなオルガンで静かに締めくくる#11。

楽曲それぞれに起伏とドラマが内包されており、先の予測できない展開が聴き手の集中力を持続させます。
しかし、特に難しい事をやっているわけでは無く、#5のサイケなメロディ感覚や#8サビ後に配された軽快なロックン・ロールのパートなどに垣間見られる60年代にビート・ロックを演っていた出自から来るおおらかさと、メロディアスなイタリア語歌唱の存在もあって非常に聴き易いです。

Track List

1. Largo Iniziale
2. Molto Largo
3. Avanti
4. Avanti Tutto-Brutto Momento - Plim Plim
5. Plim Plim Al Parossismo - Delicato Andante
6. Rumori - Fine Incombente
7. Fine Lontana - Allegro Per Niente
8. Tanto Va La Gatta Al Lardo- Su E Giu
9. Larghissimo - Dentro Tutto
10. Alba Di Note - Rimbalzello Triste
11. Rimbalzello Compiacente - Ossessivo Ma Non Troppo - Fine

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カテゴリー: GIGANTI

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