プログレ のレビュー

ATOMIC ROOSTER / Atomic Roooster

1970,UK

ヴィンセント・クレイン(Key)、カール・パーマー(Dr)、ニック・グラハム(B/Vo)により結成されたギターレスの3人組 ATOMIC ROOSTERの1970年1st。オルガンによるリフをメインに時折ピアノを織り交ぜ、手数の多いドラムとランニングするベースとのアンサンブルに男っぽいヴォーカルが乗った、ブルーズ・ロックがベースのパワフルなハード・ロックを展開。最大の聴き所は3人によるインストパートでのスリリングなインプロビゼーション。唯一の和音楽器であるオルガンが多彩な、しかしあくまでもロックなフレーズでリードし、リズム隊がそれに応える熱いパフォーマンスが楽しめます。勿論パワフル一辺倒ではなく、ピアノとフルートをバックにクールなメロディを歌うヴォーカルが寂寥感を湛える#3では、静かな中にもメリハリあるアレンジで7分弱のドラマを演出するなど構成力も巧みです。カール・パーマーはこの1作のみで脱退し、EMERSON,LAKE & PALMERに参加します。

Track List

1.Friday the 13th
2.And So to Bed
3.Winter
4.Decline and Fall
5.Banstead
6.S.L.Y.
7.Broken Wings
8.Before Tomorrow

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ATOMIC ROOSTER / Death Walks Behind You

1970,UK

英国のプログレッシブ・ロック風味なハード・ロック・バンドATOMIC ROOSTERの1970年2nd。1stからカール・パーマー、ニック・グラハムが脱退。ヴィンセント・クレイン(Key)に新メンバー、ジョン・カン(G/Vo)、ポール・ハモンド(Dr)を加えた3人組でレコーディング。ダークなピアノに導かれ、スリリングな単音下降リフのギターがヘヴィネスを付加するハード・ロック・ナンバー#1。ユニゾン・リフを軸に、ソリッドなギターとマイルドなオルガンの特性を活かした緻密なアレンジとソロで聴かせる#2。ファンキーなテイストに英国ならではのヒネリも効かせた#3。冒頭の厳かなオルガン・フレーズにブルーズ・ベースのギター・リフが自然と溶け込み、キャッチーなハード・ロックに発展する#4。叩き捲くるドラムにオルガンとギターの熱いソロ・バトルも楽しめます。引き摺るようなユニゾン・リフを持つハード・ロック#5。キャッチーな中にもタイトなアンサンブルでのキメがカッコ良い#6。ロックン・ロールに展開するインストゥルメンタル・パートを内包する、クールな叙情を湛えたピアノがリードするバラード風ナンバー#7。空間を埋める手数の多いドラミングをバックにした左右にパンニングされたギターとオルガンの緻密にアレンジされたリフをベースに、オルガン、ピアノ、ドラムのフリーなソロをフィーチャーした#8。一応ギターレスの3人組だった1stとはかなり趣が異なり、インストゥルメンタルの#2をはじめギターを大幅にフィーチャー。オルガンとの絡みつくようなアレンジでのリフやソロでのバトルなど、ダークになったサウンドに合わせソリッドなギターの導入でハード・ロック度が上昇しています。

Track List

1. Death Walks Behind You
2. Vug
3. Tomorrow Night
4. Seven Lonely Streets
5. Sleeping For Years
6. I Cant Take No More
7. Nobody Else
8. Gershatzer

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TRAPEZE / Trapeze

1970,UK

MOODY BLUESが設立したスレッショルド・レーベルからデビューしたブリティッシュ・ロック・バンドTRAPEZEの1st。

パワフルにロックしつつもキレのあるフィルインがカッコ良いドラミングが楽しめる#2。サイケ風に甘いコーラス・パートを持つ#3。フォーク・タッチのカラフルなPOPを聴かせる#4、#6。クラシカルなヒネリの効いたキャッチーなオルガン・フレーズが印象的なロックン・ロールにジャジーなピアノ・ソロ~フルート、アコギ、ピアノによる静かなパートを挿入したプログレシッブな組曲の#5。エキゾチックで神秘的なムードを漂わせた#7。ファンキーなグルーヴを持ったサイケ・ロック#8。ビート・ロック風リフがリードする#9。アコギとオルガンがメランコリックなムードを湛えた序盤からメジャーなサビへのドラマティックな展開が巧みな#10。MOODY BLUESばりのシンフォニック路線な#11。などなど、ファンタジックなジャケット・アートの印象そのままにメロディアスでキャッチーなブリティッシュ・ロックを展開しており、後にDEEP PURPLEに加入するグレン・ヒューズ(B/Vo)、WHITESNAKEに加入するメル・ギャレー(G)、JUDAS PRIESTに加入するデイブ・ホーランド(Dr)が在籍していたのが信じられない程ですがクオリティは高いです。お伽噺のBGMのようにかわいらしいジングル風の#1と#12を最初と最後に配したアルバム構成も、ストーリー性を感じさせるニクイ演出です。又、グレン・ヒューズの声量あるダイナミック・レンジの広い歌唱が、様々なテイストの各楽曲で多彩な表情を見せています。

Track List

1. It's Only a Dream
2. Giant's Dead Hoorah
3. Over
4. Nancy Gray
5. Fairytale/Verily Verily/Fairytale
6. It's My Life
7. Am I
8. Suicide
9. Wings
10. Another Day
11. Send Me No More Letters
12. It's Only a Dream

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カテゴリー: TRAPEZE

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AUDIENCE / Friends, Friends, Friend

1970,UK

フォークをベースにした英国の4人組プログレッシブ・ロック・バンドAUDIENCEの1970年2ndアルバムFriends, Friends, Friend。

鍵盤をほとんど使用しないかわりにキース・ゲメル(Sax/All Woodwind)の管楽器が大活躍。彼のメロディアスなオブリガードが時にハワード・ワース(Vo/G)の粘っこいボーカルを食うくらい印象に残り、フォークにしてはパワフルなリズム・セクションと合わせてこのバンドの個性を確立しています。

サックスがアクセントになったフォーク・ロック#1、#2、#5。
かわいらしいリコーダーのバックに哀愁の歌メロが乗る#3。
サックスがテーマ、ソロと暴れまくる8分超の#4。
マイルドなサックスをフィーチャーし変幻自在に展開する室内楽風インストゥルメンタル#6。
激情を叩きつけるボーカル・パートと幽玄なフルートによる静寂パートを対比させた#7。
アコギのアルペジオとペーソス感漂うサックスをバックにしたバラード#8。
等々、収録曲はバラエティに富んでおり飽きさせません。

Track List

1.Nothing You Do
2.Belladonna Moonshine
3.It Brings a Tear
4.Raid
5.Rigth on Their Side
6.Ebony Variations
7.Priestess
8.Friends, Friends, Friend

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カテゴリー: AUDIENCE

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GENESIS / Trespass

1970,UK

GENESISの2ndアルバムTrespass。

3連と8ビートを交互に配してドラマティックな展開を見せる#6をはじめ#1,#4など7分以上の長尺曲の構築性に見られるように、いわゆるプログレ的なソング・ライティング面が牧歌的フォークの薫りが残るデビュー・アルバムから格段の進化を遂げた。

メンバー・チェンジでスティーヴ・ハケットとフィル・コリンズが加入する次作以降のいわゆるGENESISらしい演劇的フィーリングやフォロワー達の手本となったGENESIS風7拍子など楽曲を彩る仕掛けは未だ希薄ながら、ケレン味の無い印象的な美メロと繊細な叙情という基本要素は既に確立。個性を発揮しつつあるピーター・ガブリエル(Vo)の歌唱もこの時点ではアクが少なく、メンバーの育ちが伺える真面目なアレンジやメロディが醸し出す美しいムードに溶け込んでいる。
一方、GENESISの歴史において影の薄いアンソニー・フィリップス(G)だが、ロックらしい熱いラン奏法を聴かせる#6のソロや以降も継承される12弦のアルペジオなど、光るプレイで多大に貢献している。

Track List

1. Looking for Someone
2. White Mountain
3. Visions of Angels
4. Stagnation
5. Dusk
6. The Knife

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カテゴリー: GENESIS

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BARCLAY JAMES HARVEST / Barclay James Harvest

1970,UK

優しいヴォーカルとアコギが醸し出すのどかなフォークとオーケストラによる荘厳な響きが融合した、独自のメロディアスなサウンドを聴かせるBARCLAY JAMES HARVESTの1970年1stアルバムBarclay James Harvest。

#1ではまだ荒削りでロックな部分も感じさせますが、大曲#7を初めとしてそこかしこに気品も漂わせてます。
田園フォークな#2もアコギのアルペジオとストリングス、トレモロがかかったエレキ・ギターによるアンサンブルがドリーミーな空気感を醸成。
壮大なオーケストレーションが格調高い#4では、終盤の美しいストリングスにうっとり。
かと思うと続く#5ではサイケな薫りも芳しいノリノリなフラワー・ロックが炸裂。チープなサウンドのオルガンによるバッキングとコーラス・ワークが楽しいです。
優しくも哀愁のメロディがドラム・レスで切々と紡がれる小品#6を挟み、ティンパニの重々しいリズムから幕を開ける#7はオーケストラとロック・バンドが見事に溶け合い、シンフォニックな盛り上がりを見せます。

Track List

1.Taking Some Time On
2.Mother Dear
3.Sun Will Never Shine
4.When the World Was Woken
5.Good Love Child
6.Iron Maiden
7.Dark Now My Sky

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VAN DER GRAAF GENERATOR / H to He Who Am the Only One

1970,UK

ピーター・ハミルによる人間の内面を深く抉る独特の歌詞世界をオルガンとSAXを中心としたバンド・アンサンブルで包み込むように表現したVAN DER GRAAF GENERATORの3rd。

あくまでもボーカルが軸でありながらも、インストパートでは時に狂気を孕んだかのようなフレーズを聴かせるデヴィッド・ジャクソンのSAXやフルートがサウンドの主要なキャラクターを担っています。英国的な翳りのある#2,#3での叙情とアグレッションの見事な場面転換もこの人のSAXとフルートが主導し、他に類を見ない独特のブリティッシュ・ロックを構築。その孤高性に賛同したのか、KING CRIMSONのロバート・フリップがゲスト参加。#3中間部で硬質かつクールなフレーズを決めてます。12分超えの#5でもSAXが大活躍。アバンギャルドな中間部ソロとボーカル部バックでの熱病にうなされているかのようなフレーズがトリップ感抜群でハマります。一般的にプログレッシブ・ロックの範疇で語られるバンドですが、その音楽性は型通りのプログレとは一線を画す非常にユニークなものです。

Track List

1. Killer
2. House With No Door
3. Emperor In His War-room
4. Lost
5. Pioneers Over C

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カテゴリー: VAN DER GRAAF GENERATOR

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GRACIOUS / Gracious!

1970,UK

英国のプログレ・バンドGRACIOUSの1970年1stアルバムGracious!。

繊細なハープシコードやオルガンによるクラシカル風味とヘヴィなギター、ハモンド、リズム隊が織り成すオリジナリティ抜群のサウンド。#2で見られるフォークなタッチも英国らしさを漂わせてます。17分近い長尺の#5では冒頭にベートーヴェンの「月光」を配し美しいコーラスを持つおとなしい展開から一転、ヘヴィ&不条理リフと歪んだエレピによるインプロヴィゼーションの後、天から降り注ぐようなメロトロンが混沌の中にあって一瞬の清涼感をもたらしてくれます。

Track List

1. Introduction
2. Heaven
3. Hell
4. Fugue In 'D' minor
5. The Dream

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カテゴリー: GRACIOUS

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T2 / It’ll All Work Out in Boomland

1970,UK

英国の3人組ハード・ロック・バンドT2の1970年唯一作。

キース・クロス(G/Key)のナチュラルにほど良く歪んだ轟音ギター・サウンドが爽快です。細かい反復フレーズでの多少の荒さも、勢いで聴かせてしまうパワーが眩しい。メロトロンがうっすらと立ち込める#2や#3、#4に見られる静寂パートのフォークっぽいタッチが、叩きまくるドラムと暴虐エレキ・ギターからなるハードなパートと絶妙の対比を見せ、ハード・ロックながら、あまりそのルーツたるブルーズ色を感じさせない独自の方法論でヘヴィなロックをやってます。 #1と#3が8分超で#4は何と21分超の超大作という規格外のアルバム構成が、実験精神に溢れた良き時代を象徴。意外とメロディアスなフォーク由来のハーモニーや、サウンドの隙間を埋めるベース・ライン等々聴き所が盛り沢山です。

Track List

1. In Circles
2. J.L.T.
3. No More White Horses
4. Morning

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カテゴリー: T2

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EMERSON LAKE & PALMER / Tarkus

1971,UK

ELPの1971年2nd。

何と言っても20分超のタイトル組曲#1が圧巻。ハモンドによる印象的な怒涛の5拍子リフが、架空の怪物タルカスがキャタピラで縦横無尽に暴れまわる姿を表現しきってます。一方、グレッグ・レイクのヴォーカルによる歌パートでは物語が抽象的に語られつつも、叙情性にホッと一息入れる余裕も聴き手に与える心遣いが嬉しいですね。Drのカール・パーマーは後のASIAでの醜態がウソのようにタイトなビートでタルカスの機関部となりバンドの推進力を高めてます。キーボード・トリオという構成でこれだけのドラマを構築されたらもう降参ですね。小品#2やタイトな演奏が聴ける#3でのホンキートンク調ピアノ、荘厳なオルガンに導かれる#4の後半でのクラシカルなピアノ等ピアノも素敵です。でもやっぱり#6のオルガンには血が沸き立ちますね。

Track List

1. Tarkus
Eruption
Stones of Years
Iconoclast
Mass
Manticore
Battlefield
Aquatarkus
2. Jeremy Bender
3. Bitches Crystal
4. The Only Way
5. Infinite Space
6. A Time and a Place
7. Are You Ready Eddy?

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EMERSON LAKE & PALMER / Pictures at an Exhibition

1971,UK

ELPの1971年3rd。

2ndアルバムTARKUSのレコーディング終了後にニュー・キャッスル・シティ・ホールにて収録されたムソルグスキーの「展覧会の絵」をモチーフにしたライブ。当初、TARKUSがリリースされたばかりとあって未発表音源となっていたが、ブートレグが出回ったためにその対抗策として正規盤でリリースされました。オリジナルのフレーズを発展させて、縦横無尽に弾き倒すキース・エマーソン(Key)のプレイが壮絶。テーマのPromenadeやブルージーなインプロビゼーションがスリリングな#6など、ハモンドの様々なトーンを中心に聴かせるのは勿論、フィルターでミュンミュンいわせた#2、ピッチをスムーズにコントロールした#4などNICE時代から取り入れていたモーグ・シンセサイザーをステージでも完璧に使いこなし世界中のミュージシャンに影響を与えました。又、グレッグ・レイク(B/Vo/G)のクリアな歌唱が効いていて、テーマを歌う#3では厳かに、ラストの#11では雄大にとサウンドのイメージを増幅。#4での見事なアコギ・ソロに叙情的な歌唱もハイライトのひとつとなっています。#12はアンコールの「くるみ割り人形」。キース・エマーソンのホンキートンク風ピアノが、カール・パーマー(Dr)の叩き出す走り気味のビートに乗って場内大興奮。

Track List

1. Promenade
2. The Gnome
3. Promenade
4. The Sage
5. The Old Castle
6. Blues Variation
7. Promenade
8. The Hut of Baba Yaga
9. The Curse of Baba Yaga
10. The Hut of Baba Yaga
11. The Great Gates of Kiev
12. Nutrocker

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YES / The Yes Album

1971,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドYESの1971年3rdアルバムThe Yes Album。

本作よりスティーヴ・ハウ(G)が加入。早速、バッキング、オブリガード、ソロと縦横無尽にカラフルなプレイを披露。メンバーもそんな彼の才能に敬意を表してか、ライブ・レコーディングによるアコギのソロ#2を収録。これが又、クラシック、カントリー、スパニッシュ、ブルーズなど様々な影響を融合した、「これだけ弾けたらさぞ楽しいだろうな」、と感じさせる素晴らしい演奏で奏でられた軽快なインストゥルメンタルに仕上がってます。
クリス・スクワイヤ(B)とビル・ブラフォード(Dr)の叩き出すドライブ感抜群のビートに、スティーヴ・ハウによる華麗なギターのオブリガードが舞う#1。
アコギの見事なバッキング・パートに乗る美しいコーラス・パート、エレキのカッティング・リフをベースにした思索的インストパートなど、スティーヴ・ハウのギターが舵を取る組曲形式の#3。
アコギと素朴なリコーダーに美しい多層コーラスが乗る序盤とリズミックなシャッフルのロックン・ロールの後半の2部構成の組曲#4。
少々サイケなムードの中に英国っぽい妖しいヒネリが加わったポップな小品#5。
緊張感あるリフとゆったりした歌唱・アンサンブル・パートが繰り返す中に、突如シンセとベースのユニゾン・リフが登場しカオスなインスト・パートに発展するスリルを持ち込んだ#6。

組曲形式の楽曲構成に後の緻密なアンサンブルによる長大なシンフォニック・ロックの萌芽も読み取れますが、全体的には牧歌的なムードも漂わせる箇所も多々存在する、プログレ風味のポップ・ロックといったテイスト。
本作がラストとなるトニー・ケイ(Key)もオルガンやピアノ中心にシンセも操り奮闘してはいますが、楽曲に彩を加えるスティーヴ・ハウの派手なプレイと比較するとバンド・サウンドの中に埋もれている印象。
バンドが楽曲の組曲・長尺化によって目指すスケール感を表現する上では役不足かも。脱退も止む無しといったところでしょうか。

Track List

1. Yours Is No Disgrace
2. The Clap
3. Starship Trooper
i)Life Seeker
ii)Disillusion
iii)Wurm
4. I've Seen All Good People
i)Your Move
ii)All Good People
5. A Venture
6. Perpetual Change

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カテゴリー: YES

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CARAVAN / In the Land of Grey and Pink

1971,UK

カンタベリーの至宝CARAVANの1971年3rdアルバムIn the Land of Grey and Pink。

朴訥とした男性Voと少々ひねくれつつも牧歌的なサイケ&フォークでなごませつつ、単音ファズ・オルガンが強烈な個性を放っています。
リリカルなアコギで始まり怒涛のオルガン・ソロを含む7分超の#2や名曲と名高い22分超の#5では歪み以外にも通常のトーン、ワウをかませたようなトーン等オルガンだけでも何音色も使い分けて若干ジャズ・テイストな長尺曲のインプロビゼーションをスリリングに且つ一気に聴かせます。
アルバム全編通して程良くマイルドに仕上がった音像なのでゆったり寛いで聴くのにちょうど良い感じですね。タイトル通りのジャケも良いです。

Track List

1. Golf Girl
2. Winter Wine
3. Love to Love You (And Tonight Pigs Will Fly)
4. In the Land of Grey and Pink
5. Nine Feet Undergroud

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カテゴリー: CARAVAN

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MOODY BLUES / Every Good Boy Deserves Favour

1971,UK

MOODY BLUESの1971年7thアルバムEvery Good Boy Deserves Favour、邦題は「童夢」。

フォークをベースにした美しく親しみ易いメロディで紡がれた楽曲が切れ目無く心地良く綴られています。特にテクニカルでも複雑でも無いMOODY BLUESが、時にプログレ・バンドとして紹介されるのは音楽的な進歩を目指した姿勢もさることながら、やはりメロトロンでしょう。
Mike Pinder(マイク・ピンダー/Key)はメロトロンの出荷前検査の仕事をしていた人物で、その関係からメロトロンを知り尽くした演奏と独自のカスタマイズにより彼の使用していたメロトロンMkIIは俗に「ピンダートロン」と呼ばれたりなんかしています。
そんなメロトロンが惜しげもなく全編で登場。ドラマティックな#9なんかは メロトロンありきの壮大さだし、軽快なメロディック・ロック#2のサビで神々しく鳴り響くメロトロンはコーラス・ハーモニーとも相まって極上の美しさ。
当時英米で大ヒットしたアルバムですが、単にキャッチーなだけでは無い英国らしい”深み”がこのアルバムをエバー・グリーンな存在たらしめています。

Track List

1. Procession
2. The Story In Your Eyes
3. Our Guessing Game
4. Emily's Song
5. After You Came
6. One More Time To Live
7. Nice To Be Here
8. You Can Never Go Home
9. My Song

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CIRKUS / One

1971,UK

英国プログレ CIRKUSの1971年1stアルバムOne。

割とキャッチー且つベタなマイナー・メロディをフィーチャーしたコンパクトな楽曲に、ELECTRIC LIGHT ORCHESTRAのようなオーケストレーションを施しドラマティックに迫るハード・ロック。
オルガンを中心とした鍵盤がバッキングに徹しており、派手なフレージングが一切無い為プログレ度は低目ですが、時折アコギやメロトロンを交えた静かな英国的叙情を見せたりと、実は芸が細かいです。
しっかりと歌えるヴォーカリストによる一般受けしそうな平易な歌メロとバンドによる丁寧なアンサンブルやアレンジにPOPなフィールドでの成功を狙った節も感じられますが、リリースがインディ・レーベルだった為かメインストリームに上り詰める事はありませんでした。それでも、今だに英国ロックの懐の深さを感じさせる名盤としてはずせない1枚です。

Track List

1.You Are
2.Seasons
3.April '73
4.Song For Tavish
5.A Prayer
6.Brotherly Love
7.Those Were The Days
8.Jenny
9.Title Track
ⅰ. Breach
ⅱ. Ad Infinitum

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カテゴリー: CIRKUS

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FIELDS / Fields

1971,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドFIELDSの唯一作Fields。

元RARE BIRDのグレアム・フィールド(Key)、アラン・バリー(G/B/Vo)、アルバムLizardでプレイした元KING CRIMSONのアンディ・マカロック(Dr)からなる3人組。

レズリーを効かせたダーティなハモンド・オルガンが唸りを上げ、クラシカルなアルペジオに移行するELPタイプの#1。
アメリカナイズされた時期のSTRAWBSみたいなポップな#2。
ピアノのバッキングがリードする清楚な曲調に反してうねるレズリーとドタバタしたドラムが印象的なバラード#3。
トーキング・ドラムとモーダルなメロディを活かしたトライバルな序盤からキャッチーに展開する#4。
ゆったりとしたオルガンのロングトーンをフィーチュアした、どこか東洋的なテイストも感じさせるインストゥルメンタル#5。
緊張感あるオルガンのリフを中心に畳み掛けるインスト・パートの動、叙情メロディを含むボーカル・パートの静、と対照的なテイストを融合させたプログレッシブ・チューン#6。
レイドバックした#7。
アコギのアルペジオをバックにした田園風叙情フォークの小品#8。
オルガンと特にエレガントなピアノのトーンの存在でドロ臭くなく仕上がったブルーズ・ロックの#9。
クラシカルでドラマティックなオープニングから、アリア、もしくはPROCOL HARUMから拝借した下降フレーズが安直な印象を与えつつも、聴き応えのあるアレンジで予測不能な展開を見せるインストゥルンメンタル#10。

メインがオルガンで、しかもクラシカルなフレーズを織り込んで迫ってくるあたりはELPの影響大と言えそうですが、#2,#7などの独特なポップ・チューン、バンドというよりはソロっぽい#5,#8などの存在が音楽性の幅広さを物語ると同時に、アルバムの印象を散漫にしてしまっているきらいも。何でもありな70年代っぽさという観点から見れば、まさしく見本のようなアルバムなんですが。

攻撃性と叙情性を併せ持った#1,#6,#10あたりの楽曲が彼らの真骨頂だと思うんですが、バンドはあえなくアルバム1枚で消滅。

Track List

1. A Friend Of Mine
2. While The Sun Still Shines
3. Not So Good
4. Three Minstrels
5. Slow Susan
6. Over And Over Again
7. Feeling Free
8. Fair Haired Lady
9. A Place To Lay My Head
10. The Eagle

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PINK FLOYD / Meddle

1971,UK

PINK FLOYDの1971年6thアルバムMeddle。

70年代の人気プロレスラー アブドラ・ザ・ブッチャーのテーマ・ソングになった邦題「吹けよ風、呼べよ嵐」の#1は、オルガンやスライド・ギターをSE的にうまく使った勇壮なインスト。
英国的な翳りを帯びたアコースティックな#2、
サイケ感覚漂うリフが軽いトリップを誘うフォーク#3、
デヴィッド・ギルモア(G)の洒落たギター・ワークとリチャード・ライト(Key)のリラックスしたピアノ・ソロがPOPな小品#4、
犬の鳴き声とブルージーなアコギによる不思議なコラボ#5ときて、アナログ時代はB面を占めた#6は23分超の大作。
サイケやブルーズ色を仄かに残したムーディなアンサンブルをバックに、うっすらとハーモニーを付けたボーカル・ラインが淡々とした叙情を紡いで行きます。軽く歪んだオルガンの反復コード・カッティングに乗る奔放なギター・ソロに続く中間部では、曲タイトル通りの幽玄かつ壮大なSEが登場。スタジオワークに凝り、実験色を強めて行く過程を象徴してます。

Track List

1. One of These Days
2. Pillow of Winds
3. Fearless
4. San Tropez
5. Seamus
6. Echoes

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CRESSIDA / Asylum

1971,UK

キーフによるジャケット・アートで有名な、ジャズ風味を仄かに漂わせた英国プログレッシブ・ロック・バンドCRESSIDAの2ndアルバムAsylum。

歌モノではあるが、間奏でのオルガンを中心としたインプロビゼーションは聴き応えがあります。
オーケストラを導入し冷ややかな質感のストリングスが染み入る叙情大作#2では、緩急を自在に織り交ぜた楽曲構成力を発揮し9分超の長尺を飽きさせません。
11分超の#8は控え目なオーケストレーションがジャジーな歌唱パートをセンス良くデコレーションする叙情と、オルガンによる熱いインプロビゼーションの情熱が融合した傑作。

#2,#8以外は3~5分程度のコンパクトな尺ながら、適度にPOPな歌パートに対しマイルドな音色で流麗なプレイを聴かせるオルガンによるソロ・パートが良いアクセントとなっています。

Track List

1. Asylum
2. Munich
3. Goodbye Post Office Tower Goodbye
4. Survivor
5. Reprieved
6. Lisa
7. Summer Weekend of a Lifetime
8. Let Them Come When They Will

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CURVED AIR / Second Album

1971,UK

CURVED AIRの2ndアルバム Second Album。

ダリル・ウェイ(Vln)のヴァイオリンやスペイシーなシンセが幻想的なムードを醸し出す壮大な#1。
ソーニャ・クリスティーナ(Vo)の歌唱が割りと一本調子ながら、アレンジによってアンニュイなAメロとカラフルなサビにムードが変化するのがおもしろい#2。
ピアノとストリングスのみをバックにソーニャが歌う優雅でシンフォニックなバラード#3。
ピアノと歪んだギターのユニゾン・リフがリードする#4。ブルーズ・ロック風な中、転調して登場するペンタトニックにモーダルなフレージングを交えたギター・ソロが意表を突く。
パーカッションの妖しいグルーヴ、端正なピアノ、深遠なメロトロンのストリングスが絡む、妖しくもファンタジックなバラード#5。終盤のスキャットが美しい。
ソーニャのセクシーな歌唱が活きたクールでスタイリッシュなナンバー#6。アレンジを牽引するダリル・ウェイのヴァイオリン、空間を埋めるロックなドラムのフィルもカッコ良い。
軽やかな3拍子が心地良い#7。チェンバロからの切り返し、ギターとヴァイオリンの掛け合いなどコンパクトながらフック満載。
ピアノ、ヴァイオリンを中心にした起伏あるアレンジで次々に場面転換していく演劇的なナンバー#8。映画のサウンドトラックのようにシンフォニックに響くストリングス・パート、スリリングなピアノ・ソロ、エスニックな場面や幻想的なシンセなど、12分超の長尺を飽くことなく聴かせます。

クラシカルな要素もある端正な気品と、ソーニャ・クリスティーナの持ち味である妖艶さが、意外に程よくブレンド。唯一無二の不思議なムードが病み付きになります。
ダリル・ウェイがA面(#1~#5)、フランシス・モンクマン(G/Key)がB面(#6~#8)で作曲のイニシアチブを取り、バラエティに富んだ各曲のキャラ立ちも良い感じ。

Track List

1. Young Mother
2. Back Street Luv
3. Jumbo
4. You Know
5. Puppets
6. Everydance
7. Bright Summer's Day
8. Piece Of Mind

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SPRING / Spring

1971,UK

トリプル・メロトロンで有名な英国のフォーク・ロックバンドSPRINGの唯一作。音楽性は英国らしく端整で叙情味を湛えたメロディアスなフォーク・ロックで、まどろむような優しいボーカルがメロトロンに良くマッチしてます。

全編に使用された霧のようなメロトロン・ストリングスを筆頭にグロッケンなど小ネタも効いた#1。
#1とは違い、ここぞという場面で登場するメロトロンがアレンジに起伏をもたらす#2。
アコギがリードするフォーク小品#3。
マーチングのようなスネアが印象的な#4にも当然のようにストリングスや管のメロトロンが切り込んできますが、楽曲はファンキーな要素を持ったフォーク・ロック。独特な牧歌的テイストが堪りません。
続く#5は開放的なリフを持ったメジャー感覚なフォークなんですが、ボーカルのバックのくすんだメロトロンが英国的な翳りも感じさせます。中間部のオルガンとエレキのソロや、それに続くパートでのアコギを交えたアレンジも巧みで聴き所満載です。
#6はギターやオルガンがリードするロックですが、間奏のグロッケンとメロトロン・フルートが可愛いニュアンスをもたらす楽しいナンバー。
ピアノをバックに切々と歌うバラード小品#7を挟み、#8でも静かな序盤は霧のように、感動的に盛り上げるサビでは洪水に、ラストは神々しく、とメロトロンが大活躍しております。

Track List

1. Prisoner (Eight by Ten)
2. Grail
3. Boats
4. Shipwrecked Soldier
5. Golden Fleece
6. Inside Out
7. Song to Absent Friends (The Island)
8. Gazing

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