プログレ のレビュー

GRACIOUS / This is … Gracious!!

1971,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドGRACIOUSの1971年2ndアルバムThis is … Gracious!!。

軋んだメロトロンとオルガンがブルーズ・ロック由来のギター・リフとともにヘヴィなグルーヴを生むb)、メロディアスなフォークに霧のようなメロトロンがかぶさるc)、ボーカル・ハーモニーと静かなオルガンを中心に希望的なムードで美しいクライマックスを迎えるd)といった多彩な表情を見せる21分超の組曲#1。
ファンキーなギターのリフとカッティングにダーティなメロトロン、ホンキー・トンク風ピアノが絡み、キャッチーかつクールに展開するサイケ・ロック#2。
深遠なメロトロンと英国的な翳りを感じさせるセンチメンタルなボーカル・メロディが良い感じの#3。
メロトロンのリフとギターのカッティングがリードするアップテンポのインストゥルメンタル・パートと、ピアノの伴奏に乗ってゆったり進行するボーカル・パートを対比させた#4。
ウエスト・コースト風な軽いムードに深みのあるメロトロンが加わり、ユニークなハード・ポップに仕上がった#5。
と、全編でメロトロンが大活躍。
1stでのクラシカルな要素やヘヴィなタテ乗りに変わり、ベースがランニングするグルーヴィな乗りやメロトロンを効果的に使用した独自のハード・ロックっぽさで、よりオリジナル且つメインストリームなテイストが濃くなってます。ジャケット・アートはロジャー・ディーン。

Track List

1. Super Nova
a)Arrival of The Traveller
b)Blood Red Sun
c)Say Goodbye to Love
d)Prepare to Meet Thy Maker
2. C.B.S
3. What's Come to Be
4. Blue Skies and Alibis
5. Hold Me Down

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KING CRIMSON / Islands

1971,UK

英国プログレッシブ・ロック・バンド KING CRIMSONの1971年4thアルバム Islands。

ボズ・バレル(Vo/B)、イアン・ウォレス(Dr)の新メンバーにキース・ティペット(Pf)のグループを加えて制作。

ボズ・バレルの繊細な歌声による東洋的なメロディとキース・ティペットのアバンギャルドな中にも美しいピアノが清楚なムードを醸し出す#1。メル・コリンズ(Sax/Fl)がフルートでは叙情的に、サックスではアバンギャルドに活躍してます。
#1のテーマ・メロディを継承したかのようなサックスのリフがリードする#2はサックスやギターのインプロビゼーションが繰り広げられるインストゥルメンタルで、中盤にはメロトロンが不穏なムードを煽り緊迫感あるバンド・アンサンブルに発展します。
繊細で叙情的なボーカル・パートとヘヴィなリフのパートが対比した#3。
ブルーズ・ロックをベースにしながらもジャジーなオブリガードやPOPなボーカル・ハーモニー、メタリックな不条理リフと様々なフックが公然一体となった#4。
室内管弦楽が美しく叙情を紡ぐ#6の序曲#5。静かで清楚な#6ではトランペットの物悲しくもどこか希望も感じさせるメロディが胸を打ちます。うっすらと切れ込んでくるメロトロンも秀逸。

構築されたアンサンブルよりも個人のインプロビゼーションを重視した楽曲構成でありながら、アルバム全体としては端整で静謐なイメージが残る不思議なアルバムです。これを最後に詩人ピート・シンフィールドが脱退します。

Track List

1. Formentera Lady
2. Sailor's Tale
3. Letters
4. Ladies of the Road
5. Prelude: Song of the Gulls
6. Islands

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MOODY BLUES / Every Good Boy Deserves Favour

1971,UK

MOODY BLUESの1971年7thアルバムEvery Good Boy Deserves Favour、邦題は「童夢」。

フォークをベースにした美しく親しみ易いメロディで紡がれた楽曲が切れ目無く心地良く綴られています。特にテクニカルでも複雑でも無いMOODY BLUESが、時にプログレ・バンドとして紹介されるのは音楽的な進歩を目指した姿勢もさることながら、やはりメロトロンでしょう。
Mike Pinder(マイク・ピンダー/Key)はメロトロンの出荷前検査の仕事をしていた人物で、その関係からメロトロンを知り尽くした演奏と独自のカスタマイズにより彼の使用していたメロトロンMkIIは俗に「ピンダートロン」と呼ばれたりなんかしています。
そんなメロトロンが惜しげもなく全編で登場。ドラマティックな#9なんかは メロトロンありきの壮大さだし、軽快なメロディック・ロック#2のサビで神々しく鳴り響くメロトロンはコーラス・ハーモニーとも相まって極上の美しさ。
当時英米で大ヒットしたアルバムですが、単にキャッチーなだけでは無い英国らしい”深み”がこのアルバムをエバー・グリーンな存在たらしめています。

Track List

1. Procession
2. The Story In Your Eyes
3. Our Guessing Game
4. Emily's Song
5. After You Came
6. One More Time To Live
7. Nice To Be Here
8. You Can Never Go Home
9. My Song

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NIRVANA / Local Anaesthetic

1971,UK

キーフによる美しくも不気味なジャケットが有名なNIRVANAの1971年4thアルバムLocal Anaestheticはヴァーティゴから。

アレックス・スパイロポロウスと袂を分かち、パトリック・キャンベル=リオンズの個人プロジェクトとなった本作はアナログ各面1曲という構成。しかし実際は数曲が隙間無く繋がった組曲風でもあります。

#1は前作までのカラフル・サイケ路線とは異質な、ギター中心のブルージーとも言えるロックなテイスト。長尺のインプロビゼーションや会話を挿入するなどヒット狙いとは真逆のアーティスティックな狙いも垣間見られます。
#2は従来のような甘いメロディも若干顔を覗かせますが、オーケストレーションは控えめとなってます。
パトリックは同時期ヴァーティゴとプロデューサー契約もしていたようで、一歩下がって実験的な試みをしたかったんでしょうか。KING CRIMSON のメル・コリンズがSAXで参加。

Track List

1. Modus Operandi [Method of Work]
2. Home:
Salutation
Construction
Destruction
Reconstruction
Fanfare

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PINK FLOYD / Meddle

1971,UK

PINK FLOYDの1971年6thアルバムMeddle。

70年代の人気プロレスラー アブドラ・ザ・ブッチャーのテーマ・ソングになった邦題「吹けよ風、呼べよ嵐」の#1は、オルガンやスライド・ギターをSE的にうまく使った勇壮なインスト。
英国的な翳りを帯びたアコースティックな#2、
サイケ感覚漂うリフが軽いトリップを誘うフォーク#3、
デヴィッド・ギルモア(G)の洒落たギター・ワークとリチャード・ライト(Key)のリラックスしたピアノ・ソロがPOPな小品#4、
犬の鳴き声とブルージーなアコギによる不思議なコラボ#5ときて、アナログ時代はB面を占めた#6は23分超の大作。
サイケやブルーズ色を仄かに残したムーディなアンサンブルをバックに、うっすらとハーモニーを付けたボーカル・ラインが淡々とした叙情を紡いで行きます。軽く歪んだオルガンの反復コード・カッティングに乗る奔放なギター・ソロに続く中間部では、曲タイトル通りの幽玄かつ壮大なSEが登場。スタジオワークに凝り、実験色を強めて行く過程を象徴してます。

Track List

1. One of These Days
2. Pillow of Winds
3. Fearless
4. San Tropez
5. Seamus
6. Echoes

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RENAISSANCE / Illusion

1971,UK

オリジナルRENAISSANCEの1971年2ndアルバムIllusion。

前作のセールスが振るわなかった為解散を申し出たバンドに対して、レコード会社がバンド名の使用権譲渡を条件に制作させた契約消化作とも言われておりますが、内容はなかなかのもの。#3,#6の作詞にベティ・サッチャー、#4の作曲にマイケル・ダンフォード(G)の名前も見られ、黄金の第2期RENAISSANCEへの布石ともいえるアルバムです。

素朴な中にもクラシカルな気品が見え隠れするフォーク小品#1。
ジョン・ホウクン(Key)のピアノをバックにジェーン・レルフ(Vo)のクリアなスキャットが楽しめる#2。
リリカルなピアノとサビのコーラスが美しい#3。
端整なピアノと美しいボーカルが奇跡の融合を果たしたクラシカル・フォークの名曲#5。
これらはオリジナルRENAISSANCEらしいクラシカル・タッチなフォーク作品ですが、残りの2曲は消滅しつつあるバンドの状態を反映したかのようなイレギュラーな構成となっています。
ジェーンとジョン・ホウクン以外はマイケル・ダンフォードを含む別メンバーでレコーディングされた#4。ここでの厳かなファースト・パートに続くセカンド・パート中のフレーズは、後に第2期RENAISSANCEのアルバムTurn of the Cardsのオープニング・チューンRunning Hardにも登場します。よっぽど気に入ったんでしょう。
又、ラストの長尺曲#6ではドン・シィンなるプレイヤーがエレピでジャジーなインプロビゼーションを聴かせており、音楽性が随分違うナンバーに仕上がっております。

Track List

1. Love Goes On
2. Golden Thread
3. Love Is All
4. Mr. Pine
5. Face of Yesturday
6. Past Orbits of Dust

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SPRING / Spring

1971,UK

トリプル・メロトロンで有名な英国のフォーク・ロックバンドSPRINGの唯一作。音楽性は英国らしく端整で叙情味を湛えたメロディアスなフォーク・ロックで、まどろむような優しいボーカルがメロトロンに良くマッチしてます。

全編に使用された霧のようなメロトロン・ストリングスを筆頭にグロッケンなど小ネタも効いた#1。
#1とは違い、ここぞという場面で登場するメロトロンがアレンジに起伏をもたらす#2。
アコギがリードするフォーク小品#3。
マーチングのようなスネアが印象的な#4にも当然のようにストリングスや管のメロトロンが切り込んできますが、楽曲はファンキーな要素を持ったフォーク・ロック。独特な牧歌的テイストが堪りません。
続く#5は開放的なリフを持ったメジャー感覚なフォークなんですが、ボーカルのバックのくすんだメロトロンが英国的な翳りも感じさせます。中間部のオルガンとエレキのソロや、それに続くパートでのアコギを交えたアレンジも巧みで聴き所満載です。
#6はギターやオルガンがリードするロックですが、間奏のグロッケンとメロトロン・フルートが可愛いニュアンスをもたらす楽しいナンバー。
ピアノをバックに切々と歌うバラード小品#7を挟み、#8でも静かな序盤は霧のように、感動的に盛り上げるサビでは洪水に、ラストは神々しく、とメロトロンが大活躍しております。

Track List

1. Prisoner (Eight by Ten)
2. Grail
3. Boats
4. Shipwrecked Soldier
5. Golden Fleece
6. Inside Out
7. Song to Absent Friends (The Island)
8. Gazing

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STACKRIDGE / Stackridge

1971,UK

フォークがベースのポップなプログレ・バンドSTACKRIDGEの1971年1stアルバム。

ヴァイオリン奏者、フルート奏者を含む6人組で全編フックのあるキャッチーなメロディーが目白押し。演奏やヴォーカル・ハーモニーといったテクニック面が巧みな上、多彩な楽器構成を活かした絶妙のアレンジが施されており、幅広い引き出しを感じさせる雑多な音楽性と相まって飽きがこないアルバム構成となっています。それを象徴するのが、トラッドっぽい神秘的なアコギのアルペジオから始まり、ブギー、メキシカン・ロックと怒涛の展開を見せる#3。
フィドルがリードしハーモニウムも加わって田園ムード全開の#4をはじめ、歌モノは楽しいフォーク主体。
チェロやフルート、アコギが奏でる田舎の室内楽といった趣のプログレッシブなインスト曲#5では、弦による重厚なリフがシリアスでヘヴィな質感をも演出するなど、バンドの別の顔を見せるのがおもしろい。
ラストの#9は叙情的な前半とアバンギャルドな中間部、重厚な後半からなる集大成的な14分超の大作で、バンドとしてのポテンシャルを感じさせます。

Track List

1.Grande Piano
2.Percy the Penguin
3.Three Legged Table
4.Dora the Female Explorer
5.Essence of Porphyry
6.Marigold Conjunction
7.West Mall
8.Marzo Plod
9.Slark

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STRAWBS / From the Witchwood

1971,UK

前身は”ストベリー・ボーイズ”というちょっと恥ずかしい名前のブルーグラス・バンドだったSTRAWBSの1971年4thアルバムFrom the Witchwood。
後にYESに加入するリック・ウェイクマン(Key)が在籍していた事で有名です。基本的には美しいハーモニーとアコギを中心とした素朴でメロディアスな田園フォークながら、そこにラテン、インド、サイケ等々様々なエッセンスを上手くトッピングし独自のカラフルな世界を構築しています。その立役者はリック・ウェイクマン(Key)でしょう。

レズリーが唸るグリッサンドからテンポアップし、クラシカルな格調高いハーモニーで締める#1のオルガン。
転がるように軽快な#4のピアノ。
クラシカルな#5冒頭のチャーチオルガン。
サイケな#6や#7のオルガン。
#8の優しくヴォーカルハーモニーを包み込むメロトロンと煌びやかな響きのオブリガードを奏でるピアノ。
厳かな#9のハープシコード。

場面に合わせて様々なキーボードがアレンジに上手く溶け込みサウンドに彩りを加えてます。バンジョーやシタールも効果的に使用されています。

Track List

1. A Glimpse Of Heaven
2. Witchwood
3. Thirty Days
4. Flight
5. The Hangman And The Paptist
6. Sheep
7. Cannondale
8. The Sheperd's Song
9. In Amongst The Roses
10. I'll Carry On Beside You
11. Keep The Devil Outside

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VAN DER GRAAF GENERATOR / Pawn Hearts

1971,UK

VAN DER GRAAF GENERATORのサウンドは非常にユニークです。和音楽器は鍵盤(オルガンとピアノ)とほぼコードカッティングのみのアコギ。その他SAX or フルートのみ、というシンプルな構成でいながらにしてのこのシンフォニックさ。サウンドの鍵はオルガン、SAXがピーター・ハミルの歌メロをユニゾンでなぞって行く事による音の層の厚さ。そして、押しと引きのドラマティックな構成美。そこに突如、不条理アバンギャルドなインストパートが絡む事で唯一無二のサウンドが醸成されるんです。この4thアルバムは、そんな独特の個性が大作3曲というフォーマットで遺憾無く発揮された傑作です。アコギとフルートの幽玄な調べが導入部のボーカルを導く#1。一転してSAXの攻撃的なリフにオルガン、続いてボーカルと次々とユニゾンで厚みを帯びる所がゾクゾクしますね。インクルードされた、5分半位からの引き摺るようなSAXが主導する不条理インストパートと清廉なボーカルパートの対比も見事です。#2では、ピアノとオルガンによる伴奏が印象的で英国っぽい端正な序盤から狂気のような中間部アバンギャルド・パートへの流れが、他の追随を許さない独創性に溢れています。この落差が効いて、再び端正なパートに戻る頃には神々しささえ湛えるようになっています。そしてそこに再び切り込んでくるヘヴィなSAX。これほどまでに対照的な要素を1曲の中に共存させるセンスがもうぶっ飛んでます。#3は23分超の組曲形式。シアトリカルなボーカル・パフォーマンスとそれを最大限に際立たせるアレンジ。そして、シンフォニックな美とカオティックな混沌パートのスムーズな融合。これら豊富すぎるアイディアをまとめあげるという困難な作業を、抜群なストーリーテリングぶりで達成した奇跡の大作です。このユニークなサウンドと予測不能な展開、誰にも真似できませんね。

Track List

1. Lemmings (Including Cog)
2. Man-Erg
3. A Plague of Lighthouse Keepers
a)Eyewitness
b)Pictures
c)Lighthouse
d)SHM
e)Presence Of The Night
f)Kosmos Tours
g)(Custard's) Last Stand
h)The Clot Thickens
i)Land's End
j)We Go Now

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カテゴリー: VAN DER GRAAF GENERATOR

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YES / The Yes Album

1971,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドYESの1971年3rdアルバムThe Yes Album。

本作よりスティーヴ・ハウ(G)が加入。早速、バッキング、オブリガード、ソロと縦横無尽にカラフルなプレイを披露。メンバーもそんな彼の才能に敬意を表してか、ライブ・レコーディングによるアコギのソロ#2を収録。これが又、クラシック、カントリー、スパニッシュ、ブルーズなど様々な影響を融合した、「これだけ弾けたらさぞ楽しいだろうな」、と感じさせる素晴らしい演奏で奏でられた軽快なインストゥルメンタルに仕上がってます。
クリス・スクワイヤ(B)とビル・ブラフォード(Dr)の叩き出すドライブ感抜群のビートに、スティーヴ・ハウによる華麗なギターのオブリガードが舞う#1。
アコギの見事なバッキング・パートに乗る美しいコーラス・パート、エレキのカッティング・リフをベースにした思索的インストパートなど、スティーヴ・ハウのギターが舵を取る組曲形式の#3。
アコギと素朴なリコーダーに美しい多層コーラスが乗る序盤とリズミックなシャッフルのロックン・ロールの後半の2部構成の組曲#4。
少々サイケなムードの中に英国っぽい妖しいヒネリが加わったポップな小品#5。
緊張感あるリフとゆったりした歌唱・アンサンブル・パートが繰り返す中に、突如シンセとベースのユニゾン・リフが登場しカオスなインスト・パートに発展するスリルを持ち込んだ#6。

組曲形式の楽曲構成に後の緻密なアンサンブルによる長大なシンフォニック・ロックの萌芽も読み取れますが、全体的には牧歌的なムードも漂わせる箇所も多々存在する、プログレ風味のポップ・ロックといったテイスト。
本作がラストとなるトニー・ケイ(Key)もオルガンやピアノ中心にシンセも操り奮闘してはいますが、楽曲に彩を加えるスティーヴ・ハウの派手なプレイと比較するとバンド・サウンドの中に埋もれている印象。
バンドが楽曲の組曲・長尺化によって目指すスケール感を表現する上では役不足かも。脱退も止む無しといったところでしょうか。

Track List

1. Yours Is No Disgrace
2. The Clap
3. Starship Trooper
i)Life Seeker
ii)Disillusion
iii)Wurm
4. I've Seen All Good People
i)Your Move
ii)All Good People
5. A Venture
6. Perpetual Change

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BEGGARS OPERA / Pathfinder

1972,UK

英国のプログレッシブロック・バンドBEGGARS OPERAの1972年3rdアルバムPathfinder。

適度なギターの歪みとオルガンの端整なプレイ、ヴォーカル・ハーモニーが格調すら感じさせる全編フック満載のキャッチーな歌メロとアレンジで彩られた楽曲が並んでます。
英国の俳優兼歌手リチャード・ハリス(「ワイルド・ギース」や「ハリー・ポッター」のダンブルドア先生役)が歌った68年のヒット曲のカヴァー#2では印象的なハープシコードを中心にオルガン、ピアノ、メロトロン など鍵盤が大活躍、テンポの緩急による場面転換や音密度の濃淡、朗々と歌い上げるヴォーカルと相まってスケールの大きなエピック・チューンに仕上がってます。
他の楽曲もクラシカル風味な#1やエッジの立ったギターにオルガンが絡むハード・ロック風味な#3、メロディアスなインストゥルメンタル#6等バラエティ豊かなサウンドで飽きさせません。

Track List

1.Hobo
2.Macarthur Park
3.Witch
4.Pathfinder
5.From Shark to Haggies
6.Stretcher
7.Madame Doubtfire

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カテゴリー: BEGGARS OPERA

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CAPTAIN BEYOND / Captain Beyond

1972,UK,USA

DEEP PURPLEを脱退したロッド・エヴァンス(Vo)がカリフォルニアに渡り、アメリカのサイケ・バンドIRON BUTTERFLYの元メンバーやジョニー・ウィンターと活動していたボビー・コールドウェル(Dr)らと結成したプログレッシブ・ロック度満点のロック・バンドCAPTAIN BEYONDの1972年1st。

不条理変態リフを中間部に挿入した#1を含むドラマティックな展開のメドレー#1、#2、#3。
7拍子のトリッキーなリフと変幻自在の展開を見せる#4。
複雑な楽曲構成を支えるドラミングが見事な#5。
5拍子のアルペジオにヴィブラフォンが寂寥感を重ねる#6からのメドレー#6、#7、#8。
ハード・ロックなテーマのサビとヴィブラフォンやロッドのマイルドな歌唱がもたらすムーディな展開との対比で起伏を持たせたメドレー#9、#10、#11、#12、#13。
等々、変拍子リフや唐突な場面転換といったプログレ的要素を多分に含みつつ、コーラス・ワークがサイケっぽかったり、手数の多いヘヴィなドラミングがハード・ロックしていたりと、フック満載のバラエティ豊かな楽曲が数曲単位のメドレー形式で繋がり、夢中で追いかけているうちに1枚通して聴けてしまいます。
ロッドの歌唱は所々パワフルな部分も見せますが、一番の魅力はキャッチーなサビでのマイルドな質感。それだけにハードな方向性を目指したDEEP PURPLEには合わなかったんでしょうが、このアルバムではジャスト・フィットしてます。

Track List

1. Dancing Madly Backwards (On a Sea of Air)
2. Armworth
3. Myopic Void
4. Mesmerization Eclipse
5. Raging River of Fear
6. Thousand Days of Yesterdays (Intro)
7. Frozen Over
8. Thousand Days of Yesterdays (Time Since Come and Gone)
9. I Can't Feel Nothin', Pt. 1
10. As the Moon Speaks (To the Waves of the Sea)
11. Astral Lady
12. As the Moon Speaks (Return)
13. I Can't Feel Nothin', Pt. 2

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CARAVAN / Waterloo Lily

1972,UK

カンタベリーの名バンドCARAVANの1972年4thアルバムWaterloo Lily。

脱退したデイヴ・シンクレアの後任に、ピアノが得意なスティーヴ・ミラー(P/Org)が加入。#5後半のソロをはじめ、随所にエレピによる洒落たプレイを聴かせています。
そのスティーブ・ミラーが前任者を彷彿させるファズ・オルガンのソロを披露する、リチャード・シンクレア(B/Vo)がボーカルを取る#1。
グルーヴィなインプロビゼーション主体の前後半パートに挿入された、中間部のピアノによるジャジーなプレイがアクセントとなったインストゥルメント・ナンバー#2。
お得意の牧歌的とも言えるボーカル・メロディが仄かにジャジーなインスト部と融合したCARAVANならではのナンバー#3。
リチャード・シンクレアのメロディアスなベースが印象的なキャッチーなボーカル・ナンバー#4。
この#3、#4ではパイ・ヘイスティングス(G/Vo)のジェントルなボーカルがPOPな曲調をより引き立てています。
ストリング・セクションを取り入れた組曲#5の美しい叙情ナンバーThe Love In Your Eyeではオーボエの物悲しい響きが胸を打ちます。続くインプロビゼーション・パートのTo Catch Me A Brotherでは、ゲストのジミー・ヘイスティングスによるフルートのメロディアスかつテンションの高いソロが圧巻です。
ラストの#6もヘイスティングスの優しいボーカルが映えるキャッチーなナンバー。

次作でまたもやメンバー・チェンジが起こる為結果的に今作のみの編成で制作されたアルバムですが、従来のCARAVANらしさを継承しつつも、#5の実験的な試みに前進する意欲も感じさせる作品となっています。

Track List

1. Waterloo Lily
2. Nothing At All / It's Coming Soon / Nothing At All
3. Songs & Signs
4. Aristocracy
5. The Love In Your Eye / To Catch Me A Brother / Subsultus / Debouchement / Tilbury Kecks
6. The World Is Yours

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カテゴリー: CARAVAN

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CURVED AIR / Phantasmagoria

1972,UK

CURVED AIRの3rdアルバムPhantasmagoria。

メロトロンの使用や3拍子にチェンジする中間部など劇的な進行を見せる#1。メロウな中にもロックな激しさを内包し、タイトルの人物のドラマティックな生涯を表現。
フルートとヴァイオリンのハーモニーが美しい、ソーニャ・クリスティーナ(Vo)作のメランコリックなフォーク#2。出自を物語るシリアスなトラッドっぽさが光る。
ブラスセクションとランニングするベースラインが洒落たムードを醸し出す#3。少々ウィスパー気味にも聴こえるソーニャ・クリスティーナの歌唱パート、シンセとスキャットのユニゾン、クラシカルなエンディングなど、CURVED AIRならではの個性が随所に。
ダリル・ウェイ(Vln)によるスピーディなヴァイオリンの独壇場となったインストゥルメンタル#4。
クラシカルなシンセのアルペジオがリフレインし、パンニングやピッチ・チェンジのエフェクトを付加した実験的インストゥルメンタル#5。
ロックなグリッサンドと端正なオブリガードが融合したオルガンがリードする歌モノ#6。
奇妙なサウンドスケープに、EMS Synthi 100で加工したソーニャ・クリスティーナによるファンタスマゴリア(ルイス・キャロル作)の朗読を挿入したファンタジー実験作#7。
ヴァイオリンとブラス・セクションに歯切れ良いシロフォン、幽玄なヴィブラフォン。ジャジィなコード進行やクラシカルなフレーズなどアイディアを詰め込んだフランシス・モンクマン(Key/G)作のプログレッシブ・チューン。
ブラスセクションや軽快なパーカッション、クールなヴィブラフォンをフィーチュアした陽気なムードの#9。

#1,#3,#6など妖艶かつコケティッシュなソーニャ・クリスティーナの個性を活かしたバンドとしての佳曲がある一方、ダリル・ウェイやフランシス・モンクマンがそれぞれ勝手な事をやりまくった#4,#5,#7といった実験的作品も混在。
バンドとしての完成度とピークを極めた結果としての綻びが渦巻く最高傑作にして問題作。

Track List

1. Marie Antoinette
2. Melinda (More Or Less)
3. Not Quite The Same
4. Cheetah
5. Ultra-Vivaldi
6. Phantasmagoria
7. Whose Shoulder Are You Looking Over Anyway
8. Over And Above
9. Once Always A Ghost

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GENESIS / Foxtrot

1972,UK

GENESISの1972年4thアルバムFoxtrot。

KING CRIMSONから譲られたメロトロンが鳴り響く#1。
キャッチーな中にも英国的な捻りを効かせた#2。
叙情性とスリルを併せ持つ演劇的な展開の#3。
中間部のオルガンとメロトロンによる叙情的なリフ、オルガンの分散和音フレーズによるソロなどトニー・バンクス(Key)節が爆発した#4。
スティーヴ・ハケット(G)のアコギがクラシカルな叙情を湛えた小品#5。
そして、7部からなる組曲構成の#6では緩急・静動を巧みなアレンジとボーカル・パフォーマンスで表現し22分超のドラマを紡いでいます。

内省的でこぢんまりとしたスケール感の中にも豊富なアイディアとピーター・ゲイブリエル(Vo)の圧倒的な存在感により独特のムードを醸成している、ゲイブリエル期GENESISの代表作です。

Track List

1. Watcher of the Skies
2. Time Table
3. Get 'Em out by Friday
4. Can-Utility and the Coastliners
5. Horizon's
6. Supper's Ready

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カテゴリー: GENESIS

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GENTLE GIANT / Three Friends

1972,UK

英国の超絶変態プログレ・バンドGENTLE GIANTの1972年3rdアルバムThree Friends。

3人の友人が大人になって別々の道を歩む・・・というストーリーのコンセプト作品。
印象的なリフレインが各種楽器で目まぐるしく奏でられる重厚でスリリングなインストパートと、ソフトなヴォーカルや完璧なコーラスからなる歌パートのコントラストにハッとする#1から、早くも微細にメロディが編みこまれた独自の世界が展開されてます。
#2では、やまびこのような左右ヴォーカルとハイを抑えたエレピが弾むように、それでいて淡々と進行する静かな前半から打って変わってメロトロン&ピアノによるミステリアスな後半が、流転する3人の人生を予見するような雰囲気を感じさせます。
そして、ヴァイオリンがアクセントとなっている#4は後半のギター、オルガン、ブラス等によるヘヴィなユニゾン・リフからインテンスな弾きまくりギター・ソロへの怒涛の展開がこれまた熱いです。
続く#5はパーカッシブなオルガンと軽快なヴァイオリンがリード。ユーモラスなメロディによるアンサンブルも挿入されていますが、実はメロディと音色が複雑に絡み合う多層構造なんですね。
そしてメドレー的に#6になだれ込み、突如シンフォニックにオルガンが鳴り響き大団円を迎えます。

Track List

1. Prologue
2. Schooldays
3. Working All Day
4. Peel the Paint
5. Mister Class and Quality?
6. Three Friends

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カテゴリー: GENTLE GIANT

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GENTLE GIANT / Octopus

1972,UK

ロジャー・ディーンによる幻想的なジャケットが美しいGENTLE GIANTの1972年4thアルバムOctopus。

多彩なアイディアをヴァイオリンや菅、ヴィブラフォンまで加えた様々な楽器音による演奏で緻密に紡いだ唯一無二のサウンドが、時代を超えて常に新鮮な驚きを与える名盤です。メインのメロディやリフを中心に組み立てられた”普通の”ロックとは対極に位置するそのスタンスこそが、まさにプログレッシブ。そんな複雑な音楽性でありながら、サクッと各曲4分程度で収めつつ、意外にキャッチーなコーラスとタイトな演奏で一気に聴かせてしまうハイセンスな30数分。
掴み所が無さそうで、食べてみたらプリプリした食感にハマってしまうタイトル通りタコのようなアルバムです。

Track List

1. Advent of Panurge
2. Raconteur, Troubadour
3. Cry for Everyone
4. Knots
5. Boys in the Band
6. Dog's Life
7. Think of Me with Kindness
8. River

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GNIDROLOG / In Spite of Harry’s Toe-nail

1972,UK

GNIDROLOGの1972年1stアルバムIn Spite of Harry’s Toe-nail。

エキセントリックなヴォーカルとそれを軸にした、時に不条理的展開を見せる硬質なインスト部隊の演奏。まるでVAN DER GRAAF GENERATORのようだが、VDGGにおけるフリーキーなサックス・ソロのような突き抜けたアバンギャルド性はそれ程でも無く、もっとクールに統制されてます。
#1の後半”Skull”冒頭のフルートの繊細なフレージングを活かした素直な叙情性や#2での弦を交えた端正な暗黒叙情に、周到に計算された理性を感じさせます。
一方計算された混沌で異彩を放つのがアルバム中盤戦。静かに奏でられる不穏なモチーフがやがてバンドとして増幅され、神経を逆撫でするかのようなリフレインに発展し、それにビザールなヴォーカル・ラインが絡みつく#3。
アコギと管弦楽をバックにした田園フォークからハード・ロックに発展し、さらにねじれた不条理パートへと予測不可能な展開をみせる#4。
この辺りには既に孤高の香りすら漂いますね。
奇妙なフォーク・ナンバー小品#5を挟んでの組曲形式のラスト#6では、ブルーズ・ロック由来のインプロビゼーションを繰り広げ、意外とストレートに締めてます。

Track List

1.Long Live Man Dead: Long Live Man Dead/Skull
2.Peter
3.Snails
4.Time And Space
5.Who Spoke
6.In Spite Of Harry's Toenail: Goodbye-Farewell-Adieu/Harry'sToenail

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GNIDROLOG / Lady Lake

1972,UK

GNIDROLOGの1972年2ndアルバムLady Lake。

個性的なヴォーカル・メロディを中心に紡がれる暗鬱シンフォ路線はそのままに、整理されたアレンジを施すことによってドラマ性が大いに向上。インストパートにメリハリが付けられ、歌パートと合わせて楽曲としての完成度をアップさせています。

#1のサビはロックの持つカタルシスを感じさせるほどだし、叙情的な#2ではサックスのバッキングがヴォーカルと絶妙のマッチングを見せています。
美しくも寂寥感漂うフォーク・チューンの#3に続くタイトル曲#4では冒頭から3分が不条理系インストパート。その後のヴォーカルパートも不穏なムードで進み、サックスによるダークでヘヴィなリフレインで幕を下ろします。
#5では再びピアノの端正なバッキングに乗せたメロディアスな楽曲を配し、ラストの#6は一転してお待ちかね屈折路線。サックスがリードする不条理イントロとバッキングに、ヴォーカルやベース、ギター、オーボエが有機的に絡み、執拗に繰り返すリフレインが幻惑感をもたらします。
そして狂気のようなラスト・・・ジャケットのインパクトともども完璧なアルバムです。

Track List

1.I Could Never Be A Soldier
2.Ship
3.Dog With No Collar
4.Lady Lake
5.Same Dreams
6.Social Embarrassment

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