プログレ のレビュー

KARNATAKA / Delicate Flame of Desire

2003,UK

ウェールズの女性ボーカル シンフォニック・ロック・バンドKARNATAKAの2003年3rdアルバムDelicate Flame of Desire。

朝霧のような柔らかな感触のシンセのオーケストレーションに、新メンバー アン=マリー・ヘルダー(Fl/Vo)によるケルティックなメロディのフルートとレイチェル・ジョーンズ(Vo)の美声スキャットがたゆたう序曲的なインストゥルメンタル#1から早くも独特のムードが全開。
続く美しいコーラス・ハーモニーで幕を開ける瑞々しいタッチの#2。
竪琴のような音色のアルペジオにモーダルな歌メロが乗る#3。
穏やかなAメロから少々マイナーなフックを挟んで美しく爽やかなサビのコーラスでサウンドがパッと広がる#4。
ミステリアスなメロディがコンテンポラリーなテイストを醸し出す、サビの節回がエキゾティックな#7。
サビの胸を締め付けるようなメロディが堪らない、アコギのカッティングをバックにレイチェルが落ち着いたトーンで歌う#8。
自然な7/8拍子に乗って神秘的な清廉さを感じさせるボーカル・パートを中心に、SEによるアンンビエントなパートを交えてドラマティックに展開する#9。
等々、前作よりも透明感とメロディのレンジを増したレイチェルのボーカルが、優雅なパッド系トーンを中心としたシンセのオーケストレーションと優しい女声コーラスによるシンフォニック度増量のアレンジに抜群の相性を見せ、穢れの無い蕩けるような至福のひと時を味わわせてくれます。

Track List

1. Karnataka
2. Time Stands Still
3. Delicate Flame Of Desire
4. After The Rain
5. Strange Behaviour
6. The Right Time
7. One Breath Away
8. Out Of Reach
9. Heart Of Stone

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KING CRIMSON / The Power To Believe

2003,UK/USA

前作同様のメンバーで新コンセプトNuovo Metalの元制作された、KING CRIMSONの13thアルバムThe Power To Believe。

アルバム中に度々登場するフレーズを提示したオープニング#1。
#1から切れ目無く始まり度肝を抜く、ヘヴィ・メタリックなリフがリードする#2。輪唱のようなギター2本の絡みも。ハイハットやスネアの高速連打がマシンっぽくてカッコ良いがパット・マステロット(Dr)の人力なんでしょうか。
クリーンなギター2本のずれるアルペジオをバックにした、80年代CRIMSON風歌モノからファンキーな要素を取り除いたような叙情チューン#3。
清廉・清楚なイントロから一転して、ギター2本が絶妙にズレてフレーズを紡ぐ定番パターンにヘヴィにのたうつトレイ・ガン(B)のウォー・ギター、時折リズム・マシン風なドラムが絡む#4。変拍子を交えた幾何学的なアンサンブルはもはや数学的な美しさ。
サウンドスケープによる#6のイントロ#5。
エフェクトで歪ませたヴォイス、引き摺るようなギター・リフ、野蛮なサウンドで構築されたパターンを叩き出すドラムで構成された#6。CRIMSONにしては普通のリズムをバックにヘヴィなリフが奏されるパートではメタルな躍動感も感じさせます。
パーカッションやカリンバ風音色など無国籍エキゾチックな要素で神秘的なムードを醸成する#7。
時にユニゾン、時にハーモニーで単音反復フレーズを繰り返す2本のギターを軸に、4つ打ちバスドラや冷たい感触のシンセストリングスが煽りを演出しスリリングに展開する#8。
日本語の「しょうがない」という言葉の微妙なニュアンスをタイトルに持つ#9。超ヘヴィなリフで押し捲りつつもサビがキャッチーな歌モノ。
サウンドスケープをバックにワーミー・ペダルを多用したギターのインプロヴァイズが続くミステリアスな#10。
パッド系シンセやシンセ・ストリングスを重ねてたゆたうエンディング・チューン#11。

ヘヴィな中にも叙情や屈折したポップ性を覗かせる、この編成でのラストにして集大成的作品。
本来フィジカルなはずの暴力的なリフも、メカニカルなアンサンブルの中にあってスタイリッシュに聴かせてしまう。
それでいてグルーヴも感じさせるのが彼らの標榜したNuovo Metalなのでしょうか。

Track List

1. The Power To Believe I: A Cappella
2. Level Five
3. Eyes Wide Open
4. Elektrik
5. The Power To Believe II
6. Facts Of Life: Intro
7. Facts Of Life
8. Dangerous Curves
9. Happy With What You Have To Be Happy With
10. The Power To Believe III
11. The Power To Believe IV: Coda

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THE TANGENT / The Music That Died Alone

2003,UK/SWEDEN

PARALLEL OR 90DEGREESのKey奏者Andy Tillisonのソロがバンド形態に発展したTHE TANGENTの2003年1st。

FLOWER KINGSのRoine Stolt(G),Jonas Reingold(B)、VAN DER GRAAF GENERATORのDavid Jackson(Sax,Flu)らが参加。20分の組曲#1の冒頭、オルガンの1フレーズだけで既にKO。その後ズ太いシンセやネバリあるギターがユニゾンで合流、推進力抜群のリズム隊と共に畳み掛けると追い討ちをかけるようにSaxも参戦。メロディ、スリル、ファンタジー、オシャレでジャジーとおいしい要素がごった煮状態ながら、オリジナリティ、センス、テクニックを兼ね備えた歴戦のメンツによるアンサンブルが一切破綻することなく完璧な音世界を構築。それでいて小難しく無く、フレンドリーなとっつき易さも魅力です。#2でのHatfield and the Northのカヴァーは現代的なサウンドで再現しながらも憧景を隠そうともしない潔さが、逆に先人達へのリスペクトを感じさせて好感が持てます。

Track List

1. In Darkest Dreams
2. The Canterbury Sequence
3. Up Hill from Here
4. The Music That Died Alone

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MAGENTA / Seven

2004,UK

女性ボーカルをフィーチュアした英国シンフォ・バンドMAGENTAの2ndアルバムSeven。

YESやRENAISSANCEが引き合いに出されるようだが、どうなんでしょう?
確かにコーラスはYESっぽいけど、それほどテクニカルで複雑でもないし、RENAISSANCE云々に至っては女性ボーカルだけが唯一の共通点って感じも。
それより、そんな形容が不要なほどMAGENTAとしてのスタイルが確立されていると思います。
細かいヴィブラートが独特で澄み切ったクリスティーナ嬢の歌声、英国らしい落ち着いた雰囲気と叙情性、現代のバンドらしいデジタル・シンセのクリアなサウンド。
「七つの大罪」をタイトルに戴く楽曲は、そのほとんどが10分クラスの長尺でじっくり、しっとり聴かせます。
シンセ等と生の弦が織り成すオーケストレーションが、凛とした空気感と適度なウェット感の絶妙なバランスで独特の音場を醸成。しっとりした#2や#5は女性ボーカル・ファンなら必聴です。

Track List

1. Gluttony
2. Envy
3. Lust
4. Greed
5. Anger
6. Pride
7. Sloth

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FLOWER KINGS / Adam & Eve

2004,SWEDEN

シンフォニック、アバンギャルド、スリル、叙情、時折ロカビリー!・・・様々な音楽的要素がごった煮感覚で味わえるのがTHE FLOWER KINGSの最大の魅力だと個人的に感じてますが、この2004年8thアルバムAdam & EveはCD1枚ということもあってかハッセ・フロベリ(Vo)のクリーンな歌唱を活かしたストレートで爽やかなシンフォニック路線にカラーが統一されてます。
その分、叙情性が減少。お家芸とも言えるテクニカルなのにキャッチーな高速変拍子も皆無。
雑多な要素を有機的に繋ぎ合わせてTHE FLOWER KINGSというひとつのテイストに昇華させていたロイネ・ストルト(G/Vo)のネバりあるギターのトーンや味わいある歌唱もこの8thアルバムでは控え目です。
プロデュースもしてるんで、一歩下がり俯瞰するようなスタンスで制作に関わったからかもしれません。
前作に続き客演のPAIN OF SALVATIONのダニエル・ギルデンロウがシアトリカルな歌唱でアクセントとなってたりしますが、やはりロイネ・ストルトにもうちょいがんばって欲しかったですね。他のプロジェクト(色々やり過ぎ!)で忙しかったんでしょうか?

Track List

1. Love Supreme
2. Cosmic Circus
3. Babylon
4. Vampires View
5. Days Gone By
6. Adam & Eve
7. Starlight Man
8. Timelines
9. Drivers Seat
10. The Blade of Cain

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MOSTLY AUTUMN / Passengers

2004,UK

美声女性ボーカルを擁するシンフォニックなフォーク・ロック・バンドMOSTLY AUTUMNの5thアルバム Passengers。

躍動感ある#1、ブライアン・ジョシュ(G/Vo)の朴訥な歌唱が良くも悪くも印象に残るロックなナンバー#2、と軽快に飛ばすコンテンポラリーな序盤。
一転して#3はヘザー・フィンレイ(Vo)の滑らかな美声が堪能できる叙情バラード。ヴァイオリンとチェロの端整な調べが気品を加えています。
ヘザーの書いた#4,#5は前半のハイライト。トラッド風な#4での優しい歌唱、フォーク・ロックやブルーズ・ロックの影響を感じさせる#5でのレンジの広い力強い歌唱など様々な魅力が堪能できます。#3でのフォークロア調フィドル、#4のフルートなど脇を固める小技も効いています。
荒涼とした中にヘザーの抑えた歌唱が染み入るトラッド風な#6。ラストのシンセによるシンフォニックな叙情リフレインも聴き所。
転調による場面転換が劇的なコンテンポラリー・チューン#7。
壮大に盛り上がるバラード#8。
ゲストのトロイ・ドノックリーが奏でるイリアン・パイプなどのエスニックな音色がアクセントとなったインスト#9。
ピアノのアルペジオとジョシュのお経ボーカルによる2コーラス目Aメロが何となく初期THEATRE OF TRAGEDYみたいなゴシック・メタル風な#10。サビでのヘザーの美麗歌唱とラストの叙情リフレインがドラマティック。
#11は3部構成。ジョシュとヘザーがデュエット、ホイッスルやイリアン・パイプの味付けが素敵なフォーク・チューンのPart1。アップ・テンポに疾走する中、イリアン・パイプとヴァイオリンのソロが郷愁を誘いつつもカッコ良いPart2。ダンス・チューンを現代的に解釈した開放的なPart3。

現代的な音像に、トラッドやケルト的フォークロア風味、クラシック・ロックなどの影響を巧みにミックスさせた、素朴ながらもドラマティックなアルバム。ヘザーの表現力抜群な歌唱も素晴らしいです。

Track List

1. Something In Between
2. Pure White Light
3. Another Life
4. Bitterness Burnt
5. Caught In A Fold
6. Simple Ways
7. First Thought
8. Passengers
9. Distant Train
10. Answer The Question
11. Pass The Clock

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WHITE WILLOW / Storm Season

2004,NORWAY

ノルウェーの鬱系プログレッシブ・ロック・バンドWHITE WILLOWの2004年4th。

シルヴィア・エリクセン(Vo)嬢の可憐な女性ボーカルをメロトロン、ハモンド、モーグ、フェンダー・ローズ、ウーリッツァーといったヴィンテージ・キーボードやフルート、チェロといったアコースティック楽器が織り成す暗黒グルーヴによって包み込むメランコリックなサウンド。ヘヴィに迫る場面ではゴシック・メタルのようなムードも感じさせます。デジタル・シンセも効果的に使用されており、アコースティック楽器と絶妙のマッチングを見せています。木漏れ日フォークのような序盤から優しい歌唱をフィーチュアした#3。ディストーション・ギターとハモンドのリフに導かれヘヴィに展開する暗黒シンフォ#4。グロッケンがミステリアスなムードを醸し出すプログレッシブ暗黒チューン#5。7拍子に乗るオルガン・ソロやモーグによるシンセ・ソロを含むヘヴィな#7。等々、どれも暗鬱な静寂パートや屈折したインストパートが用意されており一筋縄ではいきません。

Track List

1. Chemical Sunset
2. Sally Left
3. Endless Science
4. Soulburn
5. Insomnia
6. Storm Season
7. Nightside of Eden

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IQ / Dark Matter

2004,UK

IQの2004年8thアルバムDark Matter。

4~5分台のコンパクトな楽曲#2,#3,#4を曲間無く繋ぎ長尺曲#1,#5でサンドイッチするアルバム構成は、コンセプト・アルバムかと見紛うほどの統一性で時間があっという間に過ぎて行きます。
コンパクトな楽曲群は、叙情的な#2、緊張感ある序盤とキャッチーなサビを持つ#3、思索ナンバー#4とそれぞれが明快なキャラクターを持ち、デジタル・シンセによるシンフォニックなストリングス系サウンドやサンプラーと思しきモーグ、コルグCX3によるハモンド等のヴィンテージ・サウンドによるアクセントが効いたアレンジに、キャッチーでフック満載のヴォーカルやギターのメロディが乗る全く隙の無い完璧な構成。
それに輪をかけて完璧なのがポジティブで高揚感溢れる#1や、緩急織り交ぜた組曲形式で24分超の物語を紡ぐ#5。

豊富なアイディアによるプログレッシブ・ロック的なおいしいパーツが随所に点在しながらも、最終的には明快な楽曲キャラクターにまで昇華する手腕が見事な素晴らしいアルバムです。

Track List

1. Sacred Sound
2. Red Dust Shadow
3. You Never Will
4. Born Brilliant
5. Harvest Of Souls

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PAATOS / Kallocain

2004,SWEDEN

スウェーデンの鬱系メランコリック・プログレPAATOSの2ndアルバムKallocain。

オリジナルメンバーで元LANDBERKのReine Fiskeが脱退し、Peter Nylander(G)が加入。レーベル(INSIDEOUT) ・メイトのスティーヴン・ウィルソンPORCUPINE TREE)がミックスを担当しています。

衝撃のヴァイオリン・ソロから7拍子中近東風リフが淡々と繰り返され、サビで爆発する緊張感抜群なオープニング・チューンの#1。
一転して、モーダルなチェロが印象的でサビ・メロとコーラスが胸に染み入る#2。
無機質な打ち込みビートにPetronella Nettermalm(Vo)のウィスパー・ヴォイスによる美メロが乗る、もの悲しくも爽やかで清涼感のある#3。サビの変拍子とメロトロンによる味付けが効いています。
ラジオ風エフェクトをかけたボーカルが生声になる瞬間がトリ肌の静かな#4。この曲も中盤以降のメロトロンが効いてます。
さりげなく自然で優しい7拍子の#5は、ボーカル・メロディやコーラス、中間部の展開も完璧で美しさの中に溶けて行きそうです。
絶望的な暗鬱感漂うイントロ~中間部から一転、後半にかけての場面転換で一瞬一筋の光が射したと思いきや超哀メロで畳み掛ける後半で涙する#6。でも、なんか暖かいんですよね。
続くジャジーな雰囲気の暗鬱バラード#7は切ないボーカル・メロディとサビが美しすぎます。後半にかけては超ド級の哀しいメロトロンが涙腺を攻撃。もう反則です。
3拍子系のリフ(エレピが良い!)から4拍子に入る定番なトリッキー・テクの罠にはまってハッとさせた後はエキゾティックなメロディから段々盛り上がり、哀メロのサビでメロトロンと一緒に泣ける#8。
ラストは何層も重ねた霧のようなボーカル・ハーモニーを中心に切々と紡がれるエンディングにピッタリな雰囲気の#9で締めています。

ジャズをも咀嚼したセンス抜群のミュージシャン達が紡ぐ、女性ボーカル、メロトロン、叙情メロディーをフィーチュアした現代的プログレの大推薦盤です。

Track List

1. Gasoline
2. Holding On
3. Happiness
4. Absinth Minded
5. Look At Us
6. Realty
7. Stream
8. Won't Be Coming Back
9. In Time

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RETROHEADS / Retrospective

2004,NORWAY

ノルウェーのプログレッシブ・ロック・バンドRETROHEADSの1stアルバムRetrospective。

NASAの交信音SEに覆いかぶさる叙情的なメロトロン・ストリングスのイントロがプログ・ファンの心を鷲掴みにするオープニングナンバー#1。さらにメロトロン・フルートのレトロな音色によるアルペジオへと続き、男女混声ボーカルの優しく穏やかな歌メロパート、変拍子歌メロ、少々ダークなパート、スリルとトリップ感を味わえるスペイシーなインスト・パートなどめくるめく展開しのっけから度肝を抜きます。
一転して#2は爽やかなアコギ・リフのイントロがポップなナンバー。叙情的なボーカル・パートに続くインスト・パートではマイルドなヴィンテージ・シンセ・ソロをフィーチュア。
ミステリアスなムードの中、洒落た女声パートや女声スキャットのフックがカッコ良く決まる#2。中間部はフリーフォームな女声スキャットとサスティンの効いたスライド・ギターを配したPINK FLOYD風トリップ・パート。
イントロの繊細なピアノとジェントルな男声ボーカルでバラード・ナンバーかと思いきや、ジャジーな女声コーラスやメロトンをバックにしたモーグの滑らかなソロなどを盛り込み落ち着いたAOR風ナンバーに仕上げた#4。
ヴィンテージ・キーボード群が活躍する温かみのあるスペイシーなパートと変拍子ジャズ・ロックのインスト・パート、コンテンポラリー・ポップなボーカル・パートから成る#5。終盤はシンセの叙情シンフォニックで締める。
メランコリックなボーカル・パートを主軸に、その叙情をさらに盛り上げるメロトロン・クワイヤ、メロトロン・ストリングスが印象的な#6。
捻った7拍子不条理リフやキメの多いリズムに乗ったスリリングなヴァースからポップなサビに移行する#7。メロトロン・クワイヤをバックにしたギター・ソロの泣き具合も絶品。
美しく透明感溢れるバラードの序盤から、数種類のメロトロン・サウンドなどプログレ度が高いインスト・パートを含むプログレ・チューンに発展する#8。
全体的なポジティブ・ムードとどこか北欧的なメロディがFLOWER KINGSを想起させるプログレッシブ・インストゥルメンタル・チューン#9。

TVやラジオのCM音楽などを手掛けるトーレ・ボ・ベンディクセン(Vo/Key/G/B)が中心となり、メロトロン、ハモンドB3、アープシンセ、ミニモーグなど、ヴィンテージ・キーボードを使用しながら、音楽的にはジャズやポップの要素を盛り込んだ独自のコンテンポラリーなプログレッシブ・ロックを展開。
特に、随所で決まる洒落たジャジィな女声コーラスやスキャットが、他の70年代回顧バンドとの違いを明確にしている。

楽曲は良く言えば変幻自在、悪く言えばやりっ放し。曲の最初に提示したテーマを終盤にリプライズするようなありがちな展開が無く最初は戸惑うが、慣れればその整合感ギリギリの展開が快感になります。

Track List

1. Earthsong
2. Man
3. Judgement Day
4. Dreams
5. World Reveal
6. Starry Night
7. Urban Flight Delight
8. Taking my Time
9. The Fool

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THE TANGENT / The World That We Drive Through

2004,UK/SWEDEN

THE TANGENTの2004年2nd。

リズム隊はFLOWER KINGS組のスウェーデン人で、いい味出しているSax/FluはPORCUPINE TREEのアルバムでも客演したりしている英国人Theo Travis。#2の終盤、フルートに絡むヴォーカル・パートがNATIONAL HEALTHのアマンダ・パーソンズを彷彿させてニヤリなSam Baineなる女性も英国人か?大仰で派手なオープニング・チューンにHATFIELDのカヴァー、VDGGのDavid JacksonのフリーキーなSaxとプログレッシブな飛び道具満載だった1stと比べると地味な感じもしますが、その分落ち着きと奥行きが感じられてゆったりと楽しめますね。ジャジーな要素を加味したクールでアダルト・オリエンテッドなプログレって感じでしょうか。勿論アグレッシブな変拍子&変態アンサンブルも登場しますが、スゴ腕ミュージシャン揃いなのでサラっと余裕で演っちゃってます。アンサンブルの背景はデジタル機材が目立つ事無く担い、RoineのネバっこいギターやマイルドなTheoのSaxといったオーガニックな音色が表に立つ事で、サウンドが程よく馴染んでマイルドな大人の感触のトーンに仕上げている所がニクイです。

Track List

1. The Winning Game
2. Skipping the Distance
3. Photosynthesis
4. The World We Drive Through
5. A Gap in the Night

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MOON SAFARI / A Doorway To Summer

2005,SWEDEN

スウェーデンのポップなプログレッシブ・ロック・バンド MOON SAFARIの1stアルバム A Doorway To Summer。

プロデューサーは同郷のプログレッシブ・ロック・バンド FLOWER KINGSの鍵盤奏者トマス・ボーディン。

オープニングのピアノとアコギに絡むハーモニカが甘酸っぱい印象の#1。メロトロンやまろやかなシンセもオーガニックなサウンドに溶け合ってロマンティックなムードを醸成。終盤の転調7拍子インスト・パートでは一転してテクニカルなシンセ・ソロも聴かせ、プログレな出自も垣間見せます。
5拍子をここまでポップかつキャッチーに演奏してしまうのか!と驚愕のフォーク風プログレ・ナンバー#2。このあたりはFLOWER KINGSの影響もかなり受けている模様。シンセとギターの一糸乱れぬユニゾン・パートなど器楽的な聴き所も満載。
キャッチーな歌メロを中心としたバラード・ナンバー#3。インスト・パートではいくつものテーマ・メロディを様々に変奏し、楽曲の印象度を高める老獪なアレンジが秀逸。
長尺24分超の#4では5拍子をそれと感じさせない自然なアレンジ力と起伏に富んだ構成力も見せつつ、透明感あるアコギやヴィンテージ・シンセの滑らかなトーン、メロトロン・フルートなど音色選びのセンスも感じさせます。
歌うようにメロディアスなピアノの独奏を冒頭に配した、メロウな#5。

親しみやすい普遍的な良質メロディ、コーラスやシンプルな楽器音による暖かみのあるサウンド、確かな演奏技術、これらが高次元で融合したシンフォニック・ロックを展開。聴き終わった後にポジティブな印象を残す爽やかなアルバム。

Track List

1. Doorway
2. Dance Across the Ocean
3. A Sun of Your Own
4. We Spin the World
5. Beyond the Door

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KINO / Picture

2005,UK

IT BITESのジョン・ベック(Key)、MARILLIONのピート・トレワヴァス(B)、ARENAのジョン・ミッチェル(G/Vo)らによるプログレッシブ・ロック・バンドKINOの1stアルバム Picture。

スリリングなアップテンポのハード・ポップ#1。中間部のファンタジックでかわいらしいパートや各所のフック、まるでリード・シンセとも言っていいくらい独自のメロディを紡ぎながらアレンジの一部として出過ぎないキーボードなど、匠の技を結集し9分超をドラマティックに構築。
4音パターンのアルペジオ・シーケンスがにリードし、広がりのあるサウンドでシンフォニックに盛り上がる#2。ここでも右CHのシンセが大活躍。
マリンバ風のパーカッシブなシンセでクールにキメた#3。テーマ・メロディと美しいサビが非常に印象に残ります。
沈痛でメランコリックな序盤から壮大なスケールに展開する#4。
多層的なシンセとオルガンが有機的に絡み合ったシンフォニックなパートとハード・エッジなギターによるヘヴィなパートが起伏を生む#5。
ピアノやボーカルとシンセのユニゾンなどで繰り返すテーマ・メロディが美しすぎるバラード#6。
3拍子で進行する落ち着いたムードの#7、7拍子に乗せたキャッチーな#8、とアルバム構成にもアクセントが。
ギターのアルペジオとパッド系シンセによる繊細な前半、トリッキーなリズムを使用した中間部、印象的なリフレインを繰り返す後半とプログレッシブに構成された#9。
モーダルなメロディが独特の神秘的なムードを醸成する小品の#10。

2人のジョンは後にIT BITESを再結成することになるので、そのプロトタイプという見方もできますね。IT BITESでは意図的にフランシス・ダナリーに似せた歌唱を聴かせるジョン・ミッチェルもここでは自然体。

ジョン・ベックのカラフルなシンセは往年程の派手さは無いものの、相変わらずの音色センスとボーカル・メロディを引き立てる印象的なラインで地味ながらアレンジに溶け込ませているところが凄い。2000年代で80年代風キラキラ・シンセ音をここまでセンス良く使うのは彼ならではの技ですね。ジェフ・ダウンズあたりも見習って欲しいですね。

ボーカルやサウンド面でのアクの強さこそIT BITESに譲りますが、アメリカ人には到底作れない端整で胸を打つメロディで満たされた各楽曲はさすがベテラン達から成るバンドらしい英国の味そのものです。

Track List

1. Losers Day Parade
2. Letting Go
3. Telling You
4. Swimming In Women
5. People
6. All You See
7. Perfect Tense
8. Room For Two
9. Holding On
10. Picture

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カテゴリー: KINO

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WETTON DOWNES / Icon

2005,UK

オリジナル・メンバーが離散していったASIAの看板を守り続けたジェフ・ダウンズ(Key)と、そのASIAのオリジナル・メンバーだったジョン・ウェットン(B/Vo)が再会して始動したプロジェクトの1st。

イアン・マクドナルド(Fl/ ex.KING CRIMSON)、ジョン・ミッチェル(G/ ARENA,IT BITES,FROST)、アニー・ハズラム(Vo/ RENAISSANCE)、ヒュー・マクドウェル(Cello/ ex.ELO)など豪華メンバーが参加。ASIAと比べるとプログレ風な器楽的要素は少なく、イントロのチェロが印象的な#1やクラシカルな展開のメイン・メロディだけで1曲を仕上げた#2、チャーチオルガンをイントロに配した#3など、2人が子供時代から影響を受けていたという教会音楽のテイストをコンテンポラリーなロックに溶け込ませた上質なメロディアス・ロックとなっています。
サウンド面では、ジェフ・ダウンズのブ厚いシンセによるオーケストレーションを中心に、ジョン・ミッチェルによる構築性の高い#3、エモーショナルな#8などのギター・ソロ、イアン・マクドナルドによる#2や#10での叙情味溢れるフルートなど、素晴らしいプレイが楽曲をより印象深くしています。
そして何といっても#10でジョン・ウェットンとのデュエットを聴かせるアニー・ハズラム!
ジョン・ウェットンの歌唱にクロスして、クラシカルなメロディを歌うアニーのクリスタル・ヴォイスが登場する場面の神々しさときたら・・・・もう、絶品です。

Track List

1. Overture: Paradoxx ~ Let Me Go
2. God Walk With Us
3. I Stand Alone
4. Meet Me At Midnight
5. Hey Josephine
6. Far Away
7. Please Change You Mind
8. Sleep Angel
9. Spread Your Wings
10. In The End

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THE TANGENT / A Place In The Queue

2006,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドTHE TANGENTの2006年3rd。

ロイネ・ストルト(G)が脱退し、アンディ・ティリソン(Key/Vo)とテオ・トラヴィス(Sax/Flu)による双頭バンドの様相を呈してきました。ロイネの苦味ばしった独特の歌声とネバリのギターが聴けないのは寂しいですが、その分アンディがやってくれてます。ムーディな導入部にダイナミックなリフレイン、突き抜けるシンセ・ソロ、ギターによる叙情的なメロディなど盛りだくさんの要素で起伏ある展開を見せる20分超の大作#1。軽く歪んだオルガンとフルートがリードする、キャッチーでマイルドなジャズ・ロックの#2。テオ・トラヴィスがボーカルを取った、ド変態アバンギャルド・ジャズ・ロックの#3。親しみやすくもクールなオルガンのリフレインがカンタベリー風だなぁと思っていたら、長いソロ・パートの終盤にHATFIELD AND THE NORTH風というか、HATFIELDのコーラス隊 ザ・ノーセッツ風な美しい女声コーラスも登場する#4。中盤ではKANSASのCarry on Wayward Sonのようなリフも飛び出します。ロックなオルガンのリフ、ジャジーなボーカル・パート、ロカビリーのようなサビと展開し、エキサイティングなシンセ・ソロ、ヨナス・レインゴールド(B)の超絶ベース・ソロ、クリスター・ジョンソン(G)のエモーショナルなソロをフィーチャーした#5。イントロのドラム・パターンと重厚なムードがUKのDanger Moneyを彷彿させる#7は、アダルトなムードのボーカル・パートや、シンセによるプログレ大会、渋い音使いのギター・ソロ等インスト・セクションによって紡がれた25分に及ぶ超大作。などなど、リスペクトと遊び心を織り込んだプログレ風隠し味でニヤリとさせつつ、70年代ディスコ・ミュージックを完璧に再現しながら、アンディのとぼけた味わいのボーカルとのミスマッチが楽しい#6で楽しませたりと、聴き手のツボをガンガン突いてくるサービス精神がうれしいですね。全編に漂う落ち着いた大人のムードも良い感じです。

Track List

1. In Earnest
2. Lost in London
3. DIY Surgery
4. GPS Culture
5. Follow Your Leaders
6. The Sun in My Eyes
7. A Place in the Queue

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MAGENTA / Home

2006,UK

MAGENTAの2006年3rdアルバムHome。

自分のHOME=心の拠り所を求めてアメリカを旅する、英国女性の心象風景が描かれたコンセプト・アルバム。
場面転換を促す小曲によって軸となる4~7分の各曲が有機的に繋がり、物語が進行していく。前作の名盤「Seven」程レンジの広いドラマ性は無く、強弱の振幅が狭く絞り込まれている印象。しかし、その分静かに語られるストーリーがより心に染み渡る効果をもたらしている。
アレンジ面も派手なオーケストレーションや変拍子は控えめで、エレピやオルガンにアコギといった素材の良さが活かされている。クリスティーナ嬢の歌唱も又しかりで、切々と歌われるメロディに気品あるしっとりした歌声が絶妙なマッチングを見せている。

Track List

1. This Life
2. Hurt
3. Moving On
4. My Home Town (Far Away)
5. Brave New Land
6. The Journey
7. Towers of Hope
8. Demons
9. Morning Sunlight
10. Joe
11. A Dream
12. The Visionary
13. Journey’s End
14. The Travellers Lament
15. Home

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FLOWER KINGS / Paradox Hotel

2006,SWEDEN

FLOWER KINGSの2006年9thアルバムParadox Hotel。

2枚組アルバム全体のトーンはもはや初期のようなスリリングなインストパートや叙情性はかなり後退し、ここ数作と同様な爽やかシンフォニック路線。
レイドバックとまではいかないものの何か”角が取れた”かのような落ち着いたサウンドは正直物足りないですね。
そんな中、ロイネ・ストルト(G/Vo)がヴォーカルを取る楽曲では自らメロトロンも弾いたりと味わい深い印象を残します。
その極め付けが、ロイネお得意のアダルト&叙情フレーバーが堪らないDISC1の#8。この味のある渋いヴォーカルにアコギの爪弾き、ゾワっと忍び寄るメロトロン、そしてギターによるメランコリックな必殺のリフレイン・フレーズ。ヨナス・レインゴールド(B)のフレットレス・ベースによるソロやトマス・ボーディン(Key)の翳りの有るエレピなどアンサンブルも最高。
説得力や聴き手を引き込む歌唱力はさすがロイネ。ロイネのヴォーカル曲だけに絞り込んで曲数も減らした方がアルバムとしての焦点がスッキリまとまって出来が良くなったと思いますね。

Track List

DISC 1
1.Check In
2.Monsters & Men
3.Jealousy
4.Hit Me With A Hit
5.Pioneers Of Aviation
6.Lucy Had A Dream
7.Bavarian Skies
8.Selfconsuming Fire
9.Mommy Leave The Light On
10.End On A High Note

DISC 2
1.Minor Giant Steps
2.Touch My Heaven
3.The Unorthodox Dancinglesson
4.Man Of The World
5.Life Will Kill You
6.The Way The Waters Are Moving
7.What If God Is Alone
8.Paradox Hotel
9.Blue Planet

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ANEKDOTEN / Gravity

2006,SWEDEN

スウェーデンのプログレッシブ・ロック・バンドANEKDOTENの4thアルバムGravity。

ヘヴィなグルーヴと唸りを上げるメロトロンによる音のカベが押し寄せるド迫力の#1。ヘヴィな中にもヴィブラフォンのもたらす寂寥感が効いてます。
スペイシーなメロトロンの白玉リフ、アルペジオをバックにした歌唱パートなど、キャッチーに仕上がった#2。終盤のサイケな音色のオルガン・ソロも味わい深いです。
パーカッションとアコギの伴奏をベースに淡々と詩情を綴った#3。冷ややかな音色のメロトロンがサビのコーラス・ハーモニーを増強したり、サウンド全体の陰影を浮かび上がらせたりと活躍。
底辺をうねるベース・ライン、くすんだ音色のオルガンとクリーン・ギターのアルペジオでクールに鬱な叙情を描く、重く静かな#4。
サンプルのように無機的でシンプルなビートに妖しげな男女混声コーラスが舞う#5。エフェクトによるSEのようなサウンドスケープやアンビエントなピアノをあしらって実験的ムードも漂います。
暗鬱ボーカル・メロディとヴィブラフォンによる静のパートと、メロトロンとヘヴィ・グルーヴが覆い尽くす動のパートがせめぎあうタイトル・トラック#6。
グラスハープのようなやわらかい音色のサウンドで霧のように包まれたアコースティック小品#7。
4拍子ながらアクセントをずらしたトリッキーなリズムがフックとなったインストゥルメンタル・ナンバー#8。

重金属のようなベースが押し捲る直接的なヘヴィネスがやや後退、トレモロがかかったヴィブラフォンやオルガンの不穏なサウンドでダークな心象風景を描き、メロトロンが効果的にアクセントをつける事でサウンドが整理され、随分聴き易くなりました。
このオルガン、クレジットにあるFARFISAなるイタリアの電子オルガンかもしれません。

Track List

1. Monolith
2. Ricochet
3. The War Is Over
4. What Should But Did Not Die
5. SW4
6. Gravity
7. The Games We Play
8. Seljak

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カテゴリー: ANEKDOTEN

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FROST / Milliontown

2006,UK

プロデューサー、コンポーザーのJEM GODFREY(Key/Vo)が中心となり 、UKのプログレ・バンドIQのAndy Edwards(Dr)、John Jowitt (B)、ARENAのJohn Mitchell(G/再結成IT BITESでも活躍中!)らからなるプログレ・バンドFROST 衝撃のデビュー・アルバムMilliontown 。

とにかくこのJEM GODFREYなるオッサン(1971年生まれ)のセンスが爆発したテクニカルなプログレッシブ・ロックがバリバリ 全開。
この音像でシャウトするVoとヘヴィなギターリフでもあれば、プログレ・メタルなんていうありがちな烙印(失礼)を押されてるところだろうが心配は無用。サウンドのそこかしこのムードや渋めのヴォーカルに英国らしい翳りが感じられてナイス。
これはタダ者じゃありません。オープニングを飾るインストゥルメント・ナンバー#1冒頭の静かなパートでの7拍子なピアノによるリフレインでもう感じまし たね。あ、これは来るな、と。そしたら来ましたよ、バンドが勢揃いしての怒涛のヘヴィ・プログレ・パートが。この音圧と若干変態っぽい不条理な転調が もう堪らなくイカしてます。
#4ではデジタルなブレイク・ビーツによる現代風ファットなグルーヴを取り入れており、単なる懐古趣味バンドでない事を物語ってます。
そして、デビュー・アルバムから何といきなり26分という長尺の#6が最大のハイライト。
序盤のピアノの調べをバックに英国っぽい思索ムードなヴォーカル・パートで進行し、ズ太いシンセによるリフでグイグイと スリル満点で来るあたりはトリ肌全開。
全体的にヘタにメロトロンとかの小道具に頼らず(#3イントロは若干それ風だけど)、最新デジタル・シンセを惜しげも無く 大放出してのサウンド・メイキングが潔く、シャウトしないが男っぽいヴォーカルもケレン味無くて好感ですね。又なによりも、甘くは無いがキャッチーなメロディが随所に散りばめられており、なお且つカッコ良い!

Track List

1. Hyperventilate
2. No Me No You
3. Snowman
4. The Other Me
5. Black Light Machine
6. Milliontown

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カテゴリー: FROST

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PORCUPINE TREE / Deadwing

2006,UK

スティーヴン・ウィルソン(G/Vo)率いる英国のプログレッシブ・ロック・バンドPORCUPINE TREEの8thアルバムDeadwing。

テクノ風シンセのシーケンス・パターンにハード・エッジなギター・リフが乗って疾走する#1。中間部にメロディアスなパートと若干の思索パートを盛り込み、展開の妙を見せるPORCUPINE TREEならではの楽曲。
音の間を活かした70年代ロック風ギター・リフがグルーヴィな#2。サビでは超ド級ヘヴィ・リフとギャヴィン・ハリソン(Dr)のパワフルなドラミングが絶妙にシンクロしています。
もはやお家芸とも言える、清廉なメロディのボーカル・チューン#3。リチャード・バルビエリ(Key)の白玉シンセとスティーヴンの囁くような歌唱が爽やかさを演出。
ベースのリフがリードするファンキーさの中に、屈折した音響効果をスパイスに加えた#4。
繰り返されるギターのアルペジオが誘発するトリップ感を軸に、霧のようなシンセやヘヴィなリフ・パートを加え、起伏を生み出す思索路線12分超の#5。
リズム・ボックスの無機的シンプル・ビートに、アコギの優しいカッティングやメロトロンによる足踏みオルガンやクワイヤの有機的なサウンドが乗った不思議なムードの#6。
ダークでトリッキーなリズムをベースにした歌唱パート、ヘヴィなギター・リフ、センチメンタルでメロディアスなサビと、バラバラになりそうな要素が奇跡の融合を果たした#7。
4拍子+5拍子のクールな歌唱パートからサイケなブリッジを経て、メロディアスなサビに展開する#8。終盤での叙情から激情への移行が感動的です。
レコードのスクラッチ・ノイズのSEから始まる、スペイシーかつサイケなムードのトリップ・チューン#9。

様々な音楽的バックボーンを随所に垣間見せながら、最終的にはPORCUPINE TREEのスタイルとして纏め上げてしまう貫禄の1枚。#1、#4の変態的なギター・ソロでエイドリアン・ブリュー、#1、#3、#5のバッキング・ボーカルでOPETHのミカエル・オーカーフェルトが客演しています。(ミカエルは#5で渋いフレージングの2ndギター・ソロも)

Track List

1. Deadwing
2. Shallow
3. Lazarus
4. Halo
5. Arriving Somewhere But Not Here
6. Mellotron Scratch
7. Open Car
8. Start of Something Beautiful
9. Glass Arm Shattering

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カテゴリー: PORCUPINE TREE

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