PAATOS のレビュー

PAATOS / Kallocain

2004,SWEDEN

スウェーデンの鬱系メランコリック・プログレPAATOSの2ndアルバムKallocain。

オリジナルメンバーで元LANDBERKのReine Fiskeが脱退し、Peter Nylander(G)が加入。レーベル(INSIDEOUT) ・メイトのスティーヴン・ウィルソンPORCUPINE TREE)がミックスを担当しています。

衝撃のヴァイオリン・ソロから7拍子中近東風リフが淡々と繰り返され、サビで爆発する緊張感抜群なオープニング・チューンの#1。
一転して、モーダルなチェロが印象的でサビ・メロとコーラスが胸に染み入る#2。
無機質な打ち込みビートにPetronella Nettermalm(Vo)のウィスパー・ヴォイスによる美メロが乗る、もの悲しくも爽やかで清涼感のある#3。サビの変拍子とメロトロンによる味付けが効いています。
ラジオ風エフェクトをかけたボーカルが生声になる瞬間がトリ肌の静かな#4。この曲も中盤以降のメロトロンが効いてます。
さりげなく自然で優しい7拍子の#5は、ボーカル・メロディやコーラス、中間部の展開も完璧で美しさの中に溶けて行きそうです。
絶望的な暗鬱感漂うイントロ~中間部から一転、後半にかけての場面転換で一瞬一筋の光が射したと思いきや超哀メロで畳み掛ける後半で涙する#6。でも、なんか暖かいんですよね。
続くジャジーな雰囲気の暗鬱バラード#7は切ないボーカル・メロディとサビが美しすぎます。後半にかけては超ド級の哀しいメロトロンが涙腺を攻撃。もう反則です。
3拍子系のリフ(エレピが良い!)から4拍子に入る定番なトリッキー・テクの罠にはまってハッとさせた後はエキゾティックなメロディから段々盛り上がり、哀メロのサビでメロトロンと一緒に泣ける#8。
ラストは何層も重ねた霧のようなボーカル・ハーモニーを中心に切々と紡がれるエンディングにピッタリな雰囲気の#9で締めています。

ジャズをも咀嚼したセンス抜群のミュージシャン達が紡ぐ、女性ボーカル、メロトロン、叙情メロディーをフィーチュアした現代的プログレの大推薦盤です。

Track List

1. Gasoline
2. Holding On
3. Happiness
4. Absinth Minded
5. Look At Us
6. Realty
7. Stream
8. Won't Be Coming Back
9. In Time

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