PORCUPINE TREE のレビュー

PORCUPINE TREE / Deadwing

2006,UK

スティーヴン・ウィルソン(G/Vo)率いる英国のプログレッシブ・ロック・バンドPORCUPINE TREEの8thアルバムDeadwing。

テクノ風シンセのシーケンス・パターンにハード・エッジなギター・リフが乗って疾走する#1。中間部にメロディアスなパートと若干の思索パートを盛り込み、展開の妙を見せるPORCUPINE TREEならではの楽曲。
音の間を活かした70年代ロック風ギター・リフがグルーヴィな#2。サビでは超ド級ヘヴィ・リフとギャヴィン・ハリソン(Dr)のパワフルなドラミングが絶妙にシンクロしています。
もはやお家芸とも言える、清廉なメロディのボーカル・チューン#3。リチャード・バルビエリ(Key)の白玉シンセとスティーヴンの囁くような歌唱が爽やかさを演出。
ベースのリフがリードするファンキーさの中に、屈折した音響効果をスパイスに加えた#4。
繰り返されるギターのアルペジオが誘発するトリップ感を軸に、霧のようなシンセやヘヴィなリフ・パートを加え、起伏を生み出す思索路線12分超の#5。
リズム・ボックスの無機的シンプル・ビートに、アコギの優しいカッティングやメロトロンによる足踏みオルガンやクワイヤの有機的なサウンドが乗った不思議なムードの#6。
ダークでトリッキーなリズムをベースにした歌唱パート、ヘヴィなギター・リフ、センチメンタルでメロディアスなサビと、バラバラになりそうな要素が奇跡の融合を果たした#7。
4拍子+5拍子のクールな歌唱パートからサイケなブリッジを経て、メロディアスなサビに展開する#8。終盤での叙情から激情への移行が感動的です。
レコードのスクラッチ・ノイズのSEから始まる、スペイシーかつサイケなムードのトリップ・チューン#9。

様々な音楽的バックボーンを随所に垣間見せながら、最終的にはPORCUPINE TREEのスタイルとして纏め上げてしまう貫禄の1枚。#1、#4の変態的なギター・ソロでエイドリアン・ブリュー、#1、#3、#5のバッキング・ボーカルでOPETHのミカエル・オーカーフェルトが客演しています。(ミカエルは#5で渋いフレージングの2ndギター・ソロも)

Track List

1. Deadwing
2. Shallow
3. Lazarus
4. Halo
5. Arriving Somewhere But Not Here
6. Mellotron Scratch
7. Open Car
8. Start of Something Beautiful
9. Glass Arm Shattering

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カテゴリー: PORCUPINE TREE

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