THE TANGENT のレビュー

THE TANGENT / A Place In The Queue

2006,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドTHE TANGENTの2006年3rd。

ロイネ・ストルト(G)が脱退し、アンディ・ティリソン(Key/Vo)とテオ・トラヴィス(Sax/Flu)による双頭バンドの様相を呈してきました。ロイネの苦味ばしった独特の歌声とネバリのギターが聴けないのは寂しいですが、その分アンディがやってくれてます。ムーディな導入部にダイナミックなリフレイン、突き抜けるシンセ・ソロ、ギターによる叙情的なメロディなど盛りだくさんの要素で起伏ある展開を見せる20分超の大作#1。軽く歪んだオルガンとフルートがリードする、キャッチーでマイルドなジャズ・ロックの#2。テオ・トラヴィスがボーカルを取った、ド変態アバンギャルド・ジャズ・ロックの#3。親しみやすくもクールなオルガンのリフレインがカンタベリー風だなぁと思っていたら、長いソロ・パートの終盤にHATFIELD AND THE NORTH風というか、HATFIELDのコーラス隊 ザ・ノーセッツ風な美しい女声コーラスも登場する#4。中盤ではKANSASのCarry on Wayward Sonのようなリフも飛び出します。ロックなオルガンのリフ、ジャジーなボーカル・パート、ロカビリーのようなサビと展開し、エキサイティングなシンセ・ソロ、ヨナス・レインゴールド(B)の超絶ベース・ソロ、クリスター・ジョンソン(G)のエモーショナルなソロをフィーチャーした#5。イントロのドラム・パターンと重厚なムードがUKのDanger Moneyを彷彿させる#7は、アダルトなムードのボーカル・パートや、シンセによるプログレ大会、渋い音使いのギター・ソロ等インスト・セクションによって紡がれた25分に及ぶ超大作。などなど、リスペクトと遊び心を織り込んだプログレ風隠し味でニヤリとさせつつ、70年代ディスコ・ミュージックを完璧に再現しながら、アンディのとぼけた味わいのボーカルとのミスマッチが楽しい#6で楽しませたりと、聴き手のツボをガンガン突いてくるサービス精神がうれしいですね。全編に漂う落ち着いた大人のムードも良い感じです。

Track List

1. In Earnest
2. Lost in London
3. DIY Surgery
4. GPS Culture
5. Follow Your Leaders
6. The Sun in My Eyes
7. A Place in the Queue

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