THE TANGENT のレビュー

THE TANGENT / Le Sacre Du Travail

2013,UK

アンディ・ティリソン(Key/Vo)率いるプログレッシブ・ロックバンドTHE TANGENTの7thアルバムLe Sacre Du Travail。
盟友テオ・トラヴィス(Fl/Sax/Cl)以外のメンバーを一新。ヨナス・レインゴールド(B)、ジャッコ・ジャクスジク(G)、ギャヴィン・ハリソン(Dr)に加え、BIG BIG TRAINのデイヴィッド・ラングドン(Vo)も参加。

タイトルは、ストラヴィンスキーの春の祭典(The Rite Of Spring)をもじったThe Rite Of Workをフランス語にしたもののようだ。

ティンパニ連打から管と木琴によるシーケンス・フレーズが続くオーケストラのようなオープニングに意表を衝かれつつも、ファンファーレのようなシンセ、メロウなサックスがいつものTANGENTのムードを漂わせる序曲#1。
管が織り成す厳かな雰囲気のイントロから、中間部でのデイヴィッド・ラングドンが歌うIT BITESみたいなムードが漂うキャッチーなパート、メランコリックなパート、カンタベリー風ジャズロック・パート、そして勿論シンセが唸るプログレ・パートなど、緩急・静動と場面転換で22分超を紡ぐ大作#2。
再び趣を変えた管主体のシーケンス・フレーズを冒頭に配置、ジャム風ドラム・パートから一気にプログレ・ワールドに突入する#3。インスト・パートでは、クロスオーバーやフュージョンといった表現がぴったりなレトロで新鮮なヴァイヴを醸し出している。
#1のシーケンスをピアノでリプライズしたものから壮大なパートまで盛り込んだ3分のインスト小品#4。
オルガンの軽快なリフに乗ってズ太いシンセが突き抜ける、爽快でキャッチーなプログレ・チューン#5。

従来のカンタベリー風味シンフォをベースに、クラシックのような楽章形式で各曲を関連させながらも際立たせ、全体としてよりスケールの大きなロック・オーケストラとも言える作風に。
プログレ然とした迸るシンセからフルート等の静謐な詩情まで、幅広い表情を確かなテクニックと味わい深い演奏で聴かせつつ、マニアックな部分とキャッチーなメロディも混在させる卓越したセンス。
現在、最も高品質なプログレ作品を生み出すバンド。

Track List

1. 1st movement: Coming Up On The Hour (Overture)
2. 2nd movement: Morning Journey & The Arrival
3. 3rd movement: Afternoon Malaise
4. 4th movement: A Voyage Through Rush Hour
5. 5th movement: Evening TV

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