THE TANGENT のレビュー

THE TANGENT / A Spark In The Aether

2015,UK

アンディ・ティリソン(Key/Vo)率いる英国のプログレッシブ・ロック・バンドTHE TANGENTの8thアルバム A Spark In The Aether。The Music That Died Alone Volume Twoをサブタイトルとし、1stアルバムの続編であることを宣言。

シンセのテーマ・リフと7拍子を軸に進行する明るく躍動感あるオープニング・チューン#1。
イントロのミニマルなモチーフにコード・カッティングを絡めるオルガンがカンタベリーなようでUK風でもある#2。シンセが入ると一気に快活なシンフォニック・プログレへ展開。ヨナス・レインゴールド(B)のメロディアスかつドライブ感あるプレイがリード。ジャズ・ロック然としたインスト・パートでは、ハーモニクスとアーミングも交えてトリッキーなソロを聴かせるルーク・マシン(G)のインテンスなプレイが強烈なアクセントとなっている。
テオ・トラヴィス(Sax/Fl)のフルートが軽やかな装いをもたらす、リラックスした歌ものジャズ・ロック#3。
#3のテーマをスパニッシュ風アコギで引継ぎ、妖しいフルートからムーディなサックスのインプロヴァイズに移行するダークなインストゥルメンタル#4。
グルーヴィなメイン・テーマを中心に緩急と陰陽で彩った6パートからなる21分超の組曲#5。
#1のパート2。静寂からサックスやギターのソロ・パートを経て、より躍動感を増したテーマ・メロディをリプライズする#6。

アンディ・ティリソン独特の味わいの歌唱や随所に見せるカンタベリー・ミュージック由来の洒脱に、往年のプログレを彷彿させるシンフォニック感をまぶしたTHE TANGENTサウンドはもはや保証書付き。
現代プログレッシブ・ロック・バンドの中でも比較的安定した活動で常に水準以上のアルバムを制作するTHE TANGENTだが、今回は2011年のアルバムCOMMの制作やツアー・バンドで参加していたテクニカルでフラッシーなフレーズを聴かせる技巧派ギタリスト ルーク・マシンが復帰。全ギター・パートのアレンジやミックスにまで関与する活躍ぶりで、楽章形式でロック・オーケストラを展開した前作Le Sacre Du Travailから一転してのシンプルなロック回帰にフォーカスした新作に貢献している。

Track List

1. A Spark in the Aether
2. Codpieces and Capes
 a. We've Got The Music!
 b. Geronimo - The Sharp End Of A Legacy
 c. Trucks & Rugs & Prog & Roll
 d. A Night At Newcastle City Hall, 1971
 e. We've Got The Music! (Reprise)
3. Clearing The Attic
4. Aftereugene
5. The Celluloid Road
 a. The American Watchworld
 b. Cops And Boxes
 c. On The Road Again
 d. The Inner Heart
 e. San Francisco
 f. The American Watchworld (Reprise)
6. A Spark In The Aether (Part Two)

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