ポップ のレビュー

ABBA / Voulez-Vous

1979,SWEDEN

スウェーデンのポップ・グループABBAの6thアルバムVoulez-Vous。

端正なストリングスとシャープなリズムがリード、コンパクトな中にABBAらしいメロディを散りばめた#1。
ディスコ・ビートをベースにした#2。
フリーダ(Vo)の優しい中域を活かした暖かみのあるバラード#3。
単にキャッチーなだけでは無く仄かな北欧風味が感じられる所がABBAならではの、煌めくパーフェクトなポップ・チューン#4。
穏やかなヴァースとスリリングなサビが対比したドラマティックなナンバー#5。
フリーダとアグネッサ(Vo)を贅沢にバック・コーラスに従えた、初期を彷彿させるビョルン(G/Vo)歌唱のロックン・ロール・ナンバー#6。
華麗なアレンジと端正なメロディがDancing Queenを彷彿させる#7。
国連国際児童年のテーマ・ソングに採用された#8。シンプルながら徐々に盛り上げるアレンジがドラマティック。
ムーディな中にセクシーな妖艶さを内包した#9。
女性陣が歌うABBA流ロックン・ロールにディスコ風味を加えた#10。

ポップ・メイカーとして頂点に立ったABBAが、映画サタデー・ナイト・フィーバー(1977)を機に世界的ブームとなったディスコ・ミュージックを導入。
ポップ界の第一人者が流行を取り入れるという事でその完成度は間違いなく高いが、時代に迎合した部分はエバーグリーン感には欠けるかも。
むしろ、北欧風ウルトラ・ポップに徹した#4やスパニッシュなテイストを取り入れた#8に普遍的な魅力が感じられる。
ABBA自らが所有するポーラー・スタジオでレコーディングされた最初の作品。

Track List

1. As Good as New
2. Voulez-Vous
3. I Have a Dream
4. Angeleyes
5. The King Has Lost His Crown
6. Does Your Mother Know
7. If It Wasn't for the Nights
8. Chiquitita
9. Lovers (Live a Little Longer)
10. Kisses of Fire

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SUPERTRAMP / Breakfast in America

1979,UK

SUPERTRAMPの1979年6thアルバム。

ピアノのリフレインによるフェイドインからギターのフィード・バックでいきなりロックする、静と動のダイナミズムがドラマティックな#1。ウーリッツァー独特の歪んだエレピをバックにペーソス感と郷愁を感じさせるメロディーが秀逸な#2。リックのヴォーカル曲としては珍しくエレピやオルガンによるカラフルなアンサンブルに乗ったPOPな#3。端正なアコピと美しいコーラスが印象的な#4。落ち着いたバラードに小粋なアレンジが施された#5。冒頭のハーモニカが哀愁と共に暖かみも感じさせる#6。美しいピアノの弾き語りからバンドが入り盛り上がる#7。軽快なウーリッツァーがリードするPOPな#8。ラストの大作を控え程良くリラックスした小品#9。そして緊張感あるイントロからしてただ事では無いムードの重厚なプログレッシブ・チューン#10。

#1,#3,#5等リックがメイン・ヴォーカルを取りロジャーがコーラスでアクセントを付ける(ラストの#10はその逆パターン)、というバンドとしての充実度を物語る黄金パターンが楽曲の魅力を増量。楽曲のクオリティ、流れともども完璧なアルバム。

Track List

1. Gone Hollywood
2. The Logical Song
3. Goodbye Stranger
4. Breakfast in America
5. Oh Darling
6. Take the Long Way Home
7. Lord Is It Mine
8. Just Another Nervous Wreck
9. Casual Conversations
10. Child of Vision

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JOURNEY / Departure

1980,USA

元SANTANAのニール・ショーン(G)とグレッグ・ローリー(Key/Vo)が中心となり結成されたインストゥメンタル主体のプログレッシブ・ロックバンドJOURNEYの6thアルバムDeparture。
4thから専任ボーカルにスティーヴ・ペリー(Vo)が加入し、彼の歌唱をフィーチャーしたキャッチーなアメリカン・ハード・ロックへ徐々に音楽性を転換。
冒頭のコーラス・ハーモニーやスティーヴのハイトーンを活かした歌メロにおけるキャッチーな要素と、ドライブ感あるギター・リフにスリリングな早弾きギター・ソロというハード・ロックな要素を兼ね備えたオープニング・チューン#1に魅力が凝縮されてます。
とはいえまだ後年のようにソフィスティケートされたフック満載の産業ロックには至っていないところが、けれん味無い叙情的なバラード#7やアーティスティックな#10などに表れています。
キャッチーなハード・ロック#6、中間部のクラシカルな3連フレーズがカッコ良い#8などライブでの定番曲も収録。

Track List

1. Any Way You Want It
2. Walks Like a Lady
3. Someday Soon
4. People and Places
5. Precious Time
6. Where Were You
7. I'm Cryin'
8. Line of Fire
9. Departure
10. Good Morning Girl
11. Stay Awhile
12. Homemade Love

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BUGGLES / The Age of Plastic

1980,UK

トレヴァー・ホーン(Vo)、ジェフリー・ダウンズ(Key)による英国のポップ・ユニットTHE BUGGLESの1980年1stアルバムThe Age of Plastic。
#2(邦題:ラジオスターの悲劇)のプロモ・ビデオがMTVでオンエアされて大ヒット。

のっけからシンセの多彩な音色でカラフルに迫る#1。AMラジオ風なローファイ・エフェクトを掛けたボーカルとTOTO風ホルンを始めとするシンセ、女性コーラスでデコレイトした#2。後半のギターのキメ・パートがASIAみたいです。
ヴォコーダーのコーラスを使った#4。
テクノ風ロックン・ロールの#5。
落ち着いた中にもカラフルなアレンジが冴え捲くる胸キュンチューン#6。
タイトル=鉄腕アトムと東洋的なメロディで印象に残る#7。
これもなんとなくエキゾチックなムードを湛えた#8。
テクノなレゲエ#9。
ズバリなタイトルとは逆にサックスのオブリガードとオルガンによるキュートなメイン・フレーズがオーガニックな質感を持った#10。これも英国人ならではのユーモアでしょうか。

80年代となり70年代とは違った新しさを前面に押し出したテクノな意匠の影で、実は所々に聴かれるアレンジやシンセのオーケストレーションがプログレ風味なのが面白いです。

2人はこの後何とYESに加入するもDrama 1作を残して脱退。トレヴァーはプロデューサーとしてYESの90125等で大成功。ジェフもASIAを結成しこれまた大成功。才能がある人はやっぱり凄いですね。

Track List

1. Living In The Plastic Age
2. Video Killed the Radio Star
3. Kid Dynamo
4. I Love You (Miss Robot)
5. Clean, Clean
6. Elstree
7. Astroboy (And the Proles on Parade)
8. Johnny on the Monorail

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JOURNEY / Escape

1981,USA

ちょっとドロ臭いオルガンが得意なグレッグ・ローリーが脱退し、元BABYSのジョナサン・ケイン(Key/G)が加入したアメリカン・ハードロック・バンドJOURNEYの7thアルバムEscape。

ジョナサンが早速全曲のライティングに関与し、JOURNEYサウンドが数段バージョン・アップ。
スティーヴ・ペリー(Vo)の歌う親しみやすくキャッチーなメロディと西海岸らしくカラっと爽やかで開放的なハードロック・サウンドが心地良く融合した、まさに全曲シングル・カットOKなんじゃないかというくらい高品質なポップ・アルバムに仕上がりました。
鼻にシワを寄せて弾くニール・ショーン(G)も楽曲に応じて印象的なプレイを聴かせています。
列車の警笛のようなダブルチョ-キングが鮮烈な#1の伸びやかなメロディアス・プレイ。
#3でのしっとりと落ち着いたフレージング。
クラシカルなムードがドラマティックなJOURNEY流様式美ナンバー#9では「1拍にどれだけ音符入るか」的に弾きまくり、ここまで徹底されれば気分も爽快なくらいです。
#7ではPOPな中にもプログレッシブ・ロック的な捻りの効いたアレンジが施され、バンドとしての成熟も感じられます。又全編に渡ってロス・ヴァロリー(B)のパーカッシヴなベースが良いアクセントになってます。

Track List

1. Don't Stop Believin'
2. Stone in Love
3. Who's Crying Now
4. Keep on Runnin'
5. Still They Ride
6. Escape
7. Lay It Down
8. Dead or Alive
9. Mother, Father
10. Open Arms

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BUGGLES / Adventures in Modern Recording

1981,UK

YESを抜けたトレヴァー・ホーン(Vo)、ジェフ・ダウンズ(Key)の2人組エレクトリック・ポップ・ユニットBUGGLESの1981年2ndアルバムAdventures in Modern Recording。しかし実態は、ジェフ・ダウンズが#3、#4、#7の3曲にしか関わらずアルバム制作中にASIA結成に向けて脱退。

オーディエンス・ノイズのSEをはじめとしたサンプリングが、後にトレヴァーがプロデュースしたYESの90125アルバム収録曲”Owner of a Lonely Heart”を彷彿させるキャッチーな#1。
リズム・マシンのトボけたビートにジャズのビッグ・バンド風ホーン・セクション・サウンドが乗るユーモラスな#3。
YESのDrama収録曲をプログレッシブなパーツ抜きでリメイク。神秘的なムードでダークかつしっとりと仕上がった#4。
重いエレクトロニック・ビートと垂れ込める厚いシンセ・ストリングスに叙情マイナー・メロディが乗る#8。
#1のクライマックスをリプライズした#9。等々、トレヴァーがほぼ一人で完成させたという経緯もあってか、弾けるようなポップスが楽しめた前作と比較すると全体的に内省的で落ち着いたテイストの仕上がりに。
前作では生ドラムのロックな響きも感じられましたが、本作では皆無。全面的にドラム・マシン(フェアライト?)を使用してのクールなビート感が前述のテイストの醸成に貢献しているように、テクノな方法論がより深化しております。

Track List

1. Adventures In Modern Recording
2. Beatnik
3. Vermilion Sands
4. I Am A Camera
5. On TV
6. Inner City
7. Lenny
8. Rainbow Warrior
9. Adventures In Modern Recording (Reprise)

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ASIA / Asia

1982,UK

元YESのスティーブ・ハウ(G)、元KING CRIMSON,UKのジョン・ウェットン(B/Vo)、元ELPのカール・パーマー(Dr)、「ラジオスターの悲劇」でヒットを放ったエレクトロPOPバンドBUGGLESのジェフリー・ダウンズ(Key)によって結成されたプログレ界のスーパー・バンドASIAの1982年1stアルバムAsia。

POPながらも少々ガチャガチャしたギター・ソロがスティーブならではの#1。
ホルンっぽいシンセのイントロ、透明感あるギターのオブガード等フック満載の#2。
場面転換を巧みに取り入れた#3。
ポジティブで開放的なムードの#4。
クラシカルで大仰なイントロのハード・ポップ#5。
叙情メロディとドラマティックな中間部を持つ#6。
シンセとギターによるユニゾン&ハーモニーが印象的なバラード#7。
シンセによるシンフォニックな終盤でアクセントをつけた#8。
もはやAORとも言える歌メロ部といかにもプログレなシンセ・ソロが違和感無く融合している#9。

プログレッシブ・ロックのドラマティックかつシンフォニックなエッセンスをキャッチーな歌メロと共存させ、4~5分のコンパクトな楽曲にまとめたプロの手腕とセンスがメロディアスなものを求める時代にマッチして大ヒットしました。

Track List

1. Heat of the Moment
2. Only Time Will Tell
3. Sole Survivor
4. One Step Closer
5. Time Again
6. Wildest Dreams
7. Without You
8. Cutting It Fine
9. Here Comes the Feeling

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SUPERTRAMP / Famous Last Words

1982,UK

大ヒットした前作Breakfast In Americaに続き、ライブアルバムを挟んでのSUPERTRAMPのスタジオ7th。

中心人物のロジャー・ホッジソン(G/Key/Vo)在籍最後のアルバムだったり、前作のプレッシャー云々で曲調が暗いといわれがちですが、むしろ本来の姿に戻っただけだと思いますね。#1,#3,#5,#7と多彩かつ多才な表情を見せるロジャーの曲は相変わらず最高。ウーリッツァーが目立たなくなったのは残念ですが、ジョン・ヘリウェルのクラリネットやサックスは健在だし、リック・デイヴィス(Key/Vo)の曲はは良くも悪くもいつも通り地味だし、全体の冷ややかな質感もいつも通り。
確かにラスト#9のタイトルといいセンチメンタルなムードといい、ロジャーの決意みたいなものは感じられますが・・・アルバムとしてのクオリティは、売れ始めてからのここ数作にひけを取らないと思いますね。しかしそれだけにロジャーとしては、バンドとしてはやり尽くした、という思いだったのかもしれません。ロジャーは1984年にIn The Eye of The Stormでソロ・デビュー。

Track List

1. Crazy
2. Put on Your Old Brown Shoes
3. It's Raining Again
4. Bonnie
5. Know Who You Are
6. My Kind of Lady
7. C'est Le Bon
8. Waiting So Long
9. Don't Leave Me Now

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YES / 90125

1983,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドYESの11thアルバム90125。

THE BUGGLESの2人を加入させて名盤Dramaを制作し危機を乗り越えたYESですが、ツアーでは不評だったようで解散状態に。
ところが、クリス・スクワイア(B)、アラン・ホワイト(Dr)がトレーヴァー・ラビン(G)と始めたバンドCINEMAに、3rdアルバムまで在籍していたトニー・ケイ(Key)、そしてジョン・アンダーソン(Vo)が加わりおそらくビジネス的思惑も絡んで新生YESが誕生。
トレヴァー・ホーンのプロデュースで制作されたアルバムは、#1のシングル・ヒットもあり大成功。トレヴァー・ホーンは見事にリベンジを果たす事に成功しました。

時代を席巻した#1や#6の鮮烈なオーケストラ・ヒットは、世の中の一歩先を行くという意味ではプログレッシブとも言えるものの、全体的には往年のシンフォニックなプログレとも、Dramaのニューウェイブ感覚を取り入れたポップなプログレとも違う、アーミングやピッキング・ハーモニクスなど派手なギターがリードするハード・ポップにサウンドは変化。
昔は地味なオルガンのバッキングを聴かせていたトニー・ケイも、プレイは相変わらず地味ながらキラキラした80年代風シンセ・サウンドでアンサンブルの一部に溶け込み、才気溢れるトレヴァー・ラビンの多彩なプレイとキャッチーなメロディをお馴染みの無垢な声で歌うジョン・アンダーソンをフォローしています。

そんな中、トリッキーな変拍子イントロから叙情ポップなボーカル・パートへ予測不能の展開を見せる#4、スペイシーでスリリングなインストゥルメンタル#5、ドラマティックな#9あたりに何となくYESっぽさを感じさせる所がおもしろいですね。

Track List

1. Owner of a Lonely Heart
2. Hold On
3. It Can Happen
4. Changes
5. Cinema
6. Leave It
7. Our Song
8. City of Love
9. Hearts

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カテゴリー: YES

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JOURNEY / Frontiers

1983,USA

全体に漂う雰囲気が冷んやりと欧州的な感じが漂うJOURNEYの8thアルバムFrontiers。

ビデオ・クリップは史上最低のダサさだったが、印象的なシンセのイントロとガッツィなバッキング・リフの超名曲#1。
冷んやり感満点のメロディアスな#2、
キレがあるのにコクもあるロックな#3、
メロディ派大喜びな#4,#5、
これも冷んやり空間処理が見事なドライヴ感を生んでいるカッコ良い#6、
プログレシッブな雰囲気の#7ヘヴィな#8、プログレッシブな要素をコンパクトにまとめた#9、壮大な#10。と、パーフェクト。

#1のイントロで感じたカラーが全編貫かれてるんで、アルバムとしての統一感もあります。

Track List

1. Separate Ways (Worlds Apart)
2. Send Her My Love
3. Chain Reaction
4. After the Fall
5. Faithfully
6. Edge of the Blade
7. Troubled Child
8. Back Talk
9. Frontiers
10. Rubicon

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MIKE OLDFIELD / Crises

1983,UK

マイク・オールドフィールドの8thアルバムCrises。

70年代からの流れを汲む大作と商業的なポップ性が同居したアルバム。

瑞々しい美しさに溢れたケルティックなテーマのメロディを持つアナログA面を占める20分超の#1。次々と表情を変える組曲で構成。シンフォニックなパートでは、フェアライトCMI、ローランドRS-202、オーバーハイム、プロフェット5など、時代を反映したシンセの名機達が活躍。
アナログB面はバラエティに富んだ小品集。
後にアニー・ハズラムがソロ・アルバムでカヴァーした、マギー・ライリー(Vo)を起用したキャッチーな名曲#2。
ジョン・アンダーソン(Vo)が歌う幻想的な#3。
ミステリアスなシンセのシーケンス・フレーズをバックにマギー・ライリーが歌う#4。
マイク自らアコギ、バンジョー、マンドリンなどを駆使したラテンなインスト#5。
FAMILYのロジャー・チャップマンが歌うハード・ロック#6。

#1でのシーケンサーを使用した山びこのようなパートは、機材の持つ可能性を芸術に昇華させた好例と言える。
一方で、リズムが躍動する同曲終盤でテーマ・メロディを奏でるギターのタッチが何となくイリアン・パイプを模しているようにも聴こえ、先端技術と伝統を表現手段としてフラットに捉えたマイク・オールドフィールドの俯瞰的な視線が伺えます。

Track List

1. Crisis
2. Moonlight Shadow
3. In High Places
4. Foreign Affair
5. Taurus 3
6. Shadow On The Wall

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KAJAGOOGOO / White Feathers

1983,UK

英国の5人組ポップ・グループKAJAGOOGOOの1stアルバムWhite Feathers。

KAJAGOOGOOといえば、ヒット曲「ネバー・エンディング・ストーリー」でお馴染みのリマール(Vo)が在籍していたアイドル・バンド、という認識が一般的かも。
しかし実際のところはニック・ベックス(B)を中心としたホワイト・ファンクを標榜する4人組に、音楽紙でバンド募集広告を出していたリマールが合体してできたもので決してリマールのバック・バンドではありません。
音楽性としてはDURAN DURANのニック・ローズのバックアップによってデビューしただけあってポップなのは勿論ですが、テクノっぽいエレクトロニック・ポップに、ニック・ベックスのグルーヴするベースや小気味良いギターのカッティングで垣間見せるファンクを融合させた独特のテイストが見逃せません。

この1stでは直線的なリズムと軽いシンセのオブリガードが目立つエレクトロニック・ポップ色が強いですが、リマールの甘い歌唱が印象的なヒット曲#2でのアダルトなヨコ揺れグルーヴ、#8などでの英国っぽい翳りなど、音楽面で正当な評価をして欲しいバンドです。

Track List

1. White Feathers
2. Too Shy
3. Lies & Promises
4. Magician Man
5. Kajagoogoo
6. Ooh To Be Ah
7. Ergonomics
8. Hang On Now
9. This Car Is Fast
10. Frayo

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ASIA / Alpha

1983,UK

英国のPOPなプログレッシブ・ロック・バンドASIAの1983年2ndアルバムAlpha。

1stよりも大幅増量された空間系エフェクトによるモワっとした音像がいかにも80年代っぽいです。ジェフリー・ダウンズはどんなシンセ使ってたんでしょうか?ストリングスとかブ厚いけど爽やかだし#4のふくよかなホルン、#5冒頭のキラキラ音等、気になりますね。
ローランドJUPITER8(アナログ・ポリフォニックシンセ)が1981年発売、ヤマハDX7(FM音源搭載のデジタルシンセ)が1983年発売なんでこの辺のヤツでしょうか?

ジョン・ウェットンがKING CRIMSONやUKで垣間見せていた叙情性やキャッチーさがダウンズの才能と化学反応を起こし、POPのフィールドで開花。全編シンフォニック且つコンパクトな名曲揃い。
それでいて、突然掻き毟るように弾き捲くるスティーヴ・ハウのギターやさりげなく7拍子な#9にプログレ者の矜持も感じます。
ロジャー・ディーンのジャケット・アートも素晴らしいです。

Track List

1.Don't Cry
2.Smile Has Left Your Eyes
3.Never in a Million Years
4.My Own Time (I'll Do What I Want)
5.Heat Goes On
6.Eye to Eye
7.Last to Know
8.True Colors
9.Midnight Sun
10.Open Your Eyes

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NENA / Nena

1983,GERMANY

東西冷戦下の西ドイツでデビューした5人組ポップ・バンドNENAの1983年1stアルバムNena。

パンク/ニューウェイブの影響も感じさせつつ、メロディアスな歌メロとシンセの効果的な使用でキャッチーなサウンドを構築してます。紅一点ネーナ・ケルナー(Vo)の歌唱は巧くは無いが、ドイツ語歌詞から生じる独特のひっかかりが舌足らずな感じで、声質との相乗効果もあって超キュート。
アメリカで放送され高視聴率をあげた核戦争を描いたテレビ映画「ザ・デイ・アフター」で使用された#6が大ヒット。英語以外の曲では坂本九の「スキヤキ(上を向いて歩こう)」以来となるNo.1を記録。日本でもプロモ・ビデオが盛んに放映されネーナのルックスもあって話題になりました。1発屋扱いされることもありますが、シンセのリフがポップな#1、アップテンポでサビにおけるスネアのフラムがロックっぽい#4、雄大なスケールにプリミティブでエキゾチックな雰囲気を漂わせた#7、サビの「Ah~」の透明感がいい感じの#9、マイナーなサビが胸キュンの8ビートのカッコ良いロック#11などキャッチーな佳曲満載。アンニュイな#4、レゲエ調の#10などデビュー作とは思えない幅広い音楽性も発揮しております。

Track List

1. Kino
2. Indianer
3. Vollmond
4. Nur geträumt
5. Tanz auf dem Vulkan
6. 99 Luftballons
7. Zaubertrick
8. Einmal ist keinmal
9. Leuchtturm
10. Ich bleib' im Bett
11. Noch einmal
12. Satellitenstadt

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RAINBOW / Bent Out of Shape

1983,UK

当時のラスト・アルバムとなったRAINBOWの1983年作Bent Out of Shape。

自己主張皆無の完全にコントロールされたバック演奏に乗るジョー・リン・ターナー(Vo)のメロディアスな歌唱とリッチー・ブラックモア(G)のギターがかろうじてRAINBOWであることを思い出させる。とはいえ、高品質なポップ・スタイルRAINBOWの究極の形態が完成。全曲オリジナルで、哀愁の#2や#7がこの形態で目指す音楽の到達点だと思う。Keyのデイヴ・ローゼンタールは歴代のツワモノ達とは違う役割=サウンド全体の調整役として多大に貢献。

Track List

1. Stranded
2. Can't Let You Go
3. Fool for the Night
4. Fire Dance
5. Anybody There
6. Desperate Heart
7. Street of Dreams
8. Drinking with the Devil
9. Snowman
10. Make Your Move

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MIKE OLDFIELD / Discovery

1984,UK

マイク・オールドフィールドの9thアルバムDiscovery。

マギー・ライリーの素晴らしい歌唱、ケルトの香りを漂わせるどこか郷愁を誘うメイン・メロディ、マンドリンのトレモロも効いている#1。
バリー・パーマー歌唱、神秘的な静とパワフルな動を織り交ぜた#2。
クールな中にもキャッチーなサビが印象的なマギー・ライリー歌唱の#3。
自身のメロディアスなギターソロをフィーチュア、マギーとバリーのデュエットを聴かせるアップテンポの#4。
バリー・パーマーのハスキーなシャウトをヘヴィなバッキングで支えるロック・チューン#5。
#1のメイン・メロディを引用しつつ浮遊感あるバッキングでムーディに仕上げた#6。
センチメンタルなメロディのファンタジックなパートから壮大なサビに展開する#7。
12分超のインストゥルメンタル・ナンバー#8。

シンガーにバリー・パーマーとマギー・ライリー、共同プロデューサーにサイモン・フィリップス(Dr)を迎え、ドラム以外を全て自身が演奏。ギターやベース、フェアライトに加え、ローランドのアナログ・ギターシンセGR-300も使用されている。前作収録のMoonlight Shadowのヒットに気を良くしたヴァージン・レコードによる、同様なポップ作品の制作をというプレッシャーに応えた作品。
ポップな#1~7と、サンプリングしたマギー・ライリーのスキャットをシーケンサーで走らせるなど実験的要素も含むドラマティックな大作#8を共存させ、レコード会社の要求と自身の芸術性の折り合いを高次元で実現。

Track List

1. To France
2. Poison Arrows
3. Crystal Gazing
4. Tricks of the Light
5. Discovery
6. Talk About Your Life
7. Saved by a Bell
8. The Lake

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KAJAGOOGOO / Islands

1984,UK

英国のポップ・バンドKAJAGOOGOOの2ndアルバムIslands。IONAへの参加やプログレ・バンドLIFESINSの結成、最近ではスティーヴン・ウィルソンのバンドへの参加など、プログレ界隈での活躍がめざましいベーシスト ニック・ベッグス(B/Vo)の原点。

イントロのブラス・セクションが鮮烈なミッドテンポのグルーヴィなナンバー#1。
マイルドなサックスに洒落たムードが漂う快活なポップ・チューン#2。
間奏他一部にサックスが入る以外はバンドでのアンサンブルによるムーディな#3。
ボーカル・メロディと絡み合うベース・ラインがリード・ベースと言ってもいいくらい印象に残る#4。
グルーヴィなベース、小気味良いギターのカッティングがリードするダンス・チューン#5。
アンニュイなムードが楽園でのバカンスをイメージさせる#6。
ブラス・セクションとシンセが融合したアレンジ、女性コーラスを交えたお洒落でクールなサビなど、ミュージシャン・シップの高さを証明する名曲#7。
浮遊感のあるバラード#8。
メロディを奏でるシンセとバックにゴージャスな華を添えるブラス・セクションが有機的に絡み合うインストゥルメンタル・ナンバー#9。

リマールの脱退に伴いボーカルをニック・ベッグスが担当するもそれほど違和感無く、むしろニック・ベッグスの歌唱力に驚きを禁じ得ない。
チャップマン・スティックを操りながら歌う#5のビデオ・クリップの印象もあるが、イントロでベースのフレーズをフィーチュアした#4やソリッドなスラップ・ベースがカッコ良い#7など、テクニカルな要素を増量。音楽性も、生のブラス・セクションの参加も相まってよりゴージャスかつファンク色が濃くなった。

また、各曲に挿入されるパーカッションが統一した南国ムードを漂わせ、Islandsと題された作品としての完成度を高めている。
メディアの扱いがアイドル・バンド寄りだったこともあり正統な音楽的評価の対象にならなかったKAJAGOOGOOだが、テクニックは水準以上のものを持ち、シンセとブラスを融合したポップなファンクという個性を確立したこのIslandsはもっと多くの人に聴いてもらいたいアルバムだ。

Track List

1. The Lion's Mouth
2. Big Apple
3. The Power to Forgive
4. Melting the Ice Away
5. Turn Your Back on Me
6. Islands
7. On a Plane
8. Part of Me Is You
9. The Loop

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カテゴリー: KAJAGOOGOO

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NENA / ?(Fragezeichen)

1984,GERMANY

NENAの1984年2ndアルバム?(Fragezeichen)。

前作同様な作風でありながらよりバラエティに富んだキャッチーな楽曲が目白押し。ポップな#5、超胸キュンメロディーに青春の想い出がフラッシュバックする#7,#8、シンセが煌びやかな#9あたりに成長が見られる。

Track List

1. Rette mich
2. ? (Fragezeichen)
3. Das Land der Elefanten
4. Unerkannt Durchs Märchenland
5. Küss mich wach
6. Lass mich dein Pirat sein
7. Ich häng' an Dir
8. Sois Bienvenu
9. Keine Antwort
10. Der Bus Is' Schon Weg
11. Es Regnet
12. Der Anfang vom Ende

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HOWARD JONES / Human’s Lib

1984,UK

ニューロマンティック・ブーム真っ最中のイギリスから突如デビューした、ハワード・ジョーンズの1984年1stアルバムHuman’s Lib。

シンセを弾きながらヘッドセット・マイクで歌うツンツン・ヘアーなハワード・ジョーンズ。後年CM曲としてカヴァーされた#6が当時大ヒット。POP畑と思いきや、なかなかのシンセ使いこなしで唸らせます。歌もプログレ声です。
メロディ、歌、分厚いシンセが渾然一体となった高クオリティの音楽をやっている。今聴いても全然古くないです。

Track List

1. Conditioning
2. What Is Love?
3. Pearl in the Shell
4. Hide and Seek
5. Hunt the Self
6. New Song
7. Don't Always Look at the Rain
8. Equality
9. Natural
10. Human's Lib
11. China Dance

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カテゴリー: HOWARD JONES

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ASIA / Astra

1985,UK

ASIAの1985年3rdアルバムAstra。

前作Alpha発表後のジョン・ウェットン(Vo/B)脱退(後に復帰)に続き、このアルバムのリハーサル中にスティーブ・ハウ(G)が脱退。スイス人の父とネイティブ・カナディアンの母を持つカナダ生まれのスイス人ギタリスト マンディ・メイヤー(後にハード・ロック・バンドKATMANDUを結成)が後任で参加してます。
スティーブ・ハウのガチャガチャした感じと比べると、マンディ・メイヤーの落ち着いたソツの無いプレイの方が全体的にコンパクトなAOR路線となったバンド・サウンドにフィットしているように感じます。
HR出身のルーツを垣間見せるエッジの立ったシャープなリフ・ワークやメロディアスなフレージングが光るギター・ソロ、繊細でクリアなアルペジオなど幅広い引き出しを感じさせる活躍でベテラン・メンバーと同等に貢献してます。

シンフォニックな要素が減ったとはいえウェットンの書いた曲はさすがにどれも良い出来ではあるが、前作までの売上に達せずバンドは一時解散状態となってしまいます。

Track List

1.Go
2.Voice of America
3.Hard on Me
4.Wishing
5.Rock and Roll Dream
6.Countdown to Zero
7.Love Now Till Eternity
8.Too Late
9.Suspicion
10.After the War

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