ポップ のレビュー

NENA / Feuer und Flamme

1985,GERMANY

NENAの1985年3rdアルバムFeuer und Flamme。

路線に変更は無いがネタ切れなのか楽曲の質が少々低下。それでもラストの7分超の大作#10がそれらのマイナスを補って余りある力作。ドラマティックでメロディアスでカッコ良いハード・ロック・ナンバーに仕上がってます。
硬派でいながらキュートなジャケとこの曲の存在だけで、当時アナログ盤買って大満足だった。チープだけどハッピーエンドなビデオクリップが又良かった。

Track List

1. Utopia
2. Haus der drei Sonnen
3. Jung wie du
4. Es wird schon weitergeh'n
5. Feuer und Flamme
6. Gestern Nacht
7. Das alte Lied
8. Du kennst die Liebe nicht
9. Ein Brief
10. Irgendwie, irgendwo, irgendwann

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NENA / Eisbrecher

1986,GERMANY

NENAの1986年4thアルバムEisbrecher。

冒頭のドラム・フレーズがZEPのRock and Rollを模したかのような#1や、静かな感じから爆発する#3にネーナ・ケルナー(Vo)の魅力である気だるい感じでありながら元気もある不思議なボーカル、ナイスなシンセ、そして必殺のサビという彼らの一番おいしい部分がまだまだ健在。全体的にはおとなし目の曲が多い。

Track List

1. Engel der Nacht
2. Mondsong
3. Frei wie der Wind
4. Schön Wär Es doch
5. Tokyo
6. Jetzt Bist Du Weg
7. Sonnenaufgang
8. Ring Frei
9. Zusammen
10. Eisbrecher

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DAVE STEWART / Broken Records the Singles

1987,UK

HATFIELD AND THE NORTHやBILL BRUFORDとの活動でお馴染みデイヴ・スチュワートと70年代フォーク・バンド SPIROGYRAで儚げな美声を聴かせていたバーバラ・ガスキンのユニット。

バーバラ・ガスキンはハットフィールドにも”ノーセッツ”という女性3人組コーラスグループとして参加していたから、デイヴがその時に目を付けたんでしょう。それにしても、何というポップさ!元々プロデュース気質な所もあったデイヴ。HATFIELDではプレイヤーに徹し、BRUFORDでは一歩引いてソング・ライティングや全体のサウンドに気を配り、と進化してきた究極の姿がここに。
小難しい音楽をやってたのがウソのような明快なPOPサウンドをプロデュースしてます。
シンセのアンサンブルがゴージャスな80年代って感じ。

#1~#6がカヴァー、#7以降はオリジナル。シングルを集めたアルバムなんですがオシャレでPOPなムードで全体が統一されてます。
そして注目のバーバラ・ガスキンなんですが、そんな敏腕プロデューサー デイヴに乗せられたのか、ウルトラPOPに歌い上げてます。少々しゃくったりもして。この辺はデイヴの指示なんでしょうか?

Track List

1.I'm In A Different World
2.Leipzig
3.It's My Party
4.Johnny Rocco
5.Siamese Cat Song
6.Busy Doing Nothing
7.Rich For a Day
8.Waiting In The Wings
9.The Emperor's New Guitar
10.The Hamburger Song
11.Henry And James
12.The World Spins So Slow

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IT BITES / Once Around the World

1988,UK

英国北部カンブリア出身のプログレッシブ・ロック・バンド IT BITESの1988年2ndアルバムOnce Around the World。
#1~#5をスティーヴ・ヒレッジがプロデュース、残りはIT BITESが自らプロデュース。

同時期のポンプ・ロック勢とは明らかに異なるコンパクトでキャッチーな要素を持ち、フランシス・ダナリー(G/Vo)のアラン・ホールズワース並のバカテク・ギターとジョン・ベック(Key)によるシンセのサウンド・メイキングの抜群なセンスで比類無きオリジナリティを確立しております。

#1,#4などコンパクトな楽曲にさりげなく超絶技巧のギター・ソロを挿入したり(ラストの#8もすごいですよ)、プログレが好きだからといって安易にヴィンテージ・シンセの音色にこだわらすに、最先端の機材(ハイブリット・シンセ~デジタル・シンセ、サンプラー等)を使いこなす柔軟な姿勢が好感持てます。
楽曲に自然に溶け込んだ変拍子や#6のキメのブレイクでのポルタメントがかかったシンセのフレーズ、#7でのピーター・ゲイブリエル風な芝居がかったボーカル、コーラス・ハーモニーやオーケストレーションでシンフォニックに展開する#8等、大小の聴き所満載な名盤です。

Track List

1. Midnight
2. Kiss Like Judas
3. Yellow Christian
4. Rose Marie
5. Black December
6. Old Man and the Angel
7. Plastic Dreamer
8. Once Around the World

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IT BITES / Eat Me in St Louis

1989,UK

IT BITESの1989年3rdアルバムEat Me in St Louis。

ドラムの音がよりビッグになるとともに全体的によりハードになった。メロディ・テクニック・アレンジ・グルーヴ・機材の使いこなしが高次元で見事なハーモニーを奏でる名盤。
#2はROLAND社デジタル・シンセの名機D-50のチェイス機能を使用したイントロが印象的。
#8のヴァイオリンは同社サンプラーSシリーズの音、シンセ・ソロは同社シンセのよくあるシンセリード系だろう。YAMAHA等のホイールでは表現できないアーミング的フレーズはROLANDシンセのベンダー特有のものだ。

個人的には#5のZEP的な大きなグルーヴが好き。
#12はフラシス・ダナリー(G/Vo)がディレイを使用した一人二重奏。
ちなみにジャケット・アートはロジャー・ディーンです。

Track List

1. Positively Animal
2. Underneath Your Pillow
3. Let Us All Go
4. Still Too Young to Remember
5. Murder of the Planet Earth
6. People of America
7. Sister Sarah
8. Leaving Without You
9. Till the End of Time
10. Ice Melts Into Water
11. Charlie

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NENA / Wunder Gescheh’n

1989,GERMANY

1989年リリースのネーナ・ケルナー(Vo)のソロ。どんな曲であろうがネーナの声が乗ると、独特の世界になってしまう強烈な個性。でも元々歌唱で聴かせるタイプじゃないだけにちょい厳しいかも。やはりウヴェのシンセ、カルロのギター、ユルゲンのベース、ロルフのロックなドラムがあってこそ初めてネーナのボーカルが輝いていたんだなぁ。

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ERIKA / Cold Winter Night

1990,SWEDEN

イングヴェイ・マルムスティーンの元元妻エリカ(Vo)の1stアルバムCold Winter Night。

イングヴェイが#9で参加しているということで、それ聴きたさに軽い気持ちで購入したら、何とABBA MEETS HRとでも表現できそうな透明感ある極上のハード・ポップが全編に渡り展開されており驚愕。
メロディアスな楽曲が粒揃いで、エリカも健康的なセクシー路線で曲調に合わせて硬軟織り交ぜた歌唱を聴かせます。

シンセの重厚なストリングスとギターの刻みにエリカの切ない歌唱が乗るドラマティックなオープニングに期待で胸が高まる序曲#1。
#1を引き継ぐ#2は、早くもアルバムのハイライトと言える叙情ハード・ポップの名曲。クラシカルで端整なコード進行の序盤に漂う静かに凍てついた透明感と、映画STREET OF FIREの主題歌Tonight Is What It Means to Be Youngを思わせる壮大なコーラスで盛り上げるサビの激情とのギャップが堪りません。
キャッチーな#3、伸びやかな歌唱の#4、ムーディなパートの抑えた歌唱もなかなかな#5、と続くポップな佳曲。
吹雪のSEで始まりブ厚いシンセとハード・エッジなギターのリフがリードするハード・ロック#6。サビ・メロで感じる何となくABBAっぽい北欧叙情が最高。
サビの転調にハッとする#7。
アコースティックなタッチを取り入れたバラード#8。
イングヴェイのギター・ソロをフィーチュアした、サックスが奏でるサイレンのようなリフが印象的なアップテンポの#9。曲のムードにぴったり合いつつも、イングヴェイならではの個性を発揮した流麗なギター・ソロが見事です。
マイナーな美メロのバラード#10。そして、#10のフレーズを基に徐々に盛り上がるドラマティックかつ壮大なオーケストレーションでアルバムを締めくくる#11。テーマ・メロディをリフレインするギターのクリーンなトーンに心が洗われるような清涼感が漂います。

#1からマイ・アンセム#2の流れがいつ聴いても完璧。

Track List

1. Prelude
2. Together Were Lost
3. Line Of Fire
4. Hurting So Bad
5. Heavenly
6. Cold Winter Night
7. Living Like A Hurricane
8. Love In Vain
9. Emergency
10. Last Call For Love
11. Postlude

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ERIKA / In the Arms of a Stranger

1991,SWEDEN

イングヴェイ・マルムスティーンの元元妻エリカ(Vo)の2ndアルバムIn the Arms of a Stranger。

イントロ#1に続く、サビがキャッチーな実質オープニング・チューン#2。
シンセの透明感溢れるアレンジによるパワー・バラード風な#3。
サビのブラス・ストリングスが1stのタイトル・チューンを想起させる#5。
中間部に美しいインストゥルメンタル・パートを擁したドラマティックなバラード#6。
シンセのカラフルなアレンジが光る哀愁のサビを持つ#7。
キラキラしたシンセが爽やかなサビメロにマッチした#8。
サックスのリフがリードするアップテンポの#10。

1stと同じブレインのペンになる楽曲、ほぼ同じミュージシャンでのレコーディングということで、概ね前作を踏襲した作りとなっています。しかしながら、ハード・ロックなエッジとドラマティックな北欧叙情が減少し、より爽やかで快活なポップスとなった印象。
親しみ易いメロディと、余裕が出てきたからか、エリカの程好く力の抜けた伸びやかな歌唱が楽しめます。

Track List

1. 6.AM
2. Wake Me Up When The House Is On Fire
3. Rock Me Into Heaven
4. Games We Play
5. Easy Come, Easy Go
6. In The Arms of A Stranger
7. Made of Stone
8. Walk Into My Heart
9. Shadows In Rain
10. Danger In Disguise
11. Fall From Grace

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IT BITES / Thank You and Goodnight

1991,UK

解散後の1991年に突如発売されたライブ。あれだけ複雑な曲をライブで完全に再現している。改めてミュージシャンシップの高さを知らしめた好盤。

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KULA SHAKER / K

1996,UK

奇才クリスピアン・ミルズ(G/Vo)率いる英国の4人組サイケ・ポップ・ロック・バンドKULA SHAKERの1stアルバムK。

インド風味を絶好のフックとして押し出しつつも、その実サイケでグルーヴィなロックをやっております。単なるPOPSと切り捨てる事が不可能な、細かいアレンジや練りこまれたコード進行とそれを感じさせないキャッチーな楽曲構成力が天才的です。
お香でも焚いて聴くと雰囲気抜群なインド風サイケ・ナンバー#4、#7。
国籍不明な妖しいトリップ・チューン#6。
シタールによるインスト#8。
メロトロンのカウンター・メロディがサイケ/インド風味に溶け込んだ#9。
60年代モノのようなセンスが文句無しにカッコ良いグルーヴ感満点の#10。等々、次から次へとキャッチー且つ濃いナンバーが目白押し。歌もギターも巧いクリスピアンの存在感が抜群なのは勿論、ジェイ・ダーリングトン(Key)のオルガンもテイストはサイケデリックだし、グルーヴ感に溢れたリズム隊も含めて演奏もタイトで素晴らしいです。

Track List

1. Hey dude
2. Knight on the town
3. Temple of everlasting light
4. Govinda
5. Smart dogs
6. Magic theatre
7. Into the deep
8. Sleeping Jiva
9. Tattva
10. Grateful when you're dead
11. 303
12. Start all over
13. Hollow man

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KULA SHAKER / Peasants,Pigs & Astronauts

1999,UK

英国のサイケ・ロック・バンドKULA SHAKERの2ndアルバムPeasants,Pigs & Astronauts。ノリノリなギター・ポップの楽曲が少なくなり、内省的とも言える神秘性が増して来ました。

メランコリックなアルペジオに導かれKULA SHAKER独特のグルーヴにゴスペル風コーラスを加えた#1。
トレモロを掛けたギターを中心とした浮遊感あるヴァースからブラス・セクションでブ厚くゴージャスに仕上がったサビに展開する#2。
スリリングな5拍子をフックにしたミステリアスなムードのサイケ・ロック#3。
インド風メロディのリフレインを繰り返す#4。
アコギ1本をバックにクリスピアン・ミルズ(G/Vo)の澄んだ歌声の歌唱が乗った小品#5。
インドの民族楽器シェナイのエキゾチックなテイストとストリングス・セクションのオーケストレーション、トレモロ・ギターが融合したキャッチーな#6。
ジェイ・ダーリングトン(Key)によるDOORSみたいなサイケなオルガンが印象的なタテ乗りサイケ・ポップ#7。
インド風な歌メロ、ギターのリフにサイケ・オルガンのナイスなオブリガードが加わり1stの楽曲に近いムードに仕上がった#8。
無機質なサンプルとパーカッションによるビートにシャナイの1/4音階フレーズが妖しく踊る#9。
#1のメロディをリプライズさせた、ムーディかつメランコリックな#10。
インド風メロディを織り交ぜた開放感あるギター・ロック#11。
ヒンドゥー教の寺院で流れていそうなくらい宗教的な高尚さをも感じさせる#12。

1stでのインド風味をより深化させつつも、それをコンテンポラリーなポップスに自然な形で融合・昇華させてしまうKULA SHAKERの(といかクリスピアン・ミルズの)才能が光ります。

Track List

1. Great hosannah
2. Mystical machine gun
3. SOS
4. Radhe radhe
5. I'm still here
6. Shower your love
7. 108 battles
8. Sound of drums
9. Timeworn
10. Last farewell
11. Golden avatar
12. Namami nanda nandana

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KINO / Picture

2005,UK

IT BITESのジョン・ベック(Key)、MARILLIONのピート・トレワヴァス(B)、ARENAのジョン・ミッチェル(G/Vo)らによるプログレッシブ・ロック・バンドKINOの1stアルバム Picture。

スリリングなアップテンポのハード・ポップ#1。中間部のファンタジックでかわいらしいパートや各所のフック、まるでリード・シンセとも言っていいくらい独自のメロディを紡ぎながらアレンジの一部として出過ぎないキーボードなど、匠の技を結集し9分超をドラマティックに構築。
4音パターンのアルペジオ・シーケンスがにリードし、広がりのあるサウンドでシンフォニックに盛り上がる#2。ここでも右CHのシンセが大活躍。
マリンバ風のパーカッシブなシンセでクールにキメた#3。テーマ・メロディと美しいサビが非常に印象に残ります。
沈痛でメランコリックな序盤から壮大なスケールに展開する#4。
多層的なシンセとオルガンが有機的に絡み合ったシンフォニックなパートとハード・エッジなギターによるヘヴィなパートが起伏を生む#5。
ピアノやボーカルとシンセのユニゾンなどで繰り返すテーマ・メロディが美しすぎるバラード#6。
3拍子で進行する落ち着いたムードの#7、7拍子に乗せたキャッチーな#8、とアルバム構成にもアクセントが。
ギターのアルペジオとパッド系シンセによる繊細な前半、トリッキーなリズムを使用した中間部、印象的なリフレインを繰り返す後半とプログレッシブに構成された#9。
モーダルなメロディが独特の神秘的なムードを醸成する小品の#10。

2人のジョンは後にIT BITESを再結成することになるので、そのプロトタイプという見方もできますね。IT BITESでは意図的にフランシス・ダナリーに似せた歌唱を聴かせるジョン・ミッチェルもここでは自然体。

ジョン・ベックのカラフルなシンセは往年程の派手さは無いものの、相変わらずの音色センスとボーカル・メロディを引き立てる印象的なラインで地味ながらアレンジに溶け込ませているところが凄い。2000年代で80年代風キラキラ・シンセ音をここまでセンス良く使うのは彼ならではの技ですね。ジェフ・ダウンズあたりも見習って欲しいですね。

ボーカルやサウンド面でのアクの強さこそIT BITESに譲りますが、アメリカ人には到底作れない端整で胸を打つメロディで満たされた各楽曲はさすがベテラン達から成るバンドらしい英国の味そのものです。

Track List

1. Losers Day Parade
2. Letting Go
3. Telling You
4. Swimming In Women
5. People
6. All You See
7. Perfect Tense
8. Room For Two
9. Holding On
10. Picture

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MOON SAFARI / A Doorway To Summer

2005,SWEDEN

スウェーデンのポップなプログレッシブ・ロック・バンド MOON SAFARIの1stアルバム A Doorway To Summer。

プロデューサーは同郷のプログレッシブ・ロック・バンド FLOWER KINGSの鍵盤奏者トマス・ボーディン。

オープニングのピアノとアコギに絡むハーモニカが甘酸っぱい印象の#1。メロトロンやまろやかなシンセもオーガニックなサウンドに溶け合ってロマンティックなムードを醸成。終盤の転調7拍子インスト・パートでは一転してテクニカルなシンセ・ソロも聴かせ、プログレな出自も垣間見せます。
5拍子をここまでポップかつキャッチーに演奏してしまうのか!と驚愕のフォーク風プログレ・ナンバー#2。このあたりはFLOWER KINGSの影響もかなり受けている模様。シンセとギターの一糸乱れぬユニゾン・パートなど器楽的な聴き所も満載。
キャッチーな歌メロを中心としたバラード・ナンバー#3。インスト・パートではいくつものテーマ・メロディを様々に変奏し、楽曲の印象度を高める老獪なアレンジが秀逸。
長尺24分超の#4では5拍子をそれと感じさせない自然なアレンジ力と起伏に富んだ構成力も見せつつ、透明感あるアコギやヴィンテージ・シンセの滑らかなトーン、メロトロン・フルートなど音色選びのセンスも感じさせます。
歌うようにメロディアスなピアノの独奏を冒頭に配した、メロウな#5。

親しみやすい普遍的な良質メロディ、コーラスやシンプルな楽器音による暖かみのあるサウンド、確かな演奏技術、これらが高次元で融合したシンフォニック・ロックを展開。聴き終わった後にポジティブな印象を残す爽やかなアルバム。

Track List

1. Doorway
2. Dance Across the Ocean
3. A Sun of Your Own
4. We Spin the World
5. Beyond the Door

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KULA SHAKER / Strange Folk

2007,UK

英国のサイケデリック・ポップ・ロックバンドKULA SHAKERの11年ぶりとなる3rdアルバムStrange Folk。

とかくインド云々で語られる事の多いKULA SHAKERですが、そんな論調はまさに「木を見て森を見ず」ですね。本質的な音楽性は古き良き時代のサイケデリアにこそあり、インド的な要素もそこに包含される事を踏まえれば、この再結成アルバムも相変わらず極上のサイケ・ポップと言えるんではないでしょうか。

ギターのグリッサンドに掛けたディレイとサビでのスキャットとギターによるオブリガードのフレーズだけで、10年以上のブランクを吹き飛ばす#1。
リコーダーを絡めたストレンジな風合いのリフから突入する最初のヴォーカル・パートが、60年代ビート・サイケっぽくてクールな#2もオルガンがグリスで盛り上げるサビになるとグルーヴィ&カラフルに展開。
3連ロッカ・バラードの#3ではメロトロンの味付けもナイス。
先行ミニ・アルバムにも収録されていた#4はオルガンのバッキングに乗った王道サイケなサビが最高にイカしてます。
アルバム中盤はゲストのホーン等をフィーチャーしたエキゾチックなナンバー#6やバラード#7、メロトロンの白玉とヴォーカル・ハーモニーがサイケなムードを醸成しサビのオルガンが#4のマイナー・バージョンのような雰囲気で迫る#8でしっとり聴かせます。
続いて5拍子がクールな#9で目先を変え、田園フォークにオルガンやメロトロンの装飾でカラフルに仕上がった#10で一息入れ、エッジの立ったギター・リフがリードする#11で引き締め、サイケで幽玄な#12がラストを飾ります。

年齢を重ねたせいか弾けるようなエナジーは減少してますが、それを補って余りある深みとコクがKULA SHAKERサウンドのさらなる熟成を感じさせる好盤です。

Track List

1. Out on the Highway
2. Second Sight
3. Die for Love
4. Great Dictator (Of the Free World)
5. Song of Love/Narayana
6. Strangefolk
7. Shadowlands
8. Fool That I Am
9. Hurricane Season
10. Ol' Jack Tar
11. 6 Ft. Down Blues
12. Dr Kitt

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ASIA / Phoenix

2008,UK

ジョン・ウェットン(B/Vo)、ジェフ・ダウンズ(Key)、スティーヴ・ハウ(G)、カール・パーマー(Dr)のASIAオリジナル・メンバーによるAlpha以来25年ぶりのスタジオ・アルバム2008年作Phoenix。

独特の空間処理と80年代ハイブリット・シンセ風キラキラ音が一気にあの頃を思い起こさせる、ASIAらしいメロディアスなナンバー#1。
冒頭のファンファーレとマーチング・ドラムで、これは一大プログレ大作が来るなと思わせておいて、ボーカルが入るとメランコリックで上質なAOR路線に展開する#2。
ジョン・ウェットンが抜群の歌唱力で歌い上げるバラード#3。
シンセのシーケンス・フレーズにコーラスやシタールを加えた幻想的なムードのインストゥルメンタル・パートで、カラフルなシンセのデコレーションが映える歌パートをサンドした組曲#4。
スティーヴ・ハウ得意のラップ・スティールがアクセントとなった#5。シンセ・ソロや終盤の厳かなチェンバロが良い感じです。
ピアノ伴奏にフルートやチェロを交えた序盤から、スケールの大きなバラードに発展する#6。
緩急とキラキラ音シンセでキャッチーに迫る#7。
深みのあるメロディを綴るバラードに、ドラマティックかつシンフォニックなインストゥルメンタル・パートを挿入した組曲#8。スティーヴ・ハウのアコギ・ソロ~ラップ・スティール・ソロが泣かせます。本アルバムのハイライトです。
エキゾチックなムードを漂わせたハウ作の#9。
Globusのカヴァー#10。
甘いサビメロを中心ににマンドリン、スティール、シンセが丁寧にメロディを紡ぐ叙情的な#11。
印象的なメロディを散りばめたAORナンバー#12。

広がりのある開放的なサウンド、メロディアスでキャッチーな楽曲、時に意外な曲展開やシンフォニックなインストゥルメンタル・パートにプログレ者の矜持を滲ませた、ASIAらしさの揃った好アルバムです。

Track List

1. Never Again
2. Nothing's Forever
3. Heroine
4. Sleeping Giant / No Way Back / Reprise
5. Alibis
6. I Will Remember You
7. Shadow Of A Doubt
8. Parallel Worlds / Vortex / Deya
9. Wish I'd Known All Along
10. Orchard Of Mines
11. Over And Over
12. An Extraordinary Life

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IT BITES / The Tall Ships

2008,UK

再結成IT BITESによる2008年4thアルバムThe Tall Ships。

フランシスの不在が懸念されたが、アルバム序盤で解消。ジョン・ミッチェル(G/Vo)、この人10代の頃からIT BITESの大ファンだったというだけあって、鼻にかかったダミ声やサビでのファルセットなどフランシスにそっくり。ギターもテクニカルだ。彼の貢献もあって、IT BITESサウンドは健在。
爽やかなコーラス、エッジの立ったバッキング・ギター、ヘヴィなリズム、そしてもう一つの重要なピースがジョン・ベック(Key)のカラフルなシンセ・サウンド。
IT BITESの音楽性の根本はキャッチーなハード・ロックだが、そこに一捻り加わるのがセンス良く練りこまれたプログレ風味。そのキーマンであるジョン・ベックの奏でるオブリガードやバッキングの音色選択が相変わらず冴えてます。
とにかく、#1冒頭のコーラス・ハーモニーを聴いた瞬間に20年前にタイムトリップしたかのような感覚を味わえます。それに続くドライヴィング・チューン#2で既にノック・アウト!

Track List

1. Oh My God
2. Ghosts
3. Playground
4. Memory Of Water
5. The Tall Ships
6. The Wind That Shakes The Barley
7. Great Disasters
8. Fahrenheit
9. For Safekeeping
10. Lights
11. This Is England
12. When I Fall

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MOON SAFARI / Blomljud

2008,SWEDEN

爽やかなシンフォニック・プログ・バンドMOON SAFARIの2ndアルバム Blomljud。

アカペラ・コーラスで幕を開けるDISC1 #1。
#1を引き継ぐ15分超の大作DISC1 #2。爽やかなボーカル、ピアノやアコギの清涼感を、変拍子を含む起伏あるアレンジに自然に溶け込ませる脅威の力量を早くも見せ付けます。
ダーティなオルガンが唸る序盤のシリアスでヘヴィなタッチから一転、雄大で爽やかなシンフォニック・ロックに展開するインストゥルメンタル・チューンDISC1 #4。
シタールの味付けが効いたフォーク・タッチのDISC1 #5。
ピアノのフレーズからダークネスを湛えたパートを経てスライド・ギターが舞うシンフォニックなイントロへ移行。ピアノにメロトロンやアコギが加わるボーカル・パートを中心に、透明感あるインスト・パートが感動的なメロディを紡ぐドラマティックなハイライト・チューンDISC1 #6。
カントリーっぽいギターから始まる軽快なDISC2 #1。瑞々しいサウンドに自然な7拍子、天駆けるギター・ソロやジャジィなコード進行の洒落たコーラス・パートなど豊富なアイディアで構成。
北欧のダンス・チューンといった趣の、3連に乗るエキゾチックなメイン・メロディが印象的なDISC2 #2。
重層コーラスを中心にしたキャッチーさの中に、ハッとする転調など非凡なセンスを盛り込んだDISC2 #3。
メロディアスなボーカル・パート、スリリングなインスト・パートを配した、31分超の長尺チューンDISC2 #4。
雨の雫のような美しいピアノのアルペジオをメロトロンが優しく包むDISC2 #5。

既に完成された1stと同路線ながら、溢れる才能を抑えきれないかの如く、メロディとフックが次々に繰り出される様に圧倒される、更に磨きがかかった独自のキャッチーなプログレッシブ・ロック。

Track List

DISC1
1. Constant Bloom
2. Methuselah's Children
3. In the Countryside
4. Moonwalk
5. Bluebells
6. The Ghost of Flowers Past

DISC2
1. Yasgur's Farm
2. Lady of the Woodlands
3. A Tale of Three and Tree
4. Other Half of the Sky
5. To Sail Beyond the Sunset

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DAVE STEWART / Green and Blue

2009,UK

デイヴ・スチュワート(Key)とバーバラ・ガスキン(Vo)によるユニットの18年ぶりとなる2009年3rdアルバムGreen and Blue。

60’s~70’sのカヴァー路線だった過去2作と違い、BEATLESのカヴァー#4を除いて全てオリジナル。
いきなりハード・ポップな#1で幕を開け一瞬耳を疑うも、捻ったコード進行や細かいアレンジはかつてHATFIELD AND THE NORTHやNATIONAL HEALTH、はたまたBRUFORD等で音楽的イニシアチヴを発揮していたスチュワートらしいセンスを感じさせるし、バーバラ・ガスキンの少々しゃくるような独特の歌唱も健在。
とはいえやはり本領は、#2,#3,#5のような落ち着いたコンテンポラリーナンバーですね。決してメインストリームでは無いものの、キャッチーで且つジャジーでアダルトな質感は、こういったムーディな曲調でこそ活きる感じがしますね。
バーバラ・ガスキンの美声も弾けるPOPナンバーでは少々無理っぽいが、この手の曲では楽曲に溶け込んで瑞々しさを発揮してます。スチュワートのプレイは最新デジタル・シンセによるバッキングが中心ですが、時折登場するファズ・オルガンやユーモアのあるフレーズに往年の片鱗も。

Track List

1.Jupiter Rising
2.Walnut Tree Walk
3.Let Me Sleep Tonight
4.Good Morning Good Morning
5.Green & Blue
6.Any Guru
7.Bed of Leaves
8.Rat Circus
9.The Sweetwater Sea

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OPIUM CARTEL / Night Blooms

2009,NORWAY/SWEDEN

WHITE WILLOWのヤコブ・ホルム・ルポ(G/Key/Vo)を中心としたANGLAGARDのマティアス・オルセン(Dr)、WOBBLERのラース・フォレデリク・フロイスリー(Key)らのプロジェクトOPIUM CARTELの1stアルバムNight Blooms。

ライス・マーシュ(Vo)の繊細な歌唱をアコギやメロトロンで優しく包み込むフォーク#1。
ギター・ポップ風のリフを加えたエレクトリック・フォーク#2。
ステファン・ベネット(Vo)とWHITE WILLOWのシルヴィア・エリクセン(Vo)のデュエットによる木漏れ日フォーク#3。中間部のシルヴィアによるウィスパー気味のソロ・パートが可憐。
ティム・ボウネス(Vo)とレイチェル・ヘイデン(Vo)のデュエットによる、美しく儚げなブライアン・イーノのカヴァー#4。
シルヴィアのオーバー・ダブによる美声天上ハーモニーにチェロやメロトロンが絡む、フォーキーな中にもエレクトロニカなビートを微かに交えたドリーミー・ポップ#5。
ヤコブ・ホルム・ルポによると思われるヘタウマ・ボーカルをフィーチュアしたポップ・ロック#6。
沈痛なメロトロンのイントロからヘヴィなサビに展開する、中期CRIMSON風ダークネスを纏った8分超のプログレッシブ・チューン#7。
レイチェル・ヘイデンをフィーチュアしたドリーミーなフォーク#8。
WHITE WILLOWの3rdアルバムSacrament収録の同名曲をカヴァーした#9。オリジナルは男女デュエットだったが、こちらはシルヴィアの無垢な美声ボーカルのみでより透明感が増量。

朗らかな音像のそこかしこに仄かに北欧的な暗さを潜ませた、プログレッシブ・フォーク。
エレクトロニカとオーガニックな管弦を巧みに融合させた温かみのあるサウンド。
メロディはあくまでも耽美で、女性ボーカルが絡む楽曲は女性ボーカル・ファン必聴。

Track List

1. Heavenman
2. Better Days Ahead
3. Skinnydip
4. By This River
5. Three Sleepers
6. Honeybee
7. Beach House
8. Flicker Girl
9. The Last Rose of Summer

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ASIA / Omega

2010,UK

再結成オリジナルASIAの2010年第2弾Omega。

躍動感に溢れたハード・ポップ#1。
ハウ/ウェットン作のムーディな#2。
冒頭のシズル感あるピアノのアルペジオが印象的な#3。溌剌としたヴァースとメランコリックなサビの対比が見事です。
パッド系シンセやアコギの柔らかなタッチが心地良い、サビのクラシカルなコード進行に気品が漂うバラード#4。
流れるようなピアノのアルペジオがリードするポジティブなムードの#5。間奏での7拍子リフのフックが良いアクセントになってます。
シンセ・ストリングスやティンパニによる大仰なパートをサラっと溶け込ませた余裕のセンスに、メンバーの年輪を感じさせるバラード#6。
テクノ風リフにスティーヴ・ハウ得意のスライド・ギターが絡む#7。
ジョン・ウェットンの歌唱をフィーチャーしたセンチメンタルなバラード#8。
どこか郷愁を感じさせるメロディがELOっぽい、軽快なシャッフル・ナンバー#9。
エキゾチックなフレーヴァーをまぶしたフォークロア風バラード#10。
爽快なブラス・ストリングスのシンセ・リフを持つストレートなASIA王道ナンバー#11。
メロトロン風なクワイヤをうっすらと潜ませたドラマティックなバラード#12。

スティーヴ・ハウ(1947年)、ジョン・ウェットン(1949年)、カール・パーマー(1950年)、ジェフ・ダウンズ(1952年)、と平均年齢60歳超えとは思えない若々しいサウンドの中に、豊富な引き出しからの老獪なアレンジを忍ばせた各曲のキャラ立ちも見事。彼らにしか成し得ない極上のハード・ポップが全編を覆っています。
その上、#3におけるカール・パーマーのドラム・ソロ、随所で切れ味鋭いオブリガードを聴かせるスティーヴ・ハウなど、個人技も楽しめるんだから売れるのも納得です。

Track List

1. Finger On The Trigger
2. Through My Veins
3. Holy War
4. Ever Yours
5. Listen, Children
6. End Of The World
7. Light The Way
8. Emily
9. I'm Still The Same
10. There Was A Time
11. I Believe
12. Don't Wanna Lose You Now

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