プログレ のレビュー

WETTON DOWNES / Icon II – Rubicon

2006,UK

ジョン・ウェットン(B/Vo)とジェフ・ダウンズ(Key)によるユニットWETTON DOWNESの2ndアルバムIcon II – Rubicon。

勇壮なハード・ポップにシンセ・ストリングスの80年代風アレンジがマッチした#1。
後に再結成ASIAのアルバムでも取り上げられたカッコ良いハード・ポップ#2。DURAN DURANのHungry Like the Wolfを彷彿させるシンセの”ポップコーン”風シーケンス・フレーズを筆頭に、これも80年代風アレンジが懐かしくも良い感じ。
クラシカルな盛り上がりを見せる、ピアノとチェロが印象的なバラード#3。
そして今回の目玉はオランダのゴシック・メタル/アンビエント・バンドGATHERINGのアネク・ヴァン・ガースバーゲン(Vo)を招いてのデュエット・ナンバー#4,#5。
特に#4は、GATHERINGではなかなか聴けないベタな哀愁の美メロを情感たっぷりにクリアな美声で歌うアネクが素晴らしい。よくぞアネクを抜擢しそれどころかさらに、ファンが聴いてみたかったであろう曲調を選択したジョン・ウェットンに、感謝すると共にその慧眼に感服。その後も、アネクがGATHERINGを脱退後にリリースした作品にジョン・ウェットンが参加したりと、2人の交流は続いているようでファンとしてもうれしい限りです。
フィドルが牧歌的フレーバーを醸し出すリラックスしたポップス#6。
淡々としたリズムをバックにシリアスなムードで統一した#7。
サビのブ厚いコーラス・ハーモニーが美しいパワー・バラード#8。ジョン・ミッチェル(G)がギター・ソロで良い仕事をしています。
クラシカルで大仰なオープニング、スケールの大きなサビを持つ#9。終盤にかけてどんどんシンフォニニックに上り詰めていきます。
雄大なサビのバラードで締めくくる#10。

2人が少年時代から馴染んだ教会音楽由来の端整なメロディを軸にしたハード・ポップに、元BUGGLESの出自を物語るジェフ・ダウンズによる80年代テイスト溢れるシンセ・アレンジ、元ELOのヒュー・マクドウェル(Cello)の艶やかなチェロ、そしてゲストの歌姫とジョン・ウェットンのデュエット、というWETTON DOWNESのフォーマットが固まってきました。

Track List

1. The Die is Cast
2. Finger on the Trigger
3. Reflections (of my life)
4. To Catch a Thief
5. Tears of Joy
6. Shannon
7. The Hanging Tree
8. The Glory of Winning
9. Whirlpool
10. Rubicon

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WHITE WILLOW / Signal To Noise

2006,NORWAY

ノルウェーのプログレッシブ・フォーク・バンドWHITE WILLOWの5thアルバムSignal To Noise。

メロトロンやフルートが織り成すダークなバッキングに、中低音域を中心にした情感たっぷりの女性ボーカルが乗る暗鬱ゴシック・チューン#1。サビでは激しさを増すバッキングに合わせてハリのあるトーンに声を変化させ、抑えた感情を一気に開放するかのレンジの広さも披露。
暗い叙情を漂わせた変拍子リフレインから優しいムードに一転、静かなパートでのウィスパー風歌唱を中心にしたセルフ・ハーモニーが美しい#2。終盤ではエンジェリック・ヴォイスによる美麗スキャットも登場。
ギターを中心に屈折したメロディで綴るダークで妖しいインストゥルメンタル#3。
爽やかと言っても良いくらい軽やかなサウンドにキュートな歌唱が乗るキャッチーなナンバー#4。くすんだオルガンやメロトロンが巧みに挿入されており、単なるポップに止まらない不思議な心地良さを演出しています。
中間部にヴィンテージ風シンセのソロを中心にしたプログレッシブなインスト・パートを内包した、ピアノのメランコリックなテーマ・メロディが印象的な9分超のドラマティックな叙情ナンバー。ここぞのクライマックスではメロトロンを惜しげもなく大放出。
アコギとエレキのダブルトラックによるアルペジオが透明感たっぷりな、ゆったりしたテンポのフォーク・ナンバー#6。メロトロンの清涼感が良い感じです。
悲哀に満ちたギターのメロディをメロトロン・ストリングスが支えるメランコリックなインストゥルメンタル#7。転調しまくるバックに合わせたテクニカルなシンセ・ソロと表情を変えるメロトロンのトーンも聴き所です。
エキゾチックなメロディや叙情メロディを上手く融合させた、コンテンポラリーな感触を持つ#8。
ドローン音をベースに枯れたエレキ・ギターがモーダルなメロディを爪弾くインスト小品#9。

前作ではゴシック・メタル風なテイストも加味しながらより普遍的なサウンドに変化してきたWHITE WILLOW。今回も看板は女性ボーカルですが、Sylvia ErichsenからTrude Eidtangにメンバー・チェンジ。彼女の時にコケティッシュな幅広い表現力が、より洗練されたバンド・サウンドと見事にマッチしています。

Track List

1. Night Surf
2. Splinters
3. Ghosts
4. Joyride
5. The Lingering
6. The Dark Road
7. Chrome Dawn
8. Dusk City
9. Ararat

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RENAISSANCE / British Tour ’76

2006,UK

2006年リリースされたRENAISSANCEの1976年1月24日ノッティンガム大学でのライブBritish Tour ’76。

オーケストラ無しでバンドのみの演奏ということでジョン・タウト(Key)が奮闘。また、多彩な音色で#5ではソロも聴かせるジョン・キャンプの貢献度の高さも浮き彫りに。曲間のMCも収録されており、ほぼ当日の流れそのままだろう。定番ラインナップの曲目で臨場感抜群。ブックレットが貴重な写真多くてうれしい。

Track List

1. Can You Understand
2. Running Hard
3. Ocean Gypsy
4. Prologue
5. Song Of Scheherazade
6. Ashes Are Burning

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PAATOS / Silence of Another Kind

2006,SWEDEN

女性ボーカルをフィーチャーしたスウェーデンのメランコリックなプログレッシブ・ロック・バンドPAATOSの3rdアルバムSilence of Another Kind。

Huxflux Nettermalm(Dr)のロックなドラミングやヘヴィなグルーヴ、サビの変拍子がカッコいい#1。フェイザーをかけたエレピやフィードバック音を挿入するセンスが秀逸です。
ジャジーなサビを持つ暗鬱バラード#2ではPetronella Nettermalm(Vo)がしっとりと歌い上げます。
トレモロ・ギターに導かれ、暗鬱な中にも仄かな明かり射す#3は、サビメロが醸し出す炭火のような暖かさを是非感じて欲しいですね。メロトロンも切り込んできて何度聴いても感動でジーンとします。
吐息すらエフェクティブに使用するセンスと徐々に切り込むメロトロンが素敵で、静と動の対比が見事なコントラストを見せるクールな佳曲#4。
優しいボーカルに絡みつくコーラスが癒し効果抜群の序盤から一転、サビでは激情を迸らせる最高にロックなヒーリング・ミュージックの#5。打ち込みのSE風小曲#6。
一瞬カーディガンズ?と思っちゃうようなオシャレでPOPな曲調ながら、サビで「奇跡なんて起こらないわ」と絶望を歌う#7。ジャズのテクニックでロックなフレーズを爆発させるドラムが最高にカッコ良いです。
実質のラスト曲#8ではゲストのヴァイオリンやバリトン・サックスがメロトロンと共に盛り上がる暗黒バラード。胸が締め付けられて苦しい程に感動します。
アルバムを締めくくるSEの#9がナイスな余韻を与えてくれます。

暗鬱なのに何故か暖かさを感じさせ、ジャズのクールさとロックの熱さが共存。テクノロジーを活用しつつもオーガニックな優しさを併せ持つ、より完成度を高めたPAATOS流プログレッシブ・ワールドが一瞬のムダも無く展開された最高のアルバムです。

Track List

1.Shame
2.Your Misery
3.Falling
4.Still Standing
5.Is That All?
6.Procession Of Fools
7.There Will Be No Miracles
8.Not A Sound
9.Silence Of Another Kind

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RETROHEADS / Introspective

2006,NORWAY

オシャレなプログレという新ジャンルを生み出したノルウェーのプログレッシブ・ロック・バンドRETROHEADSの2ndアルバムIntrospective。

歌える専任男性ボーカルが加入。彼が歌い上げる妙にアッパーなムードに最初驚くが、女声コーラスとメロトロンが出てくるとやはりRETROHEADS。3連刻みの5拍子に乗り、叙情と屈折した明るさが交錯する#1。
ポルタメントの効いたシンセと壮大なシンセ・ストリングスによるシンフォニックでスペイシーな中間部インスト・パートと、爽やかな女声コーラスが印象的な#2。
美しい女性スキャットで幕を開けるバラード#3。勿論単なるバラードで終わるはずも無く、3連刻み7拍子をバックに1パッセージ4音で繰り返すポリリズム風アルペジオがポルタメントの効いたトーン共々トリップ効果を誘うインスト・パートが最高にカッコ良い。
基本、7拍子のコンテンポラリーなポップスだが、メロトロンにシンセ、ジャジィな女声コーラス・パートとRETROHEADSらしさ爆発の#4。
ローファイなイントロに続いて提示されたテーマ・メロディが、シンセやコーラスで繰り返し登場する珍しく構築度の高い#5。クールビューティなコーラスがHATFIELDのノーセッツを彷彿させる。
メランコリックなアコギの爪弾きがリードするヨーロピアン・ムード漂うAOR風ナンバー。のはずが、テンポアップしてキャッチーになったり、インスト・パートではうねるシンセ・ソロを中心にスペイシーに迫ったりと変幻自在の#6。
ゆったりとした4拍子の思索系パート、7拍子のシンセ・ソロ、ミニマルなシンセのアルペジオなどのパーツが混在する#7。この未完成さというか雑多な感じが良い。
正統派メロディのポップスがどんどん屈折していくドラマティックなプログレ・チューン#8。
ボーカル・パートの中にシンセのアルペジオとコーラス被せるなど、強力な持ち技を単独では無く併せて使用。豊富なアイディアと卓越したセンスを感じさせるアルバム最長9分半の#9。

ヴィンテージ・キーボードが活躍するシンフォニックでスペイシーなプログレ・パートに、アン=クリスティン・ベンディクソン(Vo)とデボラ・ジニアス(Fl/Vo)によるオシャレな女声コーラスのジャジィなパートと、多少のやりっ放し感を交えた予測不能な展開を見せつつも耳に残るキャッチーさが全てを解決してしまう脅威の21世紀型プログレ。

Track List

1. Rainy day
2. Living in a bubble
3. Black hole eyes
4. One world
5. Be aware
6. I turn to you
7. Slaves of gold
8. Tidal wave
9. Karma

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FLOWER KINGS / The Sum of No Evil

2007,SWEDEN

スウェーデンのプログレッシブ・ロック・バンドFLOWER KINGSの2007年11stアルバムThe Sum of No Evil。

ウーリッツァー(多分)のくぐもったトーンのフレーズが、バンド・インと共にポルタメントの効いたアナログ・シンセでリピートされると、一瞬にしてブライトなFLOWER KINGSの世界が広がるシンフォニックな#1。ハッセ・フロベリ(Vo/G)の優しい歌唱、ヨナス・レインゴールド(B)のマイルドなフレットレス・ベースのオブリガードを中心に醸し出す、あくまでもポジティブな桃源郷サウンドは相変わらずです。勿論、御大ロイネ・ストルト(G)も健在。テーマメロディをジャジーにアレンジし、アーミングを絡めてギターとは思えないニュアンスに仕上げたソロが見事です。
ロイネの渋いボーカルにホーミーっぽいSEを交えてのどかにゆったり進行していく#2は、ダークなパートを経ていきなりシンフォニク&叙情的なハイライトを迎えます。そして、泉のように溢れる豊富なアイディアを具現化した様々なパートが時にジャジーに、時に壮大に、とカラフルな表情を見せて展開していく24分超の大作。
ロイネの素晴らしい歌唱とギター・ソロが堪能できるバラード#3。
序盤のメロトロンとマリンバが支配する静けさから、ダークでスペイシーなシンフォニック・ロックに展開する所が往年のスリリングなFLOWER KINGSを想起させる#4。
トマス・ボーディン(Key)の書いた、ユーモラスなトーンのメイン・フレーズが耳を引くインストゥルメンタル・ナンバー#5。
あくまでも歌モノでありながら、さりげなく重層的なアレンジとテクニシャン達による余裕のプレイでドラマティックに仕上がった#6。

これまでの作品でドラマティックなムードを演出していたインスト・パートのアレンジにおいて、フュージョン風味の比重が増量、アダルトなムードが薫るシンフォニック・プログレに進化したアルバムです。

Track List

1. One More Time
2. Love Is the Only Answer
3. Trading My Soul
4. Sum Of No Reason, The
5. Flight 999 Brimestone Air
6. Life In Motion

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MERMAID KISS / Etarlis

2007,UK

英国のプログレ/アコースティック/アンビエント・バンドMERMAID KISSの2007年3rdアルバムEtarlis。

シンセによる霧のようなストリングスにフォーク由来かつ時々ケルト風メロディのアンニュイな女性ボーカルがたゆたう。RENAISSANCEを思わせる部分もあるがダイナミクス、スケールともまだまだ。ボーカルのEVELYN嬢は新加入みたいで、一部の曲では前任者KATEがゲストで歌ってます。
ところが、これが良いんです。切なくて胸キュンな#6や#8のKATE嬢の歌声がナイス。とろけるようなオケと繊細な歌唱が見事に絡み合い、もうメロメロです。
全部彼女が歌ったら良かったのになー。

Track List

1. Prelude
2. Different Sky
3. Walking with Ghosts
4. Dark Cover
5. Nowhere to Hide
6. Siren Song
7. Sea Change
8. Shadow Girl
9. Beat the Drum
10. Crayola Skies
11. City of Clouds (Qway-Lin)

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ANEKDOTEN / A Time of Day

2007,SWEDEN

スウェーデンのプログレッシブ・ロック・バンドANEKDOTENの5thアルバムA Time of Day。

従来の引き摺るような重金属的ヘヴィネスと比べると若干質感を変えた埃っぽいネバリを感じさせるギター・リフのオーガニックなグルーヴに、メロトロンが絡みつくアップテンポ・ナンバー#1。
サイケなテイストのオルガンがクールに展開する#2。終盤のピアノとメロトロンをバックにした寂寥感たっぷりなフルートのソロが最高。
ルート音の動きが少ないベース・ラインとギターのアルペジオ・パターンで淡々と進行する#3。

ダークな中にも仄かな暖かさを感じさせる歌モノ#4。曇天を思わせるメロトロンは勿論、スペイシーなモーグ・シンセのソロも印象的です。
#4から繋がったインストゥルメンタル・ナンバー#5。ヴィブラフォンが寂寥感を醸し出しています。
アコギのアルペジオをバックにしたフォークな序盤から、メロトロンとARPシンセのスペイシーなインスト・パート、男女ユニゾン・ボーカルの妖しいパートへと展開していく静寂の#6。
一転して古びたオルガンとメロトロンのイントロ・リフがリードする軽快なテンポの#7。
再び男女ユニゾン・ボーカルで妖しくも淡々と進行しつつも、ダークな中に一筋の光明を見出してエンディングを迎える#8。

#1,#7のような攻撃的な楽曲を含みつつも、よりリラックスした曲調が大半を占める作風となりました。
代名詞のようなメロトロンももはや飛び道具では無く、ギターやベース、オルガンなど他のパートや他の鍵盤楽器とオーガニックに絡むことで、即効性の有るあからさまな泣きよりもむしろ心の深い部分に突き刺さる訴求力を発揮。バンドとしての成長が感じられます。

Track List

1. The Great Unknown
2. 30 Pieces
3. King Oblivion
4. A Sky About to Rain
5. Every Step I Take
6. Stardust And Sand
7. In For A Ride
8. Prince of the Ocean

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PORCUPINE TREE / Fear of a Blank Planet

2007,UK

スティーヴン・ウィルソン(G/Vo)率いる英国のプログレッシブ・ロック・バンドPORCUPINE TREEの9thアルバムFear of a Blank Planet。

引きこもりの少年を題材としたコンセプト・アルバムということで、その少年のものだろうか、パソコンのキーを叩く音で始まる#1。ズ太いギターのリフも飛び出すアップテンポだがダークなサウンドに、スティーヴンのエフェクトで加工した無表情のボーカルが乗るノリの良いオープニング・チューン。リチャード・バルビエリ(Key)の冷ややかな感触のストリングス系シンセが、サビでバンド・サウンドに広がりをもたらしています。
モジュレーションを掛けたエレピが幽玄なムードを醸し出す、暗鬱フォーク#2。繊細なサビは極上の美しさ。
続く#3は17分超のハイライト・チューン。パーカッシブなドラム・パターンとシンセのサウンドスケープをバックにボーカルが綴られる序盤。やがて普通のリズム・パターンとなり、ギター・ソロを経由して4拍子のバックに5拍子パターンのギター・リフがポリリズム的に絡んで進行するトリッキーなインスト部から豪放なサビに移行する中間部。ギャヴィン・ハリソン(Dr)のパワフルかつステディなフィル・インが、アンサンブルの舵取りを果たしているようです。ここのサビと不条理ヘヴィ・リフ、本アルバムで最も(且つ唯一)アドレナリンが噴出する部分ですね。終盤はスロー・テンポにシフト・チェンジして再びダークにクール・ダウン。
タイトル通りセンチメンタルなピアノがリードする端整な#4。ダークな中に、普遍的な美しさを持つサビメロを内包する得意のパターンです。
沈痛なボーカル・パート、霧のような多層白玉シンセ、突如現れる凶暴なギター・リフ、と曲中で様々な表情を見せる#5。
フィルターの掛かったシンセのシーケンスをベースにやがて中近東ムードのストリングス・セクションが被さり、妖しくエキゾチックなムードでアルバムを締めくくる#6。

メタリックさと叙情がもたらすコントラストが明快だった前作と比べると、やや平坦な第一印象ではありますが、先の読めない展開の妙や実は複雑なリズムのアイディアなどマニアックな仕掛けが多数盛り込まれています。RUSHのアレックス・ライフソンが#3でギター・ソロを客演、元HATFIELD AND THE NORTHのデイヴ・スチュワートも参加、と人脈的にも意外な広がりを見せています。

Track List

1. Fear Of a Blank Planet
2. My Ashes
3. Anesthetize
4. Sentimental
5. Way Out Of Here
6. Sleep Together

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BIG BIG TRAIN / The Difference Machine

2007,UK

アンディ・プール(B/Key)、グレッグ・スパウトン(G/Key)による英国の2人組プログレッシブ・ロック・ユニットBIG BIG TRAINの2007年5thアルバムThe Difference Machine。

ニック・ディヴァージリオ(Dr/SPOCK’S BEARD)、ピート・トレワヴァス(B/MARILLION)ら、その筋のツワモノを要所に招き、2人のアイディアを余すところ無くバンド・サウンドとして具現化。

ゲストプレイヤーによるヴィオラを中心に、サックス、ピアノ等でテーマ・メロディを提示した端整な#1。
バンド全体で畳み掛けるアンサンブルによるアグレッションと、メロトロンを中心とした静かな叙情とで起伏を付けた展開の14分超に及ぶ実質的なオープニング・チューン#2。時折挿入されるエフェクトを掛けたヴォイスやサックスや鍵盤のソロが醒めた狂気を醸し出しています。
#2の余韻をメロトロンやSEで引き継いだインストゥルメンタル小品#3。
コンテンポラリーな感触のメロディアスなボーカル・チューンに、ヴィオラによる#1のテーマ・メロディを挿入し仄かな叙情を漂わせながら13分超を描き切った#4。
霧のように漂うシンセの白玉が妖しくも神秘的なムードを醸成するインストゥルメンタル小品#5。
透明感ある歌唱を活かした清楚なボーカル・チューン#6。
コーラスと繊細なアルペジオで紡いだ神秘的で美しい静寂からメロトロンをバックにしたサックス・ソロを経て、#1のテーマ・メロディを奏でるヴィオラで統一感を持ってエンディングを迎える#7。

VDGGKING CRIMSONの不条理で強引な展開とGENESISの英国的メランコリーを高次元で融合、叙情的でありながら、あまり湿っぽくならずどこか醒めた感じのクールな質感を持った独特のサウンドが魅力です。

Track List

1. Hope This Finds You
2. Perfect Cosmic Storm
3. Breathing Space
4. Pick Up If You're There
5. From The Wide Open Sea
6. Salt Water falling on uneven ground
7. Summer's Lease

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WETTON DOWNES / Icon 3

2007,uk

ジョン・ウエットン(B/Vo)とジェフ・ダウンズ(Key)のユニットWETTON DOWNESの3rdアルバムIcon 3。

80年代風シンセに導かれるメロディアスで勇壮なハード・ポップ#1。
美しいコーラスとWETTON DOWNESでは毎度お馴染みヒュー・マクドウェル(Cello)の滑らかなチェロが印象的なバラード#2。
シンセ・ストリングスの8分刻みやヴォコーダーが80年代風味な#3。
毎回ゲストで女性シンガーを招いている本ユニットの今回の歌姫はアン=マリー・ヘルダー。翳りのある歌声がダークでしっとりとした曲調にぴったりの#4で、ジョン・ウェトンと素晴らしいデュエットを聴かせています。
チェロとピアノによる物悲しく端整なイントロからリズムインし、希望的なムードを垣間見せるサビに発展する#5。
ハードなギター・リフをイントロとサビに配置した#6。
ハープとチェロ、ストリングスで奏でるクラシカルなインストゥルメンタル#7。
コンパクトながらもドラマティックな展開を持つバラード#8。
80年代風シンセのブラスストリングスがリードする快活なヴァースと叙情的なサビの#9。
明るいムードでキャッチーな#10。
アン=マリー・ヘルダーがスキャットとコーラスで登場、クラシカルなメロディをジョン・ウェットンが抜群の歌唱力で歌い上げる#11。

ゲスト女性シンガーとのデュエット、ヒュー・マクドウェルのチェロ、ウェットンとダウンズ共通の嗜好という教会音楽の影響が滲み出たクラシカルなコード進行など、定番フォーマットが確立。
若干マイナー・キーに偏りつつも、美メロが随所で炸裂しております。

Track List

1. Twice The Man I Was
2. Destiny
3. Green Lights And Blue Skies
4. Raven
5. My Life Is In Your Hands
6. "Sex, Power And Money"
7. Anna'S Kiss
8. Under The Sky
9. Don'T Go Out Tonight
10. Never Thought I'd See You Again
11. Peace In Our Time

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PAATOS / Sensors

2007,SWEDEN

PAATOSの2007年発売のライブ・アルバムSensors。

限定500枚のアナログ・ヴィニール盤。ベースのステファンが経営するレコード店のレーベルMellotronenよりリリース。ライヴなので当たり前だが、オーバーダブ無しのシンプルなアンサンブルが奏功。このバンドにしか出せない独特の寂寥感がスタジオ・ヴァージョンを遥かに凌ぐ勢いで迫ってきます。見開きダブル・ジャケット仕様で7曲収録。

Track List

1. Happiness
2. Your Misery
3. Gasoline
4. Téa
5. Hypnotique
6. Absinth Minded
7. Sensor

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THE TANGENT / Not As Good As The Book

2008,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドTHE TANGENTの4thアルバムNot As Good As The Book。
ミッドライフ・クライシスをテーマにしたDisc1と長尺組曲2曲から成るDisc2との2枚組。

鮮烈なシンセのテーマ・リフに4つ打ちバスドラがキャッチーな#1。オルガンのちょっとしたオブリガードやジャジーなパートでのアダルトなムードから、ジャッコ・ジャクスジク(G)のタッピングを用いたテクニカルなギター・ソロをフィーチュアしたインスト・パートなど、器楽的要素も満載。
テオ・トラヴィス(Sax/Fl)のフルートが醸す落ち着いた雰囲気で統一された、洒落たカンタベリー風ナンバー#2。アンディ・ティリソン(Key/Vo)の流麗なピアノ・ソロ、ヘヴィなパートでのアンサンブルを持ち込み、スリリングに聴かせる起伏も。
静かな序盤から開放的に盛り上がるクライマックスまで終始リラックスしたムードが流れる#3。
サックスとオルガンがリードするイントロ、オルガンとベースのユニゾンによるミニマルなリフ、#5のイントロ的なクールな4分弱のインスト小品#4。
ズ太いシンセの単音メロディがプログレ然としていながらも、歌唱パートは弾むようなリズムに乗せてキャッチーに展開する#5。静かなパートでのアコギ、マンドリンを交えた叙情が英国っぽくて良い感じ。
幽玄なエレピにアコギ、フルートも加わった静のパートを中心に、少々ダークな動のパートを挿入した#6。
ギターのリフをベースにしたヘヴィなヴァースと、マイルドなサビの対比がおもしろい#7。

Disc2は女性シンガーをゲストに招きつつ、アンディ、ガイ、ジャッコが各曲でリード・ボーカルをとる#1。
GENESISの小品のような英国っぽい優しさと翳りを含んだメロディを軸に展開する#2。インスト・パートは、エキゾチックあり、テンポ・チェンジありで、多彩に聴かせます。

アンディ・ティリソンの味のあるボーカルを筆頭に、各パートが奏でる音にも余裕や優しさが感じられる大人のロック。
聴きやすさの中に玄人を唸らせる職人芸を忍ばせた、さすがの作品。

Track List

DISC 1
1. A Crisis in Mid-Life
2. Lost in London 25 Years Later
3. The Ethernet
4. Celebrity Purée
5. Not as Good as the Book
6. A Sale of Two Souls
7. Bat Out of Basildon

DISC 2
1. Part One - Four Egos One War
2. Part Two - The Full Gamut

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MAGENTA / Metamorphosis

2008,UK

英国の女性ボーカル・シンフォ・プログレ MAGENTAの5thアルバムMetamorphosis。

20分クラスの長尺曲#1と#3を擁する全4曲という、1st”Revolutions”や2nd”Seven”といった初期の名作を思い起こさせる”らしい”構成で、否が応でも期待は高まるというものです。
内容も期待に違わず濃厚。
クリスティーナ(Vo)の若干鼻にかかったナチュラル・ヴィブラート・ヴォイスや荘厳なシンセによるアレンジ、印象的なメロディによるコーラス・パートは健在。
要所要所で生のストリングス・セクションやこの筋では引っ張りだこのゲスト トロイ・ドノックリーによるイリアン・パイプスのスパイスを効かせ、彼ら独特のしっとりとした世界を醸成している点も初期の姿そのもの。
さらに今作では、アルバム・カヴァーのインパクトを体現したかのようなヘヴィなギター・リフも増量。
そのヘヴィさに最初はたじろぎましたが、#1は第一次世界大戦に赴く兵士の物語だし、#3に至っては精神分裂症者による連続殺人の話、ということで徐々に曲のテーマを表現する為の必然であることに気付きます。
といっても、ヘヴィ・メタルのように表層的な激しさによる表現ではなく、もっと繊細なタッチで心象風景を描くような芸風なので、構えずに奥行きのあるサウンドに身を任していればいいんですよね。
#3ラストのスライド・ギターがかぶさるリフレインや”Seven”の繊細なしっとり感を想起させる#4。
この辺りの豊かな叙情性は、うっとり没入してずっと聴いていたくなる程です。

Track List

1. Ballad of Samuel Layne
2. Prekestolen
3. Metamorphosis
4. Blind Faith

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THIEVES’ KITCHEN / The Water Road

2008,UK

元ANGLAGARDのThomas Johnson(Key)が加入したことで話題沸騰の英国のバンドTHIEVES’ KITCHEN。この2008年4thからシンガーも女性にチェンジ、くすんだ感じの声質で妖しげなメロディを歌ってます。ギタリストはわりとテクニカル。スティーブ・ヴァイが好きみたいです。ギターの音質が無機質な感じがするので、もしかしたらLine 6のPOD XT Liveをレコーディングでも使用しているのかも。(オフィシャル・サイトの使用機材に載ってた)この手のモデリング機材って色んな音がシミュレートされてて便利なんだけど、弾く人の個性も消しちゃいがちなんですよね~。 そんな事もあって、硬質なギターと幽玄なメロトロンという独特の組み合わせをベースに、変拍子と時にジャズ系不条理メロディがギターや女性ボーカルによって紡がれる、という独自のクールなサウンドを展開してます。フルートとかイイ味出してるんで、ギターさえもうちょいオーガニックな感じならなぁ~。

Track List

1. The Long Fianchetto
2. Returglas
3. Chameleon
4. Om Tare
5. Tacenda for You
6. When the Moon is in the River of Heaven
7. Plaint
8. The Water Road

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MOON SAFARI / Blomljud

2008,SWEDEN

爽やかなシンフォニック・プログ・バンドMOON SAFARIの2ndアルバム Blomljud。

アカペラ・コーラスで幕を開けるDISC1 #1。
#1を引き継ぐ15分超の大作DISC1 #2。爽やかなボーカル、ピアノやアコギの清涼感を、変拍子を含む起伏あるアレンジに自然に溶け込ませる脅威の力量を早くも見せ付けます。
ダーティなオルガンが唸る序盤のシリアスでヘヴィなタッチから一転、雄大で爽やかなシンフォニック・ロックに展開するインストゥルメンタル・チューンDISC1 #4。
シタールの味付けが効いたフォーク・タッチのDISC1 #5。
ピアノのフレーズからダークネスを湛えたパートを経てスライド・ギターが舞うシンフォニックなイントロへ移行。ピアノにメロトロンやアコギが加わるボーカル・パートを中心に、透明感あるインスト・パートが感動的なメロディを紡ぐドラマティックなハイライト・チューンDISC1 #6。
カントリーっぽいギターから始まる軽快なDISC2 #1。瑞々しいサウンドに自然な7拍子、天駆けるギター・ソロやジャジィなコード進行の洒落たコーラス・パートなど豊富なアイディアで構成。
北欧のダンス・チューンといった趣の、3連に乗るエキゾチックなメイン・メロディが印象的なDISC2 #2。
重層コーラスを中心にしたキャッチーさの中に、ハッとする転調など非凡なセンスを盛り込んだDISC2 #3。
メロディアスなボーカル・パート、スリリングなインスト・パートを配した、31分超の長尺チューンDISC2 #4。
雨の雫のような美しいピアノのアルペジオをメロトロンが優しく包むDISC2 #5。

既に完成された1stと同路線ながら、溢れる才能を抑えきれないかの如く、メロディとフックが次々に繰り出される様に圧倒される、更に磨きがかかった独自のキャッチーなプログレッシブ・ロック。

Track List

DISC1
1. Constant Bloom
2. Methuselah's Children
3. In the Countryside
4. Moonwalk
5. Bluebells
6. The Ghost of Flowers Past

DISC2
1. Yasgur's Farm
2. Lady of the Woodlands
3. A Tale of Three and Tree
4. Other Half of the Sky
5. To Sail Beyond the Sunset

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FROST / Experiments in Mass Appeal

2008,UK

英国プログレ・バンドFROSTの2008年2ndアルバムExperiments in Mass Appeal。

鮮烈な印象だった1stのオープニングから一転。今回のオープニングはいきなりの思索路線。
そう来たかと思わせといて、お待ちかねFROSTの代名詞とも言えるズ太いユニゾン・リフも#2で登場。ミステリアスな序盤からスケールの大きなサビを持つこの楽曲においても強力なフックとなっています
。突き抜け切らない高揚感(英国モノはこのサジ加減が大事!)を持つ#3のサビは思わず肩が揺れる程POPでグルーヴィ。その後の変態的アンサンブルとの落差が又効いてます。
シンセによるディストーションギター風単音メロディに導かれ、怒涛のシンフォニックな音のシャワーに突入する#5の冒頭。これは快感です。ポルタメントを効かせたシンセの高速分散和音アルペジオが興奮に追い討ちをかけます。

楽曲自体はJemお得意のデジタルグルーヴを活かしたコンテンポラリーなものですが、POPなメロディにヘヴィネスとクラブ/ダンス方面のエッセンスを加えたこのセンス。FROSTのような真にプログレスするサウンドを聴かせるバンドは他に見当たらないんじゃないでしょうか?

Track List

1. Experiments In Mass Appeal
2. Welcome To Nowhere
3. Pocket Sun
4. Saline
5. Toys
6. You/I
7. Falling Down
8. Dear Dead Days
9. Wonderland

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カテゴリー: FROST

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KARMAKANIC / Who’s the Boss in the Factory?

2008,SWEDEN

FLOWER KINGS等で活躍するベーシスト ヨナス・レインゴールド(B)率いるプログレッシブ・ロック・バンド KARMAKANICの2008年3rdアルバムWho’s the Boss in the Factory?。

便利屋ヨラン・エドマン(Vo)、ラレ・ラーション(Key)、ゾルタン・チョース(Dr)、クリステル・ヨンソン(G)を核に、ロイネ・ストルト(G)、テオ・トラヴィス(Sax)等ヨナス参加プロジェクトの人脈から豪華ゲストも参加。

メロトロンを使用した7拍子のファンタジックなリフに時折叙情を織り交ぜた初期FLOWER KINGS風イントロ。もう既にここでハートを鷲づかみにされてしまう#1。抑えたトーンではジャジーに、歪みを加えた場面ではテクニカルにと、柔軟に且つスムーズなプレイを聴かせるクリステル・ヨンソン、ズ太いシンセのソロやカラフルなバッキングにセンスの良さを感じさせるラレ・ラーション、とインスト陣の見せ場もたっぷりな19分超大作。
軽快な7拍子に乗せたポップな歌モノ#2。
ピアノとフレットレスベースによるムーディな序盤から一転、キャッチーな中にもヒネリを効かせたボーカル・メロディがやはりFLOWER KINGSっぽい#3。美しいコーラス、個性的な音使いのシンセ・ソロとピアノ・ソロ、叙情的なテーマ・メロディからピアノとベースが絡み合うクライマックス、とインストゥルメンタル・パートもドラマティック。
哀愁のサビメロを際立たせるテオ・トラヴィスのサックスが良い感じの#4。サックスのメロディが変化したのをきっかけに、インストゥルメンタル・パートに突入。ヨナスの甘いフレットレスベースを皮切りに、ロイネ・ストルトのワウを掛けた粘っこい歌うギター、テオ・トラヴィスのサックス、と職人達の味わい深いプレイが楽しめます。
雫のようにしっとりと煌びやかなピアノによるインスト#5。
#5のムードを継承しつつ、アコーディオンによるヨーロッパ風な哀愁も加えて叙情的に仕上がった#6。

どうしてもインスト陣に耳が向きがちですが、昔、イングヴェイ・マルムスティーンとの仕事では無理やりハイトーンを要求させられて苦しそうだったヨラン・エドマンの歌唱も、ナチュラルに強弱と陰影を使い分けて楽曲のドラマ性演出に大貢献。見直しました。
さすが便利屋、HR/HMからファンタジックなプログレまで幅広く仕事をこなします。
ジャケット・アートから受ける硬質なテクニカル路線との先入観とは全く違い、あくまでもメロディと歌が主役なメロディアス&シンフォニックなコンテンポラリー・プログレの良作です。FLOWER KINGSより若干翳りが増量されているところが個人的には好み。

Track List

1. Send a Message From the Heart
2. Let in Hollywood
3. Who's the Boss in the Factory?
4. Two Blocks from the Edge
5. Eternally Pt.1
6. Fternally Pt.2

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カテゴリー: KARMAKANIC

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ASIA / Phoenix

2008,UK

ジョン・ウェットン(B/Vo)、ジェフ・ダウンズ(Key)、スティーヴ・ハウ(G)、カール・パーマー(Dr)のASIAオリジナル・メンバーによるAlpha以来25年ぶりのスタジオ・アルバム2008年作Phoenix。

独特の空間処理と80年代ハイブリット・シンセ風キラキラ音が一気にあの頃を思い起こさせる、ASIAらしいメロディアスなナンバー#1。
冒頭のファンファーレとマーチング・ドラムで、これは一大プログレ大作が来るなと思わせておいて、ボーカルが入るとメランコリックで上質なAOR路線に展開する#2。
ジョン・ウェットンが抜群の歌唱力で歌い上げるバラード#3。
シンセのシーケンス・フレーズにコーラスやシタールを加えた幻想的なムードのインストゥルメンタル・パートで、カラフルなシンセのデコレーションが映える歌パートをサンドした組曲#4。
スティーヴ・ハウ得意のラップ・スティールがアクセントとなった#5。シンセ・ソロや終盤の厳かなチェンバロが良い感じです。
ピアノ伴奏にフルートやチェロを交えた序盤から、スケールの大きなバラードに発展する#6。
緩急とキラキラ音シンセでキャッチーに迫る#7。
深みのあるメロディを綴るバラードに、ドラマティックかつシンフォニックなインストゥルメンタル・パートを挿入した組曲#8。スティーヴ・ハウのアコギ・ソロ~ラップ・スティール・ソロが泣かせます。本アルバムのハイライトです。
エキゾチックなムードを漂わせたハウ作の#9。
Globusのカヴァー#10。
甘いサビメロを中心ににマンドリン、スティール、シンセが丁寧にメロディを紡ぐ叙情的な#11。
印象的なメロディを散りばめたAORナンバー#12。

広がりのある開放的なサウンド、メロディアスでキャッチーな楽曲、時に意外な曲展開やシンフォニックなインストゥルメンタル・パートにプログレ者の矜持を滲ませた、ASIAらしさの揃った好アルバムです。

Track List

1. Never Again
2. Nothing's Forever
3. Heroine
4. Sleeping Giant / No Way Back / Reprise
5. Alibis
6. I Will Remember You
7. Shadow Of A Doubt
8. Parallel Worlds / Vortex / Deya
9. Wish I'd Known All Along
10. Orchard Of Mines
11. Over And Over
12. An Extraordinary Life

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STEVEN WILSON / Insurgentes

2008,UK

自らのバンドPORCUPINE TREEの活動をはじめとして、プロジェクトや様々なバンドのプロデュース/エンジニアリング、最近ではKING CRIMSONなどの旧譜リマスターなどでも大忙しのスティーヴン・ウィルソン(Vo/G/Key)による1stソロ・アルバムInsurgentes。

繊細で鬱ながら、ヘヴィなサビではキャッチーさも感じさせるメロディがPORCUPINE TREEっぽい#1。
ローファイなブレイクビーツにオーガニックなアコギとボーカルが乗る静謐な#2。終盤の洪水のような轟音サウンドスケープもなぜか美しく響きます。
妖しいリフにアンビエントなギター、PORCUPINE TREEの盟友ギャヴィン・ハリソン(Dr)のヘヴィなドラムで不条理ダークネスの世界を構築する#3。
霧のようなパッド系シンセ、テオ・トラヴィス(Sax)のサックス、美しいコーラスが、まろやかな陶酔感をもたらす#4。
ダークなリフが終始リード。ジャムのような雰囲気でドラムとギターが呼応しながら徐々に暴力的なアンサンブルに移行する#5。
メジャーセブンスを中心とした爽やかなコードと緩やかなリズムで浮遊感を演出したメロディアスな#6。
クールでダークなリフの#7。バックの音が厚くなってもクールに不変なボーカルが逆に凄みを感じさせます。
メランコリックなアコギとピアノに音響エフェクトを加えた、神秘的なムードのインスト小品#8。
ピアノの弾き語りの静かな序盤から、多層コーラスや歪んだパワーコード、発振ノイズなどで動に移行する鬱系チューン#9。
J-POPからプログレまでジャンルを問わず世界的に活躍する筝奏者 八木美知依のプレイが、オリエンタルなムードを演出する繊細で耽美な#10。

KING CRIMSONやPINK FLOYDのDNAを受け継ぎつつ、サイケやメタル、ブレイクビーツやアンビエントな音響など多彩な要素を融合した独自の世界を持つPORCUPINE TREEと同様の方向性ではあるものの、バンドというある種の制約から開放されて才能を自由に発揮。
より美しく深みのある音楽が楽しめます。

Track List

1. Harmony Korine
2. Abandoner
3. Salvaging
4. Veneno Para Las Hadas
5. No Twilight
6. Significant Other
7. Only Child
8. Twilight Coda
9. Get All You Deserve
10. Insurgentes

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