MAGENTA のレビュー

MAGENTA / Metamorphosis

2008,UK

英国の女性ボーカル・シンフォ・プログレ MAGENTAの5thアルバムMetamorphosis。

20分クラスの長尺曲#1と#3を擁する全4曲という、1st”Revolutions”や2nd”Seven”といった初期の名作を思い起こさせる”らしい”構成で、否が応でも期待は高まるというものです。
内容も期待に違わず濃厚。
クリスティーナ(Vo)の若干鼻にかかったナチュラル・ヴィブラート・ヴォイスや荘厳なシンセによるアレンジ、印象的なメロディによるコーラス・パートは健在。
要所要所で生のストリングス・セクションやこの筋では引っ張りだこのゲスト トロイ・ドノックリーによるイリアン・パイプスのスパイスを効かせ、彼ら独特のしっとりとした世界を醸成している点も初期の姿そのもの。
さらに今作では、アルバム・カヴァーのインパクトを体現したかのようなヘヴィなギター・リフも増量。
そのヘヴィさに最初はたじろぎましたが、#1は第一次世界大戦に赴く兵士の物語だし、#3に至っては精神分裂症者による連続殺人の話、ということで徐々に曲のテーマを表現する為の必然であることに気付きます。
といっても、ヘヴィ・メタルのように表層的な激しさによる表現ではなく、もっと繊細なタッチで心象風景を描くような芸風なので、構えずに奥行きのあるサウンドに身を任していればいいんですよね。
#3ラストのスライド・ギターがかぶさるリフレインや”Seven”の繊細なしっとり感を想起させる#4。
この辺りの豊かな叙情性は、うっとり没入してずっと聴いていたくなる程です。

Track List

1. Ballad of Samuel Layne
2. Prekestolen
3. Metamorphosis
4. Blind Faith

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