ゴシック・メタル のレビュー

THE 3RD AND THE MOTAL / Tears Laid in Earth

1994,NORWAY

ノルウェーのゴシック・メタル・バンドTHE 3RD AND THE MOTALの1994年1st。

メロディはそれほどキャッチーじゃないが、とにかくダーク・スロウ・清廉な女性ボーカルの3拍子揃うと奇跡が起こるという事を世界で最初に発見したバンド。この暗鬱で不思議なトリップ感はまぎれもなくヨーロッパのバンドならではのモノだ。分裂症的曲構成がプレグレ方面からも評価されてたりした。クリーンなエレキ・ギターによるアルペジオやフロント・ピックアップを使用したロングトーン中心のソロなど、後世のバンドにも多大な影響を与えている。

Track List

1. Vandring
2. Why So Lonely
3. Atupoéma
4. Death-Hymn
5. Shaman
6. Trial of Past
7. Lengsel
8. Salva Me
9. Song
10. In Mist Shrouded
11. Oceana

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THEATRE OF TRAGEDY / Theatre of Tragedy

1995,NORWAY

ノルウェーのゴシック・メタル・バンドTHEATRE OF TRAGEDYの1995年1st。

ミディアム・スロウ・テンポを中心とした暗鬱かつヘヴィなバッキングにデス声とリヴ・クリスティン(Vo)のエンジェリック・ヴォイスが対比をなしながら乗っかるゴシック王道サウンド。楽曲やアレンジの練りはまだまだながら、リヴ嬢の歌声だけは既に究極。後年と比較するとやや線が細いが、それがかえって儚さを倍増させる要因となっている。9分近い大作#5ではリリカルなピアノと弦、そして独特な欧風フォークロア由来の切ないボーカル・メロディのみで耽美な世界を構築。アルバムのハイライトとなっている。

Track List

1. A Hamlet for a Slothful Vassal
2. Cheerful Dirge
3. To These Words I Beheld No Tongue
4. Hollow-Heartèd, Heart-Departèd
5. ...A Distance There Is...
6. Sweet Art Thou
7. Mïre
8. Dying - I Only Feel Apathy
9. Monotonë

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GATHERING / Mandylion

1995,NETHERLANDS

ギター×2とキーボードを含むオランダの6人組ゴシック・メタル・バンドTHE GATHERINGの1995年3rdアルバムMandylion。

それまではデス・メタルだったが、このアルバムからシンガーが女性のアネク・ヴァン・ガースバーゲン(Vo)に変わり音楽性もゴシック・メタルに変化。
古代帝国の女帝がピラミッドの頂上から民に向かって演説しているかのような威厳に満ちた、それでいて女性らしく伸びやかで透明感のあるアネク嬢の歌声は、バックの荘厳な演奏とあいまって一種独特なムードを演出しています。
サウンドのカギは#1の歌メロで使用されているドリアン・モードに代表されるモード(旋法)。モードの使用による神秘的なメロディの導入が同系統のバンドと一線を画す最大の要因と言えるでしょう。

いきなりこのジャンルを極めたアルバム。
ゴシック・メタルを追求するなら前述の#1、緩急の使い分けが見事な#2、サビの感動的な歌唱が胸に突き刺さりそうな#3、クリーンなギターによる寂寥感と荘厳なリフがもたらすヘヴィネスとの起伏が素晴らしい#4は必聴。惚れました。

Track List

1. Strange Machines
2. Eleanor
3. In Motion #1
4. Leaves
5. Fear the Sea
6. Mandylion
7. Sand & Mercury
8. In Motion #2

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THE 3RD AND THE MOTAL / Nightswan

1995,NORWAY

THE 3RD AND THE MOTALの1995年4曲入りEP。

シンガーが交代したが、芸風は清廉ソプラノなので問題無い。アヴァンギャルドな#1が度肝を抜く。割と普通っぽい#2でも、ギター・ソロのメロディが破綻寸前ギリギリのところでダークな不条理感を演出してるし。#3は暗黒面の環境音楽なのか?これはもう誰もマネできない独自路線だ。

Track List

1. Neurosis
2. From the Depth of Memories
3. The Meadow
4. Vavonia (part 1)

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THEATRE OF TRAGEDY / Velvet Darkness They Fear

1996,NORWAY

ノルウェーのゴシック・メタル・バンドTHEATRE OF TRAGEDYの1996年2nd。

アレンジ面が向上し醜と美の対比がより鮮明になった。メロディにも独特なフックが多数見られる反面、余り印象に残らない部分が少々感じられるのも事実。又、ドラマ性を伝えきるのに未だ長尺を要している所にさらなる成長の余地を感じる。といいつつも#5や#11では彼らならではの魅力的な個性を十二分に発揮。もう少しだ。

Track List

1. Velvet Darkness They Fear
2. Fair and 'Guiling Copesmate Death
3. Bring Forth Ye Shadow
4. Seraphic Deviltry
5. And When He Falleth
6. Der Tanz der Schatten
7. Black as the Devil Painteth
8. On Whom the Moon Doth Shine
9. The Masquerader and Phoenix

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WITHIN TEMPTATION / Enter

1997,NETHERLANDS

オランダのゴシック・メタル・バンドWITHIN TEMPTATIONの1997年1st。

シャロン・デン・アデル(Vo)の清楚で美しいソプラノ・ヴォイスを中心に据え、耽美なピアノ、荘厳なリフを刻むギター、大仰なシンセ・ストリングスによって展開される様式そのままの典型的なゴシック・メタル。曲によってはシャロンの私生活でのパートナーでもあるロバート・ウェスターホルト(G/Vo)のグロウル・ヴォイスとの醜美の対比も。ボーカルのメロディにメジャーになってからのようなキャッチーさは無いし、オーケストレーションもまだシンフォニック度は低いが、それがかえって不器用ながらも耽美かつ清楚な雰囲気を醸し出す結果となっており、ゴシック・メタルとしての完成度は高いです。先にデビューしていた先輩格のノルウェーのゴシック・メタル・バンドTHEATRE OF TRAGEDYからの影響を感じさせながらも、マタイン・ウェスターホルト(Key)のキーボード・ワークが加えた彩りで単なるフォロワーに止まらない個性を打ち出す姿勢も感じられます。表現力はまだまだだが、シャロン嬢の美声の透明感はこの1stが一番かもしれません。

Track List

1. Restless
2. Enter
3. Pearls of Light
4. Deep Within
5. Gatekeeper
6. Grace
7. Blooded
8. Candles

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GATHERING / Nighttime Birds

1997,NETHERLANDS

THE GATHERINGの4thアルバムNighttime Birds。
アネク・ヴァン・ガースバーゲン(Vo)が加入しゴシック・メタル路線になってからの2作目。

ヘヴィなリフをバックにアネクがハイトーンで歌い上げる荘厳なゴシック・メタルの#1。シンセ・ストリングスのシンフォニックな装飾とピアノのアルペジオがもたらす寂寥感がアクセントとなっています。
抑えた中音域を中心にアネクの伸びやかな歌唱が堪能できる#2。
レズリーを掛けたハモンド・オルガンとクリーンなギターによるバッキングがリードするクールなパートと、サビの激情パートが織り成すコントラストがコンパクトな中に同居した#3。
凡庸な#4,#5、珍しくアップテンポ気味の#6、と中盤が少々弱いですが、終盤に盛り返します。
ゆるやかな3連リズムに乗ったアネクの瑞々しい歌唱が母性をも感じさせる#7。
イントロのプリミティブなムードのパーカッションに導かれた、アルバム随一の耽美なメロディを持つタイトル・トラック#8。
クールにアルペジオを奏でるピアノのシンプルな伴奏をバックにアネクの多層コーラス・ハーモニーが神秘的なニュアンスでアルバムのラストに余韻を残す#9。

アネクの圧倒的な歌唱力で表現された、時にモーダルな旋律を使用した印象的なボーカル・メロディがヘヴィな装いを纏った寂寥感抜群のサウンドの上をたゆたうという、前作のパターンを踏襲した作り。しかしながらボーカル・ラインはよりメロディアスとなりアネクの表現力を活かし切るとともに、その荘厳なバンド・サウンドと合わせて典型的な女性ボーカル・ゴシック・メタルの王道を極めた感もあります。そしてこの後、GATHERINGの音楽性はアルバム毎に様々な進化を見せていきます。

Track List

1. On Most Surfaces
2. Confusion
3. The May Song
4. The Earth Is My Witness
5. New Moon Different Day
6. Third Chance
7. Kevin's Telescope
8. Nighttime Birds
9. Shrink

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THEATRE OF TRAGEDY / Aégis

1998,NORWAY

ノルウェーのゴシック・メタル・バンドTHEATRE OF TRAGEDYの1998年3rd。

端正な美旋律、醜と美、ドラマ性といった自らの特徴をよりコンパクトに纏め上げることに成功。曲タイトルもギリシア・ローマ神話から引用した単語1語でシンプルにし曲のイメージをはっきりさせている。シンセのアレンジがさらに向上し全体を覆う冷ややかでしっとりとした音像もアルバムの完成度アップに多大に貢献、彼らの最高傑作となった。ゴシック・メタルのファンなら常備すべき1枚。男性ボーカルが無理に歌わず淡々としたセリフ調のテイストで統一しており、その分リヴ・クリスティン(Vo)の歌うメロディとエンジェリック・ヴォイスが引き立てられている。端整で気品すら感じられる#6,#7はこのジャンルでの古今東西最高峰楽曲。

Track List

1. Cassandra
2. Lorelei
3. Angélique
4. Aœde
5. Siren
6. Samantha
7. Venus
8. Poppæa
9. Bacchante
10. Virago

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GATHERING / How to Measure a Planet?

1998,NETHERLANDS

オランダの(元)ゴシック・メタル・バンドGATHERINGの5thは2枚組の大作How to Measure a Planet?。前作のツアーを最後にギタリスト イェルマー・ヴィールスマが脱退し5人編成となりました。

前作Nighttime Birdsで荘厳なゴシック・メタルを極めた彼らの次なるステップは、何とトリップ/アンビエント方面への方向転換。モーダルなボーカル・メロディがクールなアップテンポのハード・ロックDISC1 #5を除き、全編をダークで鬱なサウンドが覆っています。
そこにヘヴィ・メタルな激情はもはや無く、レネ・ルッテン(G)がテルミンを使用したDISC1 #3,DISC2 #2をはじめ、DISC1 #3,#7,#8,#9等に見られるシンセ他エレクトロニカな飛び道具を駆使したスペイシーなトリップ感で各楽曲が満たされています。
ところが、ヘヴィ・メタリックなギターをほぼ排除した冷たく無機質にも感じられるバックのサウンドが、前2作を経て表現力を増してきたアネク・ヴァン・ガースバーゲン(Vo)の歌唱の持つ温かみをより引き立たせ、無機的な中にもオーガニックな感触が混在した独特な質感のムードに仕上がっているのが面白いところ。
又、良く聴くとレネ・ルッテン(G)がディジュリドゥなるオーストラリア大陸の先住民族アボリジニの木管楽器を使用したDISC2 #1、超長尺のDISC2 #5など音響に拘ったインストゥルメンタル・ナンバーや、クリーンなギター・サウンドから滲み出た本質的な寂寥感は以前と変わらぬものである事に気づきます。

リリース当時はファンタジーでも荘厳でも無いジャケット・デザインと合わせて、一聴してそのあまりの変貌振りに衝撃を覚えましたが、バンドの歴史を俯瞰した現在の状況から見ると、ゴシック・メタルの荘厳な演出に頼らずにバンドの本質であるダークな美を表現しようとした意欲作である、との認識をあらたにします。

Track List

DISC1
1. Frail (You Might As Well Be Me)
2. Great Ocean Road
3. Rescue Me
4. My Electricity
5. Liberty Bell
6. Red Is A Slow Colour
7. The Big Sleep
8. Marooned
9. Travel

DISC2
1. South American Ghost Ride
2. Illuminating
3. Locked Away
4. Probably Built In The Fifties
5. How To Measure A Planet?

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GATHERING / Superheat A Live Album

1999,NETHERLANDS

1999年の地元オランダでの公演を収録した、オランダの(元)ゴシック・メタル・バンドGATHERINGのライブ・アルバムSuperheat。

アンビエントに進化した最新作How To Measure A Planet ?から6曲(#1,#3,#4,#5,#6,#9)、ゴシック・メタル時代のNighttime Birdsから2曲(#2,#8)、Mandylionから2曲(#7,#10)と、アネク・ヴァン・ガースバーゲン(Vo)加入後3作品から選曲された全10曲を収録。

幽玄なシンセを中心に淡々としたバンドの演奏にアネクの艶やかな歌唱が乗る#1。
一転してゴシック・メタルな#2へ。強靭な歌声と繊細な歌声を場面に応じて完璧に使い分けるアネクの驚異の歌唱が見事です。
サビではアネクのパワフルな歌唱と相まってメタルなテイストが濃くなる、サンプルの無機質なビートに乗った#3。
程好く会場が暖まった所で、異色のノリノリ・ナンバー#4、内省的な#5,#6、とHow To Measure A Planet ?からの楽曲が続くも会場の反応は上々。
そして、アネクの威風堂々たる歌唱が堪能できる彼らの歴史を変えたゴシック・メタル・チューン#7。ギタリストが1人となったサウンドの穴を埋めるキーボードの多彩な演出がスタジオ盤以上に前に出ており、この時期のバンドの方向性とも巧くブレンドされています。
続いてゴシック・メタル期の名作#8と代表曲を続けてクライマックスを迎え、#9を挟んで、レネ・ルッテン(G)の操るテルミンをフィーチュアしたりとスタジオ・バージョンよりも大幅にトリップ感を増した#10。終盤に登場するアネクがエモーショナルな歌唱を聴かせます。

新作で大幅な音楽的変化があったにもかかわらず、ライブでは意外にも新旧のテイストが自然に融合しているのが面白いですね。
過渡期のバンドの生の姿を反映した記録的価値の高いライブです。

Track List

1. The Big Sleep
2. On Most Surfaces (Inuit)
3. Probably Built In The Fifties
4. Liberty Bell
5. Marooned
6. Rescue Me
7. Strange Machines
8. Nighttime Birds
9. My Electricity
10. Sand And Mercury

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WITHIN TEMPTATION / Mother Earth

2000,NETHERLANDS

オランダのゴシック・メタル・バンドWITHIN TEMPTATIONの2nd。

1stではダークなサウンドに男女ボーカルによる美醜の対比で展開する典型的なヨーロピアン・ゴシック・メタルをやっていた彼らですが、この2ndでは男声グロウル・ヴォイスを排除しシャロン・デン・アデル(Vo)の透き通ったソプラノ・ヴォイスと磨きの掛かった歌唱力を大フィーチュア。それを支えるバンド・サウンドもケルト風味やフォークロア風味を加えた雄大でポジティブなムードに大変身。
マタイン・ウェスターホルト(Key)によるシンセ・ストリングスの壮麗なオーケストレーションに、宗教的とすら言える厳かなクワイヤを配した堂々たるゴシック・メタル#1。
包容力をも感じさせるシャロンのソプラノ・ヴォイスが天空高くこだまするスケールの大きな#2。
ピアノと弦の美しい調べをバックに透明感溢れる歌声が映える美しいメロディのバラード#3。
ケルト風パイプの郷愁を誘う音色がアクセントとなったイントロから、力強さを交えたシャロンの幅広い歌唱表現が楽しめるゴシック・メタルに展開する#4。
エッジの立ったギター・リフにシンセのオーケストレーションが絡む壮大なインストゥルメンタル・パートを挿入した8分の大作#5。
ピアノの流れるようなアルペジオをバックに伸びやかな歌唱で綴る3拍子のバラード風ナンバー#6。
セルフ・ハーモナイズさせたシャロンの美声がストリングスの上をたゆたう序盤のボーカル・パートから、メロディアスなゴシック・メタルに移行する#7。
不協和音を交えた妖しいメロディが反復する小品#8。
#8をイントロに配し、スライドバーやツイン・ギターのハーモニーを使用した彼らにしては珍しいギター・ソロを盛り込んだ、壮麗で神秘的なムードの#9。
ハープのアルペジオをバックにマイルドで優しい歌唱を聴かせる#10は、もはやヒーリング・ミュージックの域。

実の所、ヘヴィな要素は#1や#4など所謂ゴシック・メタルらしい楽曲以外では各曲の特定パートにしか存在せず、全体としてはメロディを活かしたシンフォニックでソフトなテイストが濃くなり、メインストリームでも勝負できそうな仕上がりに。その為かヨーロッパで大ヒット。傑作となる次作でさらなる大ブレイクを果たす足場が固まりました。

Track List

1. Mother Earth
2. Ice Queen
3. Our Farewell
4. Caged
5. The The Promise
6. Never-Ending Story
7. Deceiver of Fools
8. Intro
9. Dark Wings
10. In Perfect Harmony

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THEATRE OF TRAGEDY / Musique

2000,NORWAY

THEATRE OF TRAGEDYの2000年作。

前作で美を極めた反動からか、突如エレクトロニックなサウンドに転換。曲タイトルも現代風というか何というか無機質なイメージだ。ベースとなるサウンドが全然違う方向に来てしまっっておりゴシック・メタルではもはや無く、ヘヴィなヨーロピアン・エロクトロニック・ポップという趣。一体この2年間に何があったんでしょうか?しかしながらリヴ・クリスティン(Vo)は今まで以上に普通に歌っており、#4の「アン、アアン、ア、アンアン、アアン」なんて部分では新味の萌えを発散している。歌唱スタイルはむしろ後のLEAVE’S EYESにより近くなっているくらいなので、彼女のファンとしてはこれはこれでありだ。

Track List

1. Machine
2. City Of Light
3. Fragment
4. Musique
5. Commute
6. Radio
7. Image
8. Crash/Concrete
9. Retrospect
10. Reverie
11. Space Age

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GATHERING / If Then Else

2000,NETHERLANDS

オランダのゴシック・メタル・バンドTHE GATHERINGの6thアルバムIf Then Else。

スペイシーなシンセのSEに導かれるオープニング・チューン#1。往年の威厳を感じさせるミディアム・スローテンポのどっしりしたリズムとヘヴィなギターがリードする展開に、フレンチ・ホルンのまろやかなトーンがアクセントとなっています。
打って変わってアップテンポでグイグイ来るハード・ロックな#2。クレジットによると、サウンドの味付けにROLANDのグルーヴ・ボックスMC-505のループも使用しているようです。
MC-505のドラム・ループと音数の少ないキーボードのリフによる冷たい感触に、アネク・ヴァン・ガースバーゲン(Vo)の瑞々しい歌唱のダークながらも温かみある情感が対比した#3。生のヴァイオリンと霧のようなシンセ・ストリングスの白玉も良い感じです。
レネ・ルッテン(G)得意のクリーン・ギターのリフがリードする前半から、バンドインとともに盛り上がり、アネクの美しいハイトーンが映える後半に展開する優しいムードの#4。
引き摺るようなヘヴィなギター・リフにアネクの女帝ボーカルが乗るゴシック・メタル・タイプの#5。ではありますが、中間部でのギター・ソロ後の荘厳なパートもシンセのエレクトロニックな装飾により、依然とはまた違った新鮮な感触に仕上がっています。
バンドの演奏に、オーボエ、ホルン、トロンボーンが加わり、ヘヴィながらもウォームに仕上がったインストゥルメンタル#6。
フェンダー・ローズの少々ダーティなトーンによるリフと、アネクの表情豊かな歌唱でミステリアスかつクールに進行する#7。#5同様、中間部の荘厳なヘヴィ・リフとエレクトロニックのコラボが新鮮でカッコ良いです。
クリーンなギターをバックに、アネクがゆったりと伸びやかな歌唱を聴かせる#8。
MC-505のドラム・ループ、ヴァイオリンとチェロ、バンドのヘヴィな演奏が融合した#9。ピアノの叙情や耽美なメロディなど、GATHERING独自のゴシック・ロックに到達した感がありますね。
生の弦にハモンドやウーリッツァーなどヴィンテージ・キーボードを絡め、仄かな叙情を描いた#10。
キーボード、ヴィブラフォン、チェロ、ホルン、トロンボーンによる、スペイシーなトリップ感を漂わせるインストゥルメンタル#11。

アンビエントな装いの前作は衝撃でしたが、本作は若干ハードなテイストも復活。ところが、#5,#7に代表されるように、質感はありがちなゴシック・メタルとは別物。奇妙でインパクトあるSEを吐き出すシンセやドラム・ループの効果的な活用と、それに相反するかのような生の管や弦の導入が見事に溶け合って、GATHERINGが本来持っているヨーロッパ的な寂寥感の演出に多大な貢献を果たしています。勿論、モーダルなメロディを中心に艶やかな美声を聴かせるアネクは健在。他とは一線を画す高みに到達した、Mandylionに続くバンド2度目のピークと断言しちゃいます。サウンドの進化を追求する姿勢は、もはやプログレ。狭隘なゴシック・メタル・ファンではなく、プログレッシブ・ロック・ファンにこそ、聴いて欲しい傑作です。

Track List

1. Rollercoaster
2. Shot To Pieces
3. Amity
4. Bad Movie Scene
5. Colorado Incident
6. Beautiful War
7. Analog Park
8. Herbal Movement
9. Saturnine
10. Morphia's Waltz
11. Pathfinder

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THEATRE OF TRAGEDY / Closure

2001,NORWAY

ノルウェーのゴシック・メタル・バンドTHEATRE OF TRAGEDYの2001年作ライブ。

初期のゴシックな雰囲気にエレクトロニック風味が共存していておもしろい、過渡期にあるバンドの姿をさらけ出したライブ。#5は原曲をアレンジしデジタル・ポップになっちゃったりして。でも不思議とそれなりに聴けてしまう。名曲#4もスタジオ・バージョンとは違う雰囲気のイントロでコレもなかなか良い。リヴ・クリスティン(Vo)の歌唱はウィスパーなスタジオ・バージョンよりも”歌っている”感じ。ハイライトは#7だ。エンジェリック・ヴォイスで煽るリヴたん。。

Track List

1. Intro/And When He Falleth
2. Der Spiegel
3. Cassandra
4. Venus
5. Black as the Devil Painteth
6. Siren
7. Poppæa
8. Bacchante
9. A Distance There Is
10. Der Tanz Der Schatten

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GATHERING / Black Light District

2002,NETHERLANDS

2002年に自身のレーベルPsychonautから出したEP。ここに来てさらにアンビエント感増量で次回作の予告編のような感じ。

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WITHIN TEMPTATION / The Silent Force

2004,NETHERLANDS

オランダのゴシック・メタル・バンドWITHIN TEMPTATIONの3rd。
ドラムとキーボードがステファン・ファン・ハストレット(Dr)、マーティン・スピーレンブルグ(Key)にそれぞれ交代。

宗教的とすら言える大仰なクワイヤが感動的に盛り上げた後の余韻の部分に、シャロン・デン・アデル(Vo)のソプラノによるスキャットが優しく浮遊するイントロ#1。
そして間髪置かずバンドと共にオーケストラとクワイヤが荘厳なリフを奏でる#2が登場。ストリングス、まろやかな管が静かなパートでのシャロンの可憐な歌唱を彩り、サビではヘヴィなギターもオーケストラの一部と化したかのような融合ぶりで、シャロンの歌唱が乗ると歌劇のようなドラマティックさで圧倒的に迫ります。
クワイヤを中心としたリフで畳み掛ける#3。荘厳なメロディのサビはもはやシンフォニーの領域。
ゴシック・メタルな質感とサビでの壮大な管を中心としたシンフォニックな要素が互いを引き立てる名曲#4。
前作のケルト風味を継承した笛の音色が印象的な#5は、シャロンの艶やかな歌声がストリングス・セクションの雲の上をたゆたうバラード。
キャッチーなサビを中心にオーケストラのデコレーションが自然に溶け込んだ#6。
タイトル通りシャロンの天使のような美声をフィーチュアした#7。
ピアノのアルペジオとストリングス、典雅なハープをバックにシャロンが優しく歌い上げる#8。
オーケストラとエレクトリカルなサンプルを融合させて、悲劇的なメロディを紡ぎ上げた#9。
管弦楽のインストゥルメンタル・セクションをフィーチュアした#10。
雄大なスケールのボーカル・メロディを切々と歌うシャロンをオーケストラが包み込む#11。

シャロンの圧倒的な表現力と、何度もトリ肌が立つ劇的なオーケストレーションにより、聴いた後に心地好い疲労感すら覚えます。シャロンはソプラノの美しさも良いですが、中音域での母性をも感じさせる柔らかな感触も魅力です。本作はそんなシャロンの美しいボーカルを活かしたシンフォニックなスタイルをさらに推し進め、ケルトなメロディをヒントにメロディアスさを打ち出した前作とは打って変わり、完全にオリジナルな扇情力抜群のマイナー調メロディを大幅増量。よりスケールが大きく、ドラマティックなシンフォニック・ゴシック・メタルに進化を遂げた超名盤です。

Track List

1. Intro
2. See Who I Am
3. Jillian
4. Stand My Ground
5. Pale
6. Forsaken
7. Angels
8. Memories
9. Aquarius
10. It's The Fear
11. Somewhere

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THEATRE OF TRAGEDY / Storm

2006,NORWAY

THEATRE OF TRAGEDYの2006年6th。

前作Assemblyでデジ・ロックな方向性を進めるバンドと音楽性の相違により脱退したリヴ・クリスティンに替わり、ネル・シグランド(Vo)が新たな歌姫の座に。エンジェリック度はややリヴ嬢に劣るものの水準以上の実力の持ち主で、歌唱は完璧。こんな声好きですね。曲調もデジ・ロックで鍛えたリズム面を強調しながら、メタル風味も復活。かつてのダークで耽美だがともすると一本調子だったゴシック・メタルから、新境地を切り開いた感がある。そう考えると最近2作の寄り道も無駄ではなかった。曲調、メロディのバリエーションも豊富。#1以外にも強力な曲が欲しいがそれは今後に期待するか。

Track List

1. Storm
2. Silence
3. Ashes and Dreams
4. Voices
5. Fade
6. Begin and End
7. Senseless
8. Exile
9. Disintegration
10. Debris

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DELAIN / Lucidity

2006,NETHERLANDS

元WITHIN TEMPTATIONのKeyマタイン・ウェスターホルトによるゴシック・メタル・プロジェクトDELAINの2006年作。マタインのシンセによるオーケストレーションが現WITHINとは又違うニュアンスでの壮麗なサウンドを醸成し、無名の新人シャルロット嬢(19才!)によるクセの無い美声がその上をたゆたう。ただ、若干淡白な印象も。ゲストのシャロン嬢が4で現在のWITHINでのそれよりも繊細な歌声を聴かせる。表現力はさすがに彼女の方がはるかに上だ。さらにLEAVE’S EYESのリヴ・クリスティーンが#5,#10に参加。#5の2番を歌っているのはリヴ嬢。独特のエンジェリック・ヴォイスはさすがにムードあります。#10でも浮遊感たっぷりでウットリします。と思ったらマルコ・ヒエタラのパワフルな歌唱で突如現実に引き戻されたりして・・・

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WITHIN TEMPTATION / The Heart of Everything

2007,NETHERLANDS

オランダのゴシック・メタル・バンドWITHIN TEMPTATIONの4thアルバムThe Heart of Everything。

混声クワイヤとプラハ・フィルハーモニック・オーケストラが織り成す荘厳な装飾、オケに溶け込んだ単音主体のソリッドなギター・リフ、そして硬軟織り交ぜた多彩かつ圧倒的な表現力を見せ付けるシャロン・デン・アデル(Vo)の歌唱が一体となり威厳すら感じさせるオープニング・チューン#1。
シャロンの蕩ける様な美声に導かれ、同じレーベル(本作よりROADRUNNERに移籍)所属のゲスト・シンガー キース・キャプートのデュエットで展開する#2。
切ない表情を見せるシャロンの歌唱がグっと来る#3。
混声クワイヤが宗教的とも言える高揚感をもたらす、理想的な荘厳ゴシック・メタル・チューン#4。
リズム・セクションとシンクロしたヘヴィなギター・リフに乗り、ヴァースでのワイルドな歌唱とサビでのクリーンな歌唱を使い分けたタイトル・チューン#5。
ストリングス・セクションとピアノがリードがするオケをバックに、シャロンが艶のある美声でキャッチーなメロディを歌う#6。ゲストのフィドルと珍しいツイン・リード・ギターもアクセントになっています。
バンド主体の演奏に、ゲストのチェロとエフェクトを掛けたシャロンのヴォイスがちょっとしたフックとなった#7。
シャロンが息づかいの生々しい歌唱を聴かせる#8。
アコギのアルペジオにチェロが絡みサビに向けて盛り上がるストリングスをバックに、シャロンがファルセットを含め繊細で優しく歌う希望的なメロディのバラード#9。
一転して、物悲しくもドラマを感じさせるイントロから、クワイヤとストリングス、ギターが荘厳にリフを奏でる得意の3連系ゴシック・ナンバー#10。
ピアノをバックに、しっとりと囁くような歌唱で綴るバラード#11。

前作・前々作あたりで見せたあからさまなケルト風味は影を潜め、#6のフィドル・パートのようにアレンジの一貫として完全に消化。名盤である前作The Silent Forceと同様、バンドとオケが一体となってのゴージャスなシンフォニック・ゴシック路線はもはや完成の域に。

Track List

1. The Howling
2. What Have You Done
3. Frozen
4. Our Solemn Hour
5. The Heart Of Everything
6. Hand Of Sorrow
7. The Cross
8. Final Destination
9. All I Need
10. The Truth Beneath the Rose
11. Forgiven

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GATHERING / A Noise Severe

2007,NETHERLANDS

GATHERINGの2007年3月のチリ公演の模様を収録した2枚組ライブ、2007年作A Noise Severe。

全体的にオーディエンスの歓声が大きめにミックスされており盛り上がりが凄まじい。
オープニングから物凄い事になっています。バンドのプレイは一部で危ない部分もあるが、それを補って余りあるアネク・ヴァン・ガースバーゲン(Vo)の艶のある歌唱が素晴らしいです。セット・リストも新旧の名曲を上手く並べ、さながらアネク時代の総集編の様相。やはり、というべきかLeavesやEleanor, Strange Machinesといった曲ではイントロからオーディエンスが爆発。

Track List

Disc 1
1. Shortest Day
2. In Between
3. Liberty Bell
4. Probably Built In The Fifties
5. Even The Spirits Are Afraid
6. Saturnine
7. Monsters
8. Alone
9. A Noise Severe
10. Leaves
11. Eléanor
12. In Motion #1

Disc 2
1. Waking Hour
2. On Most Surfaces
3. Strange Machines
4. Adrenaline
5. Third Chance
6. Black Light District
7. Travel

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