PORCUPINE TREE のレビュー

PORCUPINE TREE / Signify

1996,UK

スティーヴン・ウィルソン(G/Vo)率いる英国のプログレッシブ・ロック・バンドPORCUPINE TREEの1996年4thアルバムSignify。

イントロ的な#1に続き、単音のハード・ロック風リフが延々と繰り返す緊張感の中、シンセによる上物がミステリアスなデコレーションを施すインスト#2。
静かな序盤からサビではクールな激情に発展する、ダークな叙情チューン#3。
SE的小品#4。
コンテンポラリーなフォークといった趣にミステリアスなテイストを加味した#5。
#5のムードを引き継ぎ、ベースとパーカッションによるグルーヴと鍵盤やギターのサウンドスケープによって起伏を生み出す#6。
モーダルなボーカル・メロディに緊張感漂う序盤と、メロウなサビを対比させた#7。
パーカッションとまろやかな笛のメロディがもたらすエキゾチックなムードから、シンセのミニマルなリフとドラムのビートが加わり、スペイシーなトリップ・ミュージックに発展するインスト#8。
アコギのカッティングにエフェクト処理されたボーカル、スライド・ギターと多層コーラスでマイルドかつサイケなムードを醸し出す#9。
ベースの2小節パターン・リフに、ギター、シンセ、ピアノ、その他様々なエフェクトが加わり浮遊するトリップ・インスト#10。
白玉中心のパッド系シンセとコーラスが寄せては返し、霧のように立ち込める#11。
ゆったりとした7拍子にメロウなサビのボーカル・パートを配し浮遊する#12。

歌モノは基本的にキャッチーなメロディアス・パートを持ちつつも、アンビエントな装飾による思索的なムードが加わることで決して安っぽくならず、インテリジェンスと気品を保っているところが英国らしくて良いです。
全体的にトリップ感抜群のインストゥルメンタルの比重が高く、深遠でダークなPINK FLOYDとでもいった感じ。

Track List

1. Bornlivedie
2. Signify
3. The Sleep of No Dreaming
4. Pagan
5. Waiting - Phase One
6. Waiting - Phase Two
7. Sever
8. Idiot Prayer
9. Every Home is Wired
10. Intermediate Jesus
11. Light Mass Prayers
12. Dark Matter

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PORCUPINE TREE / Stupid Dream

1999,UK

スティーヴン・ウィルソン(G/Vo)率いる英国のプログレッシブ・ロック・バンドPORCUPINE TREEの1999年5thアルバムStupid Dream。

ストリングスとアコギをバックにしたメロディアスなボーカル・パート、スライド・ギターのスペイシーなオブリガードにPINK FLOYDの影がちらつく#1。終盤には、ヘヴィなリフ・パートから抑えたトーンのギター・ソロへ至る部分や謎の番号を繰り返す管制塔風なナレーションSEまでPORCUPINE TREEらしいインテリジェンスな深みも。
アコギとピアノのシンプルなバッキングに、グランジ風なギター・リフとスペイシーなスライド・ギターがアクセントとなったキャッチーな#2。
#2と#4を繋ぐSEインスト#3に続く#4はアコギのカッティングがリードするメロディアスなフォーク・ナンバー。グロッケンのようなキラキラした音が印象的です。
ベースのグルーヴィなリフに、長三度と短三度のアルペジオを交互に繰り返すピアノが乗り不安定なトリップ感を醸し出す#5。
心象風景を映したかのようなSEを交えた沈鬱なヴァースから、深遠なストリングスをバックに盛り上がるサビへと展開する#6。インスト・パートでは静かな部分のフルートと激しく盛り上がる後半のサックスでテオ・トラヴイスが客演しております。
軽快なリズム・パターンとアコギのカッティングにメロトロンも加わり優しく進行するフォークに、ハード・ロック的なエッジを持ったパートを内包した#7。
神秘的で妖しいムードの序盤から、いつの間にかコーラス・ハーモニーの美しいフォークへとドラマティックに移行する#8。
アコギのカッティングとスライド・ギターのオブリガードをバックに優しいボーカルが乗る爽やかなフォーク#9。
アコギのメイン・テーマ・メロディにピアノやストリングスが絡み、トレモロを効かせたギターと深みのあるストリングスで神秘的に浮遊するサビに展開するダークなバラード#10。
カリギュラ等で知られるイタリア人映画監督ティント・ブラスの名を冠したインストゥルメンタル・ナンバー#11。女性による妙なイントネーションの日本語ナレーションとヘヴィなギター・リフがクールにキマってます。
ピアノとリズム隊のシンプルな演奏に美しくも儚げなボーカル・メロディが乗る#12。

ポジティブで開放的なムードを持つアルバム序盤#1~#4や、メロディアスな中にも英国的な深みを感じさせるフォーク#7、#9あたりはメインストリームでも勝負できそうな取っ付き易さで、実験的要素が強かった前作からの変貌に驚きますが、トリップ感漂う5#や#11に代表される音響的仕掛けが全曲のそこかしこに施されており、結局何をやってもPORCUPINE TREEらしい印象を残す歌モノ路線への転換作。

Track List

1. Even Less
2. Piano Lessons
3. Stupid Dream
4. Pure Narcotic
5. Slave Called Shiver
6. Don't Hate Me
7. This Is No Rehearsal
8. Baby Dream In Cellophane
9. Stranger By The Minute
10. A Smart Kid
11. Tinto Brass
12. Stop Swimming

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PORCUPINE TREE / Lightbulb Sun

2000,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドPORCUPINE TREEの2000年7thアルバムLightbulb Sun。

アコギのカッティングがリードするフォークに、控え目ながらも浮遊感をもたらす鍵盤群の装飾とヘヴィなギターのアクセントによるPORCUPINE TREEらしい個性が付加された#1。
くすんだピアノの弾き出す妖しいワルツに乗って、レトロで不気味なファンタジーを描いた#2。GENESIS風コーラスとオートハープの音色が良い感じです。
一転して、パーカッション等エスニックな装飾を印象的に活用したキャッチーな#3。
暗鬱なメイン・テーマのリフレインから、メロディアスかつウォームな叙情を醸すサビに展開する#4。アコギやバンジョーの響きがトラッド風にも感じられる神秘的なフォークの前半と、フェンダー・ローズが浮遊する思索パートの後半から成る#5。
アコギやスライド・ギターのシンプルな演奏にストリングスを加え、ハートウォーミングに仕上がったフォーク小品#6。
3小節パターンによってズレる錯覚を引き起こす中間部のリフにインテリジェンスを感じさせる、クールな思索プログレ#7。
バックのアコギのカッティングに対するモーダルなボーカル・ラインが、独創的なメロディを生み出すフォーク#8。
トレモロを掛けたエレピとギター、冷え冷えと漂うシンセ・パッドが醸し出すアンビエントな空間に鬱なボーカルが乗る#9。ストリングスを加えてシンフォニックに盛り上がるも、ここは「シンフォニックなプログレはあまり聴かなかった」スティーヴン・ウィルソンらしく、仰々しいというよりは端整なテイスト。後半のインスト・パートではヘヴィなギター・リフに音響効果を交えた、得意の不条理トリップ空間が爆発する13分超の大作。
クリーンなギターの単音リフにアコギ、ストリングス・セクションをバックに、抑えたトーンのボーカルが淡々と流れる耽美なバラード#10。

全曲が歌モノとなり取っ付き易さを増すと共に、各曲のキャラも際立って来ました。
異色なテイストの#2や#3などには、スティーヴン・ウィルソンの引き出しの多さに驚嘆の念を抱くほどです。
キャッチーなんですが、思索的インテリジェンスと仄かな叙情を忘れない英国らしさも健在しております。

Track List

1. Lightbulb Sun
2. How is Your Life Today?
3. Four Chords That Made a Million
4. Shesmovedon
5. Last Chance to Evacuate Planet Earth Before it is Recylced
6. The Rest Will Flow
7. Hatesong
8. Where We Would Be
9. Russia On Ice
10. Feel So Low

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PORCUPINE TREE / In Absentia

2002,UK

PORCUPINE TREEの2002年7thアルバムIn Absentia。

新加入ギャヴィン・ハリソン(Dr)が叩き出す雷鳴の如きドラムと、スティーヴン・ウィルソン(G/Vo)がOPETH作品のプロデュース・ワークから影響を受けたこと明白なヘヴィなギター・リフが完全にシンクロ。この、メガトン級パンチを無慈悲に繰り出す凶暴なイントロと、間髪置かずして始まるクリーンなメジャー7thコードに乗って浮遊する超キャッチーな歌唱パートとのギャップが快感な#1。サビのコーラスがまた美しい。
#1との落差を強調するアコースティックで内省的な佇まいから、力強いエレキによるカッティングを交え、トリップ感を含んだロックに展開する#2。バンジョーのソロにおけるエキゾチックなテイストも印象に残るフックとなっています。
アコギのアルペジオをベースにした神秘的な#3。
7拍子のクールなリフから叙情的なサビに移行する#4。
シンセのサウンドスケープとローファイなエレクトロニック・ビートがリードする神秘的な#5。
中間部ではまたしてもヘヴィなギター・リフが登場。激しいリフで押し捲るヘヴィ・メタリックなインストゥルメンタル・ナンバー#6。
スライド・ギターがたゆたう気だるいムードから広がりのあるサビに展開するサイケな#7。
冷気を帯びたストリングス・セクションとうねるベース
・ラインという対象的な要素が同居した#8。マシンのような単調なリズムに乗せて、ミステリアスなムードのエフェクト・ヴォイスがトリップ感をもたらす#9。
エレピとアコギによるリフを、多層コーラスのオーガニックな叙情が包み込む#10。
ベースのリフに乗せてクールに展開する中、ヘヴィなギター・リフがアクセントとなった#11。
端整なピアノとストリングスがリードする、神々しさすら感じさせるバラード#12。

メロディアスな作風は前2作の流れを引き継ぎ、そこに破壊力抜群のヘヴィネスが加わることで、従来からの暗い叙情や静かな神秘性との振れ幅が大増量。各楽曲中あるいはアルバム通しての起伏がより表情豊かになった代表作です。

Track List

1. Blackest Eyes
2. Trains
3. Lips Of Ashes
4. The Sound Of Muzak
5. Gravity Eyelids
6. Wedding Nails
7. Prodigal
8. .3
9. The Creator Has A Mastertape
10. Heartattack In A Layby
11. Strip The Soul
12. Collapse the Light Into Earth

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PORCUPINE TREE / Deadwing

2006,UK

スティーヴン・ウィルソン(G/Vo)率いる英国のプログレッシブ・ロック・バンドPORCUPINE TREEの8thアルバムDeadwing。

テクノ風シンセのシーケンス・パターンにハード・エッジなギター・リフが乗って疾走する#1。中間部にメロディアスなパートと若干の思索パートを盛り込み、展開の妙を見せるPORCUPINE TREEならではの楽曲。
音の間を活かした70年代ロック風ギター・リフがグルーヴィな#2。サビでは超ド級ヘヴィ・リフとギャヴィン・ハリソン(Dr)のパワフルなドラミングが絶妙にシンクロしています。
もはやお家芸とも言える、清廉なメロディのボーカル・チューン#3。リチャード・バルビエリ(Key)の白玉シンセとスティーヴンの囁くような歌唱が爽やかさを演出。
ベースのリフがリードするファンキーさの中に、屈折した音響効果をスパイスに加えた#4。
繰り返されるギターのアルペジオが誘発するトリップ感を軸に、霧のようなシンセやヘヴィなリフ・パートを加え、起伏を生み出す思索路線12分超の#5。
リズム・ボックスの無機的シンプル・ビートに、アコギの優しいカッティングやメロトロンによる足踏みオルガンやクワイヤの有機的なサウンドが乗った不思議なムードの#6。
ダークでトリッキーなリズムをベースにした歌唱パート、ヘヴィなギター・リフ、センチメンタルでメロディアスなサビと、バラバラになりそうな要素が奇跡の融合を果たした#7。
4拍子+5拍子のクールな歌唱パートからサイケなブリッジを経て、メロディアスなサビに展開する#8。終盤での叙情から激情への移行が感動的です。
レコードのスクラッチ・ノイズのSEから始まる、スペイシーかつサイケなムードのトリップ・チューン#9。

様々な音楽的バックボーンを随所に垣間見せながら、最終的にはPORCUPINE TREEのスタイルとして纏め上げてしまう貫禄の1枚。#1、#4の変態的なギター・ソロでエイドリアン・ブリュー、#1、#3、#5のバッキング・ボーカルでOPETHのミカエル・オーカーフェルトが客演しています。(ミカエルは#5で渋いフレージングの2ndギター・ソロも)

Track List

1. Deadwing
2. Shallow
3. Lazarus
4. Halo
5. Arriving Somewhere But Not Here
6. Mellotron Scratch
7. Open Car
8. Start of Something Beautiful
9. Glass Arm Shattering

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PORCUPINE TREE / Fear of a Blank Planet

2007,UK

スティーヴン・ウィルソン(G/Vo)率いる英国のプログレッシブ・ロック・バンドPORCUPINE TREEの9thアルバムFear of a Blank Planet。

引きこもりの少年を題材としたコンセプト・アルバムということで、その少年のものだろうか、パソコンのキーを叩く音で始まる#1。ズ太いギターのリフも飛び出すアップテンポだがダークなサウンドに、スティーヴンのエフェクトで加工した無表情のボーカルが乗るノリの良いオープニング・チューン。リチャード・バルビエリ(Key)の冷ややかな感触のストリングス系シンセが、サビでバンド・サウンドに広がりをもたらしています。
モジュレーションを掛けたエレピが幽玄なムードを醸し出す、暗鬱フォーク#2。繊細なサビは極上の美しさ。
続く#3は17分超のハイライト・チューン。パーカッシブなドラム・パターンとシンセのサウンドスケープをバックにボーカルが綴られる序盤。やがて普通のリズム・パターンとなり、ギター・ソロを経由して4拍子のバックに5拍子パターンのギター・リフがポリリズム的に絡んで進行するトリッキーなインスト部から豪放なサビに移行する中間部。ギャヴィン・ハリソン(Dr)のパワフルかつステディなフィル・インが、アンサンブルの舵取りを果たしているようです。ここのサビと不条理ヘヴィ・リフ、本アルバムで最も(且つ唯一)アドレナリンが噴出する部分ですね。終盤はスロー・テンポにシフト・チェンジして再びダークにクール・ダウン。
タイトル通りセンチメンタルなピアノがリードする端整な#4。ダークな中に、普遍的な美しさを持つサビメロを内包する得意のパターンです。
沈痛なボーカル・パート、霧のような多層白玉シンセ、突如現れる凶暴なギター・リフ、と曲中で様々な表情を見せる#5。
フィルターの掛かったシンセのシーケンスをベースにやがて中近東ムードのストリングス・セクションが被さり、妖しくエキゾチックなムードでアルバムを締めくくる#6。

メタリックさと叙情がもたらすコントラストが明快だった前作と比べると、やや平坦な第一印象ではありますが、先の読めない展開の妙や実は複雑なリズムのアイディアなどマニアックな仕掛けが多数盛り込まれています。RUSHのアレックス・ライフソンが#3でギター・ソロを客演、元HATFIELD AND THE NORTHのデイヴ・スチュワートも参加、と人脈的にも意外な広がりを見せています。

Track List

1. Fear Of a Blank Planet
2. My Ashes
3. Anesthetize
4. Sentimental
5. Way Out Of Here
6. Sleep Together

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PORCUPINE TREE / The Incident

2009,UK

スティーヴン・ウィルソン(G/Vo)率いる英国のプログレッシブ・ロック・バンドPORCUPINE TREEの10thアルバムは2枚組のThe Incident。

ディスク1は、コンセプト・アルバムでは無いものの、フィクションを含めスティーヴン・ウィルソン自身や世の中で起こっている様々な「出来事」をテーマにした14の組曲。
以前同様静動の対比が生み出すレンジの広さがある種の聴き所であるのに加え、今回は轟音リフのヘヴィネスとフォーキーなアコギのカッティング、パワフルな生身ビートとエレクトロニックな無機質ビート、といった相反する要素が小曲単位で巧みに配され、各曲が切れ目無く繋がっていることも相まって、14曲を一気に聴かせる手腕がますます冴え渡っています。
歌メロが一貫して不思議なねじれ感を持った独特の暗くクールなテイストで紡がれており、「出来事」を受け入れるしかない不条理な様を表現しているようでもあります。
ハイライトは11分超の#9。アコギのカッティングをメインのモチーフとしながら、中間部ではダークなギターのアルペジオにフィードバック寸前のギターのロングトーンがうねるスペイシーな思索/トリップ・パートを配した得意のパターン。カッティングにボーカルが被さる部分が、プロデュースなどで交流のあるOPETHの雰囲気に何となく似ているのが興味深い所。
そして再び#1のリフが登場する#10と来て、メロトロンも交え暗い叙情で余韻を残して締める#14、というトータルの構築性も見事。

ディスク2も単なるアウトテイクに終わるはずも無く、ゆったりしたモダン・サイケな#1、ギター・リフのヘヴィネスやローファイ・エフェクトの使用などアイディアが盛り沢山の#2、くすんだエレピがリードする浮遊ポップ・ナンバー#3、心地良いキャッチーな歌メロ・パートとヘヴィなパートを対比させた#4など、ディスク1とは全く異なるムードでいながらそれぞれ個性的な楽曲に纏め上げています。

スティーヴン・ウィルソンの底知れぬ才能と創造性を見せ付けた充実作です。

Track List

DISC 1
1. Occam's Razor
2. The Blind House
3. Great Expectations
4. Kneel and Disconnect
5. Drawing the Line
6. The Incident
7. Your Unpleasant Family
8. The Yellow Windows of the Evening Train
9. Time Flies
10. Degree Zero of Liberty
11. Octane Twisted
12. The Seance
13. Circle of Manias
14. I Drive the Hearse

DISC 2
1. Flicker
2. Bonnie the Cat
3. Black Dahlia
4. Remember Me Lover

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PORCUPINE TREE / Closure/Continuation

2022,UK

13年ぶりのリリースとなったPORCUPINE TREEの11thアルバム。

ベースのリフに導かれた硬質なムードを切り裂くヘヴィなギターが爽快な#1。
スティーヴン・ウィルソン(G/Vo/B)のソロに近い感触のメロディアスな歌唱パートと金属的な器楽パートが交互に展開する#2。
ドラムとシンクロしたヘヴィな不条理リフと妖艶なスキャットが印象的な#3。
英国っぽいメロディアスな歌ものを軸に、浮遊感ある深遠なサウンドスケープなどを交え感動を増幅させる#4。
様々な歌唱表現と変拍子に乗せた緻密なアレンジで静と動を聴かせる#5。
ミステリアスかつスペイシーな#6。
アコギがメランコリックなムードを醸成する前半から、軋む様なヘヴィ・ギターがアンサンブルをリードする後半へ移行する#7。

ベーシストが不在。スティーヴン・ウィルソン、リチャード・バルビエリ(Key)、ギャヴィン・ハリソン(Dr)によって制作。
アルバム・タイトルClosure/Continuationは閉鎖か継続か、どう転ぶかわからないバンドの将来に含みを持たせたものらしい。
スティーヴン・ウィルソンのソロではバラエティに富んだポップ寄りな作風でメインストリート感が眩しかったが、バンドPORCUPINE TREEではよりダークで深遠な世界を醸成。

Track List

1. Harridan
2. Of the New Day
3. Rats Return
4. Dignity
5. Herd Culling
6. Walk the Plank
7. Chimera's Wreck

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