PAIN OF SALVATION のレビュー

PAIN OF SALVATION / Panther

2020,SWEDEN

ダニエル・ギルデンロウ(G/Vo)率いるスウェーデンのプログレッシブ・ロック・バンドPAIN OF SALVATIONの10thアルバムPanther。

シンプルだが印象的なシンセのモチーフと小刻みなビートが絡み合いスリリングに展開。ダニエル・ギルデンロウの絞り出すような歌唱が冷徹なSEと融合し独自のグルーヴを生む#1。
ドロ臭い音使いのリフだが、ダウン・チューニング(7弦ギター?)でスタイリッシュなヘヴィネスに仕上げた#2。
静寂の寂寥感とそれを打ち破る暴虐が対比する#3。
流れるようなピアノのリフレインをベースにメロウな歌メロで展開。サビではそれまでの張り詰めた緊張感が炭火のような温かさで溶かされる美しい#4。
シンセのシークエンス・フレーズにアコギやバンドが絡み大きなうねりを生む#5。
おそらくマンドリン等のアコースティック楽器によるインストゥルメンタル小品#6。
エレクトロニカのパターンにラップが乗る#7。
モーダルなトラッド風味が意表を突く#8。
郷愁をそそる歌メロを中心に、エモーショナルなギター・ソロや不穏なヘヴィ・パートを織り交ぜた13分超えのエピック・チューン#9。

歌唱やギター、ドラムスなどの有機的な熱情、シンセやエレクトロニカによる冷たい無情、これらが緻密な変拍子に乗って明暗や静動を描く。ギターのパワー・コードは、もはやサウンドスケープの一要素となり、主役はほぼほぼエレクトロニカだが不思議とヘヴィな質感があり唯一無二のPAIN OF SALVATIONサウンドになっている。
各曲ともテーマ・メロディや歌メロは意外と普遍的で、独創的な楽曲展開と斬新なアレンジの中に埋もれることなく全体としてはスタイリッシュかつキャッチーな印象を残す。

Track List

1. Accelerator
2. Unfuture
3. Restless Boy
4. Wait
5. Keen to a Fault
6. Fur
7. Panther
8. Species
9. Icon

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